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地方財政ダッシュボード

福岡県新宮町の財政状況(2021年度)

🏠新宮町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

たばこ税の減や市町村民税の算入額の減等により基準財政収入額が減となったことや人口の増加に伴う教育費や厚生費の増により基準財政需要額が増となっていることから財政力指数は微減した。また、令和3年度については、普通交付税の再算定により基準財政需要額がさらに伸びたことも財政力指数の減に影響している。今後も人口の増加や施設整備に係る公債費の増に伴う需要額のさらなる拡大が見込まれるため、歳入の確保に努め財政基盤を強化する必要がある。

経常収支比率の分析欄

総務費や土木費に係る物件費や学校建設時に発行した地方債の元金償還開始に伴う公債費の増により経常的支出が伸びているが、普通交付税や臨時財政対策債等の経常的収入の伸びの方が大きかったため経常収支比率は11.5ポイント改善されている。類似団体平均値を下回っているが、今後は、人口増加の影響による物件費や扶助費の増、また、公債費についても引き続き学校建設時に発行した地方債の元金償還が続くため、さらなる業務の効率化による経費削減を図り、弾力性のある財政運営の実現に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費と物件費ともに増加し、前年度より人口1人当たりの決算額が増加した。人件費の増については、会計年度任用職員に係る費用の増が要因である。物件費の増については、ふるさと納税事務の拡大による委託料の増が大きな要因である。次いで、新型コロナウイルスワクチン接種関連事業費による増が大きな要因である。なお、類似団体と比べ大きく上回っている要因は、物件費のふるさと納税関連事業費によるものである。

ラスパイレス指数の分析欄

適正な給与体系を維持し、類似団体平均を上回らないように努めている。当町は職員数が少ないために、経験年数階層の変動の影響が大きい。令和3年度は職員の6号昇給、または昇格により平均給料が上昇したことが影響してラスパイレス指数が前年を上回った。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画による職員数の適正化に努めている。人口の増加に伴い増加した事務量や団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題の対応に備え、令和元年度から令和5年度は職員数を増やす方針としている。今後も類似団体平均数値等に注視しながら、当町の実情に照らした定員管理を実施していく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、前年度から0.1ポイント増加した。臨時財政対策債や複数年事業である新設中学校整備事業の一部の元金償還開始に伴い、償還金が増加したことが要因となっている。現在も地方債を財源とした施設整備事業を実施しているほか、まだ償還が開始されていない新設中学校整備事業債も保有しているため、実質公債費比率の上昇が見込まれている。今後も普通交付税の算入率が高い地方債を活用するなど、急激な負担の増加にならないように努める必要がある。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度と比較して26.3ポイント減少している。これは、財政調整基金、ふるさと応援基金、減債基金等の充当可能基金が増となったことや普通交付税額及び臨時財政対策債の発行可能額の増により標準財政規模が増となったことが影響している。今年度の将来負担比率は大きく減少したものの、人口増に伴い新設小中学校の整備事業を行ったことなどにより、依然高い水準となっている。そのため、地方債発行の抑制を行い地方債残高の圧縮に努めるなど、計画的な財政運営が必要である。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

人件費は会計年度任用職員制度の改正に伴い令和2年度に経常収支比率は悪化していたが、令和3年度は歳入の経常的一般財源の伸びが大きいため3ポイント改善された。

物件費の分析欄

物件費については、令和3年度は都市計画費や公園管理費等の経常的支出が微増したが、歳入の経常的一般財源の伸びが大きかったことにより2.1ポイント改善された。しかし、物件費が類似団体と比較しても高いことには変わりなく、特にここ数年の人口増加により教育関係の物件費が増加していることに注視し、今後は更なる事務の効率化を図り、経費削減に努める必要がある。

扶助費の分析欄

扶助費は前年度から1.4ポイント減少しており、これは児童福祉関係の扶助費が減少したことと歳入の経常的一般財源が伸びたためである。しかし、人口の増加などによる影響で扶助費が増加傾向であることに変わりはなく、特に障害者福祉関係などの社会福祉関係の伸びが顕著となっている。今後は人口の増加は落ち着いてくると見込まれ、児童福祉関係については減少傾向だと思われるが、社会福祉関係の動向については注視する必要がある。

その他の分析欄

後期高齢者医療広域連合や介護保険広域連合への繰出金の減少や歳入の経常的一般財源が伸びにより1.8ポイント改善している。平成30年度に大きく減少しているのは、公共下水道事業の法適化により、繰出金から補助費へと負担金の支出の性質が変わったことによるものである。今後は施設の老朽化や人口増加に伴う公共施設の建設などにより維持補修費の増加が予想される。特別会計における経費の節減や公共施設の適正な管理により、類似団体平均を上回らないように努める。

補助費等の分析欄

補助費については、一部事務組合に対する負担金が増加したが、公共下水道負担金の減少や歳入の経常的一般財源が伸びたため2.0ポイント改善している。今後も適正な補助金等の交付など、経費の節減に努める必要がある。

公債費の分析欄

ここ数年の新設小中学校及び周辺整備事業などの地方債を財源とした大型事業実施により公債費は増加傾向にある。今年度は学校教育施設等整備事業の地方債の元金償還開始により公債費自体は伸びたものの、それ以上に歳入の経常的一般財源が伸びたため1.2ポイントの減少となった。現在も地方債を財源とした事業を実施しているほか、まだ償還が開始されていない新設中学校整備事業債も保有しているため、今後も数値の上昇が見込まれている。計画的な財政運営により、公債費の抑制に努める必要がある。

公債費以外の分析欄

公債費以外の数値は10.3ポイント改善している。令和3年度は、普通交付税の算定において、国調人口の増が反映されたことにより基準財政需要額が増となったことや、再算定による追加交付が行われたことで普通交付税の交付額が増となった。また、併せて臨時財政対策債も増となったことで経常的一般財源が増となり、このことが各費目の経常収支改善の要因となった。しかし、人口増加の影響等により今後も経常経費の増が見込まれるため、業務の効率化や経費の節減に努めていく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費の一人当たりのコストは、前年度と比較して62,988円減の184,852円となっているが、類似団体平均、全国平均及び福岡県平均を上回っている。減の理由は特別定額給付金給付事業が令和2年度に終了したことによるものであるが、各平均値を上回っている理由は、ふるさと納税事業の拡大によるものが大きい。民生費の一人当たりのコストは、昨年度より33,205円増加の146,768円となっている。これは子育て世帯等臨時特別支援事業を行ったことや福祉センターの改修事業を施したためである。災害復旧費の一人当たりのコストは、36,643円となっており昨年度から増加した。これは相島沖防波堤の災害復旧事業の影響によるものである。土木費の一人当たりのコストは、昨年度から26,237円減少の26,581円となっており、各平均値を下回った。これは公営住宅整備事業が令和2年度に終了したためである。諸支出金は本町の渡船事業への繰出金の増によるものであり、昨年度に引き続き高い値となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

物件費の一人当たりのコストは136,996円となっており、類似団体と比較して高くなっている。これは主にふるさと納税事業に注力しているため、事業の拡大に伴い委託料や使用料が増加したためである。しかし、ふるさと納税事業以外にも人口の増加による物件費の経常的費用の増加が見込まれるため、扶助費や補助費等とともに注視する必要がある。また、積立金の一人当たりのコストは59,423円となっており、類似団体と比較して高くなっている。これもふるさと納税事業拡大に伴う基金への積立金の増加によるものである。扶助費の一人当たりのコストは108,510円で前年度から26,941円増となっているが、これは子育て世帯等臨時特別支援事業を実施したことによるものである。補助費等の一人当たりのコストは46,343円で前年度から100,930円の減となっているが、これは特別定額給付金給付事業が令和2年度で終了したためである。災害復旧事業の一人当たりのコストは36,643円で前年度から18,051円増となっているが、これは相島沖防波堤災害復旧工事を実施したことによるものである。今後も公園整備事業や区画整理事業等が行われることに加え、公共施設の更新整備に係る経費や各種経常経費も増加してくることが予想されるため事業の取捨選択を徹底し、事業費の減少を目指す。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

令和3年度は、ふるさと寄附金の活用により財政調整基金の取崩しを回避できたため基金残高は前年度よりも増加している。標準財政規模も増加しているが、それ以上に積立の割合が多かったため基金残高の標準財政規模比も増加している。実質単年度収支についても、平成30年度までは学校建設に伴う基金の取り崩しが多く、赤字となる年が多かったが、令和3年度は大きく黒字化している。今後も経常経費の増加や新規事業の実施、施設の更新などが予定されており財政調整基金の取崩しが予想されるため、計画的かつ効率的な財政運営が必要である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

水道事業会計は、給水戸数増加により水道加入金等の収入が増加したため黒字額が大きくなっている。公共下水道事業会計は、公共下水道の面整備推進に伴う供用開始区域の拡大により、下水道使用料が増加したため黒字額が大きくなっている。以上2会計を除く特別会計については、一般会計からの繰入金により収支を調整しており、黒字額が大きく変動することはないと見込まれる。今後、水道事業会計は、水道加入金の収入の減少が予想されることから黒字額が減少することが考えられる。公共下水道事業会計は、面整備が完了すると受益者負担金収入の減少が予想される。また、面整備による事業費の増加により地方債残高が増加しており、管渠や施設の更新も必要となるため、黒字額は減少していくと考えられる。一般会計は、経常経費の増加や新規整備事業の実施、施設の更新等による財源不足は財政調整基金繰入金により調整するため、計画的かつ効率的な財政運営が必要である。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

元利償還金は、新設中学校や給食室整備等に係る学校教育施設等整備事業債や臨時財政対策債の元金償還開始により増加となった。また、現在も地方債を財源とした新規事業を実施しているほか、まだ元金償還が開始されていない新設中学校整備事業債も保有しているため、引き続き数値の上昇が見込まれている。今後、行うべき事業を精査し、計画的な財政運営により、公債費の抑制に努める必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

地方債の現在高は、相島漁港沖防波堤災害復旧事業や公園整備事業、通信施設整備事業等に係る地方債を新たに発行したが、令和3年度の地方債償還額がこれらの借入額を上回ったため減少している。また、令和3年度はふるさと寄附金を財源とした基金への積立により充当可能基金が増加したため、将来負担比率の分子は減少している。今後も公共施設の新規事業や更新事業が行われる見込みである。そのため、今後は交付税算入がない地方債の発行抑制等を行い、地方債の現在高の削減及び充当可能財源の確保に努める。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)ふるさと応援基金は、福祉センターや学校施設、文化振興施設等の施設改修事業や子ども医療対策事業等に活用したため484百万円取り崩したが、財政調整基金の取り崩しは行っていない。森林環境譲与税は3百万円を取り崩している。また、財政調整基金を301百万円、ふるさと応援基金を1,392百万円、減債基金を300.4百万円、森林環境譲与税基金を3百万円積み立てたため、基金全体としては1,510百万円の増となった。(今後の方針)今後も新規整備事業や施設更新事業を実施していく予定である。地方債の現在高、償還額等を考慮しながら、交付税算入率の高い地方債の活用とともに基金繰入金で財政運営していく。ふるさと応援基金の積み立てにより基金残高は増加傾向にあるが、今後の事業実施により減少していく見込みである。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度は、300百万円及び運用益を1百万円積み立てたため増加となった。(今後の方針)今後も人口増加に伴う経常経費の増加や新規整備事業、施設更新事業の実施が見込まれており、地方債の活用と併せて、基金の残高等を勘案し基金繰入金で財政運営していく。令和元年度以降は財政調整基金の取り崩しを免れているが、今後の事業実施により基金残高は減少していく見込みである。

減債基金

(増減理由)令和3年度は、300百万円及び運用益0.4百万円を積み立てたため増加となった。(今後の方針)新設中学校整備事業の元金償還に備え減債基金を積み立てた。今後はその元金償還に合わせて基金残高は減少していく見込みである。

その他特定目的基金

(基金の使途)・ふるさと応援基金:新宮町を応援するために寄せられた寄付金を適正に管理し、運用する。・災害対策基金:地震、風水害その他の災害から新宮町民の生命と財産を守り、その予防対策、復旧対策及び復興対策等を講ずる。・森林環境譲与税基金:森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に掲げる施策に使用する。(増減理由)ふるさと応援基金は、福祉センターや学校施設、文化振興施設等の施設改修事業や子ども医療対策事業等に活用したため484百万円取り崩したが、1,392百万円積み立てたため908百万円増加した。森林環境譲与税基金は、事業実施のため3百万円を取り崩したが、3百万円を積み立てたため横ばいとなった。(今後の方針)ふるさと応援基金については、ふるさと寄付金から経費等を除いた額を積み立て、次年度以降のふるさと応援基金条例及び同条例施行規則に定めた事業に充当する。森林環境譲与税基金については、森林環境譲与税を積み立て、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律に掲げられている事業を実施する際に充当する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、類似団体よりも低い水準となっている。これは、新設小学校整備時に歩道橋を新設したことなどにより橋りょうの償却率が他団体と比較して低いほか、新設小中学校や文化施設のそぴあしんぐうの償却率が低いこと、また、令和2年度に新しく緑ケ浜町営住宅が完成したことが影響していると考えられる。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率については、平成26年度から平成27年度にかけて実施した新設小学校建設や平成28年度から平成30年度にかけて実施した新設中学校建設及びその周辺環境整備事業等の財源として発行した町債により、類似団体平均を上回っている状況が続いていたが、令和3年度は類似団体に近い比率に下がった。これは、ふるさと寄附金の増収による充当可能基金の増に伴う充当可能財源の増や、臨時財政対策債特例発行可能額の増加等に伴う経常一般財源等の増による影響と考えられる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、令和3年度はふるさと寄附金の増収により基金残高が増加したたことや、普通交付税決定額が増加したこと等により改善した。しかし、平成27年度から平成30年度にかけて実施した新設小学校及び新設中学校の建設事業や、その周辺環境整備事業で発行した町債の影響で、類似団体と比較して高い状況が続いている。有形固定資産減価償却率については、小中学校や町営住宅を新設したことにより類似団体よりも低い水準となっている。しかし、既存の小中学校や町営住宅についての老朽化に対する課題は解決していないため、個別施設計画等を踏まえ、計画的な更新が必要となっている。また、その他の有形固定資産減価償却率が高い施設については、施設ごとに更新、集約、転用、除却等の事業実施方法を見極め、事業を実施する際は、町債の発行をできるだけ抑え、将来負担比率の上昇に留意しつつ行っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成27年度以降に実施した新設小中学校建設や、その周辺環境整備事業により町債の現在高が増加し、将来負担比率は類似団体と比較して高い水準となっている。また、実質公債費比率は、令和3年度は標準財政規模は拡大したが、令和2年度から新設中学校の整備に係る町債の元金償還が開始されたことなどから昨年とほぼ変わらず、依然として類似団体平均値より高い水準となっている。実質公債費比率は、今後の元金償還開始に伴い上昇していくことが予想されるため、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、橋りょうと学校施設及び公営住宅である。橋りょうと学校施設については、新設小中学校建設や通学路の歩道橋新設により率が低くなっている。学校施設に関しては、新設校を含む全体としては率が低くなっているが、既存の学校施設についての老朽化に対する課題は解決していないため、個別施設計画等を踏まえ、計画的な更新が必要となっている。公営住宅については、町内に3つの団地があり、それぞれ個別施設計画に基づき改修等を行っている。なお、耐用年数を超過していた雲雀ヶ丘団地については、令和2年度に非現地にて緑ケ浜町営住宅として建替事業が完了したことにより全体の率が大幅に下がった。各施設の一人当たりの面積や道路延長については、類似団体平均を下回っている。今後、利用者からの施設整備の要望等があれば、維持管理費等の経常経費の増加に注意しつつ、検討していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館であり、低くなっている施設は、市民会館である。町民体育館については、施設本体の老朽化が進んでいる状況であり、各箇所に不具合が例年生じている。即時対応可能な軽微なものについては、修繕等で対応をしている。また、近年の改修状況としては、耐震補強工事や屋根改修工事等を行っている。今後は個別施設計画等を踏まえながら、適正な施設管理を行い、施設の延命化に取り組んでいく必要がある。市民会館ついては、文化施設であるそぴあしんぐうの減価償却率が低い。しかし、率は低いものの、施設各所の改修を行う必要が生じているため、適正な事業実施を行っていく必要がある。各施設の一人当たりの面積については、ほとんど類似団体平均を下回っている。今後、利用者からの施設整備の要望等があれば、維持管理費等の経常経費の増加に注意しつつ、検討していく必要がある。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産が前年度から1,885百万円の増加(+4.1%)となっており、金額の変動が大きいものは事業用資産、インフラ資産及び基金である。事業用資産については、福祉センター大規模改修事業や小中学校校内通信ネットワーク整備事業等の実施による資産の取得(+614百万円)よりも減価償却費等による資産の減少(△969百万円)が上回っている。インフラ資産については、新宮ふれあいの丘公園用地の取得や相島海底光ケーブル整備事業等の実施による資産の取得(900百万円)が減価償却費等による資産の減少(△449百万円)を上回っている。また、基金についてもふるさと寄附金の影響により1,195百万円の増加となっている。負債は482百万円の増加となっており、主に土地開発公社の負債額等負担見込額の過年度修正(+425百万円)によるものである。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストが前年度から2,391百万円の減少(△14.9%)となった。これは前年度から引続きふるさと納税事業の拡大により業務費用の物件費等が150百万円増加(+2.5%)し、また、平成28年度から一貫して増加し続けている社会保障給付も前年度から51百万円増加(1.9%)しているものの、特別定額給付金事業が終了したことにより移転費用の補助金等が2,590百万円減少(△46.8%)したことによるものである。純行政コストは前年度から1,599百万円の減少(△9.6%)となった。これは災害復旧が令和2年度から繰越が発生していた事に加え、令和3年度でも台風による被害が発生したことにより災害復旧事業費が606百万円増加(96.9%)したものの、上述の要因による減少が大きかったことによるものである。今後、公園整備事業や三代・下府地区の土地区画整理事業、公共施設の老朽化等に伴う更新・維持管理に伴う物件費等の増加や、高齢化の進展に伴う社会保障給付の増加など、行政コストが増加に転じることが見込まれるため、事業の精査等により経費の抑制に努める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(16,881百万円)が純行政コスト(15,068百万円)を上回ったことから、本年度差額は1,813百万円となり、純資産残高は1,403百万円増加の33,315百万円となった。これは、特別定額給付金給付事業が終了したことにより国県等補助金が3,373百万円減少となったが、地方交付税(498百万円)の増加や相島漁港沖防波堤災害復旧事業(567百万円)、相島海底光ケーブル整備事業(373百万円)などに伴う国県等補助金が増加となったことが主な要因である。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において業務活動収支は、業務収入が1,635百万円減少(△9.5%)したが、業務支出も2,384百万円減少(15.9%)したため、+2,710百万円の収支となった。主に地方交付税やふるさと寄附金が増加(+797百万円)したことが影響している。投資活動収支は、ふるさと寄附金の増収により基金積立金支出が526百万円増加(+35.7%)したが、基金取崩収入も409百万円増加(+524.6%)したことが影響し、△2,230百万円の収支となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が償還額を下回った(△97百万円)ことが影響し、△105百万円の収支となっている。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額は類似団体平均値を下回っているが、本町では、取得価格が不明な道路等の敷地を備忘価格1円で評価しており、それが多く占めているためである。令和3年度は相島海底光ケーブル等整備、福祉センター大規模改修、現在継続中の公園整備事業などにより資産は増加している。歳入額対資産比率は類似団体平均値を下回った。今後は、公園整備事業の進捗等により増加していくことが見込まれる。有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を下回ったのは、平成27年度の小学校新設、平成30年度の中学校新設、令和2年度の町営住宅新設と続いてきたことが影響していると考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は類似団体平均値を下回っているが、前年度と比較し純資産は0.2%増加した。要因としてはふるさと寄附金の増(+85百万円)や普通交付税の算定式変更に伴う地方交付税の増加(+498百万円)が挙げられる。社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を表す将来世代負担比率は、類似団体平均値を上回っているが、令和2年度から0.6%減少した。これは令和3年度は地方債発行額より償還額が上回ったことで地方債残高が減少したためである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値を上回った。要因は非課税世帯や子育て世帯への臨時交付金の増加(+848百万円)やふるさと納税事業の委託料の増加(+152百万円)、災害復旧費の増加(+606百万円)が影響している。今後は、社会保障給付が年々増加傾向にあることや公園整備事業の進捗に伴う経常経費の増加により、行政コストが高くなっていくことが懸念される。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は類似団体平均値を上回った。令和3年度は地方債発行額(856百万円)より償還額(953百万円)が上回ったことで地方債残高は減少(△97百万円)したが、土地開発公社の負債額等負担見込額の過年度修正による増加(425百万円)が影響している。・基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が投資活動収支の赤字分を上回ったため2,043百万円の黒字となっており、類似団体平均値を上回っている。要因としては、地方交付税やふるさと寄附金などの増加により業務活動収支の黒字幅が拡大したことが挙げられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値を下回ったが、令和2年度より0.6%増加した。要因は経常費用が特別定額給付金事業の終了などにより2,362百万円減少し、計上収益は28百万円増加したことが影響している。令和2年度に社会体育施設の使用料の見直しを行い受益者負担の適正化を図ったが、今後も受益者負担の適正化を図りつつ、経常経費の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,