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地方財政ダッシュボード

愛媛県西条市の財政状況(2021年度)

🏠西条市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

国の普通交付税の算定において、新型コロナウイルス感染症の影響による市税収入の大幅な減収等が見込まれたことにより、基準財政収入額が減少したことに加え、公債費の増加や臨時経済対策費の新設などにより、基準財政需要額が増加となったことから、前年度より0.03ポイント悪化となった。現状、全国及び愛媛県の平均より良い状況ではあるものの、類似団体平均よりは悪い状況にあり、今後は、人口減少により市税収入等の大幅な増加は見込みにくいことから、事業の選択と集中による歳入水準に見合った歳出構造への転換に向けた歳出改革を継続していく必要がある。

経常収支比率の分析欄

歳出面では、公債費の増加等により経常経費充当一般財源が増加したものの、普通交付税の増加等により、歳入面における経常一般財源が大幅な増加となったため、経常収支比率は前年度から7.3ポイント改善されている。今後、市税等の経常一般財源の増加は見込みがたい一方、公債費や扶助費等経常経費の増加が見込まれることから、使用料・手数料の見直しによる受益者負担の適正化や、経常経費の圧縮等による財政構造の改善に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については減少したものの、物件費においては、新型コロナウイルスワクチン接種事業や体育施設の指定管理者制度導入等により大幅な増加となっており、類似団体平均よりは悪い状況となっているが、全国、愛媛県の平均よりは良い状況となっている。今後も、引き続き適切な定員管理に努めるとともに、公共施設の適正配置、有効活用、事務事業の見直し等により経費削減に努めていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

給与の適正管理により、類似団体の中では最低水準にあるため、引き続き適正管理に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

市町村合併に伴い旧市町に総合支所を設置し、地域の拠点としてその機能を維持していることから、類似団体平均を上回っている。令和4年8月1日に総合支所の機能を見直し、丹原総合支所、小松総合支所を丹原サービスセンター、小松サービスセンターとするなど組織のスリム化を図っていくとともに、今後とも本市の現状や地域特性を考慮しながら、組織機構、職員配置の再編・見直しを進め、簡素で効率的な執行体制の実現と適切な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

合併特例債や臨時財政対策債等の元利償還の開始に伴い、公債費が増加したものの、普通交付税等の増加により、標準財政規模が増加したため、前年度と比較すると横ばいの状況となっている。類似団体平均及び全国平均と比較すると悪い状況となっているが、愛媛県平均と比較すると良い状況である。今後、近年の大型事業の実施に伴い借り入れた合併特例債等の市債の償還が本格化することに加え、さらに大型事業の実施に伴う地方債の借入を予定していることから、公債費の増加が見込まれており、財政環境は厳しい状況が続いていくものと認識している。

将来負担比率の分析欄

当年度は、算定上の分子となる市債残高の減少や減債・財政調整基金残高の増加により、公債費に充当可能な財源が増加したことに加え、算定上の分母となる標準財政規模が普通交付税の増等により増加したことから、前年度から23.3ポイント改善した。しかし、全国、愛媛県、類似団体平均のいずれの数値よりも悪い状況にあり、今後も大型事業の実施に伴う合併特例債等の借入が見込まれることから、実施方針や事業規模の精査により、経費削減に努め、市債借入額の抑制を図る必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

一般職・特別職退職手当等が減少し、体育施設に指定管理者制度を導入したことにより会計年度職員報酬が減少したこと等に加え、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が大幅に増加したため、前年度より3.3ポイント改善されている。全国平均より良い状況となっているが、類似団体平均及び愛媛県平均よりも悪い状況となっている。今後は、支所機能見直しによる組織のスリム化をはじめ事務事業の見直し、公共施設マネジメントによる公共施設の適正配置等により、人件費関係経費全体について削減を推し進める必要がある。

物件費の分析欄

体育施設に指定管理者制度を導入したこと等により、経費は増加しているが、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が増加したため、前年度より0.7ポイント改善されている。愛媛県平均より悪い状況ではあるものの、全国平均及び類似団体平均よりは、良い状況となっている。引き続き、公共施設マネジメントによる施設の適正配置・有効活用や事務事業の必要性・効率化を精査し、コスト削減を図る必要がある。

扶助費の分析欄

介護給付費・訓練等給付費等により経費は増加しているが、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が大幅に増加したため、前年度より0.4ポイント改善されている。全国平均より良い状況ではあるが、類似団体平均及び愛媛県平均と比較すると悪い状況である。今後も、社会保障経費の充実により、扶助費は今後も増加が見込まれることから、事業効果やサービス水準を検討し、適正化を図る必要がある。

その他の分析欄

投資・出資金・貸付金の減少等に加え、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が大幅に増加したため、前年度から1.3ポイント改善されている。しかし、全国、愛媛県、類似団体平均より悪い状況となっており、特別会計の収支改善による繰出金の抑制や、公共施設マネジメントによる施設の適正配置や長期的視点にたった施設の修繕・更新計画を策定するなど、事業費の抑制に努める必要がある。

補助費等の分析欄

賦課徴収費の減少等に加え、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が大幅に増加したため、前年度より1.5ポイント改善されている。全国、愛媛県、類似団体平均より良い状況で推移しており、引き続き事業の必要性を精査し、事業の廃止、縮小、統合や補助率の見直し等、効率的な運用に努める。

公債費の分析欄

昨年度より公債費は増加したが、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が大幅に増加したため、前年度より0.1ポイント改善されている。全国平均、愛媛県平均より良い状況であるが、類似団体平均と比較すると悪い状況である。今後、近年の大型事業の実施に伴い借り入れた合併特例債等の市債の償還が本格化することに加え、給食センター整備等の大型事業の実施が予定されていることから、公債費の増加を見込んでおり、財政環境は厳しい状況が続いていくものと認識している。

公債費以外の分析欄

人件費及び補助費等が減少したことに加え、普通交付税等が増加したことにより経常一般財源が大幅に増加したため、前年度から7.2ポイント改善されている。全国、愛媛県、類似団体平均より良い状況となっている。今後も、公共施設マネジメントによる長期的視点にたった施設の修繕・更新計画を策定するなど、事業費のさらなる抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人あたり80,518円であり、前年度から74,119円と大幅に減少している。主な要因としては、新型コロナウイルス感染症対策である特別定額給付金支給事業完了によるものである。民生費は、住民一人あたり190,571円であり、前年度から25,528円増加している。また、衛生費は、住民一人あたり40,687円であり、前年度から11,934円増加している。その他にも、商工費は、住民一人あたり26,456円であり、前年度から6,413円増加している。これらの主な要因としては、子育て世帯臨時特別給付金支給事業や新型コロナウイルスワクチン接種事業の実施といった新型コロナウイルス感染症対策事業の実施によるものである。土木費は、住民一人あたり41,081円であり、前年度から9,996円減少している。主な要因としては、(仮称)新泉町団地整備事業の工事完了にるものである。今後、公共施設等の老朽化による改修等大型事業が予定されており、普通建設事業の増加に加え、公債費の増加が見込まれていることから、事業実施方法や事業規模の適正化、費用対効果を十分考慮し、歳入規模に見合った歳出の抑制を図り、持続可能な財政基盤の確立を図る。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

補助費等は、住民一人あたり47,384円であり、前年度から94,530円と大幅に減少している。主な要因としては、特別定額給付金支給事業といった新型コロナウイルス感染症対策に関連した事業費が減少したためである。扶助費は、住民一人あたり126,275円であり、前年度から25,224円増加している。主な要因としては、子育て世帯臨時特別給付金支給事業といった新型コロナウイルス感染症対策に関連した事業費が増加したためである。積立金は、住民一人あたり35,708円であり、前年度から22,074円増加している。主な要因としては、財政調整基金積立金及び減債基金積立金が増加したためである。物件費は、住民一人あたり63,214円であり、前年度から9,205円増加している、主な原因としては、新型コロナウイルスワクチン接種事業や体育施設に指定管理者制度を導入したことにより、事業費が増加したためである。公債費は、住民一人あたり44,743円であり、前年度から3,845円増加している。今後は、大型整備事業の実施に伴い借り入れた市債の償還が始まることから、更なる公債費負担の増加が見込まれる。今後、公共施設等の老朽化による改修等大型事業が予定されており、普通建設事業の増加に加え、公債費の増加が見込まれていることから、引き続き、事業実施方法や事業規模の適正化、費用対効果を十分考慮し、歳入規模に見合った歳出の抑制を図り、持続可能な財政基盤の確立を図る。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

令和3年度の実質収支比率は、12.9%で前年度比1.91ポイントの増加となっている。増加の主な要因は、令和3年度においては、コロナの影響による減収を見込んでいた市税や地方消費税交付金を始めとする譲与税・交付金等について、結果として対前年度比では増加となったことや、普通交付税についても、国の補正予算による追加交付等もあり、大幅な増加となるなど、一般財源が見込みを上回る歳入となったことによるものである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

全会計において黒字決算または、歳入歳出同額となっており、収支の均衡が図られている。今後とも健全で安定した財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

公営企業の市債残高減少に伴い、公営企業の元利償還金に対する繰入金は1億52百万円減少したものの、臨時財政対策債や合併特例債等の元利償還金が3億62百万円増加した結果、実質公債費比率の分子は、30百万円増加している。今後についても、近年の大型事業の実施に伴い借り入れた合併特例債等の地方債の償還が本格化することに加え、さらに大型事業の実施に伴う地方債の借入を予定しているころから、公債費の増加を見込んでおり、財政環境は厳しい状況が続いていくものと認識している。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

財政調整基金及び減債基金の増加により、充当可能基金が23億66百万円増加したことに加え、公営企業等の市債残高減少に伴い、公営企業等繰入見込額が19億98百万円減少したこと等により、昨年度と比較して将来負担比率の分子は、46億94百万円減少している。しかし、今後、大型事業の実施に伴う地方債の借入が見込まれていることから、事業実施方法や事業規模の精査により、地方債借入額の抑制を図る必要がある。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金及び減債基金の2つを合わせた基金残高は約89億59百万円と前年同比で約23億1百万円の増加となっている。また、福祉基金、ひうち緑地等管理基金等は、それぞれ事業実施に伴い基金を取り崩したことから基金残高は減少している。この結果、基金全体では約22億53百万円の増加となった。(今後の方針)令和3年度においては、財政調整基金及び減債基金の積み増し等により、基金全体としての残高は増加した。今後は、過年度に借り入れた合併特例債等の償還が本格化し、公債費の増加が見込まれることから、減債基金の取崩しにより、公債費負担増加の抑制を図っていくほか、公共施設マネジメントの推進を図るため、新たな基金を創設する。

財政調整基金

(増減理由)一般会計の財源不足に対応するため約14億12百万円を取り崩したものの、約25億1百万円を積み立てたことから、基金残高は約10億89百万円の増加となっている。(今後の方針)年度間の財源不足の備えや、災害等により生じる予期せぬ支出・減収に充てるための財源ともなることから、一定額の確保が必要であり、歳入水準に見合った歳出構造への転換を図るなど、財源の確保に努めていく。

減債基金

(増減理由)庁舎整備に係る元利償還金等市債償還の財源として約39百万円を取り崩したものの、令和3年度においては、普通交付税において追加算定された臨時財政対策債償還基金費等により、今後の公債費の増加に備え、約12億51百万円を積み立てたことから、約12億12百万円の増加となっている。(今後の方針)今後の公債費負担増加の抑制を図るため、毎年度増加分の一定額を取り崩しにより対応していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・合併振興基金:本市における市民の連帯の強化及び地域振興に要する経費。・福祉基金:高齢者等の社会参加の促進及び、保健福祉の増進を図る事業に要する経費。・ひうち緑地等管理基金:東部臨海土地造成事業により施行した緑地等の管理に要する経費。・水産資源育成基金:東部臨海土地造成事業に伴う水産資源育成事業に要する経費。・漁業振興対策基金:西条地区(旧西條市)の漁業振興対策事業に要する経費。(増減理由)・合併振興基金:利子の積み立てによる増加。・福祉基金:シルバーカー購入費補助金、タクシー利用助成などの社会福祉基金事業実施による減少。・ひうち緑地等管理基金:ひうち地域の樹木管理、除草清掃等委託実施による減少。・水産資源育成基金:ひうち地域で放流するクルマエビ等種苗購入費等による減少。(今後の方針)・合併振興基金:平成29年度から令和元年度までの3カ年で積立限度額の35億円を積み立てた。今後は、積立の財源として借り入れた合併特例債の償還が完了した額に限り、活用が可能とされていることから、市民の連帯の強化及び地域振興に要する経費に充当していく見込みとなっている。・福祉基金:福祉基金事業の財源とするため毎年度取り崩し予定。・ひうち緑地等管理基金::ひうち地域の緑地管理の財源とするため毎年度取り崩し予定。・水産資源育成基金:ひうち地域で実施する漁業振興対策事業の財源とするため毎年度取り崩し予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和3年度は、昨年度から1.3ポイント悪化し、類似団体と比較すると3.4ポイント、愛媛県平均と比較すると5.8ポイント悪い状況となっている。これは、老朽化した資産を多く抱えていることを表しており、施設の更新・修繕等に係る費用の増加が想定される。このことから、公共施設等総合管理計画に基づき、計画的に施設の統廃合を進め、長期的視点に立った施設の更新・修繕等を実施することで、財政負担の抑制に努める。

債務償還比率の分析欄

令和3年度は、昨年度から288.6ポイント改善している。これは、普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の増により経常一般財源等が増加したことや、財政調整基金等の充当可能特定歳入が増加したこと等によるものである。しかし、類似団体、愛媛県、全国平均と比較すると昨年度同様悪い状況となっている。今後も、給食センター等の大型事業の実施に伴い地方債の借入が見込まれることから、事業実施方法や事業規模等の精査により、経費削減及び将来負担額の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率について前年度と比較すると23.3ポイント改善している。これは、普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額の増により標準財政規模が増加したこと、財政調整基金等の充当可能基金額が増加したこと等による。しかし、類似団体平均と比べ、将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに悪い状況であり、他の類似団体と比べて老朽化した施設の割合や、将来負担額(地方債残高等)が多くなっている。今後、大型事業の実施に伴い地方債の借入が見込まれているため、計画的な施設の統廃合を進めるとともに、事業実施方法や事業規模の精査により地方債借入額を抑制し、両指標ともに改善させる健全な財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本市と類似団体平均を比較すると、実質公債費比率及び将来負担比率ともに、悪い状況にある。早期健全化基準は、実質公債費比率が25%以上、将来負担比率が350%以上であることから、本市の指標は大幅に下回っているものの、近年の大型事業の実施に伴い借り入れた合併特例債等の償還が本格化していくことにより実質公債費比率が上昇することが予想され、引き続き指標の動向に留意した財政運営に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、昨年度と比較し【児童館】が34.9ポイント改善されている。これは、老朽化している一部施設の更新を行ったためである。その他、【認定こども園・幼稚園・保育所】が類似団体平均よりも大幅に悪い状況にある。また、一人当たりの面積においては、【公民館】が類似団体より大幅に広い状況にある。今後は、地区ごとの人口推移を勘案し、長寿命化改修工事や建替改修工事を計画的に実施し、人口減少により利用者の減少が想定される施設については、統廃合を実施するなど効率的な施設の管理運営が必要である。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、【福祉施設】が類似団体平均よりも大幅に悪い状況にある。また、一人当たりの面積においては、【図書館】【保健センター・保健所】【消防施設】【庁舎】が類似団体より大幅に広く、維持管理費が他団体よりも高いことが予想される。今後は、公共施設の再編を推進するなかで、一人当たりの面積も参考に人口減少を見据えた効率的な施設管理が必要である。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が129,422百万円、前年度末から2,597百万円の増加(+2%)となった。金額の変動が大きいものは、投資その他の資産及び流動資産である。これは、令和3年度においては、年度間の財源不足への備えや公債費の負担増加の抑制を図るために、財政調整基金及び減債基金の積み増しを行ったためである。また、負債総額は68,698百万円、前年度比724百万円の減少(△1%)となった。金額の変動が大きいものは、固定負債のうち地方債で、56,736百万円、前年度末から881百万円の減少となっている。一方、流動負債のうち1年内償還予定地方債は450百万円増加となっている。今後についても、近年の大型事業の実施に伴い借り入れた合併特例債等の地方債の償還が本格化してきたことに加え、給食センター等の大型事業の実施に伴う地方債の借入を予定しており、財政状況は厳しい状況が続くものと認識している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は44,264百万円となり、前年度比7,866百万円の減少(△15%)となった。そのうち、前年度と比較し最も減少が大きいのは、補助金や社会保障給付等の移転費用20,466百万円(前年度比△8,044百万円、△28.2%)で、これはR2年度に新型コロナウイルス感染症対策として実施された特別定額給付金支給事業の完了等によるものである。今後も、扶助費等の社会保障経費や老朽化する施設の維持補修経費等の増加が見込まれることから、事業のスクラップ&ビルドの推進や公共施設の適正配置等、「選択」と「集中」に一層取り組み、歳入水準にあった歳出構造への転換を進め、将来的な財政負担を軽減することで、持続可能な財政運営に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等(31,119百万円)2,709百万円増加したが、R2年度に新型コロナウイルス感染症対策として実施された特別定額給付金支給事業の完了等により国県等補助金(15,758百万円)が7,405百万円減少したことから、財源(46,877百万円)4,696百万円減少している。あわせて、純行政コスト(43,561百万円)についても特別定額給付金支給事業の完了等により7,574百万円減少したことから、純資産残高は60,725百万円で前年度比3,322百万円の増加となっている。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて財源が22,306百万円多くなっており、本年度差額は2,119百万円(+987百万円)となり、純資産残高は、69,696百万円で前年度比2,667百万円の増加となった。連結では、愛媛県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が36,063百万円多くなっており、本年度差額は1,869百万円(137百万円)となり、純資産残高は70,722百万円で前年度比2,421百万円の増加となった。今後は、純行政コスト削減にむけて、事業の見直しや経費の削減に加えて、使用料・手数料の見直しや財産の運用・処分など、財源の確保に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は6,231百万円となっており、前年度と比較すると2,622百万円増加となっている。これは、普通交付税等が増加したためである。投資活動収支については、△5,187百万円となっており、前年度と比較すると2,267百万円減少となっている。これは、ひと・夢・未来創造拠点複合施設整備事業費の減等により公共施設等整備費支出が減少したことに加え、財政調整基金等の積み増しを行ったことから基金積立金支出が増加したためである。財務活動収支については、△438百万円となっており、前年度と比較すると558百万円の減少となっている。これは、投資活動支出のうち公共施設等整備費支出の減少に伴い借り入れた地方債発行収入が減少したこと等による。今後についても、近年の大型事業の実施に伴い借り入れた合併特例債等の地方債の償還が本格化してきたことに加え、給食センター等の大型事業の実施に伴う地方債の借入を予定しているため、事業実施方法や事業規模の精査により、地方債借入額の抑制を図る必要がある。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額や歳入額対資産比率が類似団体平均を下回っているが、これは、統一的な基準で、昭和59年度以前に取得した道路、河川等の敷地については、取得価額不明なものとして取扱い、備忘価額1円で評価することとされており、当市では、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。また、有形固定資産減価償却率は昨年度から1.2%増加し、類似団体平均とほぼ同じ状況である。当市においては、築30年以上の建物が全体の55%を占め、老朽化が進んでいる状況である。今後、施設の更新等に多くの経費が必要になるが、近年の大型事業実施によって借り入れた地方債の償還が本格化してきたことに伴う公債費の増加等の影響から、財政状況は厳しい状況が続いていくものと認識している。公共施設マネジメントによる施設の適正配置、長期的視点に立った施設の修繕・更新等により、事業費の抑制に努める必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は前年度と比較すると1.6%増加している。これは、純資産の控除要因である地方債が前年度より減少したことが主な要因である。また、将来世代負担比率は前年度と比較すると0.1%増加で、5年連続の増加となっており、資産形成において市債の割合が多いことを表している。どちらの比率も、類似団体平均と比較しても悪い状況にある。今後も、施設の更新等による大型事業の実施に伴い、地方債の借入が見込まれることから、事業実施方法や事業規模の精査により、地方債借入額の抑制を図る必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均と比較すると高い状況にあり、昨年度と比較すると6.5万円減少している。これは、経常費用の補助金等が、令和2年度に実施した新型コロナウイルス感染症対策に係る国の特別定額給付金支給事業の完了等により8,249百万円減少となった影響によるものである。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、昨年度から変化はなく、類似団体平均を大きく上回っている。これは、近年実施した大型整備事業に伴い、合併特例債をはじめとする市債の発行額が増加しているためである。業務活動収支は2,592百万円増加している。これは、R2年度に新型コロナウイルス感染症対策として実施された特別定額給付金支給事業の完了等により業務支出及び業務収入が減少したことに加え、普通交付税等が増加したためである。投資活動収支は100百万円増加している。これは、ひと・夢・未来創造拠点複合施設整備事業費の減等により公共施設等整備費支出が減少したため数値が改善している。今後も、市民生活に不可欠な施設の更新整備があるため、国県等補助金や計画的な基金積立等による財源の確保に努め、事業内容や事業費の精査により投資的経費の圧縮を行う等市債発行額の縮減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、昨年度から0.4%増加しているが、類似団体平均も増加している。これは、令和2年度に実施した新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金支給事業の完了等により経常費用が減少したためである。今後も収益の確保として、使用料・手数料の見直し等、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,