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地方財政ダッシュボード

岡山県井原市の財政状況(2022年度)

🏠井原市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

前年度から微減したものの、類似団体内平均値と同程度となっている。依存財源に頼ることの多い財政構造となっている。今後も、企業誘致や地場企業の育成・支援を推進し、将来的な税収の増加に努めるとともに、収納率向上による税収確保に取り組む。

経常収支比率の分析欄

前年度からは3.3ポイント増加(悪化)したものの、類似団体内平均値より低い(良い)値を維持している。これは、歳入において令和3年度に大幅な増収となっていた普通交付税や臨時財政対策債が減少したことによるものである。今後も、行政改革の推進等による事業の選択と集中を徹底し、経常的経費の抑制を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度と比較して13,336円増加したものの、類似団体内平均値を下回った状態を維持している。これは、情報ネットワーク機器の改修等による物件費が増加したことが主な要因である。今後も、行政改革の推進等による事業の選択と集中を徹底し、経常的経費の抑制を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度と比較して増減はなく、100を下回ったものの類似団体内平均値を上回っている。増の要因としては、経験年数階層の変動によるもの、減の要因としては、給料の高い職員が退職し、給料の低い職員が採用されたことによるものが挙げられる。今後も、指数が増加しないよう、国や他の地方公共団体との比較・検討を行い、財政状況や地域の実情等にも配慮しながら適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度からやや増加しているが、類似団体内平均値を下回った状態を維持している。これは、中長期的視野に立った職員採用計画による定員管理によるものである。近年の行政需要の多様化・複雑化に対応し、市民サービスの質を維持するため、業務の民間委託や地域との協働により、行政の担うべき役割の重点化を図るなど、今後も、引き続き、適正な職員数の維持に努める。

実質公債費比率の分析欄

前年度と比較して増減はないものの、類似団体内平均値を上回っている。これは、令和3年度(令和元~3年度)と令和4年度(令和2~4年度)との比較で分母の標準財政規模は増加したものの、分子となる元利償還金・準元利償還金も増加したことによるものである。今後は、近年の大規模建設事業に対する償還が始まることにより、比率の上昇が予想されるため、地方債の新規発行の抑制を図り、地方債残高の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

前年度は、大規模建設事業の実施により平成23年度以来の算定になったが、今年度は将来負担比率はマイナスとなり算定されなかった。これは、大規模建設事業による地方債の新規発行により地方債現在高が増加しているものの、財政調整基金等の充当可能財源が増加したことが主な要因である。引続き地方債の新規発行の抑制を図るほか、交付税算入率の高い有利な地方債を活用し、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.7ポイント増加したものの、類似団体内平均値より低い(良い)値を維持している。これは、会計年度任用職員、任期付職員に係る人件費の増加によるものである。今後も近年の行政需要の多様化・複雑化に対応し、市民サービスの質を維持するため、引き続き、職員給与水準の適正化に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度と比較し0.8ポイント増加したものの、類似団体内平均値より低い(良い)値を維持している。これは近年の物価高騰による経費の増加が主な要因である。今後も、行財政改革の取り組みを推進し、経常的な経費の徹底した洗い直しや節減合理化を行い、物件費の抑制を図る。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.5ポイント増加し、類似団体内平均値と同程度となった。これは、子育て支援経費の保育料無償化事業費等の増加によるものである。今後は、ますます少子高齢化が進み、扶助費の増加が見込まれることから、経常経費全般の抑制に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、類似団体内平均値をやや上回っており、前年度と比較し0.3ポイント増加した。これは、維持補修費及び下水道事業会計に対する繰出金が増加したことによるものである。今後も、行財政改革の取り組みを推進し、経常的な経費の徹底した洗い直しや節減合理化を行い、歳出抑制を図る。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、類似団体内平均値を上回っており、前年度と比較し0.5ポイント増加した。これは、企業立地促進奨励金等の補助金が増加したことによるものである。今後も、行政改革プランに基づき、補助金や負担金等の見直しを行い、補助費等の抑制を図る。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度と比較して0.5ポイント増加したものの、類似団体内平均値より低い(良い)値を維持している。これは、近年の大規模建設事業に係る償還金の増加によるものである。今後は、田中美術館新館建設事業等の大規模事業に係る償還の開始によりさらなる増加が予想されるため、引き続き、地方債の新規発行の抑制を図り、地方債残高の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、前年度と比較し2.8ポイント増加したものの、類似団体内平均値より低い(良い)値となった。このうち、補助費等が類似団体内平均値を大きく上回っているため、今後は、行政改革プランに基づき、補助金や負担金等の見直しを行い、補助費等の抑制を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体内平均値と比較し、大きく上回っているものは教育費である。これは、田中美術館新館建設事業、美星公民館建設事業により大きく増加したことなどが主な要因である。今後も、第7次総合計画等に基づき、予算配分の重点化・効率化を図りながら、各種事業を進めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり644千円で、前年度から31千円の増額となっている。類似団体内平均値と比較し、普通建設事業費(うち更新整備)が田中美術館新館建設事業、美星公民館建設事業により大きく上回っている。普通建設事業費については、井原中学校建設事業等の大規模事業が終了したため、類似団体内平均値以下へ減少している。今後、少子高齢化に伴う扶助費の増加や、新焼却場建設に伴う西部衛生施設組合への負担金の増加も見込まれるため、経費全般について、引き続き、優先順位の見極めと徹底した歳出抑制に努める必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

実質収支額は前年度と比較し2.69ポイント減少しているが、黒字で推移している。また、実質単年度収支は前年度と比較し0.42ポイント減少している。これは、地方交付税、臨時財政対策債の減収によるものである。今後も、引き続き、収支バランスを考慮した適正な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

いずれの会計も赤字の発生はなく、黒字を維持している。今後も、各会計において、それぞれが独立採算の本旨に則り、適正な財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

交付税算入率の有利な地方債の選択に努めているが、近年の大規模事業の地方債新規発行により元利償還金が増加しているため実質公債費比率の分子は増加した。今後は、田中美術館新館建設事業等の大規模事業に係る元金償還が開始することにより、公債費はさらに増加するため、公共施設等総合管理計画の基本方針に沿い、優先度を精査した計画的な整備により地方債の発行抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度では、充当可能財源が将来負担額を上回ったため将来負担比率の分子はマイナスとなっている。これは、一般会計等に係る地方債現在高の増加により将来負担額が増加した以上に、財政調整基金の積立てにより充当可能財源等が増加したことによるものである。今後も、地方債の新規発行を抑制するとともに、借入にあたっては交付税算入率の高い有利な地方債を選定することとし、将来負担比率の抑制を図る。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)産業団地売払収入等を財政の健全な運営に備えるため「財政調整基金」に積み立てる等により、全体としては2,069百万円を積み立てた。一方で、市債の償還に必要な財源を確保するため「減債基金」から55百万円、公共施設整備のため「公共施設整備基金」から108百万円、子どもたちの育成や子育て支援充実のため「次世代育成基金」から83百万円を取り崩したこと等により、全体としては847百万円を取り崩した。このことから、基金全体としては1,222百万円の増加となった。(今後の方針)基金残高は増加したが、今後の財政運営においては、基金残高の確保に向け、基金からの繰入に依存することなく、歳入確保に努める。

財政調整基金

(増減理由)産業団地売払収入の積立てにより増加した。(今後の方針)基金残高は増加したが、今後の財政運営においては、基金残高の確保に向け基金からの繰入に依存することなく、歳入確保に努める。

減債基金

(増減理由)減債基金繰入計画に基づく償還のために取り崩したことにより減少した。(今後の方針)今後も、基金残高を考慮しながら、減債基金繰入基準に基づき償還を行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)「公共施設整備基金」・・・公共施設整備事業の財源に充てるため。「地域振興基金」・・・・・新市将来構想・建設計画に定められた事業に要する経費の財源に充てるため。「地域づくり基金」・・・・夢と活力にあふれ豊かで住みよい井原市を築くため。(増減理由)「公共施設整備基金」・・・公共施設整備事業に充当したため。「地域振興基金」・・・・・星の郷まちづくり推進事業費等に充当したため。「地域づくり基金」・・・・地域づくり推進事業費に充当したため。(今後の方針)高度経済成長期に整備した公共施設が多いため、その整備のための「公共施設整備基金」や子どもたちの育成や子育て支援充実のための「次世代育成基金」の取り崩し額が大きくなると見込まれる。引き続き、基金残高を考慮しながら、それぞれの目的に応じて基金の活用を図っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の公共施設は高度経済成長期に整備された施設が多く、耐用年数を迎えつつあることから、有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にあり、かつ上昇傾向にある。井原市公共施設等総合管理計画に従い、施設の長寿命化・複合化に取り組む。

債務償還比率の分析欄

類似団体の平均値を下回っているが、今後は充当可能基金残高が減少し、大型事業に伴う地方債の発行は増加する見込みであることから、将来負担額と充当可能基金残高の差である実質債務は増加することが想定される。そのため、将来負担額の上昇を抑えるべく、歳出規模の抑制や財源確保に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、令和3年度は数値として算定されることとなったが、令和4年度では再び充当可能財源等が将来負担額を上回り、数値としては算定されなかった。また、有形固定資産減価償却率については、高度経済成長期に整備された施設が多く耐用年数を迎えつつあり上昇傾向にあるため、類似団体内平均値より高い水準であった。大規模事業の実施によるさらなる将来負担額の増加に加え、今後は、施設の老朽化により、維持管理コストの増加及び建替えや大規模改修による財政負担の増加が懸念されるため、井原市公共施設等総合管理計画に従い、施設の長寿命化・複合化に取り組み、将来負担の軽減に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、上記で述べたとおり令和3年度で数値として算定されることとなったが、類似団体内平均値より低い水準を維持している。また、実質公債費比率については、令和3年度と同数値となったが類似団体内平均値より高い水準となっている。大規模事業の実施による地方債の発行が見込まれることから、今後は、元利償還金が増加し、実質公債費比率の上昇が想定されるため、井原市公共施設等総合管理計画に従い、施設の長寿命化・複合化によって地方債の新規発行の抑制に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、道路、橋りょう・トンネル、公営住宅、児童館であり、低くなっている施設は公民館であった。また同水準の施設は認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設であった。道路については、耐用年数を経過したものが多く、予防保全の考え方に基づき適切な維持管理及び改修に努める。橋りょう・トンネル、公営住宅については、それぞれに長寿命化計画を策定しており、同計画に基づいて長寿命化に取り組んでいく。児童館については、昭和50年代に多くの施設が建設されており、耐用年数を経過している施設もあり、類似団体内平均値と比較して最も高い水準となっている。日常・定期的な点検を実施し、予防保全の考え方に基づき適切な維持管理及び修繕に努め、利用状況・老朽化等を考慮して、長寿命化・複合化に取り組んでいく。公民館については、令和2年度に荏原公民館と県主公民館を、令和3年度には出部公民館を、令和4年度には美星公民館を整備したため有形固定資産減価償却率が類似団体より低い水準となった。認定こども園・幼稚園・保育所については、平成18年度に甲南保育園と西江原幼稚園と西江原公民館を複合化し、施設を建設したため、有形固定資産減価償却率が類似団体と同水準であった。学校施設については、市内の小中学校は昭和40・50年代に建築された建物が多く老朽化が進んでいるが、市内の全中学校で耐震改修を完了させる等、老朽化対策を進めており、令和2年度に井原中学校の整備が完了したことにより、有形固定資産減価償却率が類似団体と同水準にまで改善された。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、一般廃棄物処理施設、体育館・プール、保健センター・保健所、市民会館であり、低くなっている施設は福祉施設、消防施設であった。また同水準の施設は庁舎であった。図書館については、昭和31年に建設された井原図書館が耐用年数を経過していること、体育館・プールについては、昭和50年代に建設された美星海洋センター等が耐用年数を経過していること、保健センター・保健所については、昭和50年代に建設された井原保健センターや芳井保健センターが耐用年数を迎えつつあること、市民会館については、昭和46年に建設された井原市民会館が耐用年数を経過していることにより有形固定資産減価償却率が類似団体より高い水準であった。いずれについても日常・定期的な点検を実施し、予防保全の考え方に基づき適切な維持管理及び修繕に努め、利用状況・老朽化等を考慮して、長寿命化・複合化に取り組んでいく。一般廃棄物処理施設については、令和3年度に最終処分場の整備が完了したことにより有形固定資産減価償却率は改善したものの、その他の施設の機械設備・電気設備の多くが耐用年数を経過していることにより類似団体より高い水準であった。消防施設については、平成29年度に矢掛分駐所及び美星分駐所の整備が完了したこと、令和3年度に指令システム等の更新をしたことにより有形固定資産減価償却率が類似団体より低い水準であった。庁舎については、平成15年に本庁舎を整備しており有形固定資産減価償却率が類似団体と同水準であった。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、平成30年度と令和4年度を比較すると、資産は減少し、負債は増加している。資産については、学校や公民館、平櫛田中美術館等の施設整備を行っているものの、過去に整備した道路等の減価償却により減少している。負債については、過疎対策事業債や合併特例債、災害復旧事業債の残高が大幅に増加したことにより、増加している。近年、大規模事業を実施していることに伴い、地方債の残高が増加しており、負債は増加していくものと考えられるが、事業の選択と集中を図り、地方債の新規発行抑制に努めていく必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、平成30年度と令和4年度を比較すると、純経常行政コスト、純行政コストともに大きな増減はない。純経常行政コストについては、組合への負担金等の補助金等が増加したことにより、令和3年度に増加している。純行政コストについては、臨時損失として新型コロナウイルス感染症への対策費等の臨時的な経費により、令和2年度に大幅に増加している。今後、新型コロナウイルス感染症への対策費は減少傾向にあるため、臨時損失は減少していくと見込まれるものの、西部衛生施設組合において熱処理施設及び熱利用施設整備といった大規模事業が見込まれ、純経常行政コスト及び純行政コストは増加していくと見込まれる。また、施設の老朽化に伴う公共施設の維持管理コストに多額の経費を要することが予測されるため、「井原市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の統廃合などの計画的な整備や、施設の使用料の見直しなどにより、純経常行政コストの平準化と縮減に努める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、平成30年度と令和4年度を比較すると、純資産残高は減少している。本年度差額、本年度純資産変動額は増加している。純資産額については、道路を主とした過去に整備した有形固定資産の減価償却が進んだこと等により減少している。本年度差額については、普通交付税の追加交付等により税収等が増加したため、改善されているが、純行政コスト対税収等比率は100%を超え、依然として純行政コストを財源で賄いきれていない。適正な財政運営を行っていくうえで、「行政改革大綱・行政改革プラン」に基づき、住民サービスを低下させることなく、純行政コストをどのように抑制していくかを検討していく必要がある。さらには、産業団地分譲などの企業誘致と並行し、地場企業の育成・支援を推進し、将来的な税収の確保に努めるなどの財源確保策を推進していく必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、平成30年度と令和4年度を比較すると、業務活動収支、財務活動収支は増加し、投資活動収支は減少した。業務活動収支は、令和3年度では、普通交付税の追加交付により増加、令和4年度では、造成した用地売却に伴う産業団地開発事業特別会計繰入金により増加している。投資活動収支は、大規模事業の実施や、剰余金等の基金積立が増加したことにより減少している。財務活動収支は、大規模事業の実施に伴い、地方債の発行額が増加したことにより、増加傾向にある。業務活動収支が増加しており、財源確保に努めた結果がでていると言える。引き続き、収納率の向上等による税収の確保及び産業振興・移住定住推進等による市税の増収や、適正な受益者負担の見直しなどにより、自主財源の確保に努めていく必要がある。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産や有形固定資産の減価償却率については、平成30年度から令和4年度にかけて大きな変動はない。これは、施設整備を行っているものの、過去に整備した施設が老朽化しているためである。類似団体に比べ、住民一人当たりの資産額が大きく、有形固定資産減価償却率も高いことから、多くの資産を保有しているものの、その資産は老朽化が進んでいる状況と言える。そうした施設の安全性や利便性を損なわずに運用するための維持補修費も増大している。このままでは、今後もコスト面での負担が増加していくことが予想されるため、「井原市公共施設等総合管理「計画」に基づき、人口規模や利用状況を踏まえ、施設の統廃合を進めるなど、計画的な整備を進めていく必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体と比較して、純資産比率は高く、将来世代負担率は低くなっている。しかし、近年、大規模事業を実施していることに伴い、地方債の発行額が増加しており、純資産比率は減少傾向に、将来世代負担比率は増加傾向にある。事業の選択と集中を図り、地方債の新規発行抑制に努めていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、令和2年度で増加しているが、新型コロナウイルス感染症への対策費等の臨時的な経費が大幅に増加しているためであり、令和3年度、令和4年度では減少している。今後は、施設の老朽化に伴う公共施設の維持管理コストに多額の経費を要することが予測されるため、「井原市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の統廃合などの計画的な整備や、施設の使用料の見直しなどにより、純経常行政コストの平準化と縮減に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

類似団体と比較して、住民一人当たり負債額は低くなっている。しかし、近年、公共施設の整備をはじめとした積極的な投資活動を実施していることに伴い、地方債の発行額が増加しており、住民一人当たり負債額が増加傾向にある。事業の選択と集中を図り、地方債の新規発行抑制に努めていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率については、類似団体が令和2年度に大きく減少していることから、類似団体と比較して上回ることとなったが、令和3年度から再び下回った。今後、施設の老朽化に伴う公共施設の維持管理コストに多額の経費を要することが予測されるため、「井原市公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の統廃合など、計画的な整備を行っていく必要がある。また施設の使用料の見直しなどにより、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,