静岡県南伊豆町の財政状況(最新・2024年度)
静岡県南伊豆町の財政状況について、2024年度の主要指標と分析コメントをまとめて確認できるページです。
収録データの年度
2024年度2023年度2022年度2021年度2020年度2019年度2018年度2017年度2016年度2015年度2014年度2013年度2012年度
概観
普通会計の構造(2024年度)
財政比較分析表(2024年度)
財政力指数の分析欄
市町村民税(所得割)の減額や固定資産税(償却資産)の減額により基準財政収入額は7百万円の減に留まったが、給与改定費の新設や包括算定経費の増額により基準財政需要額が68百万円の増となったため、令和6年度の財政力指数(単年度)は0.285となった。なお、3カ年平均値については、0.29で変わりはなかった。財政力指数の向上には、町税収入の増加が不可欠であるが、少子高齢化に伴う生産年齢人口(15歳から64歳)の減少や全国総観光地による観光客数の減少は続くと見込まれることから、今後は一層の徴収率強化に加え、関係人口の増加に繋がる施策(サテライトオフィス、ワーケーション、大学連携事業「田舎留学」等)の実施による町内経済活動の活性化を図り、もって町民税収入の維持に努めたい。また、再生可能エネルギー事業の推進により、償却資産の増加による固定資産税の増収も図りたい。
経常収支比率の分析欄
分子である経常経費充当一般財源は、人事院勧告に伴う職員給及び会計年度任用職員給の増により人件費が36百万円、一部事務組合職員給の増により補助費等が18百万円増加するなど、全体では前年度に比べ54百万円増加した。分母である経常一般財源は、償却資産の減により固定資産税が24百万円減額したが、包括算定経費の増及び給与改定費の新設により普通交付税が76百万円、地方消費税交付金が8百万円増加したため、全体では前年度に比べ76百万円増加した。結果、分子の増加を分母の増加が上回ったため、経常収支比率は85.1%となり、前年度に比べて0.3%改善したが、ここ数年は高止まり傾向にあるため、人材(現有職員)の活用による事務事業の見直しやDXの推進等により、固定費の更なる削減を図りたい。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費については、人事院勧告等に伴い職員給が21百万円の増、会計年度任用職員給が23百万円の増となり、全体では、前年度に比べ50百万円の増となった。定年延長制度の導入による対象職員の進退は不透明だが、定員管理計画の早期策定やDXの推進(生成AIの活用を含む。)により、職員数の適正化に努めていきたい。物件費については、令和7年1月に町有の清掃センターが故障し、ごみの全量を町外の処理施設へ搬出すること等により80百万円の増となった。物価高騰による各経費の増加は暫く続くものと想定されることから、前例踏襲の固定観念から脱却し、全事業についてゼロベースの視点で見直すとともに、業務改善(業務の内製化など)の意識を持って一層の業務の効率化を図り、もって経費の削減に努めたい。
ラスパイレス指数の分析欄
数値が類似団体の平均を上回る要因としては、人材確保の観点から、国の基準より高卒の初任給を引き上げていることが挙げられる。また、55歳以上の高齢層職員について、昇給停止を実施していないことも要因の一つである。今後は、制度の見直しについても検討していく。
人口1,000人当たり職員数の分析欄
人口1,000人当たりの職員数は、定年延長制度の導入により定年退職者がいないこと及び人口減少が要因となって、前年度と比較して微増となった。今後もこの微増傾向が続くと予想されるが、職員数の制御が短期的には困難であることから、外部に委託している事業等の直営化等を検討し、職員の適正配置に努めたい。
実質公債費比率の分析欄
実質公債費比率(3カ年平均)は6.9%で、前年度と比較して0.7%の改善となった。これは、青野大師ダムの改良工事に伴う水道事業会計への補助金を3条予算の収入としたことにより、公営事業準元利償還金が減少したこと、一部事務組合準元利償還金が減少したこと及び標準財政規模が増加したことによるほか、一番大きな要因は、公営企業会計の元金償還分に対する繰出金を出資金として支出したため、準元利償還金の算出過程において、その額が控除されたことによるものである。そのため、比率は低下しているが、一般会計が負担する公営企業会計の元金償還額が減少したわけではない。今後は、事業設計の更なる緻密化による経費の節減を図り、もって町債の発行抑制に努めたい。
将来負担比率の分析欄
町債の新規発行抑制による地方債現在高の減、公共下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計の償還進行による公営企業債等繰入見込額の減、下田地区消防組合及び一部事務組合下田メディカルセンターの償還進行による組合等負担等見込額の減、退職負担金の負担率が改定されたことに伴う退職手当負担見込額の減などにより、将来負担比率は、昨年度と同様の「なし」となった。しかしながら、今後、小学校統合に係る教育環境の整備や、水道浄水場の建て替え、一部事務組合下田メディカルセンターの医療機器更新などが予定されており、これらの事業規模によって将来負担比率は大きく左右されることから、事業設計の更なる緻密化による経費の節減と充当可能財源である基金残高の増加に努めたい。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2024年度)
人件費の分析欄
人件費総額は、人事院勧告に伴う職員給及び会計年度任用職員給の増や、定年延長制度の開始等により、前年度に比べ50百万円の増となり、一般財源等を充当した経常的な人件費は、前年度に比べ36百万円の増となった。そのため、経常収支比率は、前年度に比べ0.6%の上昇となった。定年延長制度対象職員の進退は不透明だが、その多くが継続勤務を希望するとなれば、人件費は更に増加することが見込まれる。今後は、これら職員の動向を反映した定員管理計画を早期に策定し、合わせてDXの活用による業務効率化などを推進し、もって職員数の適正管理に努める。
物件費の分析欄
一般財源等を充当した経常的な物件費は、観光施策に係る宣伝委託料(受託先:南伊豆町観光協会)の一部にふるさと応援基金繰入金を充当したこと等により7百万円の減額となり、経常収支比率は0.5%低下した。当町は、清掃センター管理業務、給食調理業務、図書館運営業務、2施設の指定管理委託料など、多くの町有施設の管理業務を外部に委託しているため、類似団体内平均値と比較して高い状況となっている。定年延長制度の開始により、職員数が減少しない状況を好機ととらえ、施設運営の直営化や外部委託業務の内製化について検討し、物件費の抑制に繋げたい。
扶助費の分析欄
扶助費総額は、非課税世帯等支援給付金事業など、特定財源が充当される事業の終了により、前年度に比べ53百万円の減となったが、一般財源等を充当した経常的な扶助費は、前年度に比べ6百万円の減であったため、経常収支比率は、前年度に比べ0.3%の減に留まった。静岡県高齢者福祉行政の基礎調査によると、令和6年4月1日現在の当町の高齢化率は48.5%で、県下で5番目に高い数値となっている。今後暫くは高止まりすると見込まれることから、現行の扶助費の内容(対象者数、対象要件、単価等)を分析し、効果、必要性についての検証を続けたい。
その他の分析欄
その他の経費の大半を占める繰出金では、団塊の世代が加入したことに伴い、後期高齢者医療広域連合へ支払う療養給付費負担金が10百万円増加するなど、全体では18百万円増加したが、経常一般財源等が76百万円増加したため、経常収支比率は0.1%の増加に留まった。繰出金は、主に国民健康保険特別会計、介護保険特別会計への繰出金や療養給付費負担金で構成されており、今後も経常収支比率が増加すると見込まれる。
補助費等の分析欄
一般財源等を充当した経常的な補助費等は、人事院勧告に伴う消防職員の給与増により下田地区消防組合負担金が8百万円増加するなど、全体では18百万円増加したが、経常一般財源等が76百万円増加したため、経常収支比率は0.1%の増加に留まった。補助費等の大半が一部事務組合の運営に対するものであるため、大幅な経費の縮減は見込めないが、町の団体に対するものは、厳密な精算補助とし、多額の繰越金があるものについては、見直しを指導する。また、各種団体に対する負担金についても、団体に加入する意義や効果等について検証し、団体からの脱会も含めて見直すなど、その抑制に努める。
公債費の分析欄
一般財源等を充当した経常的な公債費は、前年度に比べ1百万円の増となったが、経常一般財源が76百万円増加したため、経常収支比率は0.3%の減となった。今後は、公債費が令和11年度まで5億円超で推移すること(令和7年度以降の新規借入分は含まない。)、小学校統合に伴う教育環境整備や橋長160mの海上橋の撤去、ごみ焼却施設の解体等の大型事業が予定されていることから、更なる数値の増加が見込まれる。国・県支出金やその他の特定財源の活用による「新規発行額<償還額」を基本方針とし、公債費の抑制に努める。
公債費以外の分析欄
経常一般財源は、償却資産の減により固定資産税が24百万円減額したが、包括算定経費の増及び給与改定費の新設により普通交付税が76百万円、地方消費税交付金が8百万円増加したため、全体では前年度に比べ76百万円増加した。経常経費充当一般財源は、人事院勧告に伴う人件費及び補助費等の増、高齢化に伴う繰出金の増などにより54百万円増加したため、経常収支比率は、昨年同様の70.1%となり、数値の改善はなかった。人口減少・少子高齢社会の進展が見込まれる中、町税収入を始めとする歳入一般財源については大幅な増加が見込めず、歳出についても、削減が難しい経費が高値で推移すると見込まれることから、今後は更なる財源確保の方策や、将来にわたり必要な行政サービスを提供するための取組を進めていく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2024年度)
目的別歳出の分析欄
住民一人当たりのコスト(目的別)は、全てにおいて類似団体内平均値より低いが、全国平均及び静岡県平均と比較すると高めの状況となっている。大きな変動のあった各費目の増減要因は、以下のとおりである。民生費は、利用延べ人数の増による自立支援介護給付費の増、消費税の申告漏れによる障害者相談支援事業者に補償金を支払ったことによる増、被保険者数の増による後期高齢者療養給付費負担金の増、認定こども園屋根改修工事及び遊具を更新したため及び令和6年10月の制度改正に伴う児童手当負担金の増により、住民一人当たりで前年度比約1万円増加した。農林水産業費は、海岸保全施設整備工事が終了したため、住民一人当たりで前年度比約7千円減少した。土木費は、施設の経年劣化に伴う道路改良事業費の増、集約化に伴う橋梁撤去工事及び河川災害防除工事の実施により、住民一人当たりで前年度比約2万1千円増加した。教育費は、中学校統合に伴うキュービクル増量の設計とトイレの洋式化工事、吊り型天井で、地震による落下の危険性が危惧される武道館の天井改修工事及び経年劣化により故障した給食調理場の空調設備更新工事を実施したため、住民一人当たりで前年度比約1万2千円増加した。公債費については、分収林契約の解除に伴い、公有林整備事業債を繰上償還したため、住民一人当たりで前年度比約9千円増加した。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2024年度)
性質別歳出の分析欄
住民一人当たりのコスト(性質別)は、投資及び出資金、繰出金を除いては類似団体平均値より低いが、全国平均及び静岡県平均と比較すると高めの状況となっている。大きな変動のあった各費目の増減要因は以下のとおりである。人件費については、人事院勧告等に伴う職員給及び会計年度任用職員給の増、定年延長制度の開始などにより大きく増加した。定年延長制度対象職員の進退は不透明だが、その多くが継続勤務を希望するとなれば、人件費は更に増加することが見込まれる。今後は、これら職員の動向を反映した定員管理計画を早期に策定し、合わせてDXの活用による業務効率化などを推進し、もって職員数の適正管理に努める。投資及び出資金については、法適用の公営企業会計(水道・下水道・漁業集落排水事業会計)の元金償還に係る一般会計の負担金で、前年度に比べ6千円増加するとともに、類似団体内平均・全国平均・静岡県平均の全てを大きく上回っている。これは、独立採算の原則に反し、料金収入だけでは企業会計の経費を賄うことができず、多くを一般会計の支援に依存していることを表している。今後は、定年延長制度の開始により職員数の減少が進まないことを好機ととらえ、施設管理など外部委託している経費を内製化するなど、経営の健全化に向けた取組を進めたい。公債費は、ここ数年5億円超で高止まりしており、ここ数年人口減少に伴って増加する傾向にある。今後は、新規地方債の発行額を償還額以内とすることを原則に抑制を図っていきたいが、公共施設の老朽化に伴う更新事業の規模によっては、更に上昇することも危惧される。繰出金は令和4年度(下水道事業などが法非的で、一般会計から繰り出しをしていた時)に比べれば大幅に減少したが、昨年度よりは6千円程度増加した。今後も、高齢化が進む当町においては、高止まりが見込まれる。
実質収支比率等に係る経年分析(2024年度)
分析欄
財政調整基金残高は、H30にふるさと納税制度の改正によりふるさと寄附金が大幅に減収となったため、225百万円の取り崩しを行い、残高は1,069百万円まで減少した。その後は、普通交付税の追加交付や、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用による財源変更、コロナ禍による歳出抑制などにより財政状況が好転したため、余剰金の範囲内において新規積立を行った。令和6年度は、運用益のみの積立となったため、残高は3百万円微増の1,312百万円に留まったが、取崩しをせずに決算できたため、総合計画の目標値である残高1,300百万円は維持できている。実質収支額は、当初予算で170百万円の前年度繰越金を見込んでいるため、その後の補正予算の財源を考えると270百万円は確保したいところである。令和6年度は、前年度に比べ11百万円減の258百万円となったが、これは誤差の範囲内であると認識しており、概ね目標どおりであった。実質単年度収支については、単年度収支は11百万円の減となったが、公有林整備事業債を繰上償還したため、51百万円の増となった。今後は、全事業についてゼロベースの視点で見直しを行い、もって固定費の削減に努め、財政調整基金の取り崩しをしなくても繰越金を安定的に確保できるよう、適切な財政運営に努めたい。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2024年度)
分析欄
前年同様、全ての会計において黒字となり、赤字額は発生しなかった。一般会計においては、普通交付税の追加交付はあったものの、固定費も増加したため、実質収支額は、前年度に比べ11百万円の減、標準財政規模比で0.42%の減となった。介護保険特別会計においては、第9期介護事業計画(令和6年度~令和8年度)に基づき令和6年度の介護保険料を引き下げたこと及び、給付見込額の減少に伴い国・県支出金が減少したため、歳入額が前年度に比べて48百万円の減となった。実質収支額もこれに比例して32百万円の減となり、標準財政規模比で0.97%の減となった。国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計は、前年度と比べ、数値の大きな変動はなかった。水道事業会計、公共下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計においては、全ての会計で黒字となったが、どの会計も一般会計からの繰入金によって収支の均衡(赤字額なし)が保たれているのが現状である。公共下水道事業は、H28に工事が概成したものの、接続率はR6末で56.7%で、依然として低い状況にある。経年劣化に伴う施設の老朽化(特にポンプや電気設備)が進む中、既接続者の死亡や転出及び廃止届の提出により、収入源である下水道使用料も年々減少しており、経営はかなり厳しい。また、水道事業も、昭和50年代後半に建設した浄水場で経年劣化による損傷が激しい。同事業は代替となる事業がないため、今後は施設の建て替えを実施することとなるが、事業の実施に当たって、国庫補助金が殆ど見込めないこと及び、交付税措置のある起債がないことなどから、建設後の経営が厳しくなることは容易に想像できる。今後、経営戦略の策定及び改定が予定されていることから、料金改定や接続率の向上による収入の増加や、定年延長制度の開始により職員数が増加している現状を踏まえ、外部委託している施設管理業務の内製化などにより、更なる経営改善に努め、一般会計からの繰入れに極力依存しない体制の構築に努めていく。
実質公債費比率(分子)の構造(2024年度)
分析欄
一般会計の元利償還金は、前年度とほぼ同じで、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、青野大師ダムの改良工事に伴う水道事業会計への補助金を3条予算の収入としたことにより、公営事業準元利償還金が減少したため8百万円の減少、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等は、償還進行により一部事務組合準元利償還金が7百万円減少し、元利償還金等は、全体で14百万円減少した。また、算入公債費等については、過疎対策事業債に係る元利償還金の増により3百万円の微増となった。しかし、一般会計に係る公債費は、R4には5億円を突破し、この先、仮に新規債を発行しないとしてもR11までは5億円台で推移することが確定している。今後、小学校統合に伴う教育環境の整備や橋梁撤去工事、浄水場の建て替えや一部事務組合下田メディカルセンターの医療機器の更新、南豆衛生プラント組合施設の長寿命化等が予定されており、借入利率の上昇も加われば、元利償還金等の大幅な増加は避けられない。財政力が脆弱な当町では、固定費である元利償還金の増加は、財政の硬直化を招くことから、事業実施に当たっては、設計を緻密に行い、事業費の無駄を省くこと、事業費の平準化を図ること、国・県補助金等のあらゆる財源の確保に努めること及び、交付税措置の高い起債を活用すること等により、財政の健全化に努める。
将来負担比率(分子)の構造(2024年度)
分析欄
大型事業の終了に伴い、新規町債発行額<元金償還額となったこと及び公有林整備事業債の繰上償還により、一般会計等に係る地方債現在高が172百万円減少したこと、公営企業債等繰入見込額は、公共下水道及び漁業集落排水事業会計分の償還進行により地方債現在高及び準元利償還金が減少したこと、組合等負担等見込額は、下田地区消防組合及び一部事務組合下田メディカルセンター分の償還進行により地方債現在高が減少したこと、退職手当負担見込額についても、令和6年度から組合等積立不足額に応じて退職負担金の負担率が改定されたことにより減少となったことから、将来負担額は503百万円の大幅減となった。一方、充当可能財源等は、ふるさと応援基金への新規積立などにより、充当可能基金は95百万円増加したが、臨時財政対策債や過疎対策事業債等の償還進行により基準財政需要額算入見込額が180百万円減少したため、全体では83百万円の減となった。今後、小学校統合に伴う教育環境の整備や橋梁撤去工事、浄水場の建て替えや一部事務組合下田メディカルセンターの医療機器の更新、南豆衛生プラント組合施設の長寿命化等が予定されており、財源の多くを起債に依存することとなれば、一般会計の地方債残高、公営企業債等繰入見込額や組合等負担等見込額の増加が進み、将来負担比率の分子が大幅に増加してしまう事態も見込まれる。財政の硬直化が危惧される中、持続可能なまちづくりを進めるためには、歳出予算における不用額の洗い出し、その他特定目的基金の活用検討による財源の振替、国・県補助金の確保可能性の検討等を進め、財政調整基金の取り崩しと地方債の借入れに出来る限り依存しない財政運営に努めたい。
基金残高に係る経年分析(2024年度)
基金全体
(増減理由)令和6年度末現在の基金残高は2,590百万円で、前年度に比べ59百万円の増加となった。ふるさと応援基金で132百万円、森林環境整備促進基金で6百万円の積立を行った一方で、プレミアム付商品券事業費補助金や妻良海上アスレチック関係備品購入費の財源として「ふるさと応援基金」を57百万円、旧南崎小学校屋内運動場補修工事や町営温泉施設補修工事等の財源として「公共施設整備基金」を22百万円取り崩したことが主な要因である。(今後の方針)ふるさと応援基金は、その年度のふるさと寄附金総額から返礼品代や広告料等の必要経費を差し引いた金額を後年度に自動的に積み立てているため、他の基金とは性質が異なる。近年、昭和50年前後に建築した多くの公共施設において、老朽化による損傷が多数散見され、施設の修繕費用の確保が課題となっているため、余剰金を基金に積み立てる優先度は、公共施設整備基金、庁舎建設基金(積立目標額:5億円)、財政調整基金(前2基金に積み立てたうえで更に余剰がある場合又は13億円を下回った場合)の順とし、財源の確保に努めたい。
財政調整基金
(増減理由)令和6年度は、基金運用益のみの積立となったため、前年度に比べ3.2百万円の増加となった。(今後の方針)近年、決算において、前年度繰越額が当初予算計上額を上回っていることや、普通交付税の追加交付により、予算に比してある程度の余剰金が発生しているため、取り崩しを行うことなく決算を打つことができているが、今後については、取り崩しをしないとは言い切れない状況である。ついては、国庫支出金や県支出金の確保や、交付税措置の高い過疎対策事業債や特定目的基金の活用を図り、もって財政調整基金の取り崩しを抑制し、総合計画で定めた積立目標額13億円を常時維持できるよう、適正な基金の管理に努めたい。
減債基金
(増減理由)なし。(今後の方針)ここ数十年、基金残高は3千円であり、増減していない。今後も積立の予定はない。
その他特定目的基金
(基金の使途)ふるさと応援基金は、魅力あるまちづくり事業の財源として積み立てており、令和6年度は、プレミアム付商品券事業費補助金や妻良海上アスレチック関係備品購入費の財源として活用した。公共施設整備基金は、公共施設の機能保全を図り、施設の長寿命化に資するための整備及び改修の財源として積み立てており、令和6年度は、旧南崎小学校屋内運動場補修工事や町営温泉施設補修工事等の財源として活用した。庁舎建設基金は、庁舎建設時の財源不足を補うため、町営温泉施設整備基金は、町営温泉施設の整備及び改修の費用に充当するため、ふるさと創生基金は、国際交流・親善の推進とふるさとの伝承・文化・芸術の開発・継承を図ることを目的としている。(増減理由)左に掲載した基金のうち大幅に増減したのは、ふるさと応援基金及び公共施設整備基金である。理由であるが、ふるさと応援基金は、プレミアム付商品券事業費補助金や妻良海上アスレチック関係備品購入費等の財源として57百万円の取り崩しを行ったが、ふるさと寄附金総額から返礼品や広告料等の必要経費を差し引いた132百万円を積み立てたため、75百万円増加した。公共施設整備基金は、旧南崎小学校屋内運動場補修工事や町営温泉施設補修工事等の財源として取り崩しを行ったため、22百万円の減となった。(今後の方針)当町の公共施設は、昭和40年代後半から50年代にかけて建設されたものが多く、経年劣化により損傷が進んでいる。これらの施設の更新整備に当たっては、国・県支出金の活用を第一に、その不足分を過疎対策事業債、緊急防災減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債、公共施設等適正管理推進事業債など交付税措置の高い起債で賄うこととしているが、その主力である過疎対策事業債は、要望額総額が地方債計画額を大幅に上回る現状を鑑みると、今後も要望額どおりに確保することは難しいと思われるため、基金残高を今まで以上に増やすことは極めて重要である。基金積立の優先順位については、公共施設整備基金、庁舎建設基金、財政調整基金の順とし、財源の確保に努めたい。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値に比べ高く、その主な要因は、道路及び一般廃棄物処理施設の数値によるものである。一般廃棄物処理施設の有形固定資産減価償却率は、95.3%とかなり老朽化が進行しており、急に機能停止となる恐れがあることから、計画的に廃棄物処理を町外処理施設へ委託するなどの対策を行っている。今後、減価償却の進んだ施設は、統合や廃止を検討することになると思われるが、除却の時期、財源の確保が課題である。
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、前年度と比較して低下したが、その主な要因は、公営企業会計の元金償還に充てる繰出金を出資金としたため、将来負担額として算出される準元利償還金が減少したことによるものである。地方債の新規発行額が各年度の償還額を下回っているため、今後は減少で推移していくものとみられる。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
有形固定資産減価償却率は、類似団体内平均値と比較し高く、直近5年では上昇し続けている。老朽化が進行し、更新等を具体的に検討すべき時期にある施設を多く抱えている現状にあるといえる。将来負担比率については、地方債の償還進行等により低下しているが、主な低下の要因は、公営企業会計の元金償還に充てる繰出金を出資金としたため、将来負担額として算出される準元利償還金が減少したことによる。そのことにより、令和5年度には将来負担比率は「-」となったが、実態として、将来負担を現在の充当可能財源で賄えているとは言えない状況である。今後、減価償却の進行に伴い、施設の更新、廃止等を行うことが考えられるが、将来負担の状況をふまえ、除却の時期、財源の確保(基金への積立て等)の検討をすることが必要である。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は、地方債の償還進行に伴い、前年度と比較して0.3%の改善となった。近年では、地方債の新規発行額が各年度の償還額を下回っているため、今後は減少で推移していくものとみられる。将来負担比率は、令和5年度は「-」と前年度と比較して改善となり、今後も地方債残高は減少していく見込みであるため、多額の基金を取り崩さない限り悪化しないものと思われる。
施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)
施設情報の分析欄
道路について、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値に比べ高い数値であるが、固定資産台帳への登録時に減価償却累計額を高く設定せざるを得なかったことが主な要因である。また、一人当たり延長は全国平均と比較して数値が高い。橋りょう・トンネルについて、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と同等の水準となっている。一人当たり有形固定資産(償却資産)額は全国平均と比較して高いが、定期的な点検を行い、点検結果に応じた長寿命化修繕事業や集約化事業(撤去)を随時行っている。公営住宅について、全体的に老朽化の度合いは高く、類似団体内平均値と比較し高い数値であるが、直近5年の大規模な改修は令和元年度に行った合併浄化槽の更新のみである。一人当たり面積は全国平均と比較して低いが、供給不足の状況ではない。認定こども園について、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値に比べ低いが、経年劣化は各所で見られ、令和5年度には合併浄化槽、空調設備の更新を行っている。学校施設について、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値に比べ高い数値であるが、町内にある2校の中学校の統合が決定し、3校ある小学校についても統合の検討を行っている。
施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)
施設情報の分析欄
図書館について、有形固定資産減価償却率は高い数値である。施設の老朽化が進んでいるため、施設の更新方法・時期を検討する必要がある。体育館・プールについて、有形固定資産減価償却率は高い数値であるが、学校施設の統合により、施設の更新が不要となるため、将来的な負担は軽減される見込みである。一般廃棄物処理施設について、有形固定資産減価償却率は高い数値となっており、老朽化がみられるため、廃棄物の一部を計画的に外部処理施設で処理し、施設の延命等を図っている。消防施設について、近年は施設の更新がないため、有形固定資産減価償却率は上昇傾向である。
一般会計等、全体、連結資金収支計算書内訳表(2023年度)
資金収支計算書(一般会計等・全体・連結)
一般会計等・全体・連結資金収支計算書内訳表を、業務活動・投資活動・財務活動の会計基準に沿って、最新年度の収入・支出構成として可視化しています。上部の数値は期首資金から期末現金預金残高までのつながりです。
財務書類に関する情報①(2023年度)
1.資産・負債の状況
一般会計について、資産総額は前年度末から43百万円の減少となり、負債総額は392百万円の減少となった。資産の部の金額の変動が大きいものは、有形固定資産と投資その他の資産である。有形固定資産については、減価償却による資産の減少が、資産の新規取得額を上回ったため、330百万円の減少となっている。投資その他の資産については、令和5年度から下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計が地方公営企業法の適用になったことから、繰出金の一部を出資金としたため、例年と比べて投資及び出資金の増加額は大きいものとなっていることに加え、ふるさと応援基金等の特定目的基金への新規積立等(143百万円)を行ったこと等の影響により、295百万円の増加となった。流動資産については大きな変動はない。負債の部については、地方債元金償還額が新規地方債の発行額を上回り地方債現在高が減少したため、負債総額が減少している。令和5年度は、資産合計の維持、負債合計の減少により将来負担は減少したと考えられる。全体では、資産総額は前年度と比較し、3,168百万円増加、負債総額は前年度と比較し、4,016百万円増加と、大幅に増加しているが、下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計の地方公営企業法の適用に伴い、各項目の整理を行ったためである。連結では、資産総額は前年度と比較し、3,467百万円の増加、負債総額は前年度と比較し、3,965百万円の増加となっている。
2.行政コストの状況
一般会計について、純経常行政コストは前年度比56百万円の減少、純行政コストは前年度比57百万円の減少となった。数値上では行政コストは減少しているが、令和5年度から下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計が地方公営企業法の適用になったことから、繰出金の一部を出資金としたため、経常費用のうち移転費用に計上されなくなった費用もあるため、実質的には増加傾向である。定年延長制度の導入、物価高騰等の影響により、今後、行政コストが増加することが想定されるため、経常経費を抑制するための方策を今後も検討していく必要がある。全体では、純行政コストは前年度と比較し101百万円減少し、連結では、純行政コストは前年度と比較し161百万円減少した。
3.純資産変動の状況
一般会計について、純資産残高は前年度比349百万円の増加となった。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減少等により、財源が減少したが、純行政コストについても減少となったため、本年度差額については前年と同等のものとなっている。全体では、純資産残高は849百万円の大幅な減少となったが、下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計の地方公営企業法の適用に伴い、資産、負債の整理を行ったことによるものである。連結では、純資産残高は498百万円の減少となっているが、全体での連結会計の要因を除くと増加となっている。
4.資金収支の状況
一般会計について、業務活動収支は前年度比106百万円の減少となった。その主な要因は、業務支出のうち、地方創生関連補助金支出の増に伴う補助金等支出の前年度比174百万円の増、業務収入のうち新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減に伴う国県等補助金収入の減によるものである。投資活動収支は前年度比83百万円の増加となった。事業費の減に伴う公共施設等整備費支出の減及び基金取崩収入の増が主な要因である。財務活動収支は前年度比8百万円の減少となった。地方債発行収入は増加したものの、地方債償還支出を大きく下回っている。全体では、業務活動収支は前年度比42百万円の増、投資活動収支は、前年度比80百万円の増、財務活動収支は前年度比103百万円の減となっている。収支に大きな影響を与えているものは水道事業会計における使用料及び手数料収入(水道料金収入)や公共施設等整備費支出である。連結では、前年度と比較して業務活動収支は178百万円の増、投資活動収支は78百万円の増、財務活動収支は111百万円の減となっている。収支に大きな影響を与えているものは、一部事務組合下田メディカルセンター及び下田地区消防組合における税収等収入や公共施設等整備費支出である。
財務書類に関する情報②(2023年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額について、前年度と比較して6.7万円の増加となった。これは、人口減少によるもので、資産は減少している。類似団体内平均値と比較し、低い数値であるが、有形固定資産減価償却率の数値が高いことからも、施設の老朽化の進行が主な要因であると考えられる。歳入額対資産比率については、前年度から横ばいで推移した。今後の歳入については、人口減による税収減等も考えられるため、歳入額対資産比率の過度な上昇とならないよう、資産の保有状況の管理が必要である。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、前年度と比較し、2.0%上昇した。地方債元金の償還による負債の減少によるものであり、そのことから、将来世代負担比率については前年度と比較し、0.3%低下している。類似団体内平均値と比較し、純資産比率は低く、将来世代負担比率は同程度となっているため、有形・無形固定資産以外の資産(基金等)が少ない状態であることが考えられる。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストについては、前年度と比較し1.0万円の増加となったが、純行政コストは減少しているため、その要因は人口減少によるものである。令和5年度から下水道事業会計及び漁業集落排水事業会計が地方公営企業法の適用になったことから、繰出金の一部を出資金としたため、行政コストに計上されなくなった費用もあるため、実質的な住民一人当たり行政コストはより増加している。今後は人口減少に応じた行政コストの削減を図りたい。
4.負債の状況
住民一人当たりの負債額については、前年度比2.9万円の減少となった。これは、地方債元金償還額が新規地方債の発行額を上回ったことによるものである。今後も、地方債の発行を計画的に行い、後年度の負担が増加しないよう努めたい。業務・投資活動収支は、前年度比84百万円の減少となったが、これは、新型コロナウイルス対応地方創生交付金の減による業務活動収支の減少が主な要因である。一方で投資活動収支は増加しているが、国県等補助金収入、基金取崩収入の増加によるものなど一過性のものである。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、前年度と比較し0.5%の上昇となった。公営企業会計への繰出金の一部を経常費用外の出資金としたことによるものが要因である。今後、人口減少により、税収等の収入の減少が見込まれるため、経常収益となる税外収入の確保も検討していきたい。
出典:
財政状況資料集
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統一的な基準による財務書類に関する情報
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