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地方財政ダッシュボード

茨城県潮来市の財政状況(2015年度)

🏠潮来市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2015年度)

財政力指数の分析欄

類似団体比較では、0.06ポイント低く、全国平均とほぼ同様であるが、茨城県平均からは0.21ポイント低い指数となっている。昨年度との比較では、基準財政需要額は、0.04ポイント増、財政力指数は昨年と同じ0.49ポイントとなっている。今後、高齢化や市内の土地・家屋の価格の低迷、特に東日本大震災による土地の価格下落により市税等が減少、これらにより、基準財政収入額の減少が見込まれ、さらなる財政力指数の低下も考えられる。歳入の確保が継続しての課題であり、自主財源である税収入の向上に努めていく。

経常収支比率の分析欄

類似団体比較では、3.6ポイント高く、茨城県平均からは4.3ポイント高く、全国平均からは1.9ポイント高い指標となっている。財政硬直化から人件費と公債費の減により平成25までは類似団体同様に推移してきたが、平成26、平成27においては、税収は微増となったものの、主に普通交付税の減が影響し、ポイントが上がる要因となった。今後、社会保障経費による扶助費の増加と公共施設の維持管理費により、経常経費の削減は困難な状況にある。総合計画の目標である91%を上回っており、引き続き、事務事業の見直しにより、経常経費の削減に努めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体比較では、1人当たり11,365円低くなっている。人口3万人弱の地方自治体としては定員管理の抑制を進めてきた人件費効果は出ている。また、物件費においても、類似団体と比較して低くなっているが、今後も歳出全体の費用対効果を検証しながら、より効率的な見直しに努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成23・24年度においては、国家公務員の臨時特例額措置により100を超えている。類似団体比較では、0.1ポイント低く、全国市平均比較では2.0ポイント低い状況である。今後は、任用の明確化と職員職務遂行能力の実証に基づき、職務給原則の徹底に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体との比較では、1.03ポイント低く、全国平均・茨城県平均よりは若干高いポイントとなっているが、住民3万人弱の地方自治体としては、定員管理の抑制を進めてきた効果が出ている。今後の職員定員数においては、ほぼ現状維持となる見込みである。定年退職者数に対する再任用者と新規採用者が同数となるように管理していく。

実質公債費比率の分析欄

地方債発行抑制による元利償還金の減と基準財政需要額に算入される公債費の増により、類似団体平均と比較して4.8ポイント低くなっている。今後、経常経費が増加し、財政調整基金の減少が見込まれることから、引き続き地方債発行の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

平成26年度までは、類似団体との比較では、低いポイントで推移してきたが、平成28年度に都市計画税を廃止したことで、平成27年度算定から、将来の都市計画税を見込まなくなったことにより、将来負担比率が急激に高くなった。今後、経常経費が増加し、財政調整基金の減少が見込まれることから、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2015年度)

人件費の分析欄

平成25年度まで継続して減少してきた人件費は、平成26年度に若干の後退は見られたものの、平成27年度においては再び22.8ポイントに減少した。全国平均・茨城県平均との比較よりも低いポイントとなっている。職員数は年齢構成にひずみがあるため、人件費の増加にならないような定員管理と階層別職員数の平均化を進めていく。

物件費の分析欄

物件費は類似団体・全国平均・茨城県平均よりも高いポイントとなっている。主な要因は、一般廃棄物処理施設を市単独で管理していることと、公共施設の維持管理経費が他の地方公共団体と比較して高額なためである。また、復興事業の収束により、抑制してきた修繕等を順次再開したため、物件費は前年度よりも0.1ポイント上がっている。廃棄物処理施設は、近隣3市による広域的な施設整備計画に取り組んでいる。その他の公共施設においても潮来市公共施設等総合管理計画に基づいて維持管理の見直しを進めていく。

扶助費の分析欄

類似団体と同水準で推移している。しかしながら扶助費は、少子高齢化対策等により増加傾向にある。法令等に基づくものがほとんどであるが、医療費の抑制のための市独自の検診費支援等は、適正な範囲を見極めながら、他の経費の増につながらないように注視し、進めていく。

その他の分析欄

その他は、前年度から0.1ポイント低くなり、類似団体との比較では2.3ポイント高い状況であり、その主な要因は特別会計繰出金である。その中においても、国民健康保険特別会計への財源対策繰出金が多額になっていることによる。また今後、下水道事業の拡大が予定されていることから、各会計の健全化と一般会計負担軽減に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費は、類似団体・全国平均・茨城県平均よりも低いポイントとなっている。平成27年度においては補助金・負担金の抑制に努めた結果、平成26年度よりも0.1ポイント下がっている。今後も、補助金・負担金の適正化に努める。

公債費の分析欄

公債費は類似団体及び全国平均からは下回っている。平成16年から続けてきた地方債発行抑制の効果が出てきている。今後も臨時財政対策債も含め、元利償還金内の地方債発行抑制を継続していく。

公債費以外の分析欄

公債費以外においては、施設維持管理費の増加による「物件費」の増と各特別会計への繰出金の増加による「その他」の増により、類似団体と比較しても4.3ポイント高くなっている。公共施設においては、潮来市公共施設等総合管理計画に基づいて維持管理の見直しを進めていく。また、全会計の健全化に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2015年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

土木費は住民一人当たり420,492円となっている。土木費全体でみると東日本大震災の復旧復興工事が大部分を占めており、特に、平成27年度は液状化対策関連事業がピークとなったため類似団体順位でも2位の状況となっている。液状化対策工事は平成27年度で収束となるため、今後は土木費の住民一人当たりコストは下がる見込みである。災害復旧費は住民一人当たり6,605円となっている。災害復旧事業は平成27年度に事業完了となったことから、今後は、なくなる見通しである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2015年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業費は住民一人当たり413,037円となっている。類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。これは、東日本大震災の復興復旧工事の進捗見合に伴う増加等によるものであり、平成27年度は、前年度決算と比較すると140%、平成23年度決算比較では789%の増となっている。普通建設事業費は平成27年度が復興復旧工事のピークとなったため、今後は通常予算規模に近づいていく見通しである。災害復旧事業費は住民一人当たり6,605円となっており、類似団体と比較しても一人当たりコストが高い状況となっている。これは、東日本大震災の災害復旧工事によるものであるが、平成27年度に事業完了となっているため、前年度との比較では、一人当たりコストは41,704円減となり、今後は通常予算規模に戻る見通しである。

実質収支比率等に係る経年分析(2015年度)

分析欄

実質収支額においては、平成23年度から災害復旧復興予算により規模が倍増したため、標準財政規模に対する比率は高い状態で推移してきた。一般会計の実質収支においては、平成20年度に財政調整基金が枯渇状態となったが、平成21年度から主に公債費の抑制と人件費を削減し、財政健全化に努めてきた効果が出ている。平成23年度からは、一般会計と同規模の災害復旧復興予算対応のため、通常予算を抑制した効果もあり、財政調整基金は増加している。平成27年度の実質単年度収支はプラスに転じたが、これには災害復旧・復興事業費の精算金が10億円程度含まれているためであり、今後も引き続き財政運営適正化に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2015年度)

分析欄

連結においての赤字額は生じていない。しかし、国民健康保険特別会計においては、平成23年度から平成24年度、2年連続して赤字計上後、一般会計から財源対策繰入金により赤字解消としているため、今後も引き続き、改善に努めなければならない。一般会計の黒字額増においては、合併直後のごみ処理施設改修等により、平成16年度公債費が歳出全体の19%を占めたため、以後、歳出改革に努めてきた。平成20年度には財政調整基金が枯渇状態となったが、平成21年度から、主に公債費抑制と人件費削減により財政健全化に努めている。平成27年度においても、前年に引き続き、財政健全化は維持されている。

実質公債費比率(分子)の構造(2015年度)

分析欄

実質公債費比率については、引き続き抑制を図っており、早期健全化基準を下回っている。主な要因としては、元利償還金の減少と算入公債費等の増加である。引き続き、元利償還金内の地方債借入により、抑制に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2015年度)

分析欄

実質公債費率は類似団体と比較して低い水準にあり、近年横ばいとなっているが、将来負担比率については平成27年度は、前年度に比較して上昇した。将来負担比率が上昇した主な要因は、平成28年度に都市計画税を廃止し、将来の収入見込みが減少したことによる。これにより、充当可能特定歳入が前年度までより減少し、将来負担比率の分子を引き上げた大きな要因となっている。地方債の発行においては、元利償還金内の地方債借入により、引き続き発行抑制に努めていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2015年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率については、類似団体との比較においても、高い水準にあり、施設の老朽化が進行している。今後の高齢化や人口減少に伴い、厳しい財政状況が予想される中、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化や除却を進めていく。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の新規発行を抑制してきた結果、将来負担比率は類似団体平均を下回っている。一方で、有形固定資産減価償却率は、類似団体平均より高く、公共施設の老朽化が懸念されるため、公共施設等総合管理計画に基づき、今後、老朽化対策に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、減少傾向にある。これは、近年、地方債の新規発行額を、元利償還額よりも低くしてきたことによるものである。一方で、将来負担比率は、平成27年度、都市計画税の廃止による影響により増加したが、なお、類似団体との比較においても低い水準にある。実質公債費比率が低下傾向にあるため、今後、将来負担比率についても、低下していくものと予想される。

施設類型別ストック情報分析表①(2015年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公営住宅、公民館等である。公営住宅については、およそ7割が築30年以上となっており、他の公共施設と比較しても老朽化が進行しており、今後は、公共施設等総合管理計画に従い、地域ごとの将来のニーズを見据えながら、集約化や除却に取り組んでいく。公民館については、市内6館のうち4館が築30年以上となっており、また、単独施設が多い状況である。今後は、類似機能を有する集会所も含めてニーズを検討し、施設の複合化を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2015年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、消防施設、一般廃棄物処理施設については、有形固定資産減価償却率がかなり高い状況にあり、施設の老朽化が懸念される。両施設ともに、市民の安全で快適な生活環境を維持するために不可欠な施設であり、今後は、計画的な維持管理、更新に取り組んでいく。また、市民一人当たりの公共施設延床面積については、全体的に、類似団体平均・全国平均を上回っている傾向にある。今後は、人件費や修繕費等の維持管理費用、利用状況や費用対効果などを把握・分析し、計画に従って、適正な施設保有量の実現に取り組む。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,