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地方財政ダッシュボード

宮城県亘理町の財政状況(2022年度)

🏠亘理町

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数については、平成26年度からは毎年前年度を上回っている状況であったが、新型コロナウイルスの影響もあり、令和3年度からは減少に転じている。令和4年度においても前年度比0.01ポイント減の0.58となっており、コロナ禍からの経済回復などを背景に町税全体が3.4%の増となった一方で、物価高騰に対応するための臨時経済対策費の追加などで財政需要額が大きく増加したことが減少の主な要因となった。今後は経常経費の増加が見込まれる一方で、町税などの急激な伸びは期待できず、減少傾向が続くものと思われる。そのため、徹底した事務事業の見直しを実施して歳出削減策に取り組むとともに、町税等の滞納整理強化など自主財源確保に努め、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率については、震災後整備された施設の維持管理費、私立保育園等への給付費や障害福祉サービス費などの増加により、平成30年度には94.8%まで悪化した。令和2年度以降は、町税等の経常一般財源収入の増加や歳出における公債費等の経常経費充当一般財源の減少により改善傾向となっている。令和4年度においては、人件費や扶助費などに充当される一般財源等が前年度と比較すると302,028千円と全体的に増加傾向となっており、経常収支比率を前年度と比較すると3.6ポイント上昇している。今後も増加傾向となることが見込まれることから、徹底した事務事業の見直しを実施して歳出削減策に取り組むとともに、町税等の滞納整理強化など自主財源確保に努め、財政基盤の強化を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

「歳入に見合った歳出」への財政構造の転換を図るため、人件費・物件費等の削減を実施してきたところではあるが、平成23年度以降は東日本大震災関連の人件費及び物件費が大幅に上昇している。近年については、新庁舎及び保健福祉センター備品、新型コロナウイルス感染症対応備品、防災備蓄品など、臨時的経費の増により、類似団体平均に比べて高い水準で推移している。令和4年度においても、公民連携推進事業や物価高騰の影響による燃料光熱水費の増加などにより、前年度と比較して増となった。今後も施設の維持管理費などが増加していくことが見込まれるが、経常的な部分について行財政改革の取り組みを強化し、必要最小限の歳出となるよう徹底した削減を図っていきたい考えである。

ラスパイレス指数の分析欄

復旧・復興事業の進捗に伴い、任期付職員の多くが任期満了を迎えたことで、指数増加の職員構成が変化したため増加傾向となっている。しかしながら、依然として類似団体の平均値との比較では2.6ポイント下回っており、類似団体の中では低い水準にある。今後も国・県・地域の民間企業等の給与の状況を踏まえ、より一層の給与の適正化を図っていきたい。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員適正化計画に基づき職員数の削減に取り組んできたが、東日本大震災後においては、復旧・復興事業が増加したことから、自治法派遣職員や任期付職員を増やしている状況である。復興事業完了に伴い職員数は減少傾向となったが、住民基本台帳人口も震災後において大きく減少していることもあり、人口千人当たり職員数は類似団体を1.41人上回っている。今後においては、類似団体平均の水準まで近づけるように、定員管理の適正化を図り、指数の改善に努めていきたい。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率については、前年度比0.1ポイント増の5.4%となり、類似団体平均よりも1.2ポイント下回った。令和元年度と令和4年度比較において、算定上の分母となる標準財政規模は、令和元年度に対して608百万円増加したものの、分子となる一般会計の公債費(元利償還金の額)が25百万円増加したことや一部事務組合等の起こした地方債に充てたと認められる負担金が49百万円増加したことにより実質公債費比率が増加したものである。庁舎建設事業、保健福祉センター建設事業などにおいて多額の地方債を借入したことから、今後も一般会計の公債費が増加する見込みであり、実質公債費比率は上昇すると予想される。町有地売却の促進やふるさと納税のPRなどにより財源を確保することで、町債発行や基金の取り崩しを抑制し、可能な限り地方債に依存しない財政運営を目指す。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、前年度同様の「-」となっている。現在のところは継続して健全財政を維持しているものの、普通会計における地方債残高が災害公営住宅整備事業に係る地方債及び災害援護資金貸付金(県貸付金)の借入により震災後、増加傾向となっている(令和4年度は減少)。また、近年においては、道路改修等の単独事業に係る財源も地方債に頼らざるを得ない状況となっており、地方債残高の増加が懸念されるところである。今後は地方債発行を可能な限り抑制する歳出削減策により各種基金の残高を増加させることで健全化の維持を図りたい。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

令和4年度における人件費の経常収支比率については、前年度から0.3ポイント増の26.8%となっている。類似団体と比較すると3.4ポイント上回っている状況であるが、人口千人当たり職員数が1.41人と上回っていることや引き続き採用されている会計年度任用職員の号級の上昇などが主な要因である。今後においては、適正な人員配置を実施して、人件費の削減に努めていく。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率については、これまでも継続して抑制に取り組んできたことから類似団体平均16.8%と比較し1.5ポイント低い15.3%となっている。被災した学校や保育所等は災害復旧事業で施設の建替えをした一方で、多くの既存施設は建設から30年以上経過しており、施設整備の修繕費の増加が考えられる。今後は災害復旧・復興事業による施設整備後の維持管理なども追加されるため、指定管理制度や外部委託の推進を検討しながら、従来の物件費削減策を継続し、数値の改善を図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費については、類似団体平均9.3%と比較し0.8ポイント低い8.5%となっているが、私立保育園等への給付費や障害福祉サービス費など毎年増加しており、前年度から1.0ポイント増加している。削減が難しい扶助費ではあるが、単独事業の見直しを行うなど適正化を図っていく。

その他の分析欄

その他の経常収支比率については、繰出金、維持補修費、投資及び出資金、貸付金の合計であるが、当町においては繰出金がそのほとんどを占めており、前年度から0.7ポイント増の11.8%となっている。高齢化に伴う被保険者数や一人当たり単価の増などにより各医療保険等関連特別会計への繰出金が増加となっており、一般会計と同様に、全体的な事業の見直しを行い、各種特別会計に対する繰出金の圧縮を図りたい考えである。

補助費等の分析欄

補助費の経常収支比率については、消防費やごみ処理費に対する一部事務組合に対する負担金が増額傾向となっているため、類似団体平均13.7%と比較し6.4ポイント高い20.1%となっている。今後も老朽化した施設の建替えに伴う一部事務組合への負担金増加が見込まれることから、各種団体の運営費補助金の見直しなども実施しながら補助費等の削減に努め、経常収支比率の改善を図る。

公債費の分析欄

公債費の経常収支比率については、以前より起債抑制策を図っていたことなどから類似団体を3.1ポイント下回る10.1%となっている。公債費自体は近年横ばい傾向ではあるものの、公営住宅建設事業債に係る繰上償還を行ったことから、今後は減少に転ずる見込みである。しかしながら、老朽化した公共施設が多く、多額の財源を必要とする改修工事が必要となることから、地方債においては増加する見込みである。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は,依然として類似団体平均を上回っており,前年度比で4ポイント増加の82.5%となった。人件費及び補助費等が高い水準となっており、扶助費に置いても年々上昇傾向にある。経常経費であるため削減が難しい状況ではあるが、全体的な事業の見直しを徹底し、経常収支比率の改善に努めていきたい。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・土木費においては、東日本大震災からの復旧・復興事業により類似団体でトップクラスの数値となっていたが、復興完了に伴い減少傾向となっている。令和4年度においては、道路維持事業及び道路改良事業などの普通建設事業の増加に伴い、前年度比で増加に転じている。・総務費においては、令和4年度に実施した公民連携推進事業として、スケートボードパークなどを整備したことから前年度比で増加している。・民生費については、令和3年度において復興事業の完了に伴う精算金(償還金)があったことから増となっているが、令和4年度は類似団体平均の水準へ減少している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・普通建設事業については、東日本大震災の復旧事業により大幅に増加しており、ピークである平成25年度においては災害公営住宅整備事業、防災集団移転促進事業、いちご団地造成事業といった大規模事業を実施したことにより、住民1人当たりのコストが464,999円となるなど、類似団体でトップクラスの数値となっていた。その後も避難道路や役場庁舎建設など新たに整備する施設が多いことから、これまで普通建設事業は上位に位置していたが、各種復興事業の完了に伴い、令和2年度以降から大幅な減となったものである。・補助費等については、復興事業の完了に伴う精算金(償還金)があることから令和3年度までは上位になっていたが、令和4年度においては類似団体平均まで減少している。・公債費は、公営住宅建設事業債に係る繰上償還を行ったことから、短期的には減少に転ずるが、老朽化した公共施設の改修事業などで増加する見込みである。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

当町の決算については、平成23年度以降東日本大震災からの復旧・復興事業が多額に上る一方、通常事業費については削減を行っている状況である。震災関連事業費の増大とともに事業の繰越も増加しており、特に、繰越事業において多額の不用額が発生している状況から平成28年度までは実質収支額が大幅に増加したところであるが、平成29年度においては、復興事業のピークを過ぎたことから、ある程度適正な事業の進捗管理がなされたことなどにより不用額が大幅に減少し、実質収支額が減となった。また、平成30年度に財政調整基金約13億円を取り崩し、災害公営住宅の今後の維持管理費用に充てるための基金【町営住宅管理運営基金】を新たに設置、積立したため、財政調整基金残高が大きく減少している。令和4年度も前年度に引き続き、工業用地売却による土地売払収入があったことから、財政調整基金の取崩額はなく、財政調整基金残高は、前年度から713百万円増加した。今後老朽化した公共施設の補修、教育施設、給食センターなどの建替えも必要となることから、可能な限り事業費の精査を行い、健全財政の維持に努めていきたい。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の標準財政規模比については、当町においては全会計で黒字を維持していることからすべて正数での表記となっている。全体の黒字額の標準財政規模比については、分析を開始した平成19年度以降、毎年度15~20%の範囲内で推移してきたところである。しかしながら、平成23年度以降は、一般会計において震災の影響による通常事業費の減少及び予算規模の増大に伴う各種事業不用額の増加などにより実質収支比率が大きく増加したところである。近年においては上記要因の他に繰越予算における多額の不用額が生じており、平成28年度の一般会計における黒字が大幅に増大した。平成29年度以降においては、事業の適正な進捗管理が図られたことなどにより、不用額は減少している。令和4年度は、工業団地の土地売払いにより、工業用地等造成事業特別会計の黒字が増加したほか、工業用地等造成事業特別会計から一般会計へ繰出が生じ、一般会計の黒字が増加している。その他の会計においても前年度に引き続き黒字となっており、黒字比率についてもほぼ横ばいとなっている。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

当町における実質公債費比率については、近年緩やかな下落傾向が続いていたが、令和3年度は、前年度比0.3ポイント増の5.3%、令和4年度においては、前年度比0.1ポイント増の5.4%となっている。構造の内訳を見ると、普通会計における元利償還金は平成22年度をピークに減少傾向が続いていたが、平成30年度から災害公営住宅建設事業債の元金の本格償還が開始したことなどにより上昇傾向となっている。令和4年度においては、元利償還金(21百万円)や組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等(12百万円)、及び公営企業債の元利償還金に対する負担金等の増加(27百万円)により、令和4年度の実質公債費比率の分子は全体で60百万円の増となった。近年借入した庁舎建設事業や保健福祉センター建設事業に係る地方債が多額であることから、通常事業分の地方債を可能な限り抑制し、実質公債費比率の上昇を抑えたい。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担比率については、平成24年度以降は(-)表示となっている。近年では、平成29年度をピークに一般会計等の地方債現在高の増加や充当可能基金の減少から将来負担比率の分子に係る数値は、増加傾向となっていたが、令和2年度以降は財政調整基金等の充当可能基金が大きく増加したことにより再び減少となっている。一般会計等に係る地方債残高は平成26年度において災害公営住宅整備等に係る起債借入が多額となり、一時的に大幅な増となったところである。それ以降については震災関連事業の進捗に伴い、減少に転じたものであるが、令和元年度において役場新庁舎建設事業(関連事業も含む)に係る借入を行ったことで大きく増加した。令和4年度では、地方道路等整備事業や緊急自然災害防止対策事業等に係る起債借入を行ったものの、元金償還が起債額を上回ったため減少となっている。公営企業債等繰入見込額については、公共下水道事業における地方債残高が減少していることから128百万円の減となっている。充当可能財源等については、財政調整基金において、工業用地売却による収入により財政調整基金の取崩額は皆減となり、基金残高は前年度から714百万円増加しているところであり、町営住宅管理運営基金等の増加を加味した充当可能財源等は、前年度比で1,497百万円の増となっている。以上の要因から将来負担比率の分子は前年度比で1,003百万円の減少となったものである。今後においても、工業用地の全区画売却を目指し、引き続き将来負担比率の改善に努めていきたい。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)工業団地の土地売払収入の影響により財政調整基金で713百万円、老朽化した公共施設等の整備に活用するため公共施設整備基金で837百万円、町営住宅管理運営基金では将来の家賃低廉化に対応するための財源として449百万円の積立が増加した。(今後の方針)・老朽化した施設の改修工事を実施するため、公共施設整備基金を取崩しを行っていく予定である。・町全体の事業について、徹底した事務事業見直しを継続して実施し、基金の取崩しに頼らない財政運営に努める。

財政調整基金

(増減理由)・決算剰余金273百万円の積立・工業団地の土地売払収入の影響により基金からの取崩しがなかった。(今後の方針)・財政調整基金は工業用地売払い収入があったことから、短期的には増加したものの今後は財源不足に対応するため取崩し予定

減債基金

(増減理由)・利子による積立(今後の方針)・今後当面の間、活用する予定はないものの、将来的には、1億円程度の残高になるように積立したい考えである。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:老朽化した公共施設等の整備に活用・まち・ひと・しごと創生推進基金:まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本目標の達成に資する事業の推進に活用するため・長寿社会対策基金:地域における福祉活動の促進、快適な生活環境の形成等、本格的な高齢化社会の到来に対応した施策を推進し、地域の振興と住民福祉の向上を図る・農業振興基金:農業及び農村の振興を図る・森林環境整備基金:森林の整備及びその促進に要する費用に充てる・農業復興地域還元事業基金:被災地域農業復興総合支援事業により整備した農業用施設及び機械を使用する農業者から寄附金を募り、将来の地域農業の発展に向けた事業への活用・町営住宅管理運営基金:町営住宅及び共同施設の整備、修繕、改良及び管理並びに地方債償還に要する費用に充てる(増減理由)・公共施設整備基金:工業用地の売払収入を財源として積立(837百万円)・まち・ひと・しごと創生推進基金:公民連携推進事業を実施したため取崩し(-553百万円)(今後の方針)・公共施設整備基金:老朽化した施設の改修工事を実施するため取崩し予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は41.6%と類似団体と比較しても大幅に低い水準を維持している。これは東日本大震災の影響で多くの施設が被災したことにより、交付金などを活用して既存施設の建て替えや新たな施設を整備したことによるものと考えられる。今後も老朽化した施設の建て替えや大規模修繕が必要となるが、財政状況を踏まえた上での実施となるため、減価償却累計額の割合は大きくなるものと考えられる。

債務償還比率の分析欄

震災後において、財政調整基金及び庁舎建設基金への積立てや地方債の新規発行を抑制してきたことなどから、債務償還比率は類似団体平均を下回っている。令和4年度においても令和3年度に引き続き工業用地売払い収入などにより財政調整基金を取崩しすることなく積立てを行ったため、昨年度に引き続き債務負担比率は小さくなっているが、工業用地の売払いが全て完了した後は財政調整基金の取崩しが必要となることが見込まれることから、自主財源の確保や人件費の抑制など経常経費の更なる削減が必要となる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成24年度以降、地方債現在高をはじめとする将来負担額が基金等の充当可能財源を下回っており、将来負担比率は算出されていない。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成24年度以降は、地方債現在高をはじめとする将来負担額が基金等の充当可能財源を下回っており、将来負担比率は算出されていない。しかしながら、将来負担額である一般会計等に係る地方債現在高は、役場新庁舎・保健福祉センター建設や小中学校に係る空調整備などの大規模事業実施等の要因から増加傾向となり、令和4年度においては、99億4,907万円となっている。今後は据置期間が終了した大規模事業の地方債償還も始まり、元利償還金は年間約8億円台を推移していく。今後両比率が上昇していくことが考えられ、また、学校給食センター整備をはじめとした新たな大規模事業が計画されており、さらに、老朽化した既存施設の大規模改修や建替えなどにより多額の一般財源を要する。そのため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、ほとんどの施設において類似団体平均と比較して低い数値となっている。これは、東日本大震災で被災した学校や保育所について、災害復旧事業等で施設の建替えを行っていることや、東日本大震災復興交付金を活用して災害公営住宅を整備したことなどが要因と考えられる。なお、道路については、避難道路や新庁舎建設に伴う周辺道路の新設、耐用年数や実面積など固定資産台帳の見直しを行ったことから、類似団体を大幅に下回るものとなった。しかしながら、その一方で多くの既存施設は昭和40年~50年に整備したものが多く、建設から30年以上が経過し、老朽化が進んでいる状況である。今後、これらの施設は更新時期を迎えることから、更新費の平準化を図りながら施設の統廃合なども検討しつつ、施設の長寿命化を図ることで、公共施設等の計画的な管理・運営を推進するとともに、より効果的な財政運営に努めていきたい考えである。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、特に図書館、体育館・プール施設において類似団体平均と比較して高い数値となっている。図書館については、開設から30年以上が経過しており、設備等の老朽化が進んでいるため、施設の改修を検討するとともに、適切な維持管理を行いながら長寿命化を進めていきたい考えである。体育館・プールについても、開設から35年以上が経過している施設がほとんどである。プールについては大規模な改修工事を実施したが、体育館は利用状況や維持管理コストなどを踏まえ、施設の統廃合などについても具体的な検討が必要である。一部事務組合で構成している消防施設についても老朽化が進んでいるため、建替えの計画があることから負担金が増額する見込みである。なお、庁舎と保健福祉センターについては、復興事業として建替えを実施したことに伴い、類似団体を比較して低い数値となっている。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額のうち有形固定資産の割合が84.5%と全体の4/5以上を占めている。これらの資産は将来の支出(維持管理・更新等)を伴うものであることから、前年度同様に公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化など公共施設等の適正管理に努めていきたい考えである。また、令和4年度においては、工業団地の売払収入及び新型コロナの影響による各種事業の縮小等により、財政調整基金の取崩しに依らず予算執行が可能となったことが一因となり、資産総額が前年度から1,244百万円の増加となった。なお、負債総額については、地方債等償還支出が地方債等発行収入を上回っているものの、令和5年度に実施する地方債の繰上償還の影響により152百万円の増加となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の経常費用は14,115百万円となっている。内訳としては業務費用が8,326百万円(全体の59.0%)、移転費用が5,788百万円(全体の41.0%)となっている。業務費用については、物件費等(5,252百万円)の割合が高く、令和4年度においては公民連携推進事業に係る業務委託の増加や、物価高騰の影響による燃料光熱水費の増加が要因となっているもの。移転費用については、補助金等(2,604百万円)の割合が高くなっているが、令和3年度に子育て世帯特別給付金事業を実施したことにより、令和4年度は227百万円の減少となっている。物件費等については、震災復興事業により整備した公共施設が多いことや既存の公共施設等の老朽化の状態を踏まえると今後も増額基調となるものと考えられるため、施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理、維持管理経費等の縮減に努めていきたい考えである。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、令和4年度においては工業団地の売払収入により税収等が増加し、財源(税収等10,321百万円)が増加となったことにより、本年度差額はプラスに転じ616百万円となった。無償所管換等を含めた本年度純資産変動額は1,092百万円であり、前年度末純資産残高から本年度純資産変動額を差し引いた本年度末純資産残高は、58,557百万円となったところである。震災後落ち込んでいた税収も徐々に回復しているものの平成28年度から令和2年度にかけて純資産残高は減少傾向である。今後においては、公共施設等の適正管理、維持補修費等のより純行政コストの縮減を図るとともに、自主財源の確保に努めていきたい考えである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等では、業務活動収支において、工業団地売払による税収等収入の増加(1,201百万円)により、前年度から増加した。また、投資活動収支については、工業団地の売払収入及び新型コロナの影響による各種事業の縮小等により、財政調整基金の取崩しに依らず予算執行が可能となったことから、基金取崩収入が604百万円の減となっている。各収支を合わせた本年度資金収支額は300百万円となっており、本年度末歳計外現金残高を合わせた本年度末資金残高は908百万円となっている。今後においては、震災復興事業の完了より公共施設等整備費支出は減少していくもの見込まれ、投資活動収支は、本年度並みを維持するものと予想されるところであるが、引き続き国県補助金の積極的な活用などにより財源の確保を図るとともに、事業継続の可否や事業の妥当性について事務事業見直しを行うことなどにより業務支出の削減に努めていきたい考えである。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、前年度に引き続き類似団体平均を上回っているが、これは本町において昭和40~50年代に多くの施設が整備されており、現在の人口に対して保有する施設数が多い事が要因と考えられる。これらの施設は、既に30年以上が経過してるものが多く、老朽化が進んでおり、今後一斉に更新時期を迎えるところである。また、有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、今後は震災復興事業による避難道路等の減価償却額が計上となるため、減価償却率は上昇傾向になると考えられる。なお、令和2年度は、固定資産台帳の見直し(各資産の耐用年数や道路面積の見直し、調査判明による公営住宅の追加等)を行った結果、減価償却率が減少している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成28年度に策定し令和5年3月に改訂した公共施設等総合管理計画に基づき、令和38年度までの取組(概ね10年単位の見直しを基本)として公共施設等の集約化・複合化を進めるなどして、施設保有量の適正化に取り組んでいきたい考えである。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

令和4年度は、工業団地売払による税収等の増加に伴い、本年度純資産変動額がプラスに転じ、純資産額が増加している。将来世代負担比率は、本町の地方債残高のうち特例地方債である臨時財政対策債の割合が半数以上を占めていることから類似団体平均値と比べて下回っているが、令和元年度に新庁舎保健福祉センター建設に係る借入等を行ったことから、地方債残高が増加している。令和4年度については、地方債は前年度と比較し横ばいである。今後も道路等のインフラ整備に係る地方債の発行が見込まれているところであるが、地方債の発行等の適正な規模を維持しながら将来世代の負担が大きくならないよう努めていきたい考えである。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っているが、これは通常事業に加えて、物件費等の費用が増加していることや、社会保障給付費が年々増加傾向にあることが要因になっていると考えられる。純行政コストは、令和2年度は経常費用のうち移転費用の補助金等において、特別定額給付金や子育て世帯臨時特別給付金の影響で増加したもの。令和3年度は、その他の業務費用において、震災復興事業の完了に伴う東日本大震災復興交付金の返還等が生じ、令和4年度はそれらが生じなかったことから減少している。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

これまでの基礎的財政収支は、東日本大震災からの復興のため多額の基金を取り崩してインフラ整備等を行っていることから平成28年度から令和2年度にかけて全てマイナスとなっている。特に令和元年度の基礎的財政収支は、東日本大震災復興交付金基金等に依存するインフラ整備に加えて新庁舎保健福祉センター建設に係る公共施設等整備費支出が計上されたため、▲4,969百万円と大幅なマイナスとなったところである。基礎的財政収支については、これまで大幅なマイナスで推移してきたが、震災復興事業の完遂に伴い、東日本大震災復興交付金基金などによる公共施設等の整備費支出が減少したことから、令和3年度より改善となっている。今後は、震災復興事業の完了に伴い公共施設等整備費支出は減少していくものと見込まれ、本町の基礎的財政収支は、改善傾向になるものと考えられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和4年度は、経常収益のうち使用料及び手数料は、令和3年度に対して減少(1百万円)し、その他においても減少(19百万円)となっている。経常費用については、業務費用のうちその他の業務費用が、令和3年度は東日本大震災復興交付金の返還が生じ665百万円減少したことにより、経常費用が707百万円減少したものである。受益者負担比率は、経常収益、経常費用共に前年度より減少したものであるが、類似団体平均値との比較において前年度同様に下回っている状況である。今後においても物件費等は増加傾向で推移していくものと予想されるため施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理、維持管理経費等の縮減に努めていきたい考えである。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,