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地方財政ダッシュボード

宮城県丸森町の財政状況(2023年度)

🏠丸森町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

類似団体と比較して、財政力指数が低い状況にある。要因としては、面積(宮城県内町村で2番目)が大きく、振興山村地域であるという地理的不利要因から人口密度の低下を招いており、人口減少問題の影響を受けた過疎地域であることが考えられる。なお、上記要因等により基準財政需要額の算定費目が減少を重ねていくとともに、基準財政収入額(税収等)の減少も同様に見込まれることから今後も同水準を推移していくものと考えられる。

経常収支比率の分析欄

類似団体と比較して、経常収支比率が高い状況である。過去の数値を見ると類似団体と同水準を推移してきており、令和5年度数値より乖離が出た状況となった。要因としては、令和元年東日本台風災害に係る公債費の増加が考えられる。災害発生から数年を経過してきており、発災時点で起債した地方債の償還が順次開始されている状況である。なお、今後は上記要因による地方債償還額が増加していくことから多少の悪化が想定される。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体と比較して、高い状態にある。要因としては、令和元年東日本台風に係る災害復旧事業関連の任期付職員の採用等が考えられる。また、前年度と比較して増加傾向にあるのは物価高騰等による社会情勢も影響しているものと考えられる。なお、今後は災害復旧事業の完了に伴い任期付職員の人数が減少していくことが考えられるため、数値は改善していくものと推察される。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体と比較して、かなり低い状態である。要因としては、令和元年東日本台風災害による任期付職員の採用が考えられる。なお、災害復旧事業の完了に伴って、任期付職員の任期が満了していくため、今後は数値の改善が図られるものである。また、昇格基準の見直し等が他自治体よりも遅い傾向にあるため発災前の水準で比較しても類似団体より低い状態で推移していくものと想定される。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体と比較して、職員数が多い状態である。要因としては、令和元年東日本台風災害による任期付職員の採用が考えられる。今後は災害復旧事業の完了に伴って、任期満了となる任期付職員が増加していくことから、職員数は減少していくものと推察される。

実質公債費比率の分析欄

類似団体と比較して、同水準となっているが数ポイント低い状態となっている。要因としては、各公営企業会計における公債費の減少が考えられる。公営企業会計における地方債の償還については、施設の耐用年数と同様に償還期間の長いものが多く、上記要因との関係から前回のインフラ整備からかなりの期間が経過していることが感じ取れる。なお、今後は新規下水ポンプ場等の整備を行っているほか、再度のインフラ整備を行っていく関係から再度増加していくものと想定される。

将来負担比率の分析欄

類似団体と比較して、同水準となっており将来負担比率の算定はされなかった。また、前年度と比較して大幅な減少となっている。要因としては、充当可能基金等の算入特定財源の増加が考えられる。中でも令和元年東日本台風災害復旧事業の完了に伴って、過年度分の国庫補助金の交付等により決算剰余金が多額であったことが大きな増加要因である。なお、今後に想定される地方債償還額の増を見据えて基金への積立を行っているが、据置期間等の関係から元金の償還が始まっていない地方債が多く、償還が開始されていくに連れ、本数値は悪化していく可能性がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

類似団体と比較して、2.1ポイント低い数値となっている。要因としては、災害復旧事業等に従事する職員人件費は臨時的支出に区分される等、本数値の算定に反映されない数値があることが考えられる。そのため、臨時的支出に区分される職員を含めた人件費については、類似団体と同水準程度であるものと推測される。

物件費の分析欄

類似団体と比較して、1.4ポイント低い数値となっている。要因としては、過疎対策事業債(ソフト分)の発行による特定財源の収入があることが想定される。なお、物価高騰等に伴う消耗品等の歳出増が発生しており、歳出総額が上昇しているため昨年度よりも高いポイントで推移している。

扶助費の分析欄

類似団体と比較して、1.2ポイント低い数値となっている。要因としては、出生数の低下が影響しているものと考えられるが過去より類似団体とは同様のポイント差をキープしている。扶助費の多くについては、こどもの数に影響されるものが多く、類似団体も同様の推移傾向であることが見てとれるため人口が増加しない限り本数値は改善しないものと考えられる。また、国の施策による新規事業の増加等により歳出総額は上昇をしているが、補助事業であるためポイントの上昇には結びついていない。

その他の分析欄

類似団体と比較して、2.6ポイント高い数値となっている。要因としては、積立金の増加が考えられる。災害復旧事業等の完了に伴って交付された過年度分の国庫補助金などを町債管理基金に積み立てることによって、後年度に増加予定である公債費の財源とするものである。なお、昨年度と比較して数値が減少した点については、下水道事業が法適化したことにより、性質区分が変更となったことによるものである。

補助費等の分析欄

類似団体と比較して、3.2ポイント高い数値となっている。要因としては、町主要事業である子育て関連事業補助金の増加や阿武隈急行線等に対する物価高騰による補助金交付などの歳出総額の増加が上がられる。また、下水道事業の法適化により「その他」区分の歳出が減少し、「補助費等」区分の歳出が増加している。なお、今後も町の政策により同水準を推移していくものと考えられる。

公債費の分析欄

類似団体と比較して、1.9ポイント高い数値となっている。要因としては、令和元年東日本台風災害に係る地方債の償還が開始されたことが想定される。なお、償還が開始される地方債の増加に伴い、今後も同費用は増加していくものと考えられるが、交付税交付金による地方財政措置等も想定されるため、実質的な財政負担増への影響は小さいものと想定される。

公債費以外の分析欄

類似団体と比較して、1.1ポイント高い数値となっている。要因としては、「補助費等」「その他」の項目に記載した影響が大きく、令和元年東日本台風発災以前の数値に近い数値となっている。また、近年の社会情勢の影響により、類似団体とともに物価高騰の影響を受けた軽微なポイントの上昇が確認される。なお、令和元年東日本台風発災以前の数値に近い数値となったものの全ての災害復旧事業が完了したわけではないため、今後も軽微な上昇が考えられる。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体と比較すると総務費・民生費・土木費・災害復旧費などにおいて、高い数値を示していることが伺える。総務費については、令和元年東日本台風災害復旧工事の過年度国庫補助金を基金に積み立てたことによる増加が表れており、今後は減少していくものである。民生費については、町の主要事業に位置付けている子育て関連事業の増加が表れており、今後も高い数値を示す可能性が高い。土木費については、令和元年東日本台風により中断していた工事の再開など臨時的な経費の増加が表れており、今後は減少していく可能性が高い。災害復旧費については、令和元年東日本台風に係る復旧費用の増加であり、臨時的に高い水準である。他数値の推移に併せて減少していくものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

類似団体と比較すると補助費・普通建設事業費・災害復旧事業費などにおいて、高い数値を示していることが伺える。補助費等については、町の主要事業に位置付けている子育て関連事業の増加や物価高騰による補助金の交付等の影響が表れており、今後も高い数値を示す可能性が高い。普通建設事業費については、令和元年東日本台風により中断していた工事の再開など臨時的な経費の増加が表れており、今後は減少していく可能性が高い。災害復旧事業費については、令和元年東日本台風に係る復旧費用の増加であり、臨時的に高い水準である。他数値の推移に併せて減少していくものである。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

実質収支比率については、前年度と比較して悪化しているように見受けられるが依然として高い水準を維持している。指標中「財政調整基金残高」の増については、令和元年東日本台風に係る災害復旧工事の完了に伴う過年度国庫補助金の交付等、前年度決算剰余金の増加が要因として考えられる。なお、「実質収支額」・「実質単年度収支」についても上記同様の理由があげられ、災害復旧事業が終了するにつれて対前年度で近しい数値になっていくものと推察される。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、いずれの会計においても赤字は発生していない。なお、黒字については昨年度と比較した場合においては、減少があるものの一定割合のポイントを確保している。指標中「一般会計」の黒字額については、令和元年東日本台風に係る災害復旧工事の完了に伴う過年度国庫補助金の交付等、前年度決算剰余金の増加が要因として考えられるが本要因はR02年度・R03年度に減少した黒字額の相殺であるとも考えられる。したがって、今後は災害復旧事業の完了に伴い年度間事業費のズレがなくなることが予想されるため、年度毎に比率が変わることはなく前年度と同様の水準を維持していくものと想定される。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債費比率(分子)は近年改善傾向がみられていたが、再度増加となっている。改善傾向となっていた要因については、「公営企業債」を始めとして償還終了となる地方債が多かったことが挙げられる。また、再増加となっている要因については、令和元年東日本台風にかかる災害復旧関係等の地方債償還が始まったことが考えられる。以上より、今後は災害復旧事業が完了していくことに伴って元利償還金額の上昇が見込まれることになるため、本比率は悪化していくことが想定される。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

「将来負担額(A)」については、過去と比較して増加を続けている。増加となった要因としては、令和元年東日本台風に係る地方債発行額の上昇が挙げられ、指標中「一般会計等に係る地方債の現在高」に数値として表れている。令和元年東日本台風の発災以降、地方債発行額の上昇が続いているが、今後は災害復旧工事の完成に伴い、発行額が減少していくものと考えられる。しかし、今後は発行した地方債の償還が開始されることとなり、基金の取崩額も併せて増加することが予想される。したがって、指標中「充当可能基金」が減少することとなり、将来負担比率(分子)は今後も悪化していくものと考えられる。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金残高については、昨年度と比較して、増額となっている。直近の年度の傾向として令和元年東日本台風災害による特別交付税の交付等の臨時的収入が増加しており高い数値で推移している状況である。また、収入の増に対して支出するべき地方債の償還が始まっていない状況であるため結果として増のまま推移を続けている状況である。(今後の方針)令和元年東日本台風に係る災害復旧事業等が完了に向かっている状況であるため、今後は基金の取崩が増加する予定である。中でも災害復旧事業等に係る収入として借り入れた地方債の償還が始まっていくことから、「減債基金」の取崩額が過大となっていくことが想定される。今後は、その他特定目的基金等への積立を抑制するなど減債基金の残高を注視していくこととなる。

財政調整基金

(増減理由)「財政調整基金」の残高増については、令和元年東日本台風関連の災害復旧工事完了に伴う、過年度実施済み事業分の国庫補助金の交付等、前年度決算剰余金の増加が要因として考えられる。(今後の方針)令和元年東日本台風に係る災害復旧事業等が完了に向かっている状況であるため、今後は「減債基金」の取崩が増加する予定である。そのため、現在までであれば各基金に積立を行っていた部分の金額も「減債基金」に積立を行うことが想定されるため「財政調整基金」は減少していくものと考えられる。

減債基金

(増減理由)「減債基金」の残高減については、令和元年東日本台風関連の災害復旧工事完了に伴う、地方債元利償還金への取崩が要因となっている。(今後の方針)令和元年東日本台風に係る災害復旧事業等が完了に向かっている状況であるため、今後は本基金の取崩が増加する予定である。そのため、現在までであれば他基金に積立を行っていた部分の金額も本基金に積立を行うことが想定されるが基金残高としては減少していくものと考えられる。

その他特定目的基金

(基金の使途)子育て支援対策推進基金:子育て支援対策を推進することにより、町内の若者定住と地域の活性化を図る。地域福祉基金:社会福祉事業の振興及び地域の保健福祉の推進。ふるさと応援基金:企業版ふるさと納税を、寄附者の移行に沿った事業に活用し、特色のある魅力的なまちづくりを推進する。町営住宅基金:町営住宅の整備充実を図る。定住促進住宅基金:定住促進住宅の整備充実を図る。(増減理由)子育て支援対策推進基金:町の主要事業である子育て関連新規事業等への積極的な運用を行うため積立を行った。地域福祉基金:経常的な事業に対して取崩を行っているが果実型運用のため残高は一定である。ふるさと応援基金:企業版ふるさと納税の積立を行っている。町営住宅基金:住宅の修繕に備え、使用料等の積立を行っている。定住促進住宅基金:住宅の修繕に備え、使用料等の積立を行っている。(今後の方針)令和元年東日本台風に係る災害復旧事業等が完了に向かっている状況であるため。今後は「減債基金」の取崩が増加する予定である。そのため、現在までであれば各基金に積立を行っていた部分の金額も「減債基金」に積立を行うことが想定されるため「その他特定目的基金」は減少していくものと考えられる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体と同水準を推移している。令和5年度は、令和元年東日本台風に係る災害公営住宅の取得が完了し、また役場庁舎がZEB化工事により機能強化されたことで、有形固定資産額が上昇し昨年度比で0.6ポイント改善している。今後の見通しとしては、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の新設を抑え、既存施設の修繕を進めていく予定であり、比率は上昇していくと予想される。

債務償還比率の分析欄

前年度より23.7ポイント上昇しており、類似団体との差は広がっている。要因は、令和元年東日本台風災害に係る地方債の発行・償還が続いていることが挙げられる。今後も上記災害に係る地方債の償還が継続していくため、比率は上昇していくものと予想される。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体と同水準であり、R4年度に10.2%だった将来負担比率は算定されていない。改善要因は、地方債残高は上昇したが令和元年東日本台風災害に係る過年度交付分の国庫補助金等を決算剰余金として積立し、R5年度の充当可能基金残高が増加したことである。また、地方債の多くは有形固定資産の取得費に充当されており、発行残高の増加に併せて有形固定資産額が上昇するため、有形固定資産減価償却率が改善している。今後は災害復旧事業に係る固定資産の取得完了に伴い地方債発行残高が減少し、有形固定資産減価償却率は上昇するが将来負担比率は発生しない見込みである。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は前年比で0.4ポイント改善し、類似団体平均を0.7ポイント下回る。改善理由は、下水道事業会計において繰出基準に該当する地方債の償還費が減少したことによるものである。今後の推移については、交付税措置のない公営住宅建設事業債の元金償還の開始に伴い、上昇していくと予想される。また、将来負担比率に計上される地方債現在高は元金償還の増加に併せて減少するため、比率は発生しないと予想される。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、橋りょう・トンネル、公営住宅を除き類似団体平均を上回っている。特に公営住宅および認定こども園・幼稚園・保育所は平均との乖離が大きい。公営住宅は、令和4年度から5年度にかけて災害公営住宅を取得したため、有形固定資産減価償却率は大幅に改善している。今後は既存施設を修繕しつつ管理していく予定であり、比率は上昇すると予想される。認定こども園・幼稚園・保育所は、平成30年以降新設・大規模改修された施設はなく、類似団体平均を上回っている。今後も公営住宅と同様に既存施設を都度修繕しながら管理する予定であり、比率は上昇すると予想される。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、一般廃棄物処理施設と庁舎以外全ての施設で類似団体平均を上回っている。特に町内唯一の図書館は建築から約50年経過しており、施設の再編が必要である。一人当たり面積も類似団体平均を下回っている。庁舎については、令和4年度から5年度にかけてZEB化工事を行い、機能強化が図られ比率が大幅に改善している。全体でみると築年数の経過している施設が多く、公共施設等総合管理計画に基づき適切な施設再編が必要である。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産の推移をみると、一般会計等の資産はR4R5にかけて減少した。変動が大きい科目は建物と未収金であり、建物は災害公営住宅の取得や災害復旧工事の進捗に伴い3,273百万円増加したが、前年度に未収金となっていた災害復旧工事に関連する国及び県からの補助金の多くが収入されたため、未収金は4,893百万円減額となり、資産全体でみると減少している。全体会計でみると資産は6,411百万円増加した。これは、今年度から全体会計に加わった下水道事業会計の有形固定資産(約7,700百万)による影響が大きい。負債については、一般会計等は前年比で1,214百万円増加している。これは災害公営住宅建設をはじめとした、令和元年東日本台風災害復旧事業に伴う地方債借入によるものである。また、全体会計でみると7,470百万円増加しており、下水道事業会計が今年から算入されたことによる影響と、病院のZEB化工事に要した地方債借入などによるものである。上記のとおり資産より負債の増額幅が大きいため、令和4年から令和5年にかけて将来世代への負担は拡大しているが、今後は災害復旧事業の終了に伴い、地方債をはじめとした固定負債が減少していくため、数値は改善していくと予想される。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、前年比111.3%で806百万円増加した。要因としては、災害復旧に係る任期付き職員の採用による人件費の増と、移転費用の増が考えられ、移転費用については、新型コロナウイルス感染症や物価高騰など社会情勢を鑑みた関係団体への補助金等の増が影響したものと考えられる。純行政コストについては、災害復旧事業費の大幅な減額の影響を受け、減少した。今後の各指標の見通しについては、純経常行政コストは現在の水準を推移していくと考えられ、純行政コストは災害復旧事業の完了に併せて減少していくと予想される。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の純行政コストは11,195百万円で前年比87.0%、1,674百万円の減額となった。一方でその財源となる税収等についても140百万円の減額、国県等補助金も2,282百万円の減額となったため、本年度末純資産残高は3,540百万円減少した。いずれの増減についても令和元年東日本台風に関連する災害復旧事業費の減少が影響しており、今後も純行政コストは縮小傾向であり、「正」の数値に向かい年々改善していくと予想される。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支については、1,154百万円の黒字だが前年度比1,283百万円の収支マイナスとなった。要因は、災害対応に伴う臨時支出及び臨時収入がともに大きく減少したが、臨時収入の下げ幅が大きかった為、黒字部分に影響したことによる。投資活動収支については、▲3,018百万円で前年度比▲706百万円の収支マイナスとなった。要因は、R4年度の災害に係る過年度分国庫補助金収入が多額であったことから、決算剰余金を基金に積立したため、投資活動支出が増額となった。財務活動収支については、1,296百万円で前年度比▲149百万円の収支マイナスとなった。要因としては、地方債償還支出が増加しているが、災害関連の地方債の借入が減少したことにより、収支は微減となった。昨年度と比較し、災害復旧に要する支出が減少し、伴って地方債の新規発行も減少傾向である。しかし、後年度、地方債償還支出が増となることが見込まれることから、財政計画を踏まえた適正な財政運営が求められる。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産は、419.8万円で類似団体平均値を上回っている。令和元年の台風災害以降人口は減少しているが、災害復旧に係る国庫補助金や地方交付税などの収入が大きく増加したため、高い水準で推移している。歳入額対資産比率は、2.59年と類似団体平均を下回っているが、これは上述のとおり、地方交付税、国庫補助金の増収等で流動資産が増加したためである。有形固定資産減価償却率は63.6%と類似団体平均とほぼ同水準を推移してるが、今後は設備の更新・長寿命化などを実施しながら、施設の老朽化対策を図っていかなければならない。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は68.3%で類似団体平均値を下回っており、災害復旧事業に伴う地方債発行が影響している。今後は事業完了に併せて地方債発行が減少していくため、徐々に改善すると考えられる。将来世代負担比率は27.7%で、類似団体平均を上回っているが、上記指標と同様に災害復旧事業の完了に併せて地方債発行が減少していくため、年々改善すると予想される。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは94.0%で類似団体平均を上回っている。これも同様に災害復旧事業の影響を受けており、さらに人口減少によって類似団体平均値との差も拡大傾向である。今後は災害復旧事業費は減少するが、災害復旧事業費以外の純行政コストは人口減少していることから、行政規模と見合う適正な水準を維持していく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は132.9万円と類似団体平均を大きく上回っている。これも災害復旧事業に関連する地方債発行が増加したことと、町域が広大であることから、道路を中心としたインフラ整備に要する経費がかかりやすく、その財源として地方債発行をしているためである。今後負債額を減額していくため、道路をはじめ各種インフラ整備について精査をし進める必要がある。業務投資活動収支と投資活動収支の合計は、▲824百万円で類似団体平均を下回っている。特に投資活動収支がマイナスとなっている理由は、決算剰余金などの基金積立を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、13.1%と類似団体平均を大きく上回っている。。要因は、令和元年東日本台風災害復旧事業に関連する国庫補助金の過年度交付分を収入したことによるものであるなお、令和元年東日本台風災害以外に起因する部分については昨年度までと同水準を示しており、公共施設の利用料等を見直しするなど、経常収益の増加に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,