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地方財政ダッシュボード

宮城県富谷市の財政状況(2021年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数の値は,前年度より0.02ポイント下がり0.81となった。これは,普通交付税の再算定により,基準財政需要額に「臨時経済対策費」と「臨時財政対策債償還基金費」が加算されたことで,積算の分母となる基準財政需要額が増加し,令和3年度(単年度)の財政力指数が下がったため,3か年平均値も下がったものである。再算定の影響を受けない部分については,今後も歳入確保に努めるとともに,歳出削減に取り組み,財政基盤の強化を図っていく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は,類似団体平均値を0.5ポイント上回る値となったが,前年度と比較して2.7ポイント下がり,過去4年間の中で最も良い数値となった。これは,再任用職員の人件費の増加等により経常一般財源の歳出が増えたものの,地方交付税や地方消費税交付金等の伸びにより,経常一般財源の歳入が歳出を上回る増加となったことによるものである。今後も富谷市行政改革基本方針に基づく行政改革により,経費の削減に努め,更なる財政の健全化を図る。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たりの人件費・物件費等決算額は,類似団体平均値と比べて低くなっているものの,前年度より5,932円増加した。主な要因としては,市道の舗装修繕工事や河川の土砂撤去工事による事業費の増加等で,維持補修費が約8%伸びたことによるものであるが,新型コロナウイルスワクチン接種事業の実施による物件費の増(+5.2%)と,会計年度任用職員の雇用増加による人件費の増(+4.7%)等,いずれの項目でも経費が増額となったためである。今後も行政改革の推進のほか,適切な定員管理や公共施設等総合管理計画に基づく適正管理等により,各経費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

給料表の構造,経験年数別職員構成の不均衡等により類似団体の中では最低水準にある状況が続いていたことから,職務・職責に応じた給与支給の適正化を図るため,令和2年度に給料表の構造の見直し(6級制から7級制)を行った。しかしながら,依然として経験年数別職員構成の不均衡により類似団体の中では最低水準にある。今後も人事院勧告に準拠し,人件費,定員管理の状況を踏まえながら適正な給与支給に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

適正な定員管理を実施し,類似団体の平均を下回る人員で自治体業務を遂行している。今後も限られた人員の中で増加する行政需要に対応するため,事務事業の見直しによる効率化,デジタル化の推進,職員研修の積極的な実施による職員の資質向上等を図りながら,適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は,一時借入金を発生させていないことや平成22年度以前及び令和元年度以降,臨時財政対策債を発行していないこと等から,類似団体平均値と比べて低い水準となっている。令和3年度の単年度数値は-2.3となり,前年度より0.1ポイント好転した。これは,普通交付税や臨時財政対策債発行可能額等の伸びによる標準財政規模の増加によるものと,元利償還額や公営企業債の償還財源に充てる繰出金等が減少したこによるものである。今後も,地方債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は,充当可能財源(充当可能基金や基準財政需要額算入見込額等)が将来負担額(地方債現在高や退職手当負担見込額等)を上回っていることから,例年同様に算定されなかった。しかしながら,将来負担額に算入される地方債現在高については,公共施設等総合管理計画に基づく中長期的なハード面の整備計画により年々需要が増えると見込まれるため,地方債の借入には世代間の負担割合を考慮しながら,地方債のみに依存しない健全な財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は,類似団体平均値と比べると依然として高い水準にはあるが,前年度より0.8ポイント改善し,25.7%となった。これは,一般職員や再任用職員のほか,会計年度任用職員の雇用の増により人件費が増額となったものの,地方交付税や地方消費税交付金等の伸びにより,経常一般財源も増額となったことによるものである。今後も引き続き適正な定員管理を推進し,人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は,類似団体平均値と比べると高い水準にあるが,昨年度とほぼ変わらず18.3%となった。放課後児童クラブ運営事業や住民検診事業における委託料の増により,物件費総額は増えたものの,経常一般財源も増額したことにより数値としては改善した。今後も行政改革に基づいた事業経費の精査を図り,物件費のコスト削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は,類似団体平均値と同水準にはあるものの,前年度の数値を0.2ポイント上回る12.8%となった。主な要因としては,子ども医療費助成事業における扶助費の増によるものである。今後も更なる社会保障関連経費の増加が見込まれるため,生活保護受給者の自立支援や医療費の適正化等,関連事業の精査を行い,適正な水準の維持に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は,類似団体平均値を上回る16.8%となったが,前年度と比較して1.2ポイント下がった。これは,市道の舗装修繕工事や河川の土砂撤去工事による事業費の増加等で維持補修費が伸びたものの,経常一般財源も増額したことにより数値としては改善したものである。今後も公共施設等総合管理計画に基づいた計画的かつ効果的な改修・修繕を行うことで,経常費用の削減に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は,類似団体平均値を下回る10.4%となり,前年度より0.7ポイント改善した。主な要因としては,感染症予防事業における事業費(インフルエンザ予防接種助成補助金)の減によるものである。今後も負担金や補助金の対象団体の運営事業内容について精査し,補助金については補助金の適正化に関するガイドラインに沿って適正化の推進に努める。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は5.0%と,類似団体中最も低く,過去4年間においても最も良い数値となった。しかしながら,公共施設等総合管理計画に基づくハード面の整備計画により,地方債の需要額は年々増加傾向にあると見込まれるため,引き続きプライマリーバランスを考慮しながら借入を抑制し,地方債に依存しない財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は,類似団体平均値を上回る84.0%となったものの,前年度より2.2ポイント好転した。主な要因として,歳入面では一昨年度より臨時財政対策債の発行を抑制していることと,歳出面では各項目で述べたものが挙げられる。今後も事務事業の見直しや適正な定員管理,公共施設等総合管理計画による適切な維持管理を推進し,歳出削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費における住民一人当たりのコストが前年度に比べ大きく減少した要因としては,新型コロナウイルス感染症に伴う緊急経済対策として実施された特別定額給付金給付事業相当分の減額が挙げられる。民生費については,新規事業の子育て世帯への臨時特別給付金給付事業や子育て世帯への臨時特別給付金給付事業の実施のほか,認定こども園設置事業及び認可保育所設置事業における事業費の増加が主な要因となっている。また,土木費については,市道宮沢根白石線舗装修繕工事の実施や繰越事業による市道三ノ関大崎線道路改良事業の事業費の増加,交付金交付額決定による市道穀田三ノ関線道路改良事業の事業費の増加,さらに橋梁維持管理事業において富谷橋長寿命化修繕工事等の実施による事業費の増加等により,約13,000円程の増加となっている。なお,教育費においては,前年度に実施したGIGAスクール対応事業としての小・中学校用タブレット購入及び小・中学校校舎LAN工事の減額によりコストが下がっている。今後も,富谷市行政改革基本方針に基づく行政改革を推進し,事務事業の見直しによる再構築や重点化する主要事業の優先度等の検討を進め,経費の削減に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

各構成費目で分析すると,義務的経費に係る住民一人当たりのコストは,人件費,扶助費,公債費のいずれにおいても類似団体平均値を下回っている。適正な職員定数管理,若年世代が多いことによる老人福祉費に係る扶助費の抑制,そして地方債の発行の抑制等が主な要因として挙げられる。なお,扶助費が前年度より増加した要因としては,子育て世帯への臨時特別給付金や住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金の支給等を実施したことが挙げられる。投資的経費に係る住民一人当たりのコストは,普通建設事業費において約17,000円増加している。これは,認可保育所設置事業における保育園改築費や認定こども園設置事業における(仮称)明石台幼稚園整備事業の増加によるもののほか,松森工場共同整備事業における同級他団体施行事業負担金の増加や市道宮沢根白石線舗装修繕工事の実施等によりものである。その他の経費に係る住民一人当たりのコストについて,補助費等において前年度と比べ大きく減少しているのは,令和2年度に実施した特別定額給付金給付事業補助金交付相当額が減額となっているためである。今後も,引き続き行政改革の推進による事務事業の見直しを進め,コスト削減に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

財政調整基金残高は,300百万円を取崩し,約630百万円の決算積立を行ったため増加したが,標準財政規模についても増加となったため標準財政規模比では微増にとどまった。実質収支額も地方消費税交付金の伸び等により増加し,標準財政規模比ではこちらも微増である。以上のことから,実質単年度収支の標準財政規模比においても前年度より黒字幅を伸ばし,3.99%となった。今後も引き続き,行政改革の推進により事務事業の見直しやコストの削減を図るとともに,安定的な自主財源の確保に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

連結実質赤字比率は算定開始以来,数値が算出されていないことに加え,赤字額が発生した会計もない。令和2年度決算より,下水道事業が法適用の企業会計へと移行しており,水道事業とともに健全な運営状況を維持している。しかしながら,今後も老朽化した施設や設備の整備更新が課題であり,中長期的な経営判断のもと健全経営に努めていくことが必要である。国民健康保険特別会計については,保険給付費等の歳出が増えているものの,歳入においても保険給付費等交付金の伸び等により総額が増加したため,実質収支額が増えた。それにより,標準財政規模比も前年度に比べ0.29ポイントの増加となった。介護保険特別会計と後期高齢者医療特別会計では,保険給付費及び広域連合納付金に係る歳出額が増え,標準財政規模比はいずれも減少となった。国民健康保険特別会計同様,各会計においては,今後も引き続き保険給付の適正化に努め,財政の安定化を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

実質公債費比率は,平成21年度以降,実際に負担している公債費等よりも基準財政需要額に算入された公債費等(算入公債費等)の数値が大きくなっているため,負数の算定結果になっている。分子の各構成費目については,前年に続き,公営企業の元利償還金に対する繰入金が減少したが,平成30~31年度に借入を行った臨時財政対策債や小中学校空調設備整備のための学校教育施設等整備事業債等の償還が始まり,元利償還金が32百万円増加した。それにより,全体としては前年度比+7百万円の微増となった。今後も,普通会計においては地方債の発行の抑制や公債費の平準化に努めるとともに,公営企業及び一部事務組合に対しても公債費の動向を注視し,健全な財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

将来負担比率は算定開始以来算出されていない。主な要因は,将来負担額の要素である一般会計等に係る地方債の現在高の数値が標準財政規模に対し低いためである。将来負担額における地方債現在高(残高)については,公共施設等総合管理計画に基づく中長期的なハード面の整備の見通しから,今後も地方債の需要が高まることが見込まれる。また,退職手当負担見込額についても,令和2年度より計上されるようになり,より一層負担額全体を見通した上での財政運営の健全性維持が求められる。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)減債基金において繰上償還のために約4百万円の取崩しと,その他特定目的基金(ユーマイタウン施設整備基金及び長寿社会福祉基金)において各事業への充当として約59百万円の取崩しを行った。しかしながら,財政調整基金においては300百万円を取り崩した一方で,約630百万円の決算積立を行ったこと等により,基金全体としては前年度と比べて約279百万円の増額となった。(今後の方針)行政経費の増加や学校給食費完全無償化等の事業に充てるための財政調整基金の取り崩しや,(仮称)やすらぎパークとみや整備事業及び図書館等複合施設整備事業に充てるためのユーマイタウン施設整備基金の取り崩し等により,減少する見込みである。

財政調整基金

(増減理由)300百万円の取り崩しを行った一方で,地方消費税交付金等の増収により約630百万円の決算積立により,前年度と比べて約330百万円の増額となった。(今後の方針)掲載事情の変動等により財源が不足する場合や,災害等により生じた経費の財源又は災害等により生じた減収を埋めるための財源として充当予定である。

減債基金

(増減理由)繰上償還の財源として,約4百万円を取り崩したことによる減額である。(今後の方針)経済事情の変動等により財源が不足する場合や,市債の償還額が他の年度と比べて多額となる場合に,市債の償還財源として充当予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・ユーマイタウン施設整備基金:公共施設及び公益施設の整備資金に充てるもの。また,それにより住みよいまちづくりを推進するもの。・庁舎整備基金:市庁舎の建設,増改築及び維持管理の資金に充てるもの。・ふるさと富谷創造基金:富谷に根ざした歴史,伝統,文化,産業等を生かし,独創的かつ個性的なゆとりのあるふるさと富谷づくりを推進するもの。・長寿社会福祉基金:地域における福祉活動の促進,快適な生活環境の形成等,本格的な高齢化社会の到来に対応した施策を推進するための資金に充てるもの。また,それにより地域の振興と住民福祉の向上を図るもの。・市民図書館基金:図書館施設の整備及び機能の充実を図るもの。(増減理由)・ユーマイタウン施設整備基金:(仮称)やすらぎパークとみや整備事業の財源として充当したことにより,約57百万円の減額となった。・長寿社会福祉基金:社会福祉協議会補助事業や保健福祉総合支援センター運営事業への充当により,約2百万円の減額となった。・市民図書館基金:ふるさと納税による寄附金からの積立てにより,約4百万円の増額となった。(今後の方針)・ユーマイタウン施設整備基金:(仮称)やすらぎパークとみや整備事業のほか,普通建設事業(文教施設等)に充当予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均値を下回っているものの、年々上昇している。今後さらに既存の資産の老朽化が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づき、計画的かつ効果的な改修や修繕に引き続き取り組んでいく。

債務償還比率の分析欄

これまで債務償還比率は算定されていない。引き続き、健全な財政運営に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担額を充当可能財源が上回る状況が続いており、将来負担比率は算定されていない。今後も将来にわたって安定的な行政運営が行われるよう、健全な財政運営に努めていく。なお、有形固定資産減価償却率については年々上昇しており、今後さらに既存の資産の老朽化が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づき、計画的かつ効果的な改修や修繕に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

これまで将来負担比率は算定されず、実質公債費比率についてはマイナスの数値が続いている。なお、直近3か年平均となる実質公債費比率について、0.1ポイント好転した。これは、3か年平均値対象外となる平成30年度と、令和3年度の単年度数値を比較すると、普通交付税及び臨時財政対策債発行可能額等の伸びにより標準財政規模が増加したため(対平成30年度比+1,148,491千円)、分母の金額が大きくなったことによるものである。また、元利償還額や公営企業債の償還の財源に充てられる繰出金等が減少したことにより、分子の金額は小さく(絶対値では大きく)なった(対平成30年度比▲68,478千円)ことも一因であり、決算の内容としては好転したといえる。今後も引き続き、将来を見据えた計画的な市債管理に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

各施設の有形固定資産減価償却率について、類似団体平均値と比較し高い水準にあるのは【認定子ども園・幼稚園・保育所】、【橋りょう・トンネル】、【公営住宅】、【公民館】である。その中でも、数値を大きく上回る【橋りょう・トンネル】については、定期点検の実施により、安全性に影響を及ぼす損傷等を早期に発見したうえで長寿命化修繕計画を適切に実行し、橋りょうの延命化を図っていく。一方、平均値と比較し低い水準にあるのは【道路】、【学校施設】である。そのうち、【学校施設】は、平成27年開校の明石台小学校などが含まれており、比較的新しい施設が多いためである。各施設の一人当たり面積等について、類似団体平均値と比較して上回っている施設は【学校施設】、【公民館】であり、下回っているのは【道路】、【認定子ども園・幼稚園・保育所】、【橋りょう・トンネル】、【公営住宅】となっている。今後さらに老朽化が進み、修繕費や維持管理費の経費増大が見込まれるため、引き続き公共施設等総合管理計画に基づき、計画的に各施設の長寿命化を図るとともに、適正な配置と効果的な管理運営を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

各施設の有形固定資産減価償却率について、類似団体平均値と比較し高い水準にあるのは【一般廃棄物処理施設】、【体育館・プール】、【消防施設】であり、中でも平均値を大きく上回る【一般廃棄物処理施設】については、該当施設である清掃センターのうち焼却棟の解体事業を令和2~3年度に実施している。一方で、類似団体平均値と比べ低い水準にあるのは【福祉施設】と【庁舎】である。【福祉施設】は、子育て支援センターが平成29年に開館したことや、【庁舎】は平成15年開庁と比較的新しい施設であることが影響している。各施設の一人当たり面積等については、該当のある施設すべてにおいて類似団体平均値を下回る状態である。今後さらなる老朽化と、修繕費・維持管理費等の経費増大が見込まれるため、引き続き公共施設等総合管理計画に則った長寿命化を進めるなど、中・長期的な視点での計画的な管理運営を行っていく必要がある。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度から284百万円の減(△0.4%)となった。この主な要因としては、各資産の減価償却累計額の増によるものである。なお、この有形固定資産が資産総額に占める割合は約83%を占めており、これらの資産は将来の維持管理・更新等の支出を伴うものであることから、引き続き、公共施設等総合管理計画に基づいた計画的かつ効果的な改修・修繕に努めていく。負債総額においては、前年度から36百万円の増(+0.5%)となり、主な要因としては、退職手当債務の増及び負担金積立分の減による退職手当引当金の増(+93百万円)やH30臨時財政対策債、H29公共事業等債、H30学校教育施設等整備事業債の償還開始による、1年内償還予定地方債の増(+66百万円)によるものである。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、R3年度の純経常行政コストは17,227百万円となり、前年度に比べ2,877百万円の減(△14.3%)となった。主な要因としては、R2年度に実施した新型コロナウイルス感染症対応特別定額給付金給付事業の事業終了により、補助金等が前年比で3,621百万円の減となったことによるものである。なお、物件費については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、新型コロナウイルスワクチン接種対策事業の開始などにより、昨年度より220百万円の増となった。維持補修費については、昨年度から大きな変動は無いが、平成30年度以前と比較すると大きく増額となっており、公共施設の老朽化に伴う維持補修費用の増加傾向は今後も続いていくことが見込まれるため、より一層、公共施設等総合管理計画に基づいた計画的かつ効果的な改修・修繕に努めていくものである。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等及び国県等補助金の財源(16,775百万円)が純行政コスト(17,195百万円)を下回ったことから、純資産の本年度差額は△420百万円(対前年度比+711百万円)となり、純資産残高は57,317百万円(対前年度比△319百万円)となった。純資産の本年度差額が、前年度に比べ大きく増額となった主な要因として、純行政コストが3,399百万円の減となったことが挙げられる。今後も引き続き、経費の削減及び税収等の歳入確保に努めるものである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が303百万円となり、前年度と比べ220百万円の増となった。主な要因としては、災害復旧事業費支出について、R2年度の令和元年台風19号災害復旧事業の事業終了に伴い、509百万円の減となったことが挙げられる。投資活動については、投資活動収入1,268百万円に対し、公共施設等整備費支出の増(前年比+1,925%)や基金積立金支出の増(前年比+55.7%)により投資活動支出が1,205百万円となったことから、収支は63百万円となった。財務活動収支については、地方債等発行収入が前年度に引き続き臨時財政対策債の発行抑制を行ったことなどにより、前年比で40百万円の減となっており、収支は△41百万円となった。以上のことから、本年度末資金残高は、前年度末残高より324百万円増加し、1,354百万円となった。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は122.6万円となり、前年度と比べ0.7万円の減となった。この主な要因としては、有形固定資産の減価償却費が増加したことにより、資産合計が減少したためである。しかしながら、当市の有形固定資産減価償却率は59.4%と、類似団体平均値を4%下回っており、公共施設の老朽化の進行度合いは比較的低いものであると考えられる。ただ、前年度比では1.7%の増加を示しており、今後も継続して増えていくことが予想されることから、公共施設等総合管理計画に基づいた計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努めていくものである。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は89.1%と、類似団体平均値を17.2%上回っており、これまで、過去及び現世代の負担によって、将来世代も利用可能な資源を蓄積してきた傾向があるといえる。純資産及び資産合計ともに前年度と比べ減少したが、純資産比率は同水準を維持する結果となった。将来世代負担比率は、有形・無形固定資産合計が減少した一方で地方債残高が微増したことにより、7.8%と前年度比で0.3%増加したが、類似団体平均値を7.9%下回っており、その差は前年度とほぼ同額である。このことから、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度は、比較的低いものといえる。今後も引き続き、世代間の負担割合を考慮しながら、地方債に依存しない財政運営に取り組んでいく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは32.8万円と、前年度と比較し6.5万円の減となった。これは、R2年度に実施した新型コロナウイルス感染症対応特別定額給付金給付事業の事業終了により、補助金等が前年比で3,621百万円の減となったことにより、コスト総額が大幅に減となったためである。しかしながら、類似団体と比べると、H28年度からの5年間平均で約8%を下回る状況が続いている。ただ、児童福祉や障害者福祉などの社会保障給付費に加え、公共施設の老朽化に伴う維持補修費などは、今後も年々増加していくことが見込まれるものであり、より一層の経費の削減に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債合計が3,581万円増加したものの、住民一人当たりの負債額は13.4万円と、前年度と変動は無く、類似団体平均値を大幅に下回る傾向が続いている。しかしながら、総合計画に基づく中長期的なハード面の整備の見通しから、地方債の需要は今後も高まっていくことが見込まれる。基礎的財政収支の好転については、災害復旧事業費支出について、R2年度の令和元年台風19号災害復旧事業の事業終了に伴い、509百万円の減となったことにより、業務活動収支が前年度比で217百万円増加したことが影響している。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、前年度と変動は無かったものの、類似団体平均との差が前年度の△0.3%と比較し△1.0%へと拡大した。受益者負担の適正化に向けて、引き続き、各種公共施設等の使用料及び各種手数料の見直しや、公共施設等の利用回数を向上させるための取組み等を進めていく。なお、経常費用のうち維持補修費については、公共施設の老朽化に伴い増加傾向が今後も続いていくことが見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づいた計画的かつ効果的な改修・修繕を行うことで、経常費用の削減に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,