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地方財政ダッシュボード

青森県佐井村の財政状況(2020年度)

🏠佐井村

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和3年3月末:46.7%)に加え、長引く景気低迷や漁業不振などから0.12ポイントと類似団体を0.07ポイント下回っている。今後も自主財源の根幹である村税の収納率向上に努めるとともに、緊急に必要な事業を峻別し、行財政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

平成17年度から実施している職員の給与カット(令和2年度:特別職5%~8%等)による人件費の削減や投資的経費の抑制による公債費の削減等により対前年度比0.6ポイントの減となり、類似団体平均と比較すると0.1ポイント下回っている。令和元年度から類似団体平均を下回っているものの依然として、高い数値となっているため、引き続き、事務事業の精査を徹底するとともに経常的経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

これまでに実施した退職者不補充等による職員数の削減、さらには消防業務等が一部事務組合への負担金で決算されるため、類似団体平均を下回っている。対前年度比10.2%増の要因としては、新型コロナウイルス感染症対策に係る物件費で208百万円の増となったことが考えられる。ただし、一部事務組合負担金や公営企業会計繰出金といった費用を加味した場合、人口1人当たりの決算額は増加するため、今後これらを含めた経費について抑制していく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

厳しい財政状況の中、財源の確保として平成17年度から平成26年度職員の本給をカット(特別職20%~30%、一般職2%)、手当では期末・勤勉手当の3%カットや時間外勤務手当の上限設定(給料の2%)、管理職手当の凍結及び特別勤務手当の廃止を行ってきた。令和2年度においては、特別職の給料カット(5%~8%)及び管理職手当のカット(20%)等を行っており、類似団体平均を1.5ポイント下回っている状態であることから、今後もこの状態を維持するため、引き続き給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

退職者不補充(平成14年度から平成20年度までは採用者なし)が大きな要因となり、その後は定員適正化管理計画に則り退職者数と採用者数の均衡を図ることにより、類似団体平均を下回る状態が続いている。今後も「佐井村行財政改革大綱」及び「佐井村第5次長期総合計画」に基づき、組織機構の合理化、事務事業の見直しをさらに進め、職員数の適正化を図る。

実質公債費比率の分析欄

普通建設事業費の縮減等による公債費の削減により、類似団体平均を1.0ポイント下回る結果となった。しかし、令和2年度の借入額が多額となったこと(借入額:512百万円)、また次年度以降も大規模な施設改修や解体工事等に係る借入を予定しているため、令和2年度分の償還が始まる令和5年度から公債費の大幅な増額が見込まれる。今後も事業の取捨選択を徹底するとともに、新規の地方債の発行にあっては厳選し計画的に進めることにより、公債費比率の改善に努める。

将来負担比率の分析欄

平成25年度以降将来負担比率が生じていないが、これは将来負担額より充当可能財源等が上回っているためであり、地方債発行の抑制によるプライマリーバランスの黒字を維持していること、並びに財政調整基金及び減債基金の積立てによる充当可能基金の増が挙げられる。しかし、今後は一部事務組合への負担金が比率を押し上げる要因となる見込みのため、経営健全化に係る取組及び進展を見極めつつ、比率の悪化を防ぐように努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

前年度と比較し0.8ポイント、類似団体平均と比較しても4.2ポイント下回る結果となった。これは年度途中の退職者がいたことや過去に実施した退職者不補充、平成17年度から継続している給与カットが大きく影響している。また、消防業務等を一部事務組合で行っていることも下回っている要因として考えられる。今後も職員数の適正化を維持していくとともに、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

前年度と比較し0.9ポイント、類似団体平均と比較すると4.1ポイント上回った。これはごみ収集に関する委託料及び制度改正等に係るシステム改修やシステム保守関係経費の増加に加え、令和2年度は新型コロナウイルス対策に係る消耗品や備品の購入が多額となったことが要因として挙げられる。今後は事業内容の精査、見直しを進めていくことで上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

扶助費の分析欄

類似団体平均と比較すると0.8ポイント下回っており、ほぼ横ばいの状態が続いているものの、障害者自立支援給付費や重度心身障害者医療費は増加傾向にある。今後は事業内容の精査・見直しを進めていき、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他に係るものは繰出金及び維持補修費となっており、類似団体平均を0.6ポイント下回る結果となったが、簡易水道事業と下水道事業での施設の老朽化に伴う維持管理費用の増大及びその解消のための長寿命化改修により繰出金が増加傾向となっていることから、公営企業会計については独立採算の原則に立ち返った料金の見直しによる健全化を図ることなどにより普通会計の負担を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

前年度と比較し0.8ポイント増となっており、いまだに類似団体平均を大きく上回っている。これは、ごみ・し尿処理業務や消防業務などを一部事務組合で行っていることが影響している。また、今後新ごみ処理施設整備に係る負担金も発生してくることから、今後さらなる増額が見込まれるため、引き続き、村単独補助金の見直しに加え、一部事務組合負担金にも注視していく必要がある。

公債費の分析欄

類似団体平均と比較し7.4ポイント下回った。数年は減少傾向となると考えられるが、それ以降は令和2年度に多額の借入を行ったこと、令和3年度以降も公共施設の改修等に係る借入を予定していることから、公債費は増加していく見込みである。近年、やむを得ない多額の借入が続いているため、他の事業と調整を図りつつ、事業内容の精査を徹底し、地方債発行の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体平均と比較すると7.3ポイント上回っている。これは補助費等と物件費が主な要因であり、特に一部事務組合(下北地域広域行政事務組合)への負担金が大きく影響している。今後は一部事務組合負担金の推移に十分留意するとともに、業務委託料についても事業の必要性を十分に検討し、最小限の事業実施に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

主な構成項目である総務費は住民一人当たり670,513円であり、前年度と比較し404,715円と大幅な増額となったが、これは防災行政用無線施設デジタル化事業(事業費:356,949千円)及びAIサイボードネットワーク構築業務委託(事業費:144,650千円)の実施によるものである。民生費は類似団体平均を11,782円下回っているものの、前年度と比較し17,460円の増額となった。これは特別定額給付金給付事業(事業費:195,655千円)及び仁愛互助金給付事業(事業費:19,647千円)などの実施によるものである。土木費は類似団体平均を約60,000円下回る状態が続いていたが、今年度は前年度と比較し57,278円の増となり、類似団体平均に大きく近づく結果となった。これは、橋梁長寿命化改修工事費の増(事業費:133,296千円)及び除雪ドーザを更新したこと(事業費:9,209千円)が影響している。衛生費は常に類似団体平均を上回っており、これは簡易水道事業と下水道事業への特別会計繰出金や一部事務組合への負担金によるものであるため、大幅な抑制はできないものの事業の必要性を検討し最小限の事業実施に努めた。消防費は前年度と比較し18,063円の増額となり依然として類似団体平均を大きく上回っている。これは一部事務組合の負担が大きいこと、また各地区消防施設の補修・更新が影響している。今年度は新型コロナウイルス感染症対策に係る避難所及び備品の整備により増額となっている。商工費は例年20,000円程度で類似団体平均を下回る状態が続いていたが、今年度は前年度から60,738円の増額となり、類似団体平均を上回る82,351円となった。これは、新型コロナウイルス感染症まん延に伴う地元事業者への経済支援に係る経費(事業費:132,151千円)が大きく影響している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民一人当たり1,709,681円となり、前年度と比較し513,880円の増額となっている。これは人口減少に伴う住民一人当たりの負担の増もあるが、主な構成項目である普通建設事業費及び補助費等の増額が要因として挙げられる。各項目に共通して、令和2年度は新型コロナウイルス感染症対策に係る経費が多額となっており、住民一人当たりの負担を押し上げている要因となっている。普通建設事業については、住民一人当たり441,159円で類似団体平均と比較し140,124円上回っており、前年度と比較すると277,017円の増額となっている。これは防災行政用無線施設デジタル化事業(事業費:356,949千円)及びAIサイボードネットワーク構築業務委託(事業費:144,650千円)」の実施が影響している。補助費等については、住民一人当たり419,381円で類似団体平均と比較し79,244円上回っており、前年度と比較すると180,839円の増額となっている。ごみ・し尿処理業務や消防業務などを下北地域広域行政事務組合で行っているため高止まりの状態ではあるが、一部事務組合負担金のうち消防分署費では抑制が図られている。令和3年度から新ゴミ処理施設の建設事業が始まるため、一部事務組合負担金はさらに増額となる見込みである。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

標準財政規模に対する実質収支の割合は、年度により増減はあるものの、5ヶ年平均では3.56%となり、一般的に適正範囲といわれている3~5%の範囲であることから、財政運営の健全化は維持されている。令和2年度決算においては、前年度と比較し収入・支出ともに大幅な増額となっているものの、支出に比べ収入の増額が大きく、さらには財政調整基金の取り崩しを行わなかったことが影響していると考えられる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計においては黒字となっているが簡易水道事業や下水道事業の公営企業会計への繰出金は増加傾向にあり、これは簡易水道施設及び排水処理施設の維持補修費が増大しているためであり、経年によるものや立地による塩害等により老朽化が進んでいることが原因である。また次年度以降も長寿命化改修工事が予定されていることから今後も増加傾向となる見込みである。繰出金を抑制するためにも、施設の計画的な補修を行うこと、また独立採算の原則に立ち返った料金の見直し、下水道事業においては加入促進を図り、健全な経営の確保に努める。国民健康保険特別会計においては、平成27年度までの累積赤字が約9百万円となったことから平成28年度で一般会計から赤字補填した状態である。平成29年度においては国民健康保険税の改正等により黒字決算に転じている。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

実質公債費比率の分子は減少傾向にある。しかし、公営企業債の元利償還金に対する繰出金は高水準にあり、これは下水道事業特別会計において償還のピークは越えたものの、いまだ高止まりとなっているためである。全会計での償還額及び一部事務組合が発行した地方債償還金に対する負担金も減少傾向にあるが、今後増加する見込みのため、一部事務組合の動向に注視するとともに、村発行の地方債にあっては厳選し、計画的に進めることにより、当該分子の減少に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

地方債等の将来負担額、基金残高等の充当可能財源等はともに増加となった。将来負担額は284百万円の増額となり、要因としては緊急防災・減災対策事業債(356百万円)及び学校施設等整備事業債(51百万円)等の借入が多額となったことが要因として挙げられる。また一般会計等に係る地方債の残高及び組合等負担等見込額は、施設の長寿命化等改修工事や新ごみ処理施設建設に係る負担金の増加が見込まれており、今後も増加傾向となることが予想される。充当可能財源等は304百万円の増額となり、要因としては基金の取り崩し(52百万円)を抑え、積み立てを増額(155百万円)できたことが要因として挙げられる。今後も新規発行地方債の厳選、抑制に努めるとともに下北地域広域行政事務組合等の経営健全化に係る取組み、進展を見極めつつ、当該分子の減少に努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)・小中学校及び保育所の運営費分として「公共施設維持運営基金」31百万円のほか、奨学金貸付金分として「育英基金」8百万円等、合計51百万円を取り崩した一方、電源立地地域対策交付金により「公共施設維持運営基金」に54百万円、歳計剰余金を減債基金に25百万円等、合計154万円を積み立てたため、基金全体として104百万円の増額となった。・基金残高の増額について、積立額は前年度と比較し「核燃料物質等取扱税交付金基金」の34百万円の増額となっており、取崩額については保育所運営費分(25百万円)の増額があったものの、佐井中学校校舎改修分として「公共施設維持補修基金」90百万円、佐井地区診療所の屋根改修分として「公共施設整備基金」8百万円が完了したことにより大幅な減額となったことが要因として挙げられる。(今後の方針)・基金の使途の明確化を図るため、財政調整基金の残高が多額となった場合は取り崩して個々の特定目的基金に積み立てていくことを予定している。

財政調整基金

(増減理由)・今年度は利子分(0.3百万円)のほか13百万円の積立てとなり、適切な財源の確保と歳出の精査により取崩しを0百万円に抑えることができたことから、財政調整基金残高が増加した。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、災害等不測の事態に備えるため、過去の実績を踏まえ標準財政規模の20%~30%になるよう努める。

減債基金

(増減理由)・決算剰余金を25百万円積み立てたことによる増額。(今後の方針)・毎年度、歳計剰余金を積み立てるため自然に増加していく。今後は償還のため計画的に取り崩して財政の安定化を図る。

その他特定目的基金

(基金の使途)・水産振興基金:水産の振興を図るための事業費に充てることができるが、振興を図るための経費とは佐井村漁業協同組合における水産振興対策のための事業、漁業協同組合の経営強化のための事業、その他水産振興に資すると認められる事業である。・公共施設維持補修基金:公共施設の修繕、その他維持補修経費の財源に充てることができる。・公共施設整備基金:公共施設の整備資金に充てることができる。・公共施設維持運営基金:公共施設の維持運営の経費の財源に充てることができる。・ふるさと佐井村応援基金:生活環境の整備及び学校教育の充実、防災に関すること、福祉・保健・医療の充実等を目的とした事業費に充てることができる。(増減理由)・水産振興基金:毎年度、村漁業協同組合に経営強化資金を貸し付けた分の返済(24百万円)があったが、新型コロナウイルス感染症の影響から返済ができなかったため、水産振興事業への繰入分(7百万円)の減額となった。・公共施設維持補修基金:公共施設の維持補修のため電源立地地域対策交付金(3百万円)を積み立てたことにより増額した。・公共施設維持運営基金:電源立地地域対策交付金(54百万円)を積み立てたが、小中学校や保育所の運営費(31百万円)に充てるため取り崩したことから、23百万円の増額となった。・ふるさと佐井村応援基金:取崩額より寄付金額が多かったことにより増額した。(今後の方針)・水産振興基金:令和17年度までは毎年返済金分として24百万円積み立て、水産振興計画に基づき、毎年10百万円程度取り崩す予定。・公共施設維持補修基金:令和4年度に佐井小学校の設備改修を行うため41百万円程度取り崩すが、毎年電源立地地域対策交付金分で50百万円程度積み立てを予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は資産の新規取得等により前年度に比べて減少したものの、類似団体より高い状態であり、施設の老朽化の進行により今後も上昇することが考えられる。有形固定資産については、令和2年度に「佐井村公共施設個別計画」を策定、令和3年度に「佐井村公共施設等総合管理計画」を改訂しており、今後も当該計画に基づき、計画的な修繕・更新等による施設の維持管理に取り組んでいく。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は地方債残高の増加により前年度に比べて上昇したが、類似団体平均を下回っている。主な要因は、地方債の新規発行を抑制していることによる公債費負担の軽減と村債残高の圧縮等が考えられる。今後は施設の維持補修に多額の財源を要することが見込まれる。地方債の新規発行の抑制など、債務償還比率に配慮した財政運営に努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、道路、橋りょう・トンネル、学校施設、公営住宅である。一方、低くなっているのは認定こども園・幼稚園・保育所、港湾・漁港である。また、有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、一人当たりの有形固定資産額が類似団体と比較して低い傾向にあるが、これは施設の老朽化により有形固定資産額が減少しているためであるといえる。道路、橋りょう・トンネル、学校施設、公営住宅については、個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)に基づいて老朽化対策に取り組んでいくこととしている。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

福祉施設、消防施設、庁舎について、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率は高くなっており、増加傾向にある。一人当たりの面積については、人口の減少により微増となっている。消防施設、庁舎については、個別施設ごとの長寿命化計画(個別施設計画)に基づいて老朽化対策に取り組んでいくこととしている。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から419百万円の増加(前年度比+4.5%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産であり、前年度末から405百万円の増加となった。ただし、資産総額のうち有形固定資産の割合が約73.7%となっており、これらの資産は将来の維持管理や更新等の支出を伴うものである。施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。負債総額は前年度末から356百万円の増加となった。金額の変動が大きいのは地方債であり、387百万円の増加となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の経常費用は2,654百万円となり、前年度比286百万円の増加(+12.1%)となった。金額の変動が大きいものとしては、補助金等(前年度比+343百万円)、経常費用のうち、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費(422百万円)や物件費(581百万円)を含む物件費等1,076百万円であり、純行政コストの約43%を占めている。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の削減に努める。全体会計では、一般会計等に比べて経常収益が61百万円多くなっている。これは簡易水道事業特別会計や下水道事業特別会計の料金等を使用料及び手数料に計上しているためである。一方移転費用において、全体会計では国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、一般会計等より434百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(2,558百万円)が純行政コスト(2,495百万円)を上回ったことから、本年度差額は+62百万円(前年度比+369百万円)となり、純資産残高は前年度に比べて62百万円の増加となった。地方税の徴収業務の強化等により税収等の増加に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて、税収等が200百万円多くなっている。連結では、青森県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金が財源に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が360百万円多くなっており、本年度差額は▲9百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は486百万円、投資活動収支は公共施設等整備費支出が630百万円増加したことにより、▲837百万円(前年度比▲757百万円)となった。財務活動収支については、地方債発行収入が増加したことにより359百万円となったが、地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている。全体会計においては、業務活動収支は634百万円で前年度比379百万円増加している。これは主に国県等補助金収入が増加したことによる。また、投資活動収支は▲911百万円で前年度比823百万円の減少となっている。これは一般会計等と同様に公共施設等整備費支出が増加したことによる。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地の大半が取得価額不明であり、備忘価額1円で評価しているためである。有形固定資産減価償却率については、類似団体より高い水準にある。老朽化の進んでいる施設については、公共施設等総合管理計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を若干上回っている。また、税収等の財源が純行政コストを上回ったことにより、純資産額は昨年度より増加している。純資産額は減少傾向が続いており、人件費の削減などにより、行政コストの削減に努める必要がある。また、将来世代負担比率は地方債残高の増加により前年度より増加となったが、類似団体平均値を下回っている。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについては、前年度より約12万円増加した。経常費用のうち金額の大きいものは、補助金等(850百万円)と物件費(581百万円)である。補助金等に含まれる費用は、消防費負担金(195百万円)や国保診療報酬(201百万円)である。物件費に含まれる費用には、津軽海峡文化館指定管理委託料(29百万円)や佐井村総合行政情報システムリース料(25百万円)である。今後も、経常的なコストについて、経常的に発生するものなのか臨時的に発生するものなのかを考慮しコスト削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均を下回っているが、前年度より一人当たりで20.7万円増加した。負債の大半を占める地方債残高の増加によるものといえる。基礎的財政支出は、業務活動収支が357百万円の増加となったが、投資活動収支の赤字額が増加したことにより240百万円の赤字となった。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、経常収益の増加により前年度に比べ増加し、類似団体平均を上回った。今後も公共施設等の使用料の見直しを行うとともに、経常費用の削減に努め、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,