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地方財政ダッシュボード

北海道えりも町の財政状況(2020年度)

🏠えりも町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 特定環境保全公共下水道 漁業集落排水


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

当町の基幹産業は漁業であり、漁獲高によって年度ごとの税収に増減があるが、3か年平均の財税力指数はほぼ同水準で推移していることから、各年度を平準化した町全体の税収に大きな変動はないものと考える。類似団体の平均指数より低い水準になっていることから、漁業、その他の産業の振興を図り、町民一人当たりの所得向上など財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

当町は、町立の高等学校と保育所を運営しているため、例年、類似団体の平均値より高い状況が続いている。令和2年度の比率の改善は、人件費及び公債費の減と普通交付税の増によるものであるが、人件費については、退職手当組合普通負担金の納付特例の対象となり、本来納付する約70百万円が一時的に減となっている状況である。今後、退職手当組合負担金の増や普通交付税の減少等による経常収支比率の悪化が懸念されることから、事務事業の見直し・重点化や職員数の適正管理などを引き続き行い、歳出の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の全てが増加している。物件費は、GIGAスクール構想に基づくタブレットの購入費用、維持補修費は、道路維持に要する費用の増が主な要因となっている。物件費の急伸は一時的なものであると捉えているが、これら3つの費用に係る平均的な決算額の水準は上昇していくものと考えている。人口減少により、住民1人当たりに要する費用は更に割高になることから、引き続き事務事業の見直しを進め経費節減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

前年度から指数が増加した要因は、経験年数階層構成比の変動によるものである。引き続き給与額及び職員数の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

当町は、町立の高等学校と保育所を運営していることから、類似団体と比較し、職員数が例年多い状況にある。中長期的視点による施設運営方針について検討を進めて行く。また、町全体として職員の平均年齢の上昇による人件費の増加が懸念されることから、今後は職員の年齢構成や人口推計に基づく定員管理と組織・事務事業の見直しを進め、効率的な財政運営に努める。

実質公債費比率の分析欄

地方債の発行限度額を設定し地方債残高の削減に努めてきたことから、元利償還金は減少傾向にある。これにより、平成29年度以降、単年度実質公債費比率は対前年度と比較し減少を続けており、令和2年度についても令和元年度から0.9ポイント減少している。しかしながら、依然として類似団体平均値を上回っている状況であり、標準財政規模の縮小等で比率の上昇も想定されるため計画的な地方債の発行に努める。

将来負担比率の分析欄

平成29年度は、普通交付税の大幅な錯誤と財政調整基金の減少により、上昇したものである。令和元年度以降は、地方債現在高の減少と充当可能基金残高の増によって、将来負担比率が算定されない状況になっている。今後も、負債と充当可能基金の比率などを分析しながら、計画的に事業を実施することで、適正な将来負担比率の維持に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

町立の高等学校と保育所を運営しているため、類似団体の平均値より高い水準となっている。令和2年度に比率が改善したのは、退職手当組合普通負担金が納付の特例によって前年度から72百万円減少したためであり、その他は増加している。このことから、将来の人口推計に基づく定員管理や事務事業の見直しを進め、人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

令和2年度は、事務事業の削減や見直しによって減となった。事業や施設の廃止も視野に入れながら、見直しを継続的に行い、一層の経費節減に努める。

扶助費の分析欄

令和2年度は前年度と比較して同水準となっている。乳幼児、児童、心身障がい者等の急増急減は想定されないことから、大幅な変動がない状況で推移するものと考えている。

その他の分析欄

令和2年度の比率が前年度と比較し減少しているのは、繰出金及び維持補修費の減少によるものである。人件費の退職手当組合普通負担金による影響を勘案すると経常収支比率は依然100パーセントに近い状況である。公共施設の老朽化が進んでおり、維持補修費が増加するものと想定していることから、事務事業や施設の見直しを一層進め、優先度を決定するなど、計画的・効率的な財政運営に努める。

補助費等の分析欄

類似団体の平均値を下回っているものの、中期的には金額・比率ともに増加傾向にあることから、各種団体等に対する補助金の重点化などの見直しを徹底的に行う。

公債費の分析欄

令和2年度は、前年度と同様に一般廃棄物処理事業債の元利償還金の減により金額が減少した。地方債残高は発行額抑制によって減少しており、類似団体平均値を下回る結果となった。令和2・3年度は大型事業で起債額が増加することから、今後は将来負担比率や住民1人当たりの公債費及び実質公債費、その他の経常経費との均衡等を多角的かつ綿密に検証しながら、計画的な地方債の発行に努める。

公債費以外の分析欄

令和2年度は、人件費及び物件費の減少により減となった。今後も事務事業の費用対効果の検証、施設や職員の適正管理、将来負担比率・負債と資産との比率の分析などを計画的に行い、安定した財政運営に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費、商工費及び教育費が急激に増加している。総務費は、特別定額給付金事業によるものであり、商工費は新型コロナウイルス感染症に係る事業所支援給付金が増加の要因である。教育費については、GIGAスクール構想関連経費や小学校プールの新規整備によって金額が前年度と比較して倍増したものである。これらは臨時的な経費であるが、当町の経常収支比率は依然高い状況にあり、人口減少・高齢化に伴う標準財政規模の縮小や住民1人当たりのコストの増加が考えられることから、将来的な見通しも含め各施設や各事務事業の費用対効果を検証し、政策の見直しを進めていく。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費は、当町が町立の高等学校1校と保育所3か所を運営していることから、類似団体平均値を上回る状況が続いているが、令和2年度については、退職手当組合普通納付負担金の納付特例の影響によって、前年度から減少したものであり、一時的なものである。人口推計に基づく住民1人当たりの職員数とコストについて充分な検証を行ったうえで計画的な定員管理を進めていく。補助費等の増は、新型コロナウイルス感染症感染拡大に係る特別定額給付金や町内事業所に対する事業継続支援給付金の交付が主な要因である。物件費についても新型コロナウイルス感染症の感染予防対策費用やGIGAスクール構想に基づくタブレットの購入に要する費用の増によって増加したものである。普通建設事業費は、小学校プールの新規整備やGIGAスクール構想による公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備事業、老朽施設の長寿命化改修事業により前年度を上回ったものである。維持補修費は、前年度より増加しているものの類似団体平均値を依然下回っている。全体的な施設の老朽化が当町の課題であり、今後維持補修費が増大するものと想定しているため、その他の経費とのバランスを取りながら計画的な施設管理と地方債の発行に努めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金残高の増加は、ふるさと納税寄附金分の当該基金積立金額の増によるものである。実質単年度収支は、ふるさと納税寄附金分の財政調整基金積立金を活用した事業の事業費増に伴い基金取崩し額が増加したため、減となった。引き続き事務事業の見直しを進め、ふるさと納税寄附分の財政調整基金やその他の基金の残高を考慮しながら、収支の均衡がとれた財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全会計において黒字決算であることから、連結赤字決算比率は算定されない。今後とも黒字決算を目指し、安定した歳入の確保と経費の節減に取り組む。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金の減は、前年度と同様に一般廃棄物処理事業債の減少によるものであり、算入公債費との差し引きや、その他の項目を含め分子構造全体で、10百万円が減額となった。令和2年度は小学校プールの建設により、地方債残高が増加している。今後も大型事業が予定されているため、地方債残高が更に増加すると見込んでいる。元利償還見込額と標準財政規模の動向を注視するとともに、事業の重点化などにより地方債の発行額の抑制にも努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

地方債残高は、これまで地方債発行額の抑制を進めてきたことで減少してきたが、令和2年度は小学校プールの新規整備事業等により地方債発行額が増加し、191百万円の増となった。基準財政需要額算入見込額は126百万円減少したが、充当可能基金残高が416百万円増加し、分子構造全体で前年度比85百万円の減となっている。今度も大型事業による地方債発行額の増が予定されていることから、経常経費の見直しなどによって、負債額に見合った充当可能基金残高の確保を行い、急激な将来負担比率の上昇が生じないよう努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金(ふるさと納税寄附金分)及び減債基金残高の増により、全体額が増加したものである。(今後の方針)財政状況を勘案しながら、計画的な積立てと取崩しを行っていく。今後、大型事業による地方債発行額の増が予定されていることから、減債基金残高を、将来増加が見込まれる元利償還金の財源として一定程度確保し、将来負担比率上昇の緩衝材とする。財政調整基金は、ふるさと納税寄附金積立分と合わせて地域振興事業に活用するとともに財源不足の調整を行う。特定目的基金については、老朽した施設の更新・長寿命化・廃止等による有形固定資産全体の資産価値の向上対策や、臨時的な地域振興事業の財源として活用する。現有資産の価値や負債額を充分検証し、基金全体の残高の管理を計画的に行っていく。

財政調整基金

(増減理由)ふるさと納税寄附金の増に伴い、400百万円を積立て、ふるさと納税活用事業分として179百万円を取崩し。財政調整基金全体では、192百万円を取崩し。(今後の方針)ふるさと納税活用事業分は、地域振興のため有効に活用していく。財源不足分の取り崩しは、財政の収支均衡が図られるまでの応急的な対策として実施する。

減債基金

(増減理由)中期的な地方債発行予定額、元利償還額の推移と基準財政需要額算入見込額を勘案し、住民1人当たりの実質的な公債費負担額に著しい変動が生じないよう、計画的に基金を運用する。令和2年度は、210百万円を積立て。(今後の方針)今後、大型事業による地方債発行額の増に伴い元利償還金の増加が見込まれるため、住民1人当たりの公債費に係る算入公債費等控除後の負担額を平準化するための財源として、長期的かつ計画的に運用する。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設等総合管理基金:令和元年度新設。これに伴い、計画が中止となった複合施設整備に係る複合施設整備基金を本基金の所属とした。(そのため、平成30年度は複合施設整備基金残高を計上)公共施設全体の適正管理を行うための費用に充当社会福祉基金:社会福祉の増進漁業集落排水事業償還基金:漁業集落排水事業に係る地方債の償還に要する費用に充当中山間ふるさと・水と土保全基金:中山間地域の活性化社会教育振興基金:社会教育の振興・充実(増減理由)公共施設等総合管理基金:利子を含んだ0.2百万円を積立て、公共施設の延命に要する費用21百万円を取崩し。社会福祉基金:利子を含む0.1百万円を積立て、社会福祉施設の整備に要する費用1百万円を取崩し。漁業集落排水事業償還基金:利子を含んだ0.1百万円を積み立てたほか、地方債の償還に要する費用として2百万円を取崩し。その他の基金:利子を含んだ0.1百万円を積立て。(今後の方針)公共施設等総合管理基金:公共施設の更新・長寿命化・廃止等に係る費用に充当その他の基金:それぞれの目的に沿って、臨時的な地域振興事業の財源として活用

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町は既存施設の老朽化が課題であり、類似団体内平均値を大きく上回っている。事務事業の見直しや基金等の活用による財源の確保と合わせて、公共施設等の固定資産の管理を計画的に進めるよう努める。

債務償還比率の分析欄

令和2年度は、地方債残高が191百万円増加したが、公営企業債等繰入見込額の減少及び充当可能基金残高の増により、充当可能財源を差し引いた将来負担額が85百万円減少した。経常収支比率も8.1ポイント改善したことにより債務償還比率は大幅に減少したが、依然、類似団体内平均値を上回っていることから、事務事業の徹底した見直しを進め、経常収支比率を改善することで、債務返済能力の強化を図っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和2年度の将来負担額は、令和元年度と比較すると地方債残高の増加等により164百万円の増となったが、充当可能基金残高等の充当可能財源も249百万円増加したことから、前年度に引き続き将来負担比率は算定されない。今後も、資産と負債のバランスを注視しながら、充当可能基金等の充当可能財源の確保を図り、将来世代に過度な負担が残らない公共施設の管理運営を行うよう努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率の単年度比率は、標準財政規模の110百万円の増と公債費等の50百万円の減少により、令和元年度と比較して0.9ポイント減少している。これにより3か年平均の実質公債費比率は1.0ポイントの減少となったが、今後、標準財政規模の減少や地方債残高の増加が見込まれることから、計画的な、地方債の発行と充当可能基金の運用によって、実質公債費比率と将来負担比率の急激な上昇を抑制していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、公営住宅及び橋りょう・トンネルについては計画的な更新・改修が実施されていることから、類似団体内平均値を下回っている。一方で保育所及び学校施設は平均値を上回っていることから、個別施設計画を基に計画的な管理を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎及び保健センターは平成7年度に併設して建設されていることから、有形固定資産減価償却率が50.0%と同一になっている。体育館・プールでは、令和2年度にプールを476百万円で新規に整備したため、有形固定資産減価償却率が前年度の96.6%から48.0%となったものである。体育館、消防施設については、老朽化が進み、類似団体よりも有形固定資産減価償却率が高い状況にあることから、計画的な管理を行っていく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産は、令和元年度から222百万円増加しているが、主な要因としては、財政調整基金208百万円の増である。有形固定資産では、えりも小学校プールの建設(476百万円)等により、事業用資産の建物で533百万円増加する一方で、全体では、減価償却累計額が891百万円増加したことによって資産額が286百万円減少している。負債では、一般会計等で261百万円増加しているが、えりも町学校プール建設事業で345百万円の地方債の発行が増加の主要因である。有形固定資産の資産価値が減少しているにも関わらず負債が増加していることから、固定資産の計画的な管理に努めるとともに、資産価値と負債のバランスを注視し財政運営を進めていく。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、令和元年度と比較し911百万円増加しているが、このうち新型コロナウイルス感染症対策分が638百万円である。それ以外の費用については、人件費や補助費等の増により273百万円増加していることから、事務事業の見直しによりコストの削減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等において、本年度差額及び本年度純資産変動額が令和元年度と比較して縮小している。令和2年度の純行政コストは、令和元年度と比較して920百万円増加しているが、国県等補助金についても929百万円増加している状況であることから、本年度差額及び本年度純資産変動額の縮小の主要因は地方交付税が61百万円増加したことによるものである。今後の税収等の推計値に基づいた、固定資産と流動資産及び行政コストの配分を計画的に設定しながら財政運営を進めていく。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

令和元年度と比較し、一般会計等の投資活動収支及び財務活動収支の変動が大きくなっている。要因はえりも小学校プール建設事業であり、投資活動支出では公共施設等整備費支出に事業費476百万円が計上され、支出全体で503百万円の増となっている。また、財務活動収入では、当該事業に係る地方債借入額345百万円が地方債発行収入に計上され、収入全体で410百万円の増となっている。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

①住民一人当たり資産額では、ふるさと納税寄附金等の増による財政調整基金積立金の208百万円の増加が資産増の要因である。②歳入額対資産比率は、普通交付税や地方債、新型コロナウイルス感染症関連の国道支出金の増に伴う歳入総額の増により、前年度と比較して当該値が減少している。③有形固定資産減価償却率は、類似団体平均値を上回っており、令和元年度から0.2ポイント差が広がっている。当町は有形固定資産の更新が進んでおらず、①及び②において当該値が類似団体平均値を下回っている要因と考える。⑦住民一人当たりの負債額も下回っていることから、地方債発行額の抑制が、有形固定資産減価償却率を高くする一因であるとも考えている。保有資産を現状のまま更新した場合は、②・⑦の数値は上昇することから、人口減少を背景とした公共施設全体の見直しと合わせて負債額と基金残高との均衡を考慮しながら、固定資産の計画的な管理を行っていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率では、純行政コストが920百万円増加した一方で財源も997百万円増加したことから、純資産は微減となっている。資産合計は、財政調整基金の増等により微増となったことから、当該値が0.9ポイント減少している。類似団体平均値より当該値が高い要因は、③及び⑦から、有形固定資産以外の資産の保有が多く、負債が少ないためであると考える。⑤将来世代負担比率は、地方債の発行額の抑制により類似団体平均値を下回っている。令和2年度は、地方債発行額の増により地方債残高は増加しているが、有形・無形固定資産合計額が減少しており、当該値が上昇している。当町の課題は既存施設の老朽化であり、今後これらの資産価値を維持するため、維持補修費や公共施設等整備費支出が増加するものと想定している。人口推計に基づく住民一人当たりの実質的な将来負担額に視点を置き充当可能基金を運用しており、純資産と将来負担の割合に急激な変動が生じないよう努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和2年度の純行政コストは、新型コロナウイルス感染症対策分638百万円の増等により920百万円増加したことから、当該値が上昇している。類似団体平均値より当該値が低い要因は、耐用年数を超えた建物及び工作物の割合が高く、減価償却費が低いためであると考えている。今後、これらの資産の更新や廃止を進めた場合、減価償却費や資産除却損の増によって純行政コストも増加するものと推測する。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たり負債額については、令和2年度に実施したえりも小学校プール建設事業の地方債発行により地方債残高が増加したことから、増となっている。当町ではこれまで地方債発行額を抑制してきたことから、類似団体平均値を下回っているが、⑤有形・無形固定資産合計額が減少しており、地方債残高の増が、既存の有形固定資産の資産価値維持にはつながっていない状況である。⑦基礎的財政収支は、えりも小学校プール建設事業による投資活動収支の支出の増加に伴い、当該値が5割以上減少している。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率が減少した要因は、新型コロナウイルス感染症対策分の費用の増加等に伴い、経常費用が増となったためである。今後も施設の使用料等の適正な受益者負担について、引き続き検証していく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,