地域において担っている役割
全国でも数少ないこども病院を併設した大人とこどものための総合医療センターであり、救急医療、高度医療、特殊医療、不採算医療、医療従事者への研修などの役割を担っており、また、地域医療の拠点として地域医療支援病院に指定されている。このほか、8附属診療所を運営し、プライマリ・ケアを中心に地域に必要な医療を提供するとともに、相互に連携して救急医療にも対応している。
経営の健全性・効率性について
前年度比で入院収益と外来収益が増加したが、2月以降は新型コロナ対応のため病床縮小、手術受け入れ制限等により収益が大幅に減少した。この期間の固定費負担増、収益悪化により経常収支比率と医業収支比率が低下した。地域連携に積極的に取り組んだ結果、循環器、心臓血管外科の紹介、手術対象患者が増加した。また、総合入院体制加算3から2へのランクアップなど、新たな加算の取得や維持による増収に取り組み、1人1日当たり収益は外来、入院共に前年比で増加した。職員給与費と材料費は、継続して増加傾向であるが、対医業収益比率はほぼ同水準となった。
老朽化の状況について
令和元年度は、電子カルテや重症系システム等の更新により有形固定資産減価償却率と器械備品減価償却率が低下し、1床当たり有形固定資産が増加した。器械備品は、経年による劣化が全体的に進行しており、計画的な対策が必要である。
全体総括
■課題等・医療情報の効果的な集積と有効活用・診療体制の充実と再構築・医療の進歩に見合った機器導入・原価計算システムによる経営の可視化■対策、今後の方向性1.収益の確保・長期入院患者の退院促進と新入院患者の確保・診療単価の向上(加算の算定向上、漏れ防止)2.費用の縮減・勤怠管理の強化による時間外勤務の縮減・材料の適正使用、低廉購入、後発品切替促進・本庁と連携した計画的な高額医療機器購入3.医療従事者の確保4.原価計算による収益の確保と費用の適正化