経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は低率であり、基準内繰入金による経営を行っている。一方で経費回収率及び汚水処理原価は平均値近辺にあり改善傾向にあることから、初期投資に係る起債償還が経営を大きく圧迫している状態にある。企業債残高については、面整備が終了しており、初期投資に係る起債が徐々に完済時期を迎えることから減少を続けている。しかし供用開始から約30年が経過し、機械電気設備が老朽化による更新の時期にあることから今後は増加が懸念される。このことについてはストックマネジメントを適正に行い、無駄な投資を抑制するとともに補助金を有効活用することにより、経営悪化への影響を最小にするよう努める。また、未接続家屋の解消により施設利用率及び水洗化率の向上を図り、歳入の確保による健全化に努める必要がある。
老朽化の状況について
管渠の老朽化については、供用開始から約30年を経過し、硫化水素によるマンホールの劣化や、汚水管の亀裂等の老朽化が顕在化してきている。閉塞等による即時機能停止を未然に防止するため、ストックマネジメント計画による改築を検討する必要がある。一方、処理場及びポンプ場については、長寿命化計画(第2期)を実施中である。
全体総括
初期投資に係る起債償還を使用料収入で賄うことは困難であることから繰入金による経営を行っている。収入については、面整備が完了していること及び区域内人口が微減傾向にあることから、使用料収入は現状で横ばいの状態にある。一方、管渠及び機械電気設備等の老朽化が進行し、今後は修繕や改築更新に伴う支出の増加が見込まれる。今後の経営については、ストックマネジメントによる効率的な投資や、適正な運転管理等により支出を抑制するとともに、使用料の見直しも視野に入れ財源の確保を図る必要がある。また、経営状況を的確に把握するため、公営企業会計に移行するための準備を進めている。