経営の状況について
経常収支比率及び営業収支比率については、ともに100%を超えており、料金収入以外の収入に依存することなく黒字経営を維持できている。【経常収支比率対前年3.1%増】【営業収支比率対前年2.2%増】平成28年度は昨年に比べて、天候に恵まれたことから供給電力料が増加したため両比率とも上昇している。短期的な支払い能力については、流動比率が100%を超えているものの、全国平均を下回っているが、これは比較的新しい発電所が多く、流動負債に計上される企業債の償還額が大きいことが要因と考えられ、今後改善していくものと考えている。【流動比率対前年146.3%減】旭川第二発電所の大規模工事により流動負債に計上される未払金が大幅に増加したため、一時的に減少したもの。供給原価については、全国平均とほぼ同程度で推移しており、適切なコスト体質を維持できている。【供給原価対前年446.5円減】平成28年度は昨年度に比べて、天候に恵まれたことから供給電力量が増加したものの費用が前年並であったため、減少している。EBITDA(減価償却前営業利益)については、年々上昇傾向にあり、収益性の低下も見られず、全国平均よりも高い水準にあり、良好な状態と考えている。【EBITDA対前年71,575千円増】
経営のリスクについて
設備利用率については、天候に左右される部分が大きいものの、水力・太陽光をあわせた施設全体では全国平均を上回っており、かつ資源エネルギー庁が示す、一般的な設備利用率(一般水力45%、太陽光14%)と同程度であり、概ね良好な状態である。【設備利用率対前年3.8%増(施設全体)】修繕費比率については、若干の経年増減はあるものの、概ね全国平均水準にあり、定期的なオーバーホール等の大規模修繕については特別修繕引当金により費用の平準化を図っている。なお、太陽光発電については施設も比較的新しく、最低限の修繕費しか要しておらず、全国平均を大きく下回っている。【修繕費比率対前年0.2%減(施設全体)】企業債残高対料金収入比率については、水力発電では比較的新しい施設が多く、全国平均を上回っているものの新たな借入は行っておらず、減少傾向にあり、当面は改善していくものと考えている。太陽光発電については施設設置当初の借入以降新たな借入は行っておらず、また新規の設置も計画していないことから、引き続き減少していくものと考えている。【企業債残高対料金収入比率対前年26.8%減】企業債の償還による自然減有形固定資産減価償却率については、年々上昇し、全国平均水準に近づいている。今後も計画的な整備により、安定供給の確保に努める。【有形固定資産減価償却率対前年0.5%減】平成28年度は旭川第二発電所の大規模な改良工事の実施により、若干の改善となった。FIT収入割合について、他団体と比較して高い状況にあり、買取期間終了による収入の減少を考慮し、既存施設の発電効率を高めるための改良工事を計画的に実施していく。【FIT収入割合対前年1%増】
全体総括
営業開始以来、常に経営の合理化を図るとともに、適正な料金の確保、設備の効率的な運用等に努め、安定した経営を継続している。今後についても、電気事業を取り巻く環境の変化に対応できるよう、現状分析や将来見通しを踏まえた経営戦略を遅くとも平成32年度には策定し、引き続き安定した経営が可能となるよう努めてまいりたい。