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2012年度
2011年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
地場産業の一部には景気回復の兆しがあるものの、全体として民間企業の立地が少ない。また、町面積の大部分を森林や農地が占めているため、法人町民税や固定資産税等の町税収入が少ないため、財政基盤が弱く、類似団体平均をかなり下回っている。税の賦課客体の完全補足や徴収強化を継続するとともに、企業誘致など税収の増加につながる事業を展開し、歳入改革にも努めていく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
一般財源経常経費のうち、幼保施設の民営化のため扶助費が増加し、経常経費の総額を押し上げたが、人件費、公債費が減少したため経常収支比率は横ばいとなった。また、経常経費充当一般財源については、平成30年度には普通交付税の算定誤り分の算入があったが、令和元年度では元に戻っている。今後は、縮減期間が令和2年度に終わり普通交付税が横ばいとなる予測される中で、公債費の抑制をはじめとする経常経費の削減し、経常収支比率の改善に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
物件費等については、幼保施設の民営化により維持管理経費が減少したことにより大きく減額している。ただ、合併以前に旧町単位で整備してきた各施設が多く残っており維持補修・管理費用が増大することも考えられ、施設の除却や譲渡についても考えていく。人件費についても、幼保施設の民間譲渡などにより、人件費の縮減を推進をはかっているが、令和2年度に導入される会計年度任用職員による悪化も懸念材料となる。今後は、多可町公共施設等総合管理計画に基づき、有効活用を含めた経費削減を図っていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
昨年度に引き続き、類似団体より若干高い数値を示している。令和2年度より会計年度任用職員制度が導入されることによる数値変動に注意が必要である。今後は、給与水準、定員管理の適正化、人事評価制度の導入など給与構造の改革に取り組み、より一層の給与管理の適正化を図る。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
診療所3箇所、地域局2箇所、CATV事業の運営等の特殊要因により、依然高い数値となっている。町営幼保一体化施設を民営化したことで、人員の整理の推進を図っていく。今後も、『民で出来るものは民で』のもと、業務のアウトソーシングを図っていくことにより適正な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
合併特例債等交付税算入率の高い起債を活用して基盤整備を行ってきたが、類似団体の中でも依然と最下位層にある。類似団体比較よりも8.9%も高く、公債費が非常に高い水準にあることが分かる。同数値の改善のため、新発行の起債を抑制することで対応していく。また、公債費については令和1年から徐々に償還額を減らすことから、実質公債費比率の改善も期待される。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
昨年度と比較して12.5ポイント改善したのは、地方債残高が減少したことによる。また、一部事務組合の大型投資により少しずつ数値は上昇するものと思われるが、過度に上昇しないよう注視が必要となる。今後も、計画的な起債の償還により将来負担額の縮小に努めるていくものの、合併特例債を始めとする財政措置がある起債を活用し地域基盤を整備する期間内では新発債と並行して交付税の縮減も進むため、同数値の上昇が予測される。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
昨年度に引き続き、類似団体と同水準で推移している。幼保施設の民営化により、幼保施設の職員が戻ってきた部分については、アルバイト等の物件費の削減につながり人件費の軽減には影響は少ない。令和2年度からは、会計年度任用職員が加算される一方、今回の民営化の影響により大きく悪化しないことが期待できる。業務の抜本的な見直しに基づく定員適正化計画の策定、人事評価制度の運用等により、人件費の抑制に努める。
物件費
物件費の分析欄
正規職員の採用抑制を継続しているほか、幼保施設の民営化による施設管理経費の削減に伴う減少が見られる。一方、行政内部の実務執行にかかる各種システムのリース料や委託料が増額傾向にある。今後は、民で出来ることは民で実施していく基本姿勢のもと、全事務事業の見直しとともに、公共施設の整理統廃合等により物件費の抑制に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体より下回っているが、少子高齢化が進む中、社会保障関連経費が増加するものと見込んでいる。また、幼保施設の民営化に伴い、施設管理に係る扶助費が増加している。国や県の動向を注視しつつ必要なサービスの供給に努める。
その他
その他の分析欄
主な経費は繰出金である。中でも、介護保険特別会計への経常的な繰出金が増加している。介護保険特別会計は今後も増加傾向が見込まれている。会計ごとの運営を基準としつつも一般会計からの適正な繰出金を確保することで各会計の安定運営を目指す。また、高齢化の進む本町では、今後後期高齢者医療特別会計への繰出金にも注視が必要となる。
補助費等
補助費等の分析欄
旧町から引き継いでいる補助制度を継続交付しているため抜本的な改革には至っていない。補助の目的が一定水準に達したものや補助基準に沿わなくなっているものについては、抜本的に見直しを進め、補助費の削減に努める。また、本年度の数値の大幅な上昇は、一部事務組合が原因となっており、一時的なものと考えられる。
公債費
公債費の分析欄
これまで実施してきた事業の償還が本格化するが、公債費は、本年度から徐々に減少していくと予測している。今後は事業精査を行い、新規発行債を抑制していきながら、償還期間についても再考し、公債費の縮減並びに平準化を図っていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外では、補助費等が最も多く26.3%となっており、続いて人件費14.5%、物件費14.2%となっている。公債費を除く経常経費は、類似団体平均を若干下回っており、全国平均、兵庫県平均と比較しても低く推移している。このことからも、当町において公債費の支出割合がいかに高く、弾力性がないかが分かる。また、補助費等の支出割合が高くなってきているので注意が必要である。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
目的別歳出の分析欄
・総務費が前年度比較で減少となっているのは、新庁舎建設の完了によるものである。・民生費が昨年度と比較し増加しているのは、幼保施設の民営化に係る扶助費によるものが原因と考えられる。児童福祉費で118百万円の増額となっている。・農林水産業費が類似団体と比較し2倍以上となっている。中山間地域である本町は、農林業が主要産業であり、各種農林業への補助制度を充実し荒廃農地の防止や水源涵養、災害の防止を図っているためである。・土木費は、下水道事業の法適化により増加している。本年度については、経常的な土木費は123百万円減少している。・消防費は昨年度比較で385百万円減少となった。一部事務組合への負担金が377百万円減っているが、今後も出張所建設に伴う負担金の増額もあり注視が必要である。・公債費については、本年度以降減少する見込みとはなっているが、依然、類似団体を大きく上回っている。税政基盤が弱い本町においては、事業実施に伴う地方債の発行は不可欠であるが、事業実施の精査、新規発行債の抑制を行い、公債費の縮減に努める。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
性質別歳出の分析欄
全体的に、経常経費のコスト削減をしても、人口減少が早いため1人当たりのコストが悪化しているもしくは改善が鈍い傾向がある。・人件費では依然として類似団体より高くなっているものの、昨年度と比較して、職員給与費、地方公務員共済組合負担金等あわせて30百万円の減少したが人口が減少したことにより減額となっている。・物件費については、幼保施設の民営化に伴う施設管理費等の減額により、288百万円の減少となり、大幅な改善となっている。・普通建設費(更新整備)では、昨年度と比較して1293百万円減少しており、本庁舎整備事業の大型事業が完了したことにより、類似団体比較とほぼ同等となっている。・公債費は、建設投資事業の抑制により減少している。今後は減少する見込みである。なお、依然として類似団体比較と比較して高い数値であることから、償還期間の見直し等により金額の抑制と平準化に努める。・繰出金については、下水道事業の法適化の影響から減少しているが、経常的な繰出金は増加している。特に介護保険事業、後期高齢者医療が増額しており、各会計での運営を原則としつつも、一般会計での歳出削減改革を確実に実行していく。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄昨年度と比較して、標準財政規模が317百万円減少し、財政調整基金を40百万円積み立てたため、財政調整基金の標準財政規模に対する割合は大きくなっている。実質収支額は黒字となっており、実質単年度収支額でも黒字である。今後、普通交付税の段階的縮減が進むことで標準財政規模の縮小が考えられるが、財政調整基金の取崩がないよう、包括予算制度を導入し、予算を編成する段階で経営改善を推進するように努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄全会計において黒字となっているのは、各会計において一般会計から必要な水準の繰出が可能であったことが影響している。今後は、交付税の段階的縮減が更に進むことに加え、高齢社会における社会保障関係費が大幅に伸びることが予想されるが、財政調整基金の取崩しをしないよう包括予算制度を活用し経営改善を図る。また、各会計での運営を基本としつつも、一般会計における歳出改革を進めるため、新多可町行財政改革実施計画(令和2年度~6年度)を確実に実行していく。標準財政規模比では水道事業が15.50%となっているが、施設や設備などの老朽化が進んでおり、今後更新に必要な資金を留保しているためである。下水道事業については、運転資金を留保しつつ、施設更新などの必要な資金に対し、一般会計からの適正な繰出金を検討していく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄元利償還金では、元利償還金が247百万円減少、公営企業債では、公共下水道を主に合わせて39百万円が地方債の償還に充てたとみられる繰入金で減少、組合等が起こした地方債では、一部事務組合で29百万円減少した。一方で、算入公債費等では、特定財源の額が1百万円増加、災害復旧費等で11百万円増、事業費補正で26百万円の増と密度補正は10百万円の増となっている。標準財政規模は317百万円の減少となった。今後は、組合等が起こす起債の増加には注視が必要であるが、公債費のピークを迎えた後の元利償還金の抑制と平準化を図りつつ同数値の改善に努める。
分析欄:減債基金該当なし
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将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄前年度と比較して、一般会計等に係る地方債残高は872百万円減、公営企業債等繰入見込額が642百万円減、組合等負担見込額が9百万円減、退職手当負担見込は52百万円減少した一方、充当可能基金は、144百万円増、住宅使用料等の特定財源が約10百万円増、需要額算入見込額が842百万円減少した。実質的な将来負担額は借入金残高が減少し、算入見込額等も減少したが、地方債残高のほうが影響が強く、将来負担は改善した。今後も需要額算入見込額の減少が予測されることに加え、組合等負担額見込額の増加が予測されるため、将来負担の上昇を懸念している。財政調整基金を確保し、健全化を推進するためにも歳出削減改革に努めるとともに、新発債の抑制も図っていく。
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基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政の調整として、財政調整基金が増額したことが要因である。減債基金、その他特定目的基金は合わせて66百万円の増額となっている。(今後の方針)財政調整基金の取崩が起こらないよう、減債基金、その他特定目的基金と調整を図りつつ、歳出削減を中心に収支の健全化を図る。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)単年度収支における調整として、40百万円増額となる。(今後の方針)歳出削減を中心に単年度収支を黒字化し、財政調整基金の取崩なしとなった。今後も健全な経営を目指す。大型の投資事業が控える中、一時的に取崩が必要となる年が懸念される。
減債基金
減債基金
(増減理由)元金償還の平準化に伴い、100百万円を減額している。(今後の方針)令和2年度以降は、取崩をする予定はない。起債の新規発行抑制により実質公債費比率の数値の上昇を抑えつつ、単年度収支へ影響の軽減を図る。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)地域活性化基金・・・住民が主役のまちづくりの推進及び均衡ある地域振興を図るため施設等整備基金・・・公共施設等の整備資金に充てるため余暇村公園管理基金・・・余暇村公園の管理及び設備投資のための資金に充てるため大河丘陵活用基金・・・大河丘陵の活用事業及び施設整備事業に要する経費の財源に充てるため社会福祉基金・・・社会福祉の向上、健康福祉の増進並びに総合的な地域福祉の進行及び充実を図る資金に充てるため(増減理由)余暇村公園管理基金は、余暇村公園の維持管理に係る費用を充当しているため減少している。(今後の方針)余暇村公園管理基金については、施設運営の資金の一部が基金の取崩から出されているため、一定額減額していく。その他の基金は、特に大きな変動はない予定。今後は、目的に即した事業、工事に関しては積極的に使用していく。特に、地域活性化基金や大河丘陵活用基金など、各事業が目的に即しているか不明なものは、使用可能な事業の割当が必要となる。財政調整基金の残高と比較、調整をとりながら、継続的で健全な町財政を目指す。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率が、50%を超えており、施設更新の時期が近いと思われる。また、数値が上昇していることから、新設更新率が低く、耐用年数を超えて使用している施設や工作物がある可能性が高いことが窺える。今後、計画的な施設等の更新に努めつつ、新規施設等の建設の抑制など償却率の減少を図る必要がある。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は、類似団体より高く、借入金残高が多いことが分かる。借入金残高は今後減少を見込んではいるが、投資的事業の抑制することで、借入金の抑制につなげ、数値の改善を図りたい。令和3年度以降対象となる過疎対策事業債については、過剰な投資をすることで借入残高が上昇することが懸念材料となる。投資額と借入残高のバランスを図りながら、計画性をもって健全化に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
有形固定資産減価償却率が双方とも上昇しているが、将来負担比率は減少している。借入による将来的な負担をは減りつつ、施設全体の老朽化がすすんでいることとなる。今後は、投資を計画的に進め、起債の額をを調整しつつ将来負担比率を低下を図る。有形固定産償却率を抑えるためにも、各施設の有効性等を考慮しながら精査し、施設数を減らしていくことが重要となる。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
・将来負担比率は、起債残高の減少や充当可能基金の増加のため、減少傾向にあるが、公営企業会計への繰り出しの見直し等により改善を図っている。・実質公債費比率については、元利償還金及び準元利償還金ともに、単年では減少しており、3カ年平均ででも減少しているため回全した。次年度以降も、減少を見込んでいるが、過疎対策事業債による公債費の下げどまりも考えられ注意が必要。・両方の数値とも今後減少を見込んでいるが、事業の重要性、緊急性を考慮し適正な事業実施を行い、新規発行債の抑制を行いながら公債費比率の平準化を図り、財政の健全化に努める。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
施設情報の分析欄
・道路は、町の環境面から1人当たりの延長が長く、有形固定資産減価償却率は類似団体と大きな差はない。・認定こども園・幼稚園・保育所は、幼保施設の私立化により大きく減少している。・橋りょう・トンネルは、人口減少もあり一人あたりの固定資産額は高い。有形固定資産減価償却率は類似団体と大きな差があり、老朽化が著しいと言える。有形固定資産減価償却率は、対象物件が限定されたため大きく変動している。・公営住宅は、町の環境面から1人当たりの面積が広く、有形固定資産減価償却率は類似団体と大きな差はない。・学校施設は、生徒数の減少から一人あたりの面積は広い。有形固定資産減価償却率は類似団体より低い。・児童館は、こどもの人数の減少から1人当たりの面積が広く、有形固定資産減価償却率は類似団体類似団体より低い。・公民館は、1人当たりの面積が広く、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、上昇傾向にある。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
施設情報の分析欄
・図書館は、一人あたりの面積は狭い。有形固定資産減価償却率も高く上昇傾向にある。・保健センター・保健所は、一人あたりの面積は広い。有形固定資産減価償却率は低いが上昇傾向にある。・体育館・プールは、一人あたりの面積は広い。有形固定資産減価償却率は高く上昇傾向にある。・消防施設は、一人あたりの面積は狭い。新規建設により有形固定資産減価償却率は低い。・福祉施設は、一人あたりの面積は広い。有形固定資産減価償却率は類似団体と大きな差があり、上昇傾向にある。・庁舎は、一人当たりの面積は広い。本庁舎建設に伴い、有形固定資産減価償却率は低い。・市民会館は、一人あたりの面積が狭い。有形固定資産減価償却率は類似団体と大きな差はなく、横ばいである。・教育関連施設、社会福祉施設ともに老朽化が進んでいる。保健センター等は比較的新しく、庁舎も建て替えによる減少がみられる。
財務書類に関する情報①(2019年度)
1.資産・負債の状況
令和元年度一般会計等の資産の内訳として、固定資産が48,430百万円、流動資産が3,316百万円であり、うち有形固定資産が44,152円、現金預金が269百万円、基金が16,596百万円となっている。負債の内訳として、固定負債が14,707百万円、流動負債が1,771百万円であり、うち地方債は1,570百万円である。流動比率は187.2%であり、ベンチマークとなる200%に及ばない。今後、地方債の減少など流動負債の減少は見込まれるなか、現金預金及び流動資産に含まれる財政調整基金残高を維持し、流動比率を200%に近づけることが課題となる。また、有形固定資産が過多であることも考慮し、効率的、合理的に資産整理していくことも課題とされる。前年度比較として、資産・負債共に減少しているが、主な要因としては有形資産の老朽化によることと、地方債残高及び償還額の減少が考えられる。
2.行政コストの状況
純経常行政コストは10,845百万円であり、経常費用11,443百万円と計上収益598百万円の差額となる。経常費用の内訳として、業務費用6,179百万円、移転費用5,264百万円となっている。業務費用のうち大きいものは物件費で4,199百万円となっている。また、人件費についても1,691百万円となっている。移転費用で大きいものは補助費等で3,117百万円となっている。今後としては社会保障給付が増えることが見込まれるなか、人件費、物件費、補助費等を抑制できるかが課題となる。前年度と比べると各財務諸表ともにほぼ横ばいとなっている。今後人口減少等により慢性的な税収の減少などが見込まれるなか、収入にあった経常費用の抑制を考えていく必要がある。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(9,923百万円)が純行政コスト(10,897百万円)を下回ったことから、本年度差額は△974百万円となり、純資産残高は35,267百万円となった。行政コストには減価償却費(2,266百万円)が含まれるため、資産の過多がコストの増加を招き、経常的な純資産変動の赤字を計上するものと考えられる。資産整理を進め、減価償却費を抑制することで、財政改善を図りたい。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は1,297百万円であったが、投資活動収支については、▲342百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債の償還額を下回ったことから、▲872百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から82百万円増加し、184百万円となった。今後、過疎対策事業債による地方債の新規発行が多くなることから、財務活動収支が増加しないよう注意が必要となる。各財務諸表の業務活動収支はほぼ横ばいとなっている。投資活動は、大型投資がなかったためマイナスが縮小しているが、今後、大型投資があるため、財務活動については、再度プラスに転じる予定としている。償還額が将来に大きな影響を残さないよう注視していく必要がある。
財務書類に関する情報②(2019年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、合併前に旧市町毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っていると考えられる。しかし、老朽化した施設が多く、将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、今後30年間の取組として公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を下回っているが、合併後施設整備に使用した合併特例事業債を発行しているためである。このため、合併特例事業債等の特例的な地方債残高を分子として、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を上回る80.8%となっている。今後、施設保有量の適正化に取り組むことにより、施設整備に関する起債を減らし、将来世代負担比率の抑制に取り組む。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均を大幅に上回っており、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因の分析とそれに対する抑制が今後の課題となっていると考えられる。また、施設保有量の適正化をすすめ、減価償却費の抑制を図ることで行政コストの削減に努める。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、合併後発行した合併特例事業債については、本格的な償還を開始しており、起債残高も減少している。来年度以降も投資的経費を抑制し、起債の新規発行を減らすなど、地方債残高の縮小に努める。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、1,153百万円となっている。類似団体平均を上回っており、投資活動収支が赤字が縮小したは、大型投資が終了したためである。なお、合併特例事業債など有利な起債の期限が迫っており、投資額を増やすことも考えられ、今後投資活動収支の赤字が増加することも見込まれる。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を上回っており、ベンチマークとなる5%を超えていることから、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は妥当と思われる。今後も、公共施設等の使用料の見直しの考察や、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。
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