地域において担っている役割
地域医療支援病院として、地域完結型の医療を実現するため、地域の医療機関とその機能分担を明確にした病病・病診連携に積極的に取り組んでいる。また、阪神地域の急性期医療の中核を担う当院では、救命救急センターとして地域とも連携を図る中、全診療科で重症患者に対応できる救急診療体制をとっていることに加え、災害拠点病院としての役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
新規患者数、手術件数の増加や各種施設基準の取得等による診療単価の向上等により、収益の確保に取り組んでいる。人員増や給与改定による給与費の増、医業収益の増に連動した材料費の増により経常費用が増加したものの、経常収支比率は100%以上を確保した。累積欠損金については、収支黒字が9年間継続していることもあり減少傾向にあるが、引き続き累積欠損金解消に向け経営改善に取り組む。
老朽化の状況について
築後28年~50年が経過しており、有形固定資産減価償却率が示すとおり老朽化が進んでいる。西宮市立中央病院との統合再編の方針が決定し、大規模な投資は困難な環境であるが、施設点検の強化により緊急度を精査しながら、病院運営に支障を来すことがないよう維持管理に取り組んでいる。また、医療機器の整備についても、統合再編に向けて、医療機能の発揮に支障が生じないよう計画的に更新を行っていく。
全体総括
平成22年度から9年間継続して経常収支比率100%以上を確保しているところである。今後も、地域医療機関との連携強化による急性期患者の確保と、慢性期患者の逆紹介の推進に努めるとともに、診療報酬改定に対応した各種加算の取得など診療機能に見合う収益の確保、診療材料品目の統一化による費用削減に取り組むこと等により、病院経営の健全化に努めていく。