地域において担っている役割
・高度急性期、急性期病院として、24時間365日体制で救急医療を実施。また、輪番制で小児救急医療を実施。・国指定の地域がん診療拠点病院として、専門的で質の高いがん医療を提供。・地域医療支援病院として、地域医療連携の強化及び地域医療の充実化を図っている。・臨床研修病院として、専門医制度の内科領域基幹病院としての役割を担う。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率及び医業収支比率ともに100%を超え、累積欠損金比率も毎年減少するなど、健全経営を維持している。病床利用率は前年度より減少したが、在院日数の短縮による診療単価の増加や、行財政再建プランの給与費削減などの取り組みにより、医業収支比率は101.1%となり、本業の医業活動において収支が向上している。職員給与費対医業収益比率は類似病院平均値と比較して低く、職員の適正配置により、効率良く増収が図られている。一方で、化学療法件数の増加に伴う高額な抗がん剤の使用が増加したため、材料費対医業収益比率は前年度より大きく伸び、依然として類似病院平均値を上回っている。
老朽化の状況について
平成8年に新病院に移転してから20年以上経過し、施設及び医療機器の老朽化が進んでいることから、有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率は年々上昇し、類似病院平均値を上回っている。1床当たり有形固定資産は減少傾向にあるものの、医療ニーズに適した施設整備や高度専門医療を提供するための積極的な投資により、類似病院平均値を上回っている。
全体総括
平成30年度決算は、経常収支比率、医業収支比率ともに前年度より上昇しており、経営状況は安定している。過去の企業債借入の償還により、平成29年度に資金不足に陥り、今後、令和5年度頃まで資金不足が続く見込みであるため、より一層効率的な経営を進め、更なる収益確保と費用削減に取り組む必要がある。また、類似病院と比較して施設設備の老朽化が進んでいることから、緊急性や必要性を勘案し、企業債借入計画の適正化と合わせて、計画的に投資を行っていくことが必要である。