地域において担っている役割
当院は、長野県唯一のこども専門の病院として平成5年に開設され、一般の医療機関では対応が困難な高度な小児医療の中核病院、県の総合周産期母子医療センターとしての機能を担っている。近年、高度救命救急医療に加え、最先端の機器を活用した早期発見、予防医療等のプレホスピタルケア、在宅移行支援やキャリーオーバー対応等のポストホスピタルケア、難治性小児一般疾患(小児食物アレルギー)への対応等、幅広い分野について、その果たすべき役割への期待が高まっている。
経営の健全性・効率性について
入院患者・外来患者ともに1人1日当たり収益は全国平均を上回っている。特に、入院患者1人1日当たり収益は類似病院の平均を大きく上回っていることからも、高度小児医療を提供していることが分かる。職員給与費対医業収益比率は類似病院の平均値より低い比率となっており、経営の健全化が図られている。
老朽化の状況について
有形固定資産・機械備品の減価償却率については全国平均を下回っており、施設・設備とも、類似病院と比べればまだ老朽化は進んでいないものと考えられる。1床当たり有形固定資産に関しては、高度先進医療を提供するために行ってきた投資であり、結果として全国平均に比べ高額となっている。
全体総括
経常収支比率は減少したものの、経常収益は、診療報酬改定による小児入院医療管理料1の対象年齢拡大による入院料増収等により増加した。経常費用はベースアップによる給与費の増や高額薬剤と高額診療材料の使用量増による材料費の増などにより大幅な増加となった。今後は、代休取得による休日手当の減少と材料費圧縮による支出の抑制を図っていく。