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社会福祉費や保健衛生費の増等により基準財政需要額が増加となったものの、市民税や地方消費税交付金の増等により基準財政収入額も増加となったことから、前年度と同値で推移した。
経常経費充当一般財源等は、平成29年度と比べて、約35億円増額したものの、地方税、地方消費税交付金、地方交付税及び臨時財政対策債などの経常一般財源収入が約39億円の増額となったことから経常収支比率が減少した。
人口1人当たりの人件費・物件費等の状況は、全国平均、埼玉県平均及び類似団体平均を下回っている。経常収支比率の人件費が全国平均、埼玉県平均及び類似団体平均を下回っていることなどが要因ではあるものの、平成30年度決算は、人件費が給与改定に伴い増加したことや委託料などの全般的な増加に伴い物件費が増となったことから人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度と比べて3,163円の増となった。
ラスパイレス指数については、平成30年度の人事院勧告における国家公務員の俸給表改定率(0.2%)を下回る改定(0.1%)を行い、さらに本市ラスパイレス指数の引き上げの要因となっている高年齢層は改定を実施しなかったものの、国とは異なる給料表のため、前年度よりも0.1ポイント上昇となった。今後も、令和元年度の人事院勧告の内容及び地域における民間企業の給与の実態や経済情勢、国や他の地方公共団体の状況等を総合的に勘案し、適正な給与改定を行っていく。
本市では、平成10年度以降、第1次及び第2次定員管理適正化計画を策定し、職員定数の適正化に早い段階から取り組んだため、人口千人あたりの職員数は類似団体平均を下回る推移となっている。更に、第3次定員管理適正化計画での削減、平成23年の鳩ヶ谷市との合併による職員数の段階的な削減等を実施してきたが、その一方で、新たな行政需要への対応や中核市への移行に向けて、必要な箇所に適正な職員配置を行なったため、平成26年度からは市全体の職員数及び人口千人当たり職員数としては増加で推移している。近年においては、中核市への移行等により平成30年4月1日の普通会計職員数は前年度に引き続き増員となり、人口千人当たり職員数も同様に増加している状況である。
類似団体、県平均を上回っており、前年度と比べ悪化している。主な悪化要因としては、土地開発公社の取得用地の買い戻しにより、債務負担行為に基づく支出額が増額したことや、都市計画事業費が増額したことから公債費に充当可能な都市計画税が減少したこと等があげられる。改善要因としては、一般会計等の元利償還金が減少したこと等があげられる。今後とも、緊急度・住民ニーズを的確に把握した事業の選択により、地方債に頼ることのない財政運営に努める。
類似団体、全国平均、県平均を大幅に下回っており、前年度と比べると改善している。主な改善要因としては、地方債現在高の減少や、土地開発公社の取得用地の買い戻しにより債務負担行為に基づく支出予定額が減少したこと等があげられる。一方で悪化要因として、都市計画事業費が増加したことから、地方債現在高等に充当可能な都市計画税収が減少したことから、今後も引き続き財政運営の健全化に努める。
人件費に係る平成30年度の経常収支比率については、時間外勤務手当の縮減の取り組み、国に準じた給与構造の見直しによる年功的な給与上昇の抑制を実施したため、前年度比0.2ポイントの減となっている。また、埼玉県平均と比較すると1.3ポイント下回っている状況にある。今後も適正な給与水準となるよう必要に応じ見直しを行っていく。
物件費は、前年度から1.0ポイントの増となった。これは、物件費の経常経費充当一般財源等の伸び(前年度比8.8ポイント増)によるものであり、委託料の全般的な増加などによるものである。
扶助費は、前年度から0.2ポイントの減となった。これは、地方税などの経常一般財源収入の伸び(前年度比3.7ポイント増)が、扶助費の経常経費充当一般財源等の伸び(前年度比2.7ポイント増)を上回っていたためである。扶助費は、保育所の運営費の増などで伸びていたものの、経常一般財源収入が伸びた結果、若干の改善が見られ、類似団体内の平均へ近づくこととなった。
類似団体、全国平均、埼玉県平均を下回っており、前年度と比較して改善している。今後は公共施設の老朽化にともなう大規模改修等、公債費の負担が大きくなることも見込まれるが、事業の取捨選択を行い、将来計画を見据えて地方債の発行額抑制に努めていく。
公債費以外については、類似団体、全国平均、埼玉県平均を上回る主な要因は、物件費である。物件費については、経費削減を目的として業務委託や指定管理者制度を実施しているが、効果の評価・検証を行い、さらなる適正化を進め、縮減に努める。
(増減理由)財政調整基金を10億円、庁舎等整備基金を2.1億円、地域福祉基金を3.5億円取り崩したこと等から、基金全体としては15.2億円の減となった。(今後の方針)財政調整基金を事業に積極的に活用することとし、特定目的基金については、今後の予定を見据えて計画的に積立を行い、順次取崩しを行う。
(増減理由)国民健康保険特別会計への繰出金等の財源に充当したため減少。(今後の方針)財政調整基金を事業に積極的に活用することとし、令和2年度予算にはNHK用地購入費用、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計への繰出金等に充当するため、約93億円の財政調整基金繰出金を計上している。
(増減理由)土地開発公社から市に代物弁済された土地の売払収入を積立てたため増加。償還相当額を取崩したため減少。(今後の方針)埼玉高速鉄道経営健全化事業実施に伴う債務の株式化(DES)により、適債性を欠いた借入額の繰上償還相当額を積立てており、毎年、償還相当額を取崩していく。また、土地開発公社の一部業務廃止に伴って起こした第三セクター等改革推進債の償還に備えるため、公社から市に代物弁済された土地の売払収入等を随時積み立てるとともに、償還額相当を取崩していく。
(基金の使途)環境施設整備基金・・・廃棄物処理施設又は最終処分場の整備に要する経費の財源に充てるもの庁舎等整備基金・・・・庁舎等の建設、取得、整備及び大規模な改修の資金に充てるもの地域福祉基金・・・・・保育所の建設等、地域の福祉の振興を図るため経費の財源に充てるもの(増減理由)環境施設整備基金容リ協会拠出金等を積み立てため増加。庁舎等整備基金新庁舎建設事業費に充当したため減少。地域福祉基金保育所建設事業に充当したため減少。(今後の方針)環境施設整備基金戸塚環境センターの改築に備えて積立てを続け、その後、改築事業に充当するため取崩しを行う。庁舎等整備基金新庁舎建設事業費に充当するため、順次取崩しを行う。地域福祉基金保育所建設事業等に充当するため、順次取崩しを行う。
当市では、平成28年4月に策定した川口市公共施設等総合管理計画(以下、「計画」という。)において、施設総量の適正化、ライフサイクルコスト(生涯費用)の把握と縮減、既存施設の長期利用、インフラ資産の計画的な維持管理・更新という総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針を掲げた。有形固定資産減価償却率は、平成27年度から平成30年度まで類似団体平均を上回っており、比較的長期にわたり資産を活用していると見られ、計画に基づいて有形固定資産の更新を行っていくことが重要と考えている。
平成30年度中の起債額が元利償還額より少額だったため地方債現在高が14.8億円減少したこと及び土地開発公社から土地の買い戻しを行い、債務負担行為に基づく支出予定額が39.0億円減少したことなどにより、将来負担額が56.3億円減少したことが債務償還比率改善の一因となった。しかし今後は、大規模事業に伴う借入や基金の取崩しが増加する見込みであることから、引き続き財政の健全化に努める。
有形固定資産減価償却率は、平成30年度は前年度と比べ1.0ポイント増加となり、若干の増加が見られ、類似団体と比較して1.4ポイント高くなっている。また、将来負担比率は前年度に比較して2.5ポイント減少、平成27年度と比較して7.9ポイントも減少しており、平成30年度は類似団体と比較して30.1ポイント低い。今後は、川口市公共施設等総合管理計画に基づいた計画的な資産の更新を行っていくことが重要である。
実質公債費比率は、債務負担行為に基づく支出のうち公債費に準ずるものが増加したこと及び特定財源のうち都市計画事業の財源として発行された地方債償還に充当した都市計画税が減少したことにより1.0ポイント増加した。将来負担比率は、将来負担額のうち一般会計の地方債現在高及び土地開発公社の公共用地先行取得費が減少したことにより2.5ポイント減少した。
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