地域において担っている役割
当院は、下仁田町・南牧村の唯一の公立病院として一般急性期と慢性期の医療を実施しています。また、二次医療圏における高度急性期後の入院医療の受け皿となっており、29年12月からは地域包括ケア病床を設けて、医療・保健・福祉・介護を一体とした地域包括ケアシステムの拠点病院としての機能を担っています。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は、前年比で1.4ポイント減少、医業収支比率も1.7ポイント減少したものの、類似団体平均は上回っている。累積欠損金も旧建物の取り壊し費用及び退職手当金積立の計上に対して、利益補てんできなかったことが影響し、平成25年度以降急激に増加していて、類似団体平均を大きく上回っている。病床利用率は類似団体平均を上回り、入院患者一人当たりの一日の収益額も類似団体平均と同水準となったものの、医師不足により手術・検査等が出来ない為、外来患者一人当たりの一日の収益額は類似団体平均を大きく下回っている。これは患者数の減少と高齢者の慢性疾患が患者の多数を占めていることも原因であると考えられる。患者一人当たりの収益が低いことで職員の給与比率は類似団体平均より高い水準であり、経営に大きく影響している。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率については、旧病院建物の除却により、平成24年度から平成25年度にかけて大幅に減少した。平成26年度から耐震化の工事で病院本館が新しくなり、有形固定資産の減価償却率は下がっている。器械備品減価償却率は、器械の老朽化が進んでおり器械の更新が必要となっているが、専門医の確保が困難な為に実施が出来ない手術・検査機器も有り、実状に有った機器を計画的に購入している。
全体総括
地域住民に対する良質な医療の提供に努めているが、人口減少による患者数の減少に加えて、医療スタッフの不足により診療体制の維持も厳しい状況である。令和元年10月より、療養病床から介護医療院への転換を行った。今後、地域包括ケア病床の増床、地域の人口規模に応じた病院のダウンサイジングと在宅医療の強化を進めることで地域医療の継続的な供給を行っていく。