地域において担っている役割
本院は、町立病院として地域包括ケアシステムの一翼を担うと共に、町内唯一の病院として地域医療を提供している。受診する患者の多くは高齢者であり、内科・整形外科中心の診療体制を維持提供することと共に、総合診療機能の中での一次・二次医療の提供が求められている。その中で近隣病院における胃腸疾患検査体制が不足しつつあり、当院の役割が大きくなってきている。更には、高齢者の眼科需要が高まっており、白内障手術等の需要が継続している。二次医療圏内では基幹病院との役割分担を明確化し、後方支援としての役割を求められている。主には在宅医療の提供、一次・二次救急医療体制の維持、入院医療においては回復期から慢性期を対象とした診療機能が必要とされている。また、地域の障害者施設や老人福祉施設・老人保健施設等の入所・入居者への医療提供、在宅患者への往診や訪問診療と共に、地域企業への産業医としての保健予防活動、町立・私立小中学校の学校医業務、中学校部活動等に係る障害予防教育、町の実施する集団健康診断などへの参画等各種予防活動に取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診対応・検査対応確立の影響により、①経常収支比率は、昨年度より大幅に改善し100.0%となった。特に保健予防活動収益は、前年比158%36,858千円の大幅増収となった。患者数も入院では前年度を4,466人、外来では1,604人上回った。④病床利用率も前年比で12.6%改善し、79.9%となった。医師・看護師等専門職確保に努め、病床利用率の更なる増加を図りながら②医業収支比率のより改善を目指す。⑦職員給与費対医業収益比率は11.0%の改善となったが、職員給与費については前年度比+1.9%に留まり、職員確保及び適正配置により更なる改善を目指す。外来診療については、医師確保と並行した適切な間隔による診療回数の増加を図るとともに、適切な受診時検査等の実施により、収益増加を図る。材料費等については、納入価格の積極的な見直し交渉を行い、経費の削減に努める。専門職確保による病床利用率向上等入院収益増加対策及び適切な診療回数の増加・適切な受診時検査等実施による外来収益増加対策を積極的に行い、単年度収支黒字化継続により、年々増加していた③累積欠損金比率の低減を目指す。
老朽化の状況について
当院では、平成25年度から平成28年度にかけて、施設の大規模改修と電子カルテシステムの導入が行われた。減価償却費は平成29年度を境に年々減少の傾向が続いている。また、医療機器の更新については長期財政計画のもと計画的な購入に心がけ、耐用年数の過ぎた医療機器の更新事業を進めているが、対策は遅れ老朽化は進んでいた。令和3年度には電子カルテシステム更新事業を実施し、新型コロナウイルス感染症対応のための機器整備を令和2年度に引き続き実施したため、今後減価償却費は増加に転じる見込みを立てている。併せて、新規医療機器導入については、収入増が計画できない状況からなかなか進められず、減価償却率は年々増加傾向にあったが、今後大型医療機器の導入・更新を進めるため下がる見込みを立てている。
全体総括
令和3年度は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う院内・地域感染対策を実施することに併せて、近隣行政との連携を深めた感染防止対応に積極的に関わったため、入院患者数・外来患者数ともに増加に転じるとともに、その実績を肌で感じた職員が自分たちの役割を再認識した1年であった。常勤医師の不足による診療体制を改善するため、次年度に向けた常勤医師確保に努め、収入計画の見通しをつけられる状況が出来てきたため、医療の質向上に向けた取り組みを実施するとともに、更なる医師確保に向けての新規医療機器導入を計画していく。今後医師や看護師等の働き方改革により、経費面では人件費が更に増大することが予想されるが、適切な医療の提供を目指し、不必要な診療体制を整理見直ししていくことを並行して計画していく。地域における町立病院の役割を職員間で再認識し、職員個々の資質を向上させるために接遇面や技術面で研鑚を積んだ上で、地域での信頼度を高めるための行動変容に今後引き続き取り組んでいきたい。