地域において担っている役割
当院は、下仁田町・南牧村の唯一の公立病院として一般急性期と慢性期の医療を実施している。また、二次医療圏における高度急性期後の入院医療の受け皿として、医療・保健・福祉・介護を一体とした地域包括ケアシステムの拠点病院としての機能を担っており、地域の介護需要に対応するため、令和元年10月から療養病床を介護医療院へ転換している。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率②医業収支比率:患者数の減少による収益の減少により、経常収支比率で前年比で0.1ポイント減少、医業収支比率で6.1ポイント減少し類似団体平均を下回っている。③累積欠損金:旧建物の取り壊し費用及び退職手当金積立の計上に対して、利益補てんできなかったことが影響し、類似団体平均を大きく上回っている。④病床利用率:類似団体平均を上回っているが年々減少傾向にある。⑤入院患者一人当たりの一日の収益:医療病床と介護医療院との連携により令和2年度は増加した。⑥外来患者一人当たりの一日の収益:医師不足により処置検査等が出来ないことにより、類似団体平均を大きく下回っている。⑦職員給与費対医業収益比率:患者一人当たりの収益が低いことで類似団体平均より高い水準であり、経営に大きく影響している。⑧材料費対医業収益比率:全国平均や類似病院の平均値を下回っており、今後も医薬品・診療材料等の内容見直しと業者との価格交渉で費用の圧縮を行う。今後は、医療圏の医療介護状況を検討して、実態に合った病院規模にダウンサウジングして、医療資源を投入する事により、収益向上を目指していきたい。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率:旧病院建物の除却により改善したが、耐震化の工事で病院本館が新しくなり増加傾向にある。②器械備品減価償却率:類似団体の平均を上回っており、今後も診療体制に合った器械備品を計画的に購入していきたい。③1床当たり有形固定資産:平成30年度途中に、病床を減少した事により増加傾向となっている。医療機器等の購入にあたっては、病院機能に合った機種を選定して費用対効果を考慮して購入していきたい。
全体総括
地域住民に対する良質な医療の提供に努めているが、人口減少による患者数の減少に加えて、医療スタッフの不足により診療体制の維持も厳しい状況である。今後、同一医療圏にある病院・診療所・介護施設等との連携を行うと共に、地域の人口規模に応じた病院のダウンサイジングと在宅医療の強化を進めることで地域医療の継続的な供給を行っていく。