地域において担っている役割
最上二次医療圏唯一の基幹病院として、地域内の他の医療機関と連携を図りながら、一部の一次医療から三次医療まで地域の様々な症例の患者を受け入れ、地域完結型医療の提供に努めている。また、最上地域唯一の分娩取扱い機関として周産期医療の中核を担うとともに、へき地医療拠点病院として医師の派遣や遠隔画像診断など地域の医療機関との連携を図りながら、地域医療を支える役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
診療単価の上昇等により医業収益は増加したものの、給与費や材料費等の費用の増加がそれを上回り、前年度より経常収支比率が悪化し、平均を下回った。累積欠損金比率は、平成26年度の会計制度見直しの影響により、平均値を大きく上回る状況が続いている。入院・外来ともに患者1人1日当たり収益は上昇傾向にあるが、いずれも平均値を下回っており、1人1日当たり収益の増に向けた取組みが必要となっている。職員給与費対医業収益比率は、給与費の増等により前年度より上昇しており、前年度同様平均値を上回っている。材料費対医業収益比率は、高額医薬品の使用増等により前年度より上昇したものの、これまで同様平均値を下回っている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率が平均値を上回っており、類似病院に比べて老朽化が進んでいる。器械備品減価償却率は、平均値をやや下回っているものの、上昇傾向にあるため計画的な医療機器の更新が必要である。1床当たり有形固定資産は、平均値と比して低い水準で安定している。
全体総括
経常収支比率が100%を下回り、更に累積欠損金比率が高く、前年度に引き続き経営状況は厳しい状況にある。安定した収益確保のため、紹介率・逆紹介率の向上のための情報発信の充実、診療情報管理士によるレセプトチェックの強化・DPCコーディングの適正化により診療単価の向上を図る。また、コンサルタントを活用した医薬品・診療材料等の価格交渉、後発医薬品の使用拡大等により費用の削減を図る。