経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:前年度より増となっているが、これは法適化移行に際しての打ち切り決算の影響もある。依然として総収益の75%程を一般会計繰入金に依存している状況であるため、使用料収入の確保や経費の見直しによる経営改善に向けた取り組みが必要である。④企業債残高対事業規模比率:企業債の償還を全て繰入金で負担しているため、指標となる数値が表れてこない。⑤経費回収率:83.53%と前年を大きく上回っているが、これは法適化移行に際しての打ち切り決算の影響である。全国平均・類似団体と比較すると低い状況は変わらないため、適切な料金収入を確保する必要がある。⑥汚水処理原価:前年度よりも下がっているが、これも打ち切り決算の影響であり、実際は全国平均・類似団体よりも高い状況なので、維持管理費の削減や接続率の向上による有収水量の増加に努めたい。⑦施設利用率:前年度よりも高くなっているが、これも、打ち切り決算の影響である。全国平均・類似団体平均より低い状況であるので、接続率の向上を図るとともに適切な施設の維持に努める。⑧水洗化率:微増はしているがほぼ横ばいであり、全国平均・類似団体平均より低い状況である。水質保全や使用料収入の確保を図るため、引き続き接続率の向上に努める。
老朽化の状況について
昭和55年から整備をし、昭和61年から供用を開始している。耐用年数の観点から考えると、更新の時期はまだ到来しないが、状況では将来の更新需要に対応するための財源確保は難しい。そのため、個々の資産に応じた接続的・効果的な維持管理を行い、長寿命化・経費削減を図るとともに財政負担の軽減を図りながら計画的な更新を行いたい。田沢湖浄化センターにおいて、ストックマネジメント事業で重要機器設備の更新として、受変電設備と監視制御盤の更新を令和2年度から令和3年度にかけて行っている。
全体総括
収益は、一般会計からの繰入金に大きく依存し、経営状況は脆弱である。このため、事業の安定的な経営や将来の更新需要に対応できる財源の確保が大きな課題である。したがって、市民の理解を得ながら段階的な料金改定による使用料収入の確保を図り、効率的・効果的な維持管理費と投資による経費削減を行い経営改善に努める。