地域において担っている役割
当町を取り巻く環境として、公共交通機関の便数が少なく、他医療機関を受診するにしても、住民の「足」がない地域である。また、冬期間には吹雪などの交通障害が発生し、「陸の孤島」となる地域である。上記観点から遠方まで治療に行かなくてもすむよう人工透析や抗がん剤治療も行っている。当院は、町内唯一の医療機関として、住民の生命、健康を守るという使命を担い救急医療の体制も確保しながら地域医療を支えている。
経営の健全性・効率性について
①依然一般会計からの繰入により経常収支比率100%以上となっている。②依然内科医不在(現在常勤医整形外科1名)の影響により外来患者等総数が減となっており、伸び悩んでいる。③累積欠損金比率については、町財政サイドと今後も協議しながら改善していく。④病床利用率について、類似団体平均値を下回っているが、内科医不在によるものである。内科医招聘が急務である。⑥外来単価が例年より大きく下回っているが、コロナワクチン接種(税込単価2,277円)開始によるもの。
老朽化の状況について
医療機器においては、町内唯一の医療機関であり、地域医療を支える上で引き続き計画的な更新をしていく必要がある。建物については、天塩町立国民健康保険病院長寿命化計画に基づき改修していく。
全体総括
今後の経営改善の方向性として、内科医の招聘が急務である。道内三医育大学病院との連携や道外民間紹介会社も活用しながら内科医の確保に努める。近隣町村が診療所化していく中で、地域住民の受療動向を見据えながら当院の在り方を考え、果たすべき医療機関としての役割を検討していく必要があると考える。