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地方財政ダッシュボード

鹿児島県伊佐市の財政状況(2022年度)

🏠伊佐市

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

令和4年の人口ピラミッドでは年少人口(15歳未満)と生産年齢人口(15歳以上65歳未満人口)の合計は6割弱であるが、令和27年の人口ピラミッドでは5割未満と予想されている。また、伊佐市人口ビジョンでも想定しているように、老年人口のゆるやかな減少と比較して、生産年齢人口の急速な右肩下がりを迎えている本市は、今後も税収の大幅な増加は見込めないことから、より一層徴収率向上による税収の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

歳入経常一般財源が対前年度比-4.9億円となった。主な要因は、地方交付税が前年度比-3.0億円、臨時財政対策債が前年度比-2.0億円となったため。一方、歳出経常一般財源は対前年度比+1.4億円となった。主な要因は、職員端末更新に伴う備品購入等の物件費が対前年度比+0.9億円、子ども医療費助成拡充等に伴う扶助費及び公債費がそれぞれ対前年度比+0.4億円となったため。地方交付税等は依存財源であることから、国の状況等について注視するとともに、引き続き自主財源の確保に努める。また、より一層の経常経費削減にも取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

物件費については、新型コロナウイルス地方創生臨時交付金事業関連の業務委託や職員端末更新に伴う備品購入等などから、前年度比で+0.9億円となった。人件費については職員数の減により-0.1億円となった。類似団体平均より少ない額ではあるが、今後も人口は減少していくため、徹底して行政コストの削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

定員適正化計画に基づいた職員数ではある。年齢が比較的若い職員を係長・課長に抜擢していたことなどから、しばらくラスパイレス指数が高い水準を保っていたが、近年、新卒以外の職員採用が多かったことから-0.5ポイントとなった。給与水準については、今後も類似団体及び県下近隣市町村の状況を把握しつつ適正な水準が保てるよう努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

職員数は昨年比で-3名。今後は職員数は増加する見込みではあるが、現在行っている庁舎建設事業が終了し次第、職員数の削減を行う。人口の減少に職員の削減数が追い付かないことから、人口千人当たりの職員数は今後も増加していくと思われるが、類似団体と比較して過大にならないよう適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

前年度と比較すると+0.5%となった。地方債残高は前年度よりは-9.5億円となったが、一番低かった平成25年度末の132億円からは8億円増加している。交付税措置等が見込まれる有利な地方債の活用に努めると同時に、地方債の元利償還金が過大にならないよう、年度間の公平性も勘案しながら減債基金を活用するなど実質公債費比率の抑制を図る。

将来負担比率の分析欄

これまで同様、将来負担比率は算出されなかった。有利な起債を借りていることや地方債の発行を抑制したことが要因と考えられる。地方債残高は前年度末より-9.5億円となった。財政計画では、今後は新庁舎建設や社会資本施設の老朽化への対応等により起債額の増加が見込まれている。有利な地方債の活用と同時に、現有基金をできるだけ取り崩さない財政運営を行い、充当可能財源等の確保に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

経常一般財源を必要とする人件費は、前年度比-0.4億円だったが、1.0%悪化した。今後は定員適正化計画に基づく職員削減を確実に行いながら、質の高い効率的な行政運営に努める。

物件費の分析欄

経常一般財源を必要とする物件費は、前年度比+0.9億円となったことなどから、前年度より1.5%悪化した。主な要因は、職員端末更新に伴う備品購入等によるもの。今後も施設の統廃合による管理経費の削減に取組み、物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

経常一般財源を必要とする扶助費は、前年度比+0.4億円の10.1億となり0.9%悪化した。主な要因は、子ども医療費助成拡充に伴うものが+0.2億円。今後も施策との整合性を図りながら、単独事業の見直しを行い、引き続き扶助費の適正化に努める。

その他の分析欄

経常一般財源を必要とする繰出金は、前年度比-0.3億円の12.8億円、維持補修費が前年度比+0.2億円の1.2億円となった。維持補修費については、施設の老朽化が進んでいることから、積極的に統廃合に取り組み、抑制に努める。

補助費等の分析欄

経常一般財源を必要とする補助費等は、前年度より0.5%悪化した。一部事務組合負担金については、消防組合において、施設の老朽化による更新等が控えていることなどから、今後も増加が見込まれている。一部事務組合に対してもコスト削減を要請していく。

公債費の分析欄

平成26年度から平成29年度まで汚泥処理センター建設等の大規模建設事業が重なった影響で、近年公債費が上昇している。令和4年度は、公営住宅管理事業の維持補修等の増加に伴い経常特定財源が減少したことなどにより、1.4%悪化した。今後は新庁舎建設や社会資本の老朽化への対応等により起債額の増加償還額は一気に増加すると見込んでいる。減債基金を活用し、年度間の平準化に取り組む。

公債費以外の分析欄

分母である経常一般財源が前年度比-4.9億円の95.9億円となった。分子である経常一般財源を必要とする公債費以外の歳出は、前年度比1.0億円増加の68.2億円となり、対前年度比で4.4%悪化した。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

消防費:消防ポンプ車及び高規格救急車購入に伴う伊佐湧水消防組合負担金の増や第5分団消防団詰所新築工事、消防ポンプ自動車購入等の実施に伴うもの。民生費:保育所等整備支援事業(保育所新築工事補助金)や電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付事業等の実施に伴うもの。商工費:布計鉱山鉱害防止事業の実施に伴うもの。農林水産業費:本市は伊佐米をはじめとした農林水産業が主産業であるため、圃場整備(債務負担)や多面的支払交付金などに多額の予算を配分しているため。災害復旧費:令和2年から令和3年にかけて豪雨災害が発生し、明許繰越事業として令和4年度も実施しているため。公債費:人口減に伴うもの。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

扶助費:一人当たり経費が多いものは、①保育所運営費50,536円②障害者介護給付費41,584円、③児童手当13,747円、④電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金10,033円、この合計額115,900円だけでも類似団体の平均値を超えている。老人措置費や児童扶養手当費などのその他の扶助費を加えると、総計166,143円となり、類似団体平均より50,860円高くなっている。②③④については抑制が難しく、①の保育所については、待機児童0人であり、女性の社会進出を下支えする経費であることから、今後も同額の支援を続けていく。そのため、類似団体より多い負担は今後も継続するが、過大とならないように努める。災害復旧事業費:令和2年から令和3年にかけて豪雨災害が発生し、明許繰越事業として令和4年度も実施しているため。普通建設事業費(新規整備):保育所等整備支援事業、布計鉱山鉱害防止事業等が主なもの。後年度には新庁舎建設が控えている。計画的な更新に努める。繰出金:国保会計への繰り出しが3.8億円あり、うち赤字補填である法定外繰出しが2,700万円あり、国保会計の健全化が求められる。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金については、令和3年度の実質収支が12.6億円であったため、地方財政法に伴い1/2以上の6.4億円の積立を行った。また、財源不足が予想されたため、8.3億円の繰入を行ったことにより、1.9億円減少した。実質収支及び実質単年度収支については、対前年度比で普通交付税で3.0億円、臨時財政対策債で2.0億円、合計5.0億円減少したことから財政調整基金積立を8.3億円繰り入れたが、結果的に財源不足とならなかった。今後も、義務的経費が増加傾向にり、財政調整基金を取り崩しながら運営することが見込まれるため、引き続き行財政改革を行う。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

一般会計については前年度比-1.15%だった。形式収支は令和3年度が17.0億円で令和4年度が15.2億円と1.8億円減少した。翌年度に繰り越すべき財源は令和3年度が4.4億円で令和4年度が4.2億円で0.2億円減少した。その結果、実質収支は令和3年度が12.6億円で令和4年度が11.0億円で1.6億円減少したが、実質収支比率は11.7%と高い。これは、対前年度比で普通交付税で3.0億円、臨時財政対策債で2.0億円、合計5.0億円減少したことから財政調整基金積立を8.3億円繰り入れたが、結果的に財源不足とならなかったため。水道事業会計については、前年度比+1.3%となった。今後も引き続き歳出の抑制を図り、健全な水道事業の運営に努める。介護保険事業特別会計については、保険料と給付のバランスがうまくとれ、0.95%、前年度比では+0.25%となった。今後も安定した介護保険事業を運営していく。国民健康保険事業特別会計については、今年度は一般会計から法定外繰入を0.3億円繰入を行わなければ運営が出来ない状況である。できるだけ法定外繰入をしないよう段階的に税率改正等を行い、県とともに安定的な国保運営に努める。市の特性や実情をよく分析しながら、安定した財政運営が行えるよう、なお一層努力したい。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

実質公債費比率における分子の額について、令和2年度より元利償還金は衛生センターの元金償還が始まったため増加した。今後は、令和8年度完成予定の新庁舎建設や社会資本整備の老朽化への対応等により起債額が増加し、償還額も一気に増加すると見込んでいる。交付税措置率の高い有利な地方債の活用を図ることはもちろんのこと、普通建設費等の投資的経費についても財政計画に基づいた適切な投資を行い、公債費負担が過大にならないよう努める。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度の将来負担比率における分子の額については-56.9億円となり、今年度も将来負担比率は算出されなかった。今後は新庁舎建設や公共施設の更新等に伴い起債残高が増加すると見込んでいることから、より一層行財政改革を進めながら基金を確保するとともに、将来負担比率が過大にならないよう安定した財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和3年度末基金残高が88.4億円に対し、令和4年度末基金残高は94.7億円となり6.3億円増加した。内訳は、財政調整基金繰入8.3億円、積立6.4億円、増減-1.9億円、減債基金繰入なし、積立5.8億円、増減+5.8億円、その他特定目的基金繰入1.9億円、積立4.2億円、増減+2.3億円となっている。(今後の方針)平成20年の合併当初、基金全体金額は30.6億円であったが右肩上がりに増加し、平成29年度に82.8億円となった。その後、平成30年から大型公共事業が行われたことから減少となったが、令和3年度に9.8億円、令和4年度に6.3億円を積立てて、令和4年度末現在で基金残高は過去最高額の94.7億円となった。今後は、令和8年度完成予定の新庁舎建設事業等の大型事業が控えていることから減少が予想される。財政調整基金についてはなるべく減少額を抑え、減債基金をはじめとする目的基金については、必要な事業を実施するため適宜積立て及び取崩しを行っていく。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度の実質収支が12.6億円であったため、地方財政法に伴い1/2以上の6.4億円の積立を行った。また、財源不足が予想されたため、8.3億円の繰入を行ったことにより、1.9億円減少した。(今後の方針)令和8年度完成予定の新庁舎建設や老朽化施設を多数抱えていることから、維持管理や更新費用を捻出するため今後も急速に減少していくと見込んでいる。徹底した行政コスト削減を行い、減少額を抑えるよう努める。

減債基金

(増減理由)令和8年度完成予定の新庁舎建設や老朽化施設の更新に伴い公債費の上昇が見込まれることから、将来に備えて減債基金に5.8億円の積立を行った。(今後の方針)令和8年度以降、公債費の上昇が見込まれることから減債基金の取り崩しが予想される。

その他特定目的基金

(基金の使途)【ふるさと納税基金】寄附者の意向を反映した施策に効果的に活用するための基金。【情報通信技術環境整備基金】児童生徒一人一台端末等の次期更新に向けた基金。(増減理由)【ふるさと納税基金】+1.3億円新規事業を対象に繰入を行っているが、寄附額に対し、新規事業費が少なかったため。【情報通信技術環境整備基金】+0.7億円令和4は端末等の更新がなかったことから取り崩しは行わず、令和7の更新に向けて積立のみを行ったため。(今後の方針)【特定公有財産取得基金】令和8年度の新庁舎建設完成時に基金残高はほぼ0円となる見込だが、本基金の目的は公有財産取得であり新庁舎建設に限ったことではないため、その後も積立てを行う予定。積立額については財政状況を考慮して判断する。【その他基金】必要な事業を実施するため適宜積立て及び取崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において公共施設に係る維持・更新費用を今後40年間で50%削減する目標を掲げている。有形固定資産減価償却率は、上昇傾向にあり類似団体と比較すると本市の施設の老朽化が進んでいることがわかる。今後も引き続き施設の統廃合を含めた、公共施設の適正配置に取り組んでいく。

債務償還比率の分析欄

類似団体と比べると、比較的債務償還比率が低いが、今後、多くの施設が更新時期を迎えるため、施設の統廃合を含めた、公共施設の適正配置に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

起債を抑制した結果、将来負担比率は算定されていない。一方で有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高く、上昇傾向にある。特に体育館、プール等の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率80%以上となっており、施設の更新、統合などの将来の方針決定が喫緊の課題となっている。今後は新庁舎建設や施設の更新等のため起債の増加は避けられないが、更なる行財政改革を進め、有利な地方債を活用するとともに、将来負担比率が過大にならないよう安定した財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

市町村合併後、起債を抑制し、平成21年度決算では79.2%の将来負担比率であったものを「計上なし」とすることができている。しかしながら、施設の老朽化による設備の更新計画により、令和元年から令和2年の全学校の空調整備及びまごし温泉建替、令和5年から令和8年にかけて建設する新庁舎建設などの大型事業に加え、各施設の空調設備やナイター照明のLED化などの更新計画も重なり、起債が増加する財政計画を立てている。再び将来負担比率の計上が見込まれるが、剰余金を財政調整基金や減債基金に積み立てるなどで充当可能財源を確保するとともに、有利な起債を活用しながら、将来負担の急激な上昇を招かぬよう一層の努力をしたい。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較すると、【橋りょう・トンネル】を除いては全ての項目で有形固定資産減価償却率が高くなっている。道路、橋りょうについては、長寿命化計画に基づき、年次的に点検補修を行っている。公営住宅は、類似団体と比べると有形固定資産償却率が高くなっており、長寿命化計画に基づき改修等を実施しているが、現状課題の解決に向けて適宜計画を見直し、廃止を含めて取り組んでいる。また、認定こども園・幼稚園・保育所については、市営は1施設のため有形固定資産減価償却率が大幅に高くなっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較すると、有形固定資産減価償却率が高く、特に体育館・プール、市民会館、消防施設、庁舎の老朽化が進んでいる。体育館・プール、市民会館については、今後統合や規模縮小等も含めた適正配置、将来の方針検討について取り組む。庁舎については、令和8年度の建設完成を目指している。消防施設については、消防団詰所の老朽化が進んでおり、消防団の再編も含めた施設の統合更新に取り組む。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、資産総額が前年度末から977百万円減少となったが、固定資産の減価償却による影響が大きい。金額の変動の最も大きいものはインフラ資産工作物で前年度末より966百万円増加となった。これは主に災害復旧工事(455百万円)によるものである。また、他に金額の変動が大きいものとして、未収金(前年度末より685百万円減少、前年度国県支出金の未収計上分が818百万円)、減債基金(前年度末より581百万円増加)などが挙げられる。負債総額は、前年度末から962百万円の減少となったが、金額の変動の最も大きいものは地方債で前年度末より928百万円の減少となった。今後も公共施設等総合管理計画に基づき施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めなければならない。・水道事業会計、農業集落排水事業特別会計等を加えた全体会計においては、資産総額は前年度末から1,027百万円減少し、負債総額は前年度末から1,121百万円減少した。当年度に水道事業会計において新たなインフラ資産の取得が113百万円にとどまったためである。伊佐北姶良環境管理組合、伊佐湧水消防組合等を加えた連結会計においては、資産総額は前年度末から1,178百万円減少し、負債総額は1,313百万円減少となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等において、純行政コストは15,547百万円となり、前年度より817百万円減少した。これは前年度に臨時損失として災害復旧事業費869百万円を計上したことが主な要因である。純経常行政コストは前年と比べてほぼ横ばい(71百万円増加)である。定額給付金支給に伴う移転費用の増加(令和23年度)を除いても高齢化社会の進行による移転費用(社会保険給付)の増加傾向は続くと考えられ、事業の見直しや介護予防の進展等により、経費の抑制に努めなければならない。・水道事業会計、農業集落排水事業特別会計等を加えた全体会計においては、一般会計等に比べて水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が372百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が5,307百万円多くなり、その結果、純行政コストは5,842百万円多くなっている。伊佐北姶良環境管理組合、伊佐湧水消防組合等を加えた連結会計においては、一般会計等に比べて、鹿児島県後期高齢者医療広域連合特別会計が社会保障給付費を5,776百万円計上しているため、純行政コストは10,621百万円多くなっている

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等の財源15,746百万円が純行政コストの15,547百万円を上回っており、本年度差額は199百万円となった。また、固定資産台帳の整備を行う中で判明した大口中央中学校評価替えに伴い、無償所管換等が216百万円減少したため、純資産残高は16百万円の減少となった。税収等は前年度より324百万円の減少しているが、今後も地方税の徴収義務の強化を行い、税収等の更なる安定確保に努めなければならない。・水道事業会計、農業集落排水事業特別会計等を加えた全体会計においては、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計の国民健康保険税や介護保険料が税収に含まれることから、一般会計等に比べて税収等が1,957百万円多くなっており、本年度差額は109百万円の増加、純資産残高は5,615百万円の増加となった。伊佐北姶良環境管理組合、伊佐湧水消防組合等を加えた連結会計においては、鹿児島県後期高齢者医療広域連合会への国県等補助金が財源に含まれることから一般会計と比べて財源が10,867百万円多くなっている。また本年度差額は246百万円多くなり、純資産残高は7,050百万円多くなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等において、業務活動収支は2,573百万円で前年度より474百万円減少したが、これは国県等補助金収入が前年度より671百万円減少したことが大きな要因である。投資活動収支は△1,800百万円で、前年度より806百万円増加しているのは基金取崩収入が前年度より986百万円増加したことが大きな要因である。財務活動収支は地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから、△954百万円となっており本年度末資金残高は1,519百万円となった。来年度以降も老朽化した施設の建替えや大規模改修等、投資的経費の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めなければならない。・水道事業会計、農業集落排水事業特別会計等を加えた全体会計においては、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計の国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計より363百万円多い2,936百万円となっている。投資活動収支では水道事業会計において113百万円の公共施設等整備費支出を計上したため、△1,898百万円となっている。財務活動収支は地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから△1,112百万円となっており、本年度資金残高は2,263百万円となった。・伊佐北姶良環境管理組合、伊佐湧水消防組合等を加えた連結会計においては、伊佐北姶良環境管理組合におけるごみ処理手数料が業務収入に含まれることなどから業務活動収支は一般会計等より466百万円多い3,039百万円となっている。投資活動収支では、伊佐湧水消防組合の公共施設等整備費支出の増加により、△2,049百万円となっている。財務活動収支は地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから△1,124百万円となっており、本年度末資金残高は2,412百万円となった。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は類似団体平均を下回っている。有形固定資産減価償却率は徐々に増加しており類似団体平均を上回っているが、これは大規模修繕や道路改良工事を行い、資本的支出を計上しているにもかかわらず、老朽化が徐々に進行しているためであると考えられる。また、今後新庁舎の建設が進めば住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は増加するものと考えられる。今後は庁舎のみならず、様々な施設の老朽化に伴い、更なる施設の建替えや大規模改修等、投資的経費の増加が見込まれるので、公共施設等総合管理計画に基づく施設マネジメントを進め、公共施設等の適正管理に努めなければならない。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は類似団体平均と同程度であるが、近年増加傾向である。今後も老朽化した施設の建替えや大規模改修等、投資的経費の増加が見込まれることから、行政コストの削減に努めなければならない。・将来世代負担比率は類似団体平均と同程度である。今後は新規に発行する地方債を抑制する、高金利の地方債に関して借換を行うなど、将来世代の負担軽減に努めなければならない。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たりの行政コストは類似団体平均よりやや高い数字である。今後も社会保障給付や公共施設整備投資の増加傾向は続くと見込まれるため、行財政改革の取り組みを進め、経常費用の削減に努めなければならない。また、使用料の見直しや施設の統廃合を検討するなど、経常費用の減少及び経常収益の増加の施策も必要である。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たりの負債額は類似団体平均を下回っているが、施設の老朽化等による投資的経費の増加傾向は依然として続くものと考えられるため、新規の地方債発行の抑制や地方債繰上償還を検討するなど、地方債残高の抑制に努めなければならない。今後は新庁舎の建設を進める中で、地方債に依存しすぎない政策を考える必要がある。・基礎的財政収支は黒字となったが、投資活動収支が△1,176百万円の赤字となっており、これは地方債を発行した施設整備を行っているためである。今後は優先順位を考え、施設整備を進める必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

・受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担割合は比較的低くなっている。経常収益はここ数年減少傾向が続いていたが、3年度に続き増加している。使用料収益の増加などの要因ではないため、公共施設等の使用料の見直しを検討する、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより受益者負担の適正化に努める、といった施策は引き続き進めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,