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地方財政ダッシュボード

福岡県須恵町の財政状況(2021年度)

🏠須恵町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

人口増加により町税等も年々伸びていたため、平成29年度から改善傾向にあったが、新型コロナウイルス感染症の影響による減収と高齢化に伴う扶助費・補助費等の支出の増加に伴い、財政力指数は、0.62(昨年度比-0.01)となった。類似団体平均とのかい離は昨年度同様であり、類似団体においても同様の状況と言える。今後は、新型コロナウイルス感染症からの脱却による増収が見込まれ、人口も当分の間は増えると予想され町税等の税収の伸びも見込まれる。引き続き税の徴収強化及び税収増加による歳入の確保に努め、類似団体順位を上げるよう努める。

経常収支比率の分析欄

令和元年度まで類似団体平均を下回っていたが、令和2年度から上回っている。令和3年度は人件費や扶助費の義務的経費の増はあったものの、税収等の増により、昨年度より5.3ポイント改善されたが、依然、類似団体より高い水準となっている。今後も人件費、扶助費及び公債費の義務的経費の増加が見込まれ、財政の硬直化が進むものと考えられる。人口増による増収は見込めるが、使用料等の料金改定を行うなど適正化をはかり、安定した財源の確保に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和2年度まで類似団体平均を上回る結果となったが、令和3年度は若干ではあるが、下回る結果となった。しかし、人口一人当たりの額は131,869円(昨年度比+1,282円)であり、人件費の増によるものが要因である。令和元年度から業務の民営化を進めており、人件費の精査に引き続き努めたい。

ラスパイレス指数の分析欄

現行の給料表は年功的な体系となっており、上下の職務の級間での水準の重なりも大きいものとなっている。比較的都市部に近いこともあり、全国町村平均よりは高くなってしまっている。人事評価をもとに、こうした年功的な要素が強い給料表の構造を見直し、職務・職責に応じた構造への転換を図る観点から、職務の級間の給料表水準の重なりの縮小、枠外昇給制度の廃止などの措置を講じることにより、ラスパイレス指数を全国町村平均まで低下させるとともに、住民に理解を得られない手当の抜本的見直しを行う。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成20年辺りからの新規採用抑制策により類似団体内平均値を大きく下回っている。町の人口は、近年増加が続いており、この傾向はしばらくは続くと思われる。今後は、定年延長による職員数の増加が考えられ、現在行っているアウトソーシングの見直しや電子化の推進、行政評価に基づく事業の統廃合を図り、内部管理事務の抜本的見直しを中心とした組織の簡素化を進め、現状を維持・向上できるよう努める。

実質公債費比率の分析欄

20年以上前に借入を実施した比較的高額・高利率な借入が近年償還終了を迎えてきており、ここ数年は実質公債費比率は向上してきている。今後は既存公共施設の老朽化による改修、更新などが見込まれ公債費は増加していく予定である。令和4年度に財政計画を策定し、公共施設等総合管理計画との整合性を図りながら、中長期的な視点で、事業費や新規の地方債発行の平準化を図り、財政の健全化に努めていく。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、充当可能基金が889百万円ほど増加(財政調整基金+607百万円、減債基金+118百万円、ふるさと応援基金+174百万円)したことにより、16.1%改善された。しかし、依然類似団体とのかい離は29.8ポイントと大きい。今後も公共施設の更新等が控え、地方債残高の増が懸念されるため、事業実施の適正化と充当可能基金を増やすなどして、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

類似団体と比較して人件費の数値が低いのは職員数が少ないためで、令和3年度で類似団体平均値より3.5ポイント低い値となっているが、職員数は増加傾向にあり、類似団体との差は縮小傾向にある。今後も平均値を下回るよう引き続き職員数の適正化を図り、行財政改革の取り組みと並行して人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

令和元年度から直接雇用であった臨時職員が包括業務に移行したことで、物件費は類似団体平均を大きく上回っている。令和2年度と比較し、令和3年度は1.7%改善をしているが、これは税収等の収入が増えたためであり、経常物件費については30百万円ほど増加している。令和4年度からは町立幼稚園・保育所が民営化され、保育士派遣委託などの物件費が削減され、改善が予想される。

扶助費の分析欄

令和2年度は類似団体と比較し、低い値となっていたが、幼稚園・保育所の民営化による保育サービスの拡充と障がい者支援費等の増により、令和3年度は類似団体を0.5ポイント上回る結果となった。しかしながら、保育サービスについて、費用の増は、子どもの数も増加しており、待機児童解消に向けた取り組みの成果とも言え、今後も適正なサービスの提供を積極的に行っていきたい。

その他の分析欄

令和2年度と比較し、令和3年度は2.2%改善されているが、主な要因としては、介護保険への負担金と公共下水道特別会計の繰出金は合わせて、51百万円程減少したことが大きい。しかしながら、後期高齢者医療療養給付事業への負担金等は増加傾向にあり、介護予防と医療の一体となった対策を講じ、高額医療等の発生を抑制し、財政の健全化に努める必要がある。

補助費等の分析欄

類似団体内平均値とのかい離は令和2年度で0.5ポイント、令和3年度で0.7ポイント上回り、その差は広がっている。主な要因としては、清掃施設組合への負担金が増加していることが大きく、今後も燃料費の高騰や施設更新により負担金の増が見込まれ、類似団体とのかい離が進むことが予想される。その他団体への補助金も人件費の増などで増加傾向にあり、必要性の低い補助金は見直し、廃止を行う方針である。

公債費の分析欄

類似団体平均と比較し、令和3年度は3.6ポイント下回っており、前年度比も-1.2%改善された。これは、総合運動公園整備事業債の償還終了の影響であり、一時的で今後は公共施設の更新等で、公債費の増が見込まれ、令和10年にピークを迎える。そのため、公共施設等個別施設計画に基づき、施設の統廃合を進め、事業費の抑制や新規の地方債発行の平準化を図り、財政の健全化に努めていく。

公債費以外の分析欄

平成30年度まで類似団体平均を下回っていたが、令和元年度で3.2ポイント、令和2年度で5.0ポイント上回り、令和4年度は4.5ポイントと若干類似団体とのかい離は縮まったが、人件費、物件費等が増加傾向にあり、財政を圧迫している。各特別会計への繰出金を減らすべく各利用料金や保険料の見直し、事業の適正化を図ることはもとより、税収を含めた自主財源の確保を主目標とし、財政の健全化を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体内平均値と比較して、土木費、教育費、公債費で大きく下回っている。土木費は、道路や橋梁等のインフラにかかる工事を必要最低限の範囲のみで実施しており、事業費を抑制しているためである。教育費は、物件費等を最小限に抑える努力をしており、施設の維持管理以外の支出を抑制した結果、当町の上げ幅以上に類似団体平均値が増加しかい離が大きくなっているが、今後は長寿命化事業等の大規模事業の影響で事業費増が予想される。公債費は、平成初頭辺りで新規借入した借入額の大きな町債が償還終了を迎えてきており、加えて借入の抑制を実施している成果が数値に現れているが、今後は防災行政無線更新等の大規模事業の償還が始まり増加傾向となる。今回、総務費で類似団体を大きく上回ることとなったが、これは財政調整基金積立金の増によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり395,249円で前年度と比較し68,033円の減となっている。性質別歳出で類似団体とかい離が大きなもので、物件費、扶助費が類似団体を上回り、人件費、補助費等、普通建設事業費、公債費で類似団体を下回っている。物件費は、類似団体以下の水準であったが、令和2年度はふるさと応援事業の拡大により、類似団体を大きく上回る結果となっている。令和3年度はふるさと応援事業が低迷したため、類似団体とのかい離は縮まったが、今後もこの水準を維持できるように努めたい。人件費は52,085円で、類似団体内平均値よりも12,990円低い数値となっており、10年以上前から職員数の縮減を進めており、以降類似団体と比較しても常に低い水準を維持できている。今後も、現状を維持できるよう努める。補助費等は、51,573千円と類似団体とのかい離は12,931円と下回っており、近年で最も広がった。新型コロナウイルス感染症対策で、各自治体実情に合った補助を展開しており、状況はさまざまであるが、本町の実情に合った支援事業に努めたい。普通建設事業費は、新規整備分は低水準で推移し、令和3年度も同様である。ただし、今後公共施設の更新により増額が見込まれるため、個別計画に基づき事業費の平準化に努める。扶助費は年々増加傾向にあり、主な要因は保育実施負担金・委託料と障がい者支援費・自立支援給付費で、令和3年度類似団体を上回った。公債費は、令和3年度は若干減少したが、今後は増加に転じ、令和10年まで続きピークを迎える。今後は公共施設等個別施設計画を活用し公債費の平準化を目指す。積立金は、不動産売払収入等臨時的な収入を財源としているが、令和3年度は決算余剰金の影響により、財政調整基金を513百万円積み立てることができ、類似を上回る結果となった。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

令和3年度、実質単年度収支は、決算余剰金等を財政調整基金に607百万円積立てることができたため、過去最高水準となった。同様に、財政調整基金残高についても、過去最高水準となった。実質収支額は382百万円と例年並みの水準であるが、令和2年度に比べ、標準財政規模が大きくなっているため、標準財政規模比に関しては、6.00と減少している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

令和3年度は、一般会計をはじめ特別会計、水道事業会計全ての会計において黒字決算であり、例年並みの水準を維持できたといえる。しかし、農業集落排水事業特別会計では、一般会計より41,830千円の繰入、公共下水道事業特別会計に関しても毎年3億円近い額を一般会計から繰入しており、令和3年度も274,429千円を一般会計から繰入している。また、現在も管渠延長工事がまだ町全体までは完了しておらず、今後も10年以上先まで新規延長工事や更新工事が控えており、一般会計の財政を圧迫する大きな要因のひとつとなっており、料金改定等を行い、一般会計からの繰入を抑える必要がある。また、後期高齢者医療特別会計については、被保険者数の増に伴う予算規模の拡大により、一般会計からの繰入金は増加傾向にある。水道事業会計については、一般会計からの赤字補てんはおこなっておらず、独立して採算が取れている。水道事業会計だけでなく、他の特別会計を含めすべての事業の集約やコンパクト化を図り、町全体の財政健全化に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

令和3年度の実質公債費率は7.0で前年度よりも0.2ポイント下がり改善された。また、令和3年度決算における実質公債費率を見ると、財政標準規模が大きくなり、元利償還金と公営企業債の元利償還金に対する繰入金が減少したため、6.2%となっている。しかしながら、令和3年度以降は大規模事業の償還が開始され、公債費の上昇は続き、令和10年にピークを迎える。公共施設の更新についても、個別計画に基づき事業費の平準化に努め、実質公債費率の上昇を抑える必要がある。また、組合等が起こした地方債の元利償還に対する負担金等は現在ないが、清掃施設組合の更新工事も控えており、今後は多額の負担金が発生し、財政圧迫の要因になると予想される。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

将来負担比率が令和2年度の50.5から令和3年度の34.4へ16.1ポイント減少した要因は、充当可能基金である財政調整基金が607百万円、減債基金が118百万円、ふるさと応援基金が174百万円増え、合計で889百万円の増になったためである。また、将来負担額を構成する公営企業債等繰入見込額についても200百万円の減となったことも大きい。今後は一般会計等に係る地方債残高は増加する傾向にあるため、ふるさと応援寄附金事業を拡大し、できる限りの基金積立を毎年行っていく予定である。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)令和3年度の基金残高は4,222百万円で889百万円の増となった。財政調整基金については、臨時的な収入である不動産売払収入や寄附金等の収入を中心に積立をし、令和3年度については、決算余剰金が大幅に出たため、607百万円の増となった。減債基金については、普通交付税の臨時財政対策債償還基金費分の118百万円を積み立てることができた。ふるさと応援基金については、寄附金額の30%の174百万円を積立てた。その他の基金については、近年取崩しはなく利息分の積立による微増となっている。(今後の方針)基金の使途の明確化や今後の公共施設の更新等に備えるために、財政調整基金の残高を一定に保ちつつ、公共施設の管理を目的とした特定目的基金に積み立てしていくことを検討している。ふるさと応援基金については、今後も事業拡大を進めており、寄附者の意向を反映した上で、今後必要とされる子育て支援や社会保障などの基金目的に合った財源に充てていく予定である。

財政調整基金

(増減理由)令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の支援事業を展開し、1億円の取り崩しを行ったが、令和3年度については、大規模事業の抑制や事業見直しを行い歳出を抑えたことと、当初見込んでいた減収がそれほどなく決算余剰金が大幅に出たため、607百万円の積立をする結果となった。(今後の方針)今後多くの公共施設の改修や更新が目前に控えているため、財源補てん分としての取崩しは最小限となるよう、事業の抑制を行なっている。現在、基金の運用は全額定期預金としているが年々預金金利が下がっており、預金による残高の増額も期待できないため、国債等の証券での運用も視野に入れ準備を進めている。

減債基金

(増減理由)普通交付税の臨時財政対策債償還基金費分の118百万円を積立てたことによる増となっている。(今後の方針)近年中に減債基金を取り崩しての償還は計画してはいないが、今後上昇が懸念される公債費や突発的な償還に備え現在の残高の維持に努めることとしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)水道水源保全基金:水道水源資源の保全、水道水の給水確保及び水源涵養事業などの推進を図る。ふるさと応援基金(新設):ふるさと応援寄附金を財源として寄附者の意向を反映した施策に活用し、また基金として将来に備える。自然教育林基金:官民一体で森林機能の高揚をはかり、町土、水、緑、生活文化の保全と、美しい安らぎのある町づくりに資する。森林環境譲与税基金:国からの森林環境譲与税を財源とし、間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進とする。(増減理由)水道水源保全基金:令和元年度は事業充当のための取崩しは実施しておらず、定期預金としての利息分を積み立てるのみの増加となっている。ふるさと応援基金:寄附額の30%の額の174百万円に積み立て増となった。自然教育林基金:令和3年度は充当事業のために9百万円の取崩しを行い、減となった。森林環境譲与税基金:令和3年度に交付された森林環境譲与税が実施事業費を上回ったため、微増となった。(今後の方針)水道水源保全基金:該当事業実施となるまでは、現在の残高を維持するよう努める。ふるさと応援基金:新設されたばかりのため、数年は積立を行い、今後の事業に備えることとしている。自然教育林基金:該当事業実施となるまでは、現在の残高を維持するよう努める。森林環境譲与税基金:財源が交付金であるため、当年度に積立てた分を次年度に事業実施し、計画的に効果実現に努める。新たに公共施設等整備基金を設置し、大幅に増となった財政調整基金から移し替えを行い、今後必要とされる公共施設の更新費用の財源とする予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町では、平成29年度から類似団体より低い数値となっていたが、令和3年度は昨年度から1.5ポイント増え、類似団体と比較しても0.8ポイント高くなった。これは、近年、防災行政無線、庁舎自家発電装置、小中学校空調設備の更新工事や小中学校トイレの様式化工事を実施ており、その減価償却が開始されたためである。今後多くの施設が更新や長寿命化の改修を控えており、資産の減価償却の進行率と資産形成の平準化のバランスが重要であると考える。

債務償還比率の分析欄

令和3年度もふるさと応援寄附金基金等の充当可能財源が増加したことで、債務償還比率は、昨年度に比べ243.1ポイント改善された。しかしながら、公共下水道事業特別会計への起債償還にかかる繰出金の割合は依然高く、令和3年度も類似団体より高い水準となっている。今後も管路延長の工事に伴いその傾向は強まると推測されるが、法適用事業への移行準備を進めており、繰出金改善に向けて取り組んでいる。また、引き続き基金積立による充当財源確保にも努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体と比較して将来負担比率がかなり高くなっているが、これは将来負担額中の公営企業債等繰入見込額の金額の割合が高く、さらに年々増加傾向にあり、これが数値上昇の主な要因となっている。令和2年度から3年度においてはふるさと応援基金等の充当可能財源が増加し、将来負担比率は減少傾向にある。しかしながら、今後も小中学校の長寿命化の更新工事等大規模工事が控えており、地方債残高の増加が懸念され、借入の平準化を図るとともに、公共施設整備基金等の財源確保に努める。有形固定資産減価償却率については、令和1年度から2年度にかけ行った防災行政無線、庁舎非常用電源設備や各学校空調の更新更新工事の減価償却がかいしされたため、、昨年度より1.5ポイント上昇し、類似団体よりも高い水準となった。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、ふるさと応援基金等の充当可能財源の増加と標準財政規模の増により改善傾向にあり、実質公債費率についても、公営企業債等繰出金の減と標準財政規模の増加により改善傾向にある。しかしながら、類似団体と比較した場合、将来負担比率、実質公債費率がともに高く、今後も大規模事業の償還開始や今後も小中学校の長寿命化の更新工事等大規模工事が控えており、元利償還金額は増加していく傾向にある。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】は、一人当たり延長が全国平均、県平均、類似団体平均と比較してもかなり低い数値となっているが、毎年段階的・計画的に改修・補修工事は実施しており、維持費や更新費用は他団体よりも抑制できていると考えられる。【橋りょう・トンネル】は、比較的年数の経った施設が多く、減価償却率は高くなっているが、策定した長寿命化計画に沿って計画的に更新・改修工事を進めている。【認定こども園・幼稚園・保育所】は、近年、町内の5園中4園の施設を更新しており、減価償却率はかなり低い水準となっているが、年々一定の割合で減価償却率は上がっている。今後、公立幼稚園の更新(幼児園化)を予定しており、待機児童解消のため、施設の更新を進めている。【学校施設】は、各校段階的に耐震補強工事・大規模改修工事を実施しているため、類似団体と比較し、減価償却率は低くなっている。今後は策定した個別施設計画をもとに小中学校の長寿命化を進め、管理コストの縮小と平準化を進めている。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【図書館】は、建設から40年以上が経過しておりかなり老朽化が進んでいる。近年中に改修か更新等の決断をしなければならない状況にあり、現在、個別施設計画を策定し、移転・複合化等も選択肢とした新たなあり方を検討している。【体育館・プール】は、2施設ありうち1施設は建設されてから40年以上が経過しており、上記図書館との複合施設である。図書館同様に改修か更新等の決断をしなければならない状況と言える。プールは、該当施設無し。【市民会館】は、建設からおよそ25年が経過し大規模改修を実施すべき時期がきている。外壁のひび割れや舞台照明設備等の老朽化も進んでおるため、策定した個別施設計画をもとに長寿命化と設備の更新に着手している。【一般廃棄物処理施設】は、近隣3団体で負担し合い維持管理をしており、施設は15年以上経過している。類似団体に比べ減価償却率は低くなっているが、施設更新に向けて設計等の準備を進めている状況である。【保健センター】は、当町では庁舎と併設している施設であり、建設から30年経過し大規模改修の時期となっている。令和1年に事務所の改修を行い、若干ではあるが類似団体との差は埋まっている。【消防施設】は、防災無線施設のデジタル化による更新を終えたことにより、類似団体に比べ減価償却率は低くなっている。【庁舎】は、建設から30年経過し大規模改修の時期となっている。1階フロアのユニバーサルデザイン化や非常用電源設備の大規模改修は令和1年度に行っているが、今後も個別施設計画に基づき、設備整備や長寿命化を行っていく予定である。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

【一般会計等】資産総額が前年度末から527百万円の増加(+1.3%)となった。これは、財政調整基金が607百万円増加したためで、資産総額のうち有形固定資産の割合は84.8%となっており、昨年度から2.0ポイント下がった。これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。負債総額は、前年度から48百万円減少(▲0.5%)であり、主な要因としては、退職手当組合引当金が106百万円(13.4%)減少したことによる。【全体会計】水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から441百万円増加(+0.8%)し、負債総額は前年度末から222百万円減少(1.3%)した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて14,121百万円多くなるが、負債総額も公営企業債(主に下水道事業)が含まれるため、9,023百万円多くなっている。【連結会計】一部事務組合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から453百万円増加(+0.8%)し、負債総額は前年度末から194百万円減少(▲1.0%)した。資産総額は、一部事務組合が保有している公有用地等や施設に係る資産を計上していること等により、一般会計等に比べて18,775百万円多くなるが、負債総額も一部事務組合等の借入金等があること等から、10,375百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

【一般会計等】経常費用は10,184百万円となり、前年度比2,244百万円の減少(▲18.1%)となった。減少の要因としては、前年度と比較し、特別定額給付金の給付による補助費等が3,020百万円減少したことが主な要因と考えられるが、人件費や物件費については増加傾向にあり、純行政コストは、コロナ期前よりも高い水準となっている。経常費用の増加は今後も続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。【全体会計】全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が937百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が2,793百万円多くなり、純行政コストは3,026百万円多くなっている。【連結会計】連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が1,644百万円多くなっている一方、物件費が1,703百万円、補助費等が7,676百万円多くなっているなど、経常費用が9,647百万円多くなり、純行政コストは8,009百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

【一般会計等】税収等の財源(10,325百万円)が純行政コスト(9,737百万円)を上回ったことから、本年度差額は588百万円(前年度比+191百万円)となり、純資産残高575百万円の増加となった。これは前年度に比べ、補助費等及び他会計への繰出金が減少し、純行政コストが2,296百万円(▲19.1%)減少したためである。【全体会計】全体では、国民健康保険特別会計、公共下水道事業特別会計の国民健康保険税や下水道使用料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて財源が3,092百万円多くなっており、本年度差額は655百万円となり、純資産残高は664百万円の増加となった。【連結会計】連結では、一部事務組合等への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が8,068百万円多くなっており、本年度差額は648百万円となり、純資産残高は647百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

【一般会計等】業務活動収支は、補助費等及繰出金の減で、移転費用支出が2,311百万円減少(23.3%)したことにより、1,142百万円となったが、投資活動収支は基金積立金支出が前年度より454百万円増加しため、1,272百万円となっている。財務活動収支については地方債等発行収入が地方債償還支出を上回ったことから、71百万円となった。本年度末現金預金残高は前年度から59百万円減少し、410百万円となった。【全体会計】全体では、国民健康保険税や後期高齢者医療保険料が税収等収入に含まれること、上下水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より436百万円多い1,578百万円となっている。投資活動収支では、上下水道事業において管路の布設事業を実施したため、1,484百万円となっている。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債等発行収入を上回ったことから、、▲89百万円となっており、本年度末現金預金残高は前年度から5百万円増加し、1,115百万円となった。【連結会計】連結では、一部事務組合等における収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より568百万円多い1,710百万円となっている。投資活動収支は、1,517百万円となっており、財務活動収支は、地方債償還支出が地方債等発行収入を上回ったことから、▲161百万円となっており、本年度末現金預金残高は前年度から35百万円増加し、1,610百万円となった。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均値を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。歳入額対資産比率については、類似団体平均値を上回る結果となった。前年度と比較すると、特別定額給付金等の国庫補助財源の減による歳入総額の減少で、歳入額対資産比率は0.51年増加することとなった。有形固定資産減価償却率については、類似団体とほぼ同じ水準にあるが、有形固定資産減価償却率は増加傾向にあり、今後、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均値を少し上回っており、本年度においては、基金の増により、税収等の財源が純行政コストを上回ったことから、純資産は575百万円増加し、純資産比率は昨年度から0.4ポイント改善され、将来世代の利用可能な資源が蓄積されたといえる。将来世代負担比率は、類似団体平均値を下回っており、昨年度からは0.1ポイント増となった。今後も多くの教育施設やその他公共施設の改修や更新などを予定しているため、地方債の新規発行による地方債残高の増が見込まれる。可能な限り新規発行を償還額以内に収め、現在の水準の維持に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を下回っているが、これは、経常費用の各費用が類似団体と比較して、ほぼ全てにおいて下回っていることによる。しかしながら、近年は社会保障給付及び他会計への繰出金の増加及び減価償却費が増加している。コロナ期前の令和元年度と比較しても6.2ポイントも増加しており、今後も多くの教育施設やその他公共施設の改修や更新などを予定しているため、将来的に経常費用を押し上げる要因になりうるものと予想される。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均値と比較して、大きく下回っており、前年度からも0.3万円減少している。退職手当引当金のが減少したためである。地方債の大半を占める臨時財政対策債については、毎年発行し続けており、令和3年度末残高が4,254百万円(地方債残高の58%)となっている。基礎的財政収支は、782百万円の黒字となった。これは、補助費等や繰出金による支出が減となり、業務活動収支の黒字分が増え、逆に基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支は公共施設等整備支出が前年度よりも大幅に減少したためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均値より高い水準となり、受益者負担比率は、昨年度より1.5%上がっている。これは、昨年度まで新型コロナウイルス感染症対策により、各施設の利用制限や受益者負担金の免除などの対応をとったためで、令和3年度は、コロナ期前の水準に戻ったと言える。また、今後は公共施設等の使用料の見直しを検討し、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,