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地方財政ダッシュボード

岡山県備前市の財政状況(2019年度)

🏠備前市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

国内外の主要取引先である鉄鋼メーカー等の耐火物の需要が旺盛だったこと及び研究開発投資による高付加価値商品群の売上げ増による法人市民税の増加により、財政力指数が0.01ポイント増加した。今後は、新型コロナウイルスによる経済の停滞から市税が減収し、自主財源の確保が厳しい状況が見込まれるため、行革プランの実行による事業の見直し、受益者負担の適正化、クラウドファンディングなどの新たな財源の開拓により自主財源の確保に努め、行政の効率化を行うことにより財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は97.1%となり昨年度から2.0ポイント悪化した。歳入面では、普通交付税の優遇措置の減額が大きな要因となっている。一方、歳出面では保育料の無償化やこども園・学校教育の充実に伴う物件費の増加、後期高齢者医療広域連合療養給付費等負担金、介護保険特別会計繰出金、下水道事業への繰出金が主な要因である。引き続き、効率的な事務事業の執行に努め、経費節減に努めると共に、関係部署と連携して、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の最適化を着実に進めるなどソフトとハード両面から事業の選択を行い、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

物件費・人件費の決算額の総額については、ふるさと納税寄附金に係る返礼品の見直しの影響、職員数の減から減額となっているが、市内の人口減少により一人当たりの決算額が増加している。類似団体と比較して、決算額が高いため、市営バスの運行経費、ALT(英語指導助手)の配置事業経費などの経常的な物件費について、それぞれの事業の費用対効果を検証し、見直しを行っていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

職員の給与については、国の人事院勧告に従っており、市独自の特殊要因は存在しないものの、新陳代謝による職員の年齢、給料号級の構成の変更により、指数の増減が生じている。今後の給与の取扱いについては、これまでと同様国の人事院勧告に従いつつ、国、県、近隣市町村等の動向も注視していく。なお、ラスパイレス指数については前年度数値を引用している。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

本年度の人口1,000人当たりの職員数は、10.97人となり、前年度と比べやや増加傾向に推移した。これは、分母である人口が減少(34,773人→34,265人、対前年度比-1.5%)したことが大きな要因となっている。こども園(8園)、保育園(2園)すべてが直営である事情などから人口当たりの職員数は高止まりしている。引き続き、高度化、複雑化する住民からのニーズに適切に対応できるよう、サービスの向上と職員数とのバランスに配慮しつつ、定員適正化計画に基づき定員の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

令和元年度の実質公債費比率は12.0%となり、対前年度比で0.6ポイント改善しており、早期健全化基準(25%)を下回った数値となっている。主な要因としては、市債の返済が終了したものや、公営企業債の返済に充てたと認められた繰出金が減額したものである。また、令和元年度に市債繰上償還を行ったことから、翌年度以降の当該数値が減少する見込みである。今後も引き続き、大規模事業に対する市債の発行が予定されているため、財源確保及び市債発行の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

令和元年度の将来負担比率は充当可能財源が将来負担額を超えたため、当該数値はない。しかしながら、今後は、人口減少による市税の減収や普通交付税の優遇措置の終了に伴うの大幅な一般財源の減額が見込まれる中で、浚渫土砂処分場の建設や、デジタル同報系防災行政無線整備などの大規模事業に伴って借り入れる市債が増加するため、歳入確保と事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費は、対前年度で0.2ポイント増加しているが、人件費決算額の総額は減少しているため、他費目の減少から相対的に増加した。今後も、行革プランや定員管理計画に従って人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費については、対前年比で0.8ポイント増加している。主な要因は、こども園の運営経費及び学校教育の充実に伴う電算機器の借上料などの物件費の増加による。今後は、市営バスの運行経費やALT(英語指導助手)の配置事業などの経常的な支出について、経常収入に見合う事業費とするための事務事業の見直しや公共施設の統廃合を進める。

扶助費の分析欄

扶助費は前年対比で0.5ポイント増加している。主の要因は障害者自立支援給付費の増加などである。今後も、障害者、高齢者を対象とした扶助費の増加に加え、人口減少対策の扶助費の増加も見込まれることから、市の独自の事業については、費用対効果を検証しながら、事業の在り方を検討していく。

その他の分析欄

その他は、対前年比で0.8ポイント増加している。主な要因は、後期高齢者医療広域連合療養給付費等負担金、介護保険事業特別会計への繰出金の増加や、汚泥再生処理センターの部品交換や点検維持補修などの維持管理経費の増加によるのもである。

補助費等の分析欄

補助費等は、対前年比で0.3ポイント減少している。主な要因は、下水事業道会計への繰出金の減少であるが、なお補助費全体の51%を占めている。下水道事業会計への繰出しには、毎年多額の経費を要しているため、引き続き受益者負担の適正化や外部委託の推進によるコスト削減、新たな地方債の抑制を行い、繰出金の抑制に努める。

公債費の分析欄

公債費は前年同値となっている。今後は、こども園建設や新庁舎の建設で借り入れた市債の返済が始まるため、増加が見込まれる。引き続き、国庫補助等の財源確保に努めるとともに、普通建設事業費の厳選を行い市債の借入の抑制を行う。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、毎年、類似団体より高い値で推移している。主な要因は、公営企業に対する繰出金が高止まりとなっていることであり、公営企業の経営健全化に努める必要がある。また、公共施設について、公共施設等総合管理計画に基づき統廃合を進め、施設の維持管理経費の抑制を行う。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費については、新庁舎建設事業により、大幅に増額している。・衛生費については、前年度にクリーンセンターの大規模改良工事を行っていたたため数値が上昇していたことが影響し、令和元年度は減少している。・商工費については、企業用地造成事業特別会計への繰出金209百万円を要したため増加している。・公債費は、市債の返済を繰上ておこなったため、大幅に増加している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は、住民一人当たり約65万円となっている。・人件費は前年度より増加しているが、人件費の決算総額は前年対比0.8%減(2,805百万円→2,782百万円)となっており、人口が減少(34,781人→34,265人)したため、一人当たりのコストが増加した。・物件費について、ふるさと納税寄附金に係る返礼品の見直しなどの影響に伴い減少しているが、人口が減少したため、一人当たりのコストが増加している。・補助費については、下水道事業会計への繰出金が高止まりしているため類似団体と比較して高い水準にある。・普通建設事業費は、新庁舎の建設などにより類似団体と比較して、大幅に高い水準にある。・公債費については、繰上償還を行ったため、大幅に増加している(繰上償還額1,347百万円)。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金は、中期的な見通しのもとに決算剰余金を積立て債券等による効率的な基金運用を行っている。令和元年度末の基金残高は、約47億円(標準財政規模比39.79%)となっている。実質単年度収支は地方債の繰上償還を行ったため数値が大幅に上昇している。災害対応や公共施設の維持管理・更新等の将来発生する歳出の増加に備える。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

令和元年度における実質収支は、一般会計その他すべての会計において黒字となっている。しかし、一部の病院事業及び下水道事業では毎年経常損失を計上しており、国の繰出基準に基づく一般会計からの繰入金に加えて、企業債の返済に必要な経費の一部を補塡することにより赤字を回避している状況である。病院事業会計においては、地域医療構想に基づいた病院事業改革プランに基づき、地域に必要な医療を安定かつ継続的に提供できるよう健全経営に努めていく。水道事業会計においては、人口減少等による需要の減少、老朽化した施設の更新等で多額の投資が必要と見込まれており、料金の見直し等を含め、健全経営に努めていく。下水道事業会計においては、中長期的な経営戦略に基づき、基準外繰入の縮減に努めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

元利償還金は、幼保一体型施設整備事業や汚泥再生処理センターなどの市債の元金償還が開始となったが、全体としては、前年度より減少した。公営企業債の元利償還金に対する繰入金の減少は、下水道事業会計への企業債償還のための繰出金が減少したことが主な要因である。新庁舎建設などの大規模事業に対する市債の発行を行っており、防災行政無線の整備や、浚渫土砂処分場の建設にも市債の発行を予定しているため、普通建設事業費の厳選を行うとともに国庫補助金等の財源確保を行い、地方債の抑制に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担額は、下水道事業会計における企業債残高の減少により公営企業債等繰入見込額などが減少した一方、新庁舎建設工事、道路新設改良工事といった大規模事業に係る地方債の借入れによる一般会計の地方債残高が増加している。全体では前年度より減少した。財政調整基金、減債基金、振興基金残高等の充当可能財源が将来負担額を上回っているが、今後は、新庁舎建設事業における市債の借入や防災行政無線の整備、浚渫土砂処分場の建設にあたり市債の借入が増加するため、財源確保に努めるとともに、新規の投資的事業を抑制するなど、将来負担を意識した財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)主な要因として、将来負担の軽減を図るため、減債基金を取崩し、市債の繰上返済を行った結果、基金残高の合計が前年度から大幅に減少した。また、まちづくり応援基金について、積立原資であるふるさと納税寄附金が、返礼品の見直しにより減少した一方、取崩額が増加している。(今後の方針)ふるさと納税寄附金の返礼品の見直しに伴う大幅な減収により、それを原資としたまちづくり応援基金も減少していく見込みである。また、公共施設等の老朽化や再編統合に伴う施設整備に市債を活用するため、公債費が増大することから、今後は、投資効果を検討するとともに、充当する事業についても厳選していく。

財政調整基金

(増減理由)財源不足を補うため272百万円を取り崩した一方で、362百万円を積み立てた。(今後の方針)市税及び地方交付税のほか一般財源の減少傾向にあることから、将来的な財源不足に備え、決算余剰金の2分の1以上の額を積立てることとしている。また、普通交付税の合併算定替えによる優遇措置の終了よる歳入の減少や新庁舎整備事業などの大規模事業による歳出の増加に備え、極力取崩しをしないことを基本とした健全な財政運営を行う。

減債基金

(増減理由)将来負担の軽減のために1,347百万円を繰上償還を行ったため、残高が大幅に減少した。(今後の方針)防災行政無線の整備事業、浚渫土砂処分場の建設による市債の借入が見込まれるため、令和7年度前後で市債返済のピークを迎える見込みであるため、計画的に積立を行うとともに、市財政の健全な運営に努める。

その他特定目的基金

(基金の使途)・振興基金:社会福祉事業の促進及び生活環境の整備、その他公共施設の整備等、市の振興事業の財源に充てる。・まちづくり振興基金:市民の連携の強化及び地域振興を図る事業の財源に充てる。・まちづくり応援基金:地域の活性化、快適な生活環境の形成など本市のまちづくりに資する事業の財源に充てる。・米百俵基金:市民の主体的な学びを支援する事業の財源に充てる。・地域福祉基金:高齢者の保健福祉増進のほか、地域福祉の充実を図るための事業の財源に充てる。(増減理由)・まちづくり応援基金を160百万円取り崩した一方で、ふるさと納税寄附金に係る返礼品の見直しによる積立原資の減少により56百万円の積み立てとなっている。(今後の方針)・まちづくり応援基金:ふるさと納税寄附金の返礼品の見直しに伴い大幅な減収となり、それを原資としたまちづくり応援基金の残高は減少していく見込みである。投資効果を検証し、充当事業を厳選していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市では平成28年度に策定した公共施設総合管理計画において、公共施設等の再編による保有量の削減、計画保全による施設の長寿命化等に取り組むこととしており、有形固定資産減価償却率については、類似団体より高い水準であるもののその伸びは緩やかである。庁舎の建替により若干の改善が見られたが、老朽化している公共施設も多いため、令和3年3月に作成した個別施設計画も活用しながら、効率的かつ健全な施設の管理運用に努めていく。

債務償還比率の分析欄

下水道事業会計をはじめとする公営企業債等への繰出しの減少に加え、ふるさと納税を原資としたまちづくり応援基金等の基金残高により債務償還可能年数が類似団体よりも短くなったと推測される。しかしながら令和元年度は、新庁舎整備に係る起債の増加や将来負担を軽減するための繰上償還に伴う減債基金の減少により悪化している。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

既発債の償還が進むとともに、公営企業債等繰入見込額の減少、基金積立等の充当可能財源の増加などから将来負担比率は皆減となった。一方で、有形固定資産減価償却率は、老朽化施設の保有割合が高いことから類似団体よりも高い水準で推移している。このことから、公共施設の老朽化に対して投資を抑制しつつ財政負担の軽減に努めてきたと言えるが、今後、老朽化と利用機会の減少から再編すべき公共施設を多数抱える現状をふまえて、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、計画的な施設の管理運営に努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、年々改善傾向であり平成30年度より皆減となった。実質公債費比率は、横ばいの状況であり、類似団体平均よりも高い水準にある。これは、下水道事業会計への元利償還金に係る繰出額が多いことや新庁舎整備や幼保一体型整備などの大型事業を行ったことによるものである。償還計画を見据えたうえで事業内容の調整を図るなど、新たな地方債の発行を抑制して、改善に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、公営住宅及び港湾・漁湾施設については、類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている。公営住宅については築後30年以上を経過しており、施設の老朽化が一層進行することから備前市公営住宅等長寿命化計画に基づき、建替え、用途廃止、個別改善等を行うとともに、長寿命化が図れる施設については、定期的な点検と適時の修繕等により適切な管理運営を行っていく。また、当市では子育て支援に力を入れており、幼保一体型施設の整備を行ったことから、認定こども園・幼稚園・保育所の一人当たり面積が類似団体と比較しても非常に高い水準となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

市民会館、図書館及び一般廃棄物処理施設については、類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている。市民会館については、築後30年以上が経過しており老朽化が進行している。これまでも改修工事等を行ってきたが、今後一層の維持経費の増加が見込まれる。公共施設等総合管理計画に基づき、地元への施設譲渡や除却、ニーズを考慮したサービス内容の見直しや適正規模、適正配置、適正管理について検討していく。また、庁舎については、老朽化が進行しており、耐震基準も満たしていないことから、令和元年度竣工で新庁舎の建設を行い、ほかの関連施設との複合化を図った。なお、消防施設の一人当たりの面積が大きいのは、東備消防組合(一部事務組合)の構成割合分を含んでいるためである。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産の総額は88,426百万円、負債の総額は22,959百万円で、資産に対する負債の割合は26.0%となっている。資産の部では、住民サービスを提供するために使用する資産である有形固定資産が74,337百万円と資産全体の84.1%を占めている。出資金、長期延滞債権、基金などの投資その他の資産7,756百万円(8.8%)、現金預金、未収金、財政調整基金や減債基金などの流動資産が6,299百万円(7.1%)となっている。負債の部では、翌年度償還予定額を含めた地方債残高が21,205百万円と負債全体の92.4%を占めている。地方交付税措置のある地方債のうち、将来の普通交付税の算定基礎である基準財政需要額に含まれることが見込まれる金額は25,427百万円である。また、職員が本年度末で全員普通退職した場合に想定される退職金1,294百万円を将来負担として退職手当引当金で計上している。前年度と比較して一般会計等については負債が資産に対して増加しているが全体会計及び連結会計の負債は資産に対して減少している傾向にある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は16,728百万円となり、前年度から492百万円増加した。業務費用の方が移転費用より多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(5,160百万円、前年度比+257百万円)であり、純経常行政コストの32.3%を占めている。また、一般会計全体会計及び連結会計すべてで、前年度より増加傾向である。公共施設等の統廃合や集約・複合化に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(15,396百万円)が純行政コスト(16,026百万円)を下回ったことから赤字となり、本年度差額は△630百万円となり、純資産残高は65,467百万円となった。新庁舎やこども園の建設による行政コストの計上は減価償却によって行われるため、今後は行政コストの増加が見込まれる。そのため物件費、補助金等の節減とともに、税収等の確保に努める必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

全体会計、連結会計においては、業務活動収支が黒字、投資活動及び財務活動収支は赤字となっている。一般会計等においては、業務活動収支が減少している(前年比△861百万円)。一方、投資活動収支については、昨年度より数値は改善したものの、赤字となっている。新庁舎の建設や総合運動公園の体育館やプール、認定こども園の整備などの公共施設整備に多額の支出を行っているため、公共施設等の適正管理に努める必要がある(前年比+830百万円)。また、財務活動収支についても黒字となっており(前年比△28百万円)、公共施設整備に必要な資金の多くを地方債の借り入れにより確保している状況のため、行財政改革を推進する必要がある。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、合併前に旧市町ごとに整備した公共施設の多くが現存しているため、保有する施設数が非合併団体よりも多く、類似団体平均を上回っている。歳入額対資産比率は、ふるさと納税返礼品の見直しによる寄附金が減少したことや、新庁舎、こども園の建設等により類似団体平均を上回っている。有形固定資産減価償却率は、高い状況で推移し、全体的に老朽化した施設が多く、更新や再編の検討が必要である。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の統廃合や集約・複合化を進め、維持すべき施設の管理が適切に行われるよう保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率及び将来世代負担比率については、類似団体に比べて良好な状況が続いている。上記の「1.資産の状況」のとおり、類似団体に比べ資産額が多い一方で、負債については、平成16年度の市町合併後に下水道事業で多額の元利償還をしたことにより実質公債費比率が20%を超えたことから、合併後の約10年間は起債を財源とした投資的経費の抑制に努めていた。このため純資産比率が類似団体平均を上回っている。地方債の借入が新庁舎建設やこども園の建設により増加したため、将来世代負担比率は増加したが、類似団体を下回っている。事業の選択と集中により、公共施設等の統廃合や集約・複合化を進めていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。資産が多いため毎年の減価償却費及び維持補修費が高額になっていることや、下水道事業等への繰出金による移転費用の高止まり、人口減などが要因となっている。今後は公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理に取り組み、行政コストに基づいた行財政改革に取り組む必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っている。新庁舎建設やこども園の建設による地方債の借入により負債残高が急増しており、人口減少と併せて数値が悪化している。今後、公共施設等の統廃合や集約・複合化にあたっては、将来世代に過度の負担を強いることがないよう計画を進めていく必要がある。また、基礎的財政収支が大幅な赤字となった要因として、投資活動収支の減少が大きい。これは、市債の繰上償還に基金を充当したためであり、基礎的財政収支の算出が基金積立金支出を除いて行われることによるからである。新規事業については優先度の高いものに限定するなど投資を抑制し、赤字の縮小に努める必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

使用料及び手数料は、ほぼ横ばいだが、その他の経常収益が減少した。受益者負担の水準については、公共サービスの費用に対する受益者負担の考え方を整理して、税負担の公平性・公正性や透明性の確保に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,