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地方財政ダッシュボード

愛知県常滑市の財政状況(2020年度)

🏠常滑市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 農業集落排水 常滑市民病院


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

商業施設の立地等による税収の増加等により、収入額が増加する一方、児童数の増加や介護サービス費の増加等に伴い、需要額も同様に増加しており、財政力指数は前年度比0.01ポイント増の0.98となっている。今後は、新型コロナウイルス感染症の影響により、空港関係事業所をはじめ、市内事業所等の法人税割等の税収の減少が見込まれること、市庁舎整備等に係る市債の償還などにより、財政力指数は下がる見込み。

経常収支比率の分析欄

新型コロナウイルス感染症の影響により経常経費充当一般財源が減少したことに加え、税収の減、及び下水道事業が企業会計へ移行し、繰出し基準が変更されたことによる基準外繰出し額が増加したことにより、経常収支比率は6.1ポイントの減となった。今後は、新庁舎整備に係る市債償還の開始により公債費が大きくなると見込まれ、経常収支比率については膨らむことが見込まれる。需用費抑制のため、公共施設等総合管理計画の推進と合わせて施設の廃止・統合による指定管理料等、施設の維持管理費の削減を進めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、地方公務員法の改正に伴い、臨時職員を会計年度任用職員として任用したことにより、前年度に比べ大幅に増額となった。一方で、物件費については、前述の地方公務員の改正の影響により、賃金が皆減となったため減額となった結果、全体では前年度比8,888円の増額となった。類似団体と比較すると、人件費については市長等の給与削減の実施、物件費についても、第5次常滑市総合計画に基づき継続的な抑制に努めていることで、低い数値を維持している。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数については、職員の年齢構成の若返りなどにより100を下回り、類似団体平均も下回っている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数については、類似団体平均とおおむね同等の数値となっている。第6次定員適正化計画が令和2年度をもって期間満了となることから、新たに第7次の計画を策定し、職員のスリム化を図りつつ、多様化・高度化する行政サービスへのニーズに対応するため、令和2年度に導入された会計年度任用職員制度を活用するなどして適正な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

類似団体を上回っている要因としては、中部国際空港の開港に合わせて進めた宅地開発等基盤整備に係る公債費及び公債費に準ずる債務負担行為の償還が挙げられる。今後は、将来負担比率と同様に新庁舎等の整備に係る償還の開始に伴い、数値が上昇することが見込まれる。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均を上回っている主な要因としては、市民病院及び消防本部庁舎を移転するための公益的施設用地取得に係る債務負担行為の設定、農業基盤整備事業に係る債務負担行為の設定、新庁舎の整備に係る借入などが挙げられる。今後については、公共施設の老朽化対策等に係る借入等により、地方債現在高が増加する見込みであることから、将来負担比率も上昇する見込み。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

過去に実施してきた職員数の削減や、職員等の給与の削減、公共施設における指定管理者制度の導入などにより、類似団体と比較して低い数値となっている。

物件費の分析欄

地方公務員法の改正に伴い、臨時職員を会計年度任用職員として任用したことにより、賃金が皆減となったため、前年度比2.8ポイントの減と例年よりも大きな変動となり、類似団体平均と比較して0.6ポイント下回った。

扶助費の分析欄

子ども子育て支援新制度による施設給付費や障害児施設給付費等、児童福祉に係る扶助費が増額となった一方で、改正地方公務員法施行の影響により、扶助費における経常経費充当一般財源等が減額となり、類似団体の前年度比0.7ポイントの減に対し、前年度比1.4ポイントの減となった。

その他の分析欄

補助費等の分析欄に記載のとおり、下水道事業の公営企業会計への移行に伴い繰出金が減額となったこと、及び、病院事業会計への出資金が令和元年度よりも減額となったことにより、前年度比7.5ポイントの減と例年よりも大きな変動となり、類似団体平均と比較して0.3ポイント下回った。

補助費等の分析欄

に記載のとおり、下水道事業の公営企業会計への移行に伴い繰出金が減額となったこと、及び、病院事業会計への出資金が令和元年度よりも減額となったことにより、前年度比7.5ポイントの減と例年よりも大きな変動となり、類似団体平均と比較して0.3ポイント下回った。

公債費の分析欄

過去に借り入れた市債の償還終了等により、地方債元利償還金が減額となったことから前年度に比べて0.6ポイント減となった。今後も引き続き新規発行債の抑制や、借入利率の抑制により公債費全体の抑制に努めるが、新庁舎の建設に係る市債の償還が開始される段階では公債費の増加を見込んでいる。

公債費以外の分析欄

地方公務員法の改正による会計年度任用職員制度の導入、下水道事業の公営企業会計への移行などに起因して、人件費をはじめ各性質別経費における経常収支比率は、近年の動向とは異なる変動となり、公債費を除く経常収支比率は前年度と比べて3.6ポイントの減となった。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

諸支出金が類似団体平均を大きく上回る数値となっているのは、市民病院及び消防本部庁舎等を移転するための公益的施設用地取得に係る債務負担行為の償還によるもの。総務費は前年度と比べて234,316円の大幅な増となっており、主な要因は、特別定額給付金給付事業の実施、新庁舎の建設工事費の増によるもの。教育費は前年度と比べて3,581円の増となっており、主な要因は、小中学校への端末整備事業の実施によるもの。今後は現在も進めている学校教育施設等の老朽化対策に加え、学校給食共同調理場の移転新築などを予定していることから増加が見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和2年度は、特別定額給付金給付事業等の新型コロナウイルス感染症対策事業を実施したため、歳出決算総額は、住民一人当たり642,662円となり、前年度と比べて249,360円の大幅増となった。経費ごとでは、ほとんどの費目で類似団体を下回っており補助費等、普通建設事業費、積立金においてのみ、類似団体を上回る数値となっている。補助費等では、新型コロナウイルス感染症対策として実施した特別定額給付金給付事業の影響により、類似団体と同様に前年度と比べて大幅増となった。普通建設事業費では、新庁舎建設工事による総務費の増が主な要因となっている。積立金では、例年モーターボート競走事業会計から収益金として繰入れているものに加えて、追加で繰入れを行った分について、新たに設置したボートレースまちづくり基金への積立を行ったことにより大幅な増となった。今後は、新庁舎建設事業を始めとする公共施設の更新整備による普通建設事業費の増、それに係る市債の償還に伴い公債費の増加が見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和元年度は、財政調整基金を取り崩していないことから黒字となったが、令和2年度は財政調整基金の取り崩しを行ったため、実質単年度収支が赤字となった。今後は、公共施設等整備基金の残高を確保しつつ、財政調整基金については引き続き標準財政規模の10%程度の残高確保を目指し、財政運営を進めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

前年度に引き続き経費節減に努めた結果、全会計において黒字となった。モーターボート競走事業会計については、電話投票が好調であったこと等により売上が前年度と比べて6.1%増加したため、黒字幅を拡大している。翌年度には、数年間にわたり改修工事を実施してきた新スタンドなどのオープンを予定しており、今後も収益増加に努めていく。水道事業会計、病院事業会計については、新型コロナウイルス感染症の影響により、水需要の低下、医業収益の減少など厳しい環境の中ではあったが、黒字を維持することができた。下水道事業会計については、公営企業会計移行の初年度であったが、黒字となった。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

下水道事業の公営企業法適用に伴う準元利償還金の減などにより算入高公債費等が減となったことから実質公債費比率の分子は前年度に比べて増となった。今後は、下水道事業について順次整備を進めていく計画であることから、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は増加傾向となる見込み。また、債務負担行為に基づく支出額は今後も減少していく見込であり、全体のバランスを見ながらの財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

空港開港に合わせて進めてきた地域整備事業に伴う市債、市民病院及び消防本部等移転のための公益的施設用地取得のための債務負担行為の設定などにより、類似団体と比較して将来負担額が大きくなっている。令和2年度は、地方債の現在高が、新庁舎建設事業に係る借入や新型コロナウイルス感染症の影響による減収補てん債の借入れ等により増となったことで、将来負担比率の分子は増となった。今後は、新庁舎建設事業の実施により、一般会計等に係る地方債の現在高が大幅に増となる見通しであり、将来負担比率も大きくなる見込み。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金は、取崩しによる繰入額320百万円に対して、歳計剰余金処分として500百万円を積み立てたことにより180百万円の増となった。その他特定目的基金については、新庁舎建設事業における新庁舎本体工事の竣工に伴い、市庁舎整備基金の取崩し額が増大したが、新たに設置したボートレースまちづくり基金へモーターボート競走事業の収益金を積み立てたことにより、全体では1,418百万円の増となった。(今後の方針)施設整備に係る計画等も踏まえながら公共施設等整備基金を有効に活用しつつ、財政調整基金については引き続き標準財政規模の10%程度の残高確保を目指し財政運営を進めていく。

財政調整基金

(増減理由)取崩しによる繰入額320百万円に対して、歳計剰余金処分として500百万円を積み立てたことにより180百万円の増となった。(今後の方針)前年度に引き続き、財政調整基金残高として概ね標準財政規模の10%程度の残高確保を目指し財政運営を進めていく。

減債基金

(増減理由)(今後の方針)

その他特定目的基金

(基金の使途)・ボートレースまちづくり基金:市民の安全・安心に係る事業をはじめ市民サービスの維持・向上に資する事業に充当・市庁舎整備基金:市庁舎の移転新築に充当・公共施設等整備基金:公共施設等の整備・改修等・陶業陶芸振興基金:陶業陶芸振興事業に充当・ごみ減量化推進基金:ごみ減量化推進事業及び広域ごみ処理施設整備事業に充当(増減理由)モーターボート競走事業収益としての繰入金の使途の見える化を図るため、新たにボートレースまちづくり基金を設置したことにより皆増となった。新庁舎建設事業における新庁舎の本体工事が令和2年度に竣工したことに伴い、基金取崩し額が増となったため、基金残高が減となった。(今後の方針)常滑市庁舎整備基金については、新庁舎建設事業の実施に伴い取崩しを実施する。公共施設等整備基金については、令和5年度に着工を予定している新学校給食共同調理場建設工事の財源として取崩しを実施する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形資産減価償却率については、昭和40年代後半から昭和50年代後半に整備した施設が多く、整備から40年以上経過して更新時期を迎えていることなどから、類似団体より高い水準にある。今後は、常滑市公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設についての統廃合の検討や、計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設の適正管理に努める。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均を上回っている主な要因は、市民病院及び消防本部庁舎の移転のための公益的施設用地取得に係る債務負担行為の設定、農業基盤整備事業に係る債務負担行為の設定などが挙げられる。また、令和2年度は、新庁舎建設に係る市債の借入などにより地方債残高が増となったこと、新型コロナウイルス感染症に係る地方税の徴収猶予特例により大幅な税収減があったことなどから数値が上昇した。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の新規発行の抑制により、将来負担比率は徐々に低下していたが、令和2年度は、新庁舎建設に係る市債の借入などにより地方債残高が増となったことから数値が上昇した。また、有形固定資産減価償却率についても、昭和40年代後半から昭和50年代後半に整備した施設が多いため、類似団体より高くなっている。今後は、常滑市公共施設等総合管理計画に基づく施設の老朽化対策に努める一方で、事業に係る借入により地方債残高が増加する見込みであることから、将来負担比率は上昇することが見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

中部国際空港のい開港に合わせて進めてきた宅地開発等の基盤整備に係る市債及び公債費に準ずる債務負担行為により、将来負担比率、実質公債費比率いずれも類似団体と比べて高い水準にある。将来負担比率、実質公債費比率ともに、平成25年度以降、行財政改革による投資事業の抑制や新規発行債の抑制などにより徐々に改善してきた。しかし、令和2年度は、新庁舎建設に係る市債の借入などにより地方債残高が増となったことから将来負担比率が上昇した。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は、昭和40年代後半から昭和50年代後半にかけて整備した施設が多いことから、ほとんどの類型において類似団体と比べて高くなっている。道路、橋りょう、港湾漁港施設については、優先度の高い箇所から長寿命化対策を講じている。認定こども園・幼稚園・保育所、児童館、公民館は、常滑市公共施設アクションプランに基づき、施設の統廃合や計画的な予防保全による長寿命化対策を進める。学校施設については、順次校舎の長寿命化を進めている。学校施設のうち小学校のプールについては、中学校のプール及び常滑市温水プールへの集約化を進めている。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎、図書館、一般廃棄物処理施設、市民会館の有形固定資産減価償却率が高くなっている。庁舎及び一般廃棄物処理施設については移転新築、図書館は分散移転を進めている。市民会館については、他施設との複合化など、公民館と合わせて施設機能の見直しを図ることとしている。体育館・プール、消防施設については、常滑市体育館が平成4年、常滑市温水プールが平成12年、消防施設のうち消防本部庁舎が平成23年竣工となっており、比較的新しい施設であることから、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が低くなっている。今後は、常滑市公共施設等総合管理計画及び常滑市公共施設アクションプランに基づき、施設の統廃合や計画的な長寿命化改修など施設の老朽化対策に努める。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から11,450百万円の増加となった。変動が大きかったのは固定資産で、市役所新庁舎の建設により有形固定資産の建設仮勘定が5,463百万円の増となり、モーターボート競走事業会計からの繰入金を新設のボートレースまちづくり基金へ積立てたことなどにより投資その他の資産の基金が3,908百万円の増となった。固定資産全体では、9,765百万円の増加となった。水道事業等を加えた全体会計では、水道事業会計の水道管等のインフラ資産を計上していることなどから、一般会計等と比べて資産総額が多くなっている。令和2年度からは、公営企業法適用に伴い下水道事業会計が全体会計に含まれるため、前年度と比較して資産が66,472百万円、負債が55,092百万円の増となった。特に変動が大きいものは、資産は固定資産のインフラ資産が44,050百万円の増加、負債は固定負債の地方債等が20,555百万円の増加であった。中部知多衛生組合や社会福祉法人常滑市社会福祉協議会等を加えた連結会計では、常滑駅ビル株式会社の解散に伴う減があるものの、資産総額の全体会計との差は令和元年度末が3,366百万円だったのに対し、令和2年度末は4,848百万円と増加した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は27,211百万円となり、前年度比7,270百万円の増となった。そのうち、人件費等の業務費用は10,534百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は16,676百万円。最も金額が大きいのは補助金等(8,792百万円、前年度比+6,154百万円)で、特別定額給付金事業の実施などにより前年度に比べ大幅な増となった。次いで金額が大きいのは、社会保障給付(4,267百万円、前年度比+292百万円)で、今後も高齢化などにより、社会保障給付の増加傾向が続くことが見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、一般会計等に比べて経常収益が60,446百万円多くなっている。一方、モーターボート競走事業会計における競走実施費を物件費等に計上しているため、物件費等が53,130百万円多くなっていることや、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が10,278百万円多くなっていることから、純行政コストは10,088百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が60,997百万円、物件費等が53,967百万円多くなっているなど、経常費用が75,288百万円多くなっており、純経常行政コストは14,292百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等(14,987百万円)及び国県支出金(11,030百万円)の財源が純行政コスト(23,118百万円)を上回ったことから、本年度差額は2,899百万円(前年度比+1,945百万円)となり、純資産残高は前年度と比べ5,751百万円の増加となった。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険事業特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が5,139百万円多くなっており、本年度差額は4,709百万円となり、純資産残高は前年度と比べ11,379百万円の増額となった。連結では、愛知県後期高齢者医療広域連合への国県補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が17,803百万円多くなっており、本年度差額は5,596百万円となり、純資産残高は12,130百万円の増額となった。なお、平成28年度の純資産変動額が大きい要因としては、モーターボート競走事業の地方公営企業法適用に伴い、資本金16,313百万円を計上していることが挙げられる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は3,209百万円であったが、投資活動収支については、新庁舎建設や小学校の大規模改造工事を行ったことなどから△7,571百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債の償還額を上回ったことから、5,181百万円となった。これらにより本年度末資金残高は前年度から819百万円増加し、1,302百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より3,273百万円多い6,482百万円となった。投資活動収支では、水道事業会計において水道本管布設工事、下水道事業会計において支線管渠整備工事、病院事業会計において医療機器の購入を行ったことなどにより△8,080百万円となっている。財務活動収支では、一般会計等と同様に地方債の償還額が発行収入を上回ったことから、6,712百万円となった。これらにより本年度末資金残高は18,292百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より3,739百万円多い6,948百万円となっているが、投資活動収支では、知多南部広域環境組合で新たなごみ処理施設を建設していることから△9,105百万円となっている。財務活動収支は、一般会計等と同様に地方債の償還額が発行収入を上回ったことから、7,399百万円となった。このことから、本年度末資金残高は19,306百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

当団体では、保有している施設に老朽化しているものが多いことから、住民一人当たり資産額が類似団体平均を下回っている。歳入額対資産比率についても、類似団体平均を下回っており、前年度と比較すると、モーターボート競走事業会計からの繰入金を新設のボートレースまちづくり基金へ積立てたことなどにより、資産合計額が増加した。一方、特別定額給付金等の新型コロナウイルス感染症対策事業に係る国庫補助金の増などにより歳入総額も増加したため、歳入額対資産比率は1.08年減少することとなった。有形固定資産減価償却率については、昭和40年代後半から昭和50年代前半に整備された施設が多く、整備から40年以上経過し更新時期を迎えていることなどから、類似団体より高い水準にある。今後は、常滑市公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について統廃合の検討や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っているが、負債の大半を占めているのは地方債で、中部国際空港の開港に合わせて進めた宅地開発等基盤整備に係るものが多くなっている要因である。社会資本等の形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っており、今後も公共施設の更新等に係る市債発行などにより、数値上昇を見込んでいる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、例年類似団体平均を下回っているが、令和2年度は8.4万円の増となった。特別定額給付金等の新型コロナウイルス対策事業の実施などにより、経営経費が増加したことなどが要因と考えられる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、空港開港に合わせて進めてきた地域整備事業に伴う市債の発行等により、類似団体を上回っている。近年は、新規発行債の抑制等により一般会計等に係る地方債現在高は減少傾向にあったが、令和2年度は新庁舎建設に係る借入により増加し、住民一人当たり負債額も前年度と比較して100万円の増となった。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、△3,220百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して新庁舎建設事業を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

経常費用が類似団体と比べて全体的に低いことから、受益者負担比率が高くなっている。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,