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地方財政ダッシュボード

岐阜県海津市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

令和4年度と比較して0.02ポイントの減となり、いまだ全国・県平均を下回っている状況である。普通交付税の合併算定替は令和元年度で終了し、令和2年度からは一本算定となり、額算定の特例を受けることができなくなった中で、「社会福祉費」や「清掃費」、「地域振興費(人口)」の減などにより基準財政需要額は減少した。一方、「地方消費税交付金」や「市町村たばこ税」、「配当割交付金」の増などにより基準財政収入額は増加した。結果として、財政力指数は減となったが、単年度及び3か年平均と同水準を維持している。引き続き、行財政改革の取組みによる歳入確保・歳出抑制を図りながら、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和5年度の経常収支比率は88.8%となり、前年度から0.3ポイントの減となった。比率の分母となる「経常一般財源総額+減税補填債+臨時財政対策債」は地方譲与税や地方交付税等が増となったものの、地方税や臨時財政対策債等の減により、前年度と比べ85,393千円の減となった。一方で、比率の分子となる「経常的経費充当一般財源」も前年度と比べ102,328千円の減となった。主な要因として、人件費が前年度と比べて67,862千円の増、公債費が前年度と比べて38,825千円の増となったものの、物件費が前年度と比べて51,602千円の減、補助費等が前年度と比べて180,326千円の減となるなど全体で102,328千円の減となった。結果、比率の分母・分子ともに減小し、減少率が分母より分子が上回ったことにより、経常収支比率が減となった。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体の平均より低い水準にあるが、全国平均、岐阜県平均と比較すると高い水準となっている。令和5年度の人件費は、令和4年度と比較して45百万円(+1.7%)の増に加え、物件費も15百万円(+0.6%)増加したことから、前年度より5,205円の増となった。当市は公共施設が多く、その施設に係る人件費、維持管理費に費用を要することから、公共施設等総合管理計画に基づいて適正な施設管理に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

令和5年度は、昨年度と比較すると1.1ポイント高い結果となったが、依然として類似団体平均や全国市平均と比較すると、まだまだ低い水準となっている。これまで、他市町と比べると年齢別の給料月額が低かったため、級別基準職務表の見直しを図ったが、今後も人事評価による昇給・昇格制度の見直しを図るなど、職員給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

令和5年度は、類似団体平均を下回っているものの、全国平均、岐阜県平均より高い水準となっている。これまでも、行財政改革の取組みによる事務事業の見直しや指定管理者制度、早期退職制度等の活用により職員数の削減に努めてきましたが、人口減少も多いことから前年度とほぼ同じ水準となっている。今後も自己都合退職者も増加しているなか、定員適正化計画に基づき、計画的な職員採用を実施していく。また、事務事業の見直し等により効率的な組織運営が行えるよう、適正な定員管理に努めていく。

実質公債費比率の分析欄

令和5年度は、類似団体と比較すると1.3ポイント低い結果となったが、全国平均、岐阜県平均より比率が高い水準で推移している。令和5年度の実質公債費比率は7.7%で、昨年度決算に基づく比率(令和2年度から令和4年度までの3か年平均値)8.3%から0.6ポイント減少(改善)した。主な要因は、振興事業基金造成事業(8億円の借入)や化学消防車両購入事業(約41百万円の借入)等の大型事業に係る合併特例事業債の借入について、令和5年度より償還が本格化したことにより元利償還金が増加したものの、水道事業会計(公営企業)に要する経費の財源とする地方債の償還の財源に充てたと認められる繰入金の減などにより減少した。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均、全国平均、岐阜県平均より比率が高い水準で推移している。令和5年度の将来負担比率は29.3%となり、昨年度の32.7%から3.4ポイント減少(改善)した。主な要因は分子を構成する数値が昨年度と比較して約2億9,700万円減少しているためで、債務負担行為に基づく支出予定額の皆増や退職手当負担見込額の増、公営企業の地方債残高の減少に伴う繰入見込額の減などにより減少した。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

令和5年度は、前年度と比較すると0.8ポイントの増、岐阜県平均は上回ったものの、類似団体平均、全国平均を下回った。令和5年度の経常収支比率は、24.6ポイント(前年度対比+0.8ポイント)で前年度とほぼ同水準となった。今後も定員適正化計画に基づき、職員数の適正な管理、行財政改革の取組みによる事務事業の見直しを行いながら人件費の削減に努めていく。

物件費の分析欄

令和5年度は、全国平均、岐阜県平均は下回ったものの、類似団体平均を上回り、前年度と比較すると0.4ポイント減少した。前年度と比較すると、公共施設解体工事費等が増となったものの、コロナワクチン接種会場運営委託料の皆減、電気料金等が減となった。今後も事務事業の見直しを行うとともに、固定経費の適正管理に努めていく。

扶助費の分析欄

令和5年度は、前年度と同じ7.8ポイントとなり、類似団体平均、全国平均、岐阜県平均を下回った。前年度と比較すると、乳幼児等医療費助成(+16百万円)、障害福祉サービス費(+43百万円)が増となった一方で、措置児童費用(-5百万円)、児童手当(-21百万円)が減となった。

その他の分析欄

近年は、類似団体平均、全国平均、県平均より低い水準となっている。令和4令和5年度は、前年度と比較して0.4ポイントの増ではあるが、近年とほぼ同水準となった。今後も、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険それぞれの特別会計についても繰出金の軽減を図るため、保険料等の見直しや経費削減等により、一般会計からの負担軽減に努めていく。

補助費等の分析欄

令和5年度は、前年度と比較するとして1.6ポイントの減となったものの、類似団体平均、全国平均、岐阜県平均を大幅に上回っており、高い比率となっている。令和4年度における介護保険施設の民営化に伴う企業債の繰上償還に係る負担金の皆減(-442百万円)、子育て世帯生活応援給付金の減(-140百万円)などが主な要因である。今後においても、補助費等が上昇に転じないよう、事業の精査を行うなど適正化に努めていく。

公債費の分析欄

令和5年度は、類似団体平均より低い値となっているものの、前年度と比較すると0.5ポイントの増となった。当市は、令和10年度に公債費のピークを迎えることを想定している。合併特例事業債は、令和6年度が最終発行期限となることも視野に入れながら計画的に事業を実施するとともに、今後も地方債の発行を抑制し、公債費の削減に努めていく。

公債費以外の分析欄

令和5年度は前年度と比較すると0.8ポイントの減となり、類似団体平均、全国平均、岐阜県平均ともに下回った。令和5年度の経常収支比率は88.8%で前年度より0.3ポイント下回った。主に物件費及び補助費等の減が要因で今後も既存事業の改廃、歳出抑制を行っていくとともに、歳入においてはネーミングライツ収入や広告収入、ふるさと応援寄附金や企業版ふるさと納税など自主財源の拡充など、自主財源の確保に全力で取り組み、財政基盤の強化を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、ふるさと納税の減による返礼品や委託料、手数料等ふるさと納税関連経費(-34百万円)の減、令和4年度に実施した合併特例債を原資の一部とした振興事業基金への積立金(-849百万円)の減、ふるさと納税の減に伴うふるさと応援基金への積立て(-30百万円)の減、財政調整基金への積立て(-304百万円)の減などにより、全体として1,321百万円の減(増減率-38.6%)となった。衛生費は、新型コロナの5類感染症移行に伴うワクチン接種会場終了による委託料等の関連経費(-106百万円)の減、新型コロナの5類感染症移行に伴うワクチン接種会場終了による医療従事者への報償金(-63百万円)の減、新型コロナワクチン接種等に係る国県補助金過年度返還金(-96百万円)の減、南濃衛生施設利用組合負担金(-45百万円)の減などにより、全体として291百万円の減(増減率-18.6%)となった。一方、農林水産業費は、道の駅「月見の里南濃」に係る土地購入費(301百万円)の皆増などにより、全体として264百万円の増(増減率34.9%)、商工費は企業誘致を推進するための新たな基金の設置・積立により300百万円の増、宙舟の湯を福祉施設から観光施設へ目的変更したことによる関連経費(165百万円)の皆増などにより、全体として509百万円の増(増減率185.3%)となった。また、教育費では、福祉センター解体工事・工事監理委託料(85百万円)の皆増、平田地区体育館解体工事・工事監理委託料等(157百万円)の増、海津町地区の小学校統合整備工事費等(474百万円)の増、歴史民俗資料館リニューアル工事費等(76百万円)の増、学校給食センターのトレー洗浄機等更新工事費の皆減等(-103百万円)により、全体として694百万円の増(増減率30.3%)となった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額における住民一人当たりのコストは559,456円で、前年度より0.1ポイントの増加となった。人件費は、令和4年度の介護保険施設の民営化に伴う整理退職による退職金の皆減等により113百万円の減(増減率-3.9%)となっている。補助費等は、935百万円の減(増減率-27.0%)となっており、介護保険施設の民営化に伴う負担金(-442百万円)の減、子育て世帯生活応援給付金(-140百万円)の減、新型コロナワクチン接種に係る医療従事者への報償、金(-63百万円)の減、下水道事業会計への負担金及び補助金(-91百万円)の減などが主な内容となっている。積立金は、企業誘致を推進するための新たな基金の設置、将来の公共施設の更新需要に備えるための公共施設整備基金への積立てが増となったものの、令和4年度に積み立てた合併特例事業債を財源とした振興事業基金への積立ての減、ふるさと納税の減によるふるさと応援基金への積立ての減、財政調整基金への積立ての減などにより、全体として631百万円の減となった。また、普通建設事業費については、海津町地区の小学校統合整備工事(135百万円)の増、子育て支援拠点施設「こども未来館」整備に係る事業費(263百万円)の皆増、道の駅「月見の里南濃」に係る土地購入費(335百万円)の皆増、介護保険施設の民営化に伴う施設改修費(121百万円)の皆増など、1,178百万円の増(増減率72.4%)となった。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和5年度の歳入決算額は前年度と比べ331百万円の減となった。国庫支出金(-471百万円)の減、繰入金(-330百万円)の減、繰越金(-355百万円)の減が主な要因である。国庫支出金については、主に新型コロナウイルスの5類感染症移行に伴うワクチン接種会場の終了、電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金等のR4実施の各給付事業の終了、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減等により、前年度と比べ470,720千円の減となった。繰入金については、道の駅月見の里南濃に係る用地買収の財源に充てるため公共施設整備基金を185,382千円取り崩したものの、令和4年度における介護保険施設民営化に伴う企業債の繰上償還に係る負担金の財源とするための減債基金取崩の減(-365,893千円)をはじめ、環境施設整備基金など他の基金の取り崩しの減等により、全体として昨年度と比べ330,328千円の減となった。繰越金については、昨年度と比べ355,279千円の減となった。一方、増加要因として、岐阜県土地開発公社に対する貸付金の償還(400,000千円)、R4末の介護保険施設の民営化により廃止した特別会計の清算金等(237,291千円)を一般会計に引き継いで歳入したこと等の単年度限りの要因による諸収入の増(+601,953千円)、海津地区小学校の統合整備、新たな子育て支援拠点施設「こども未来館」の整備、歴史民俗資料館リニューアル工事等の大規模事業の実施による地方債の増(+290,100千円)があるものの、減少要因が増加要因を上回ったことにより、全体として331,368千円の減となった。実質単年度収支額は、399百万円から205百万円となったものの、ここ最近で大きく収支は改善している。今後も一定の財政調整基金を確保しながら、健全な財政運営を行っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

令和5年度の特別会計及び企業会計の純損益は、国民健康保険特別会計が純利益32百万円、介護保険特別会計(保険事業勘定)が純利益26百万円、後期高齢者医療特別会計が純利益19百万円、水道事業会計が純利益122百万円、下水道事業会計が10百万円となっている。標準財政規模比で前年度比較すると、国民健康保険特別会計が1.48%低下、介護保険特別会計(保険事業勘定)が3.76%低下、水道事業会計が1.65%低下している。国民健康保険特別会計は基金に161百万円、介護保険特別会計(保険事業勘定)は基金に371百万円を積み立てたこと、水道事業会計は給水収益の減少等(前年度比較-2.1%)が要因となっている。すべての会計において、連結実績赤字は生じていないが、今後も事務事業の見直し等による支出の抑制に取り組む必要があり、使用料の見直し等による収入の確保など赤字に転じない健全な経営に努めていく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債費比率は、過去3か年における単年度の平均値を用いるため、分子を構成する数値については、令和5年度の数値と除外した令和2年度の数値を比較すると、約140百万円減少している。分子の構造をみてみると、振興事業基金造成事業(令和4年度:800百万円借入)、化学消防車両購入事業(令和3年度:41百万円借入)、海津苑改修事業(令和元年度:210百万円借入)等の大型事業に係る合併特例事業債の借入れについて、令和5年度より償還が本格化(据置期間の終了)したことにより元利償還金は増加した。水道事業会計に対する出資金の財源として、令和5年度に新たに一般会計において一般会計出資債を借り入れたこと等により、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は減少した。また、南濃衛生施設利用事務組合において、過去の大規模事業に係る地方債を令和4年度中に完済したことにより、南濃衛生施設利用事務組合に対する公債費負担金が減少したため、組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等が減少した。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和5年度将来負担比率は29.3%となり、前年度の32.7%から3.4ポイントの減少(改善)となった。将来負担比率の分子を見てみると、前年度と比較して298百万円減少しており、債務負担行為(期間:令和6年度~令和21年度限度額:226百万円)を令和5年度に新たに設定したことにより「債務負担行為に基づく支出予定額」が増加したこと、「退職手当負担見込額」が増加したものの、地方債残高の減少に伴う「公営企業債等繰入見込額」の減少、令和5年度に企業誘致の財源に充てるための企業誘致推進基金を新設(+300百万円)したことや、財政調整基金(+299百万円)、国民健康保険基金(+161百万円)及び介護給付準備基金(+371百万円)を積み増ししたこと等による「充当可能基金」の増加が主な要因である。今後も、歳入確保や歳出抑制により、充当可能基金の減少を抑え、財政の健全化に向け、より一層の行財政改革に取り組んでいく。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金全体では、882百万円を積み立て、383百万円を取り崩したことにより、令和5年度末残高は、前年度末残高と比較して499百万円増加し、6,297百万円となった。増加した要因は、財政調整基金に299百万円を積み立てたこと、企業誘致推進基金に300百万円を積み立てたこと、その他にも公共施設整備基金201百万円を積み立てたことで基金全体が増加した。(今後の方針)基金を積み立てるには歳入確保、歳出抑制により決算剰余金を確保する必要がある。基金への積み立てを困難としていたなか、財政調整基金に令和4年度は603百万円、令和5年度は299百万円を積み立てることができた。今後も基金の取り崩しを最小限にし、基金残高の維持を図っていくとともに、事務事業等の抜本的な見直しと正確な決算見込みを行いながら、財政調整基金に依存しない財政運営を実施していく。

財政調整基金

(増減理由)令和5年度の財政調整基金残高は、2,752百万円から3,051百万円となり、299百万円を積み立てた。今後も、財政規律を維持しながら、財政調整基金に依存しない財政運営を実施していく。(今後の方針)財政需要により、財源が著しく不足する事態に備える必要があるため、今後も歳入確保・歳出抑制により取り崩しを少しでも減らし、基金残高の確保に努める。基金残高の確保については、およそ3,000百万円を目標に積立てを実施してきた。今後の財政調整基金の取崩しは、不足の事態に備えるため、この3,000百万円を維持しながら財政運営を実施していく。

減債基金

(増減理由)令和5年度の減債基金残高は528百万円から580百万円となり、利子分を含めて52百万円の増となった。令和5年度は、臨時財政対策債償還費分として52百万円、基金の運用利子分1百万円の計53百万円を積立てた金額のうち、令和5年度の臨財債償還費相当分として1百万円を取り崩した。(今後の方針)減債基金については、市債残高の推移を正確に見極めた上で、財政運営上、定時償還の財源として備える額を検討しながら積立てを実施していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備金:公共施設整備及び運営に必要な経費に充当教育施設整備基金:教育施設整備に必要な経費に充当ふるさと応援基金:寄附金を財源とし、市のまちづくり事業に必要な経費に充当企業誘致推進基金:企業誘致の推進に要する経費の財源に充当(増減理由)公共施設整備基金:普通建設事業費増の財源に充てるため335百万円を取り崩したが、201百万円を積み増しした(前年度比較:-135百万円)教育施設整備基金:教育施設への整備のため1百万円を取り崩した(前年度比較:-1百万円)ふるさと応援基金:ふるさと応援寄附金を26百万円を積立し、市のまちづくりを推進するため各事業へ45百万円を取崩した(前年度比較:-19百万円)企業誘致推進基金:令和5年度に新設し、企業誘致の推進に要する経費の財源に充当するため、300百万円を積立てした(前年度比較:+300百万円)(今後の方針)公共施設整備基金は、公共施設等総合管理計画に基づく施設改修等を見据えて、後年度の財政需要に備えれるよう積み増しをしていく。また、環境施設整備基金も、下水道事業会計の多額の運営資金が必要(一般会計から毎年度約900百万円の繰出し)になることが見込まれるため、取り崩しによる減少を少しでも抑制し、基金に積み増しをしていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

固定資産全体の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にある。そのため、令和4年3月に公共施設等総合管理計画を改定した。同計画に基づき、公共施設等の更新・統廃合・長寿命等を計画的に実施することにより、財政負担の軽減・平準化を図り、適正な施設保有量の維持に努める。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率について、主に積立基金の増により充当可能財源は増加傾向にあるが、地方債現在高の増等による将来負担額の増、元利償還金の増等による経常経費充当財源等の増により、昨年度より4.7ポイント上昇し、類似団体内平均値を上回っている。今後、改修・更新等が必要となる公共施設等の増加が見込まれる中、基金の積立てを適切に行い、地方債の新規発行については慎重に対処していくことで、持続可能な財政運営を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、財政調整基金等への積立による充当可能基金の増等により減少傾向にある一方、有形固定資産減価償却率は、施設の老朽化等により増加傾向にある。両指標とも類似団体と同様の推移をしているが、類似団体内平均値と比較すると高い水準にある。今後、改修・更新等が必要となる公共施設等の増加が見込まれるなか、公共施設総合管理計画において目標としている「令和33年度までに管理・運用に要する費用を46%削減」に向け、公共施設の適正配置、既存施設の有効活用による効率的な行政経営、点検や診断等の予防保全の推進、民間活力の導入等に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団代と比較して高いものの、前年度より3.4ポイント減少し、29.3%となった。実質公債費比率は類似団体と同程度で推移しており、前年度より0.6ポイント減少して7.7%となった。両指標とも減少傾向にあるものの、今後、改修・更新等が必要となる公共施設等の増加が見込まれるため、基金の積立てを適切に行い、地方債の新規発行については慎重に対処していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が大きく上回っている施設は「認定こども園・幼稚園・保育所」である。これは、子ども・子育て支援系施設の多くが築年数が40年を超えているためであり、減価償却率は97.2%に達している。そのため、令和5年度においては、今尾認定こども園を廃止し、生涯学習センター・平田図書館を改築し新たな認定こども園とし、民間事業者による運営へ移行した。一方、有形固定資産減価償却率が大きく下回っている施設は、「公営住宅」である。これは、令和4年度に築年数40年を超過していた東大城住宅を廃止したこと等によるものである。また、平田総合福祉会館「やすらぎ会館」について、子ども向け図書の貸出し機能を備えた子育て支援施設「こども未来館」として令和6年度のリニューアルオープンに向け整備しているところである。その他の施設についても、老朽化の程度、地域性、市民のニーズ、必要性などを総合的に考慮し、周辺施設との集約化・多機能化や機能転換を検討していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が特に高い施設は「体育館・プール」、「市民会館」、「保健センター・保健所」、「消防施設」であり、それぞれの減価償却率は91.3%、88.8%、74.0%、86.8%に達している。「体育館・プール」については、平田町内の地区体育館を廃止するとともに、平田体育館を長寿命化更新し、集約化を図る。「市民会館」に該当する文化会館については、築40年を超えており市民ニーズ等を踏まえ、周辺の施設との集約化等の今後の方針を検討していく。「消防施設」のうち、防災施設・消防施設についてはその必要性から存続を図るが、老朽化が進んでおり、今後の方針(長寿命化、更新)を検討する必要がある。その他の施設についても公共施設等総合管理計画に基づき、施設の老朽度、地域性、市民のニーズ、利用状況、必要性などを総合的に考慮し、周辺施設との集約化・多機能化や機能転換を検討していく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、資産総額が前年度末から124百万円の増加(+0.2%)となった。ただし、資産総額のうち有形固定資産の割合が76.8%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。・水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体会計では、資産総額は前年度末から1,309百万円減少(▲1.2%)し、負債総額は前年度末から949百万円減少(▲1.8%)した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて、43,482百万円多くなるが、負債総額も下水道管の長寿命化対策事業に地方債(固定負債)を充当したこと等から、32,839百万円多くなっている岐阜県後期高齢者医療広域連合等を加えた連結会計では、資産総額は前年度末から1,589百万円減少(▲1.5%)し、負債総額は前年度末から904百万円減少(▲1.7%)した。資産総額は、南濃衛生施設利用事務組合が保有している建物等の資産を計上していること等により、一般会計等に比べて46,701百万円多くなるが、負債総額も南濃衛生施設利用事務組合の借入金があること等から、33,629百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は15,188百万円となり、前年度より705百万円減少(4.6%)した。業務費用の方が移転費用より上回っているが、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(5,424百万円、前年度比313百万円増加)であり、純行政コストの37.8%を占めている。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。次いで金額が大きいのは補助金等(3,753百万円、前年度比989百万円減少)であり、純行政コストの26.2%を占めている。補助金については、新型コロナウイルス感染症対策関連事業のため令和2年度が突出して規模が大きく、令和3年度から通常通りの規模に戻りつつある。・全体会計では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,072百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が6,204百万円多くなり、純行政コストは7,721百万円多くなっている。・連結会計では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が1,386百万円多くなっている一方、人件費が434百万円多くなっているなど、経常費用が14,187百万円多くなり、純行政コストは12,871百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等の財源(14,380百万円)が純行政コスト(14,349百万円)を上回っており、本年度差額は31百万円となり、純資産残高は11百万円の増加となった。・全体会計では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が3,753百万円多くなっているが、本年度差額は175百万円となり、純資産残高は前年より360百万円の減少となった。・連結会計では、岐阜県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が12,849百万円多くなっているが、本年度差額は9百万円となり、純資産残高は前年より685百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は1,947百万円であったが、投資活動収支については、▲2,218百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が償還額を上回ったことから、208百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から63百万円減少し、778百万円となった。・全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より926百万円多い2,873百万円となっている。投資活動収支では、▲3,503百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が償還額を上回ったことから、108百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から523百万円減少し、3,021百万円となった。・連結会計では、業務活動収支は一般会計等より835百万円多い2,782百万円となっている。投資活動収支では、▲3,529百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行額が償還額を上回ったことから、290百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から462百万円減少し、3,437百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

・住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地について、備忘価格1円で評価しているものが大半を占めているためである。・歳入額対資産比率は類似団体平均をやや下回っており、今年度は前年度比で0.06ポイント増加し、3.21%となった。有形固定資産減価償却率は公共施設の老朽化に伴い、前年度より1.0ポイント増加している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

・純資産比率は、類似団体平均をやや下回っており、近年ほぼ同じ水準で推移している。社会資本形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、今年度は前年度より1.9ポイント増加しており、今年度は類似団体平均を上回っている。新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換を検討するなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

・住民一人当たり行政コストは、類似団体の平均を下回っているが、少子高齢化の進行や生活保護受給者が増加傾向にあると等に伴い、社会保障給付が増加している。今後も社会保障給付の増加が見込まれるなか、医療機関の適正受診の普及啓発等により引き続き費用の抑制に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

・住民一人当たり負債額は類似団体平均を下回っている。・業務・投資活動収支は、基金の取崩収入および基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を下回ったため、276百万円となり、類似団体平均を大きく下回る結果となっている。投資活動収支が赤字となった要因は、地方債の発行や公共施設整備基金の取崩により、公共施設の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

・平成30年度以降、受益者負担比率は類似団体の平均値と概ね同水準で推移しており、令和5年度には前年度比0.1ポイント増の3.8%となり、類似団体の平均値と同一となった。今後も、公共施設等の利用促進を図る施策を通じて、受益者負担の適正化を図っていく方針である。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,