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地方財政ダッシュボード

福島県富岡町の財政状況(2017年度)

🏠富岡町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

原子力発電施設を有する電源立地地域であることにより類似団体平均を上回る税収があるため、財政力指数は0.85となっている。原子力発電施設の減価償却期間の経過により、漸減していた主要税源である固定資産税(大規模償却資産)が、概ね残存価格で推移しているものと思われ、本指数においても同程度で推移している。しかしながら、原子力発電所の事故により、今後の見通しは不透明である。

経常収支比率の分析欄

震災以前から、分母となる経常一般財源においては、減価償却に伴う原発関連大規模償却資産の減等による地方税収入の減等により漸減となったのに対し、分子となる経常的経費充当一般財源においては、滝川ダムやリフレ富岡建設等のために借り入れた償還金に係る公債費、少子高齢化の進展による扶助費、町有施設の維持管理等に係る物件費、下水道整備に係る起債償還費や給付費の増等による特別会計操出金の増などによる固定的経費により経常収支比率は90%以上と高水準で推移していた。27年度に税収の増等から一時的に大幅に減少したが、29年度においては、一部を除く避難指示解除による町内施設の再開に伴う維持管理費の増等、経常経費が増となったことから平成28年度とほぼ同様の値となった。復興・復旧に関するインフラ整備により、新たな維持管理費が発生するが、適切な施設の維持管理や、新規起債の抑制等、財政の健全化に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は前年度比較でほぼ横ばいであるが、物件費等の減により平成28年度から16,701円(約6.1%)の減少となった。しかし、震災以前と比較すると復旧・復興事業に関する委託費等の物件費や、人件費の増加により依然として高い値で推移している。復旧・復興事業の進捗状況に合わせて逓減していくと考えられるが、長期避難により様々な課題が生じているため、今後しばらくは高水準で推移していく見通しである。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均を上回っているが、各種手当の支給基準・支給対象を精査し、制度の趣旨に合致しないものについては、廃止を含め抜本的な見直しを図るなど、より一層の給与の適正化に努める。※ラスパイレス指数については、今年度数値が未公表のため前年度数値を引用

人口1,000人当たり職員数の分析欄

震災対応により慢性的な人員不足を感じており、任期付き職員や派遣職員などで対応している。さらには避難指示区域解除により、町内での通常業務が始まり、町内外に及ぶ震災対応業務等で事務量が増加する見込みであることから、適正な職員数の確保を目指すものの、類似団体平均を上回ることのないよう努める。

実質公債費比率の分析欄

公営企業(公共下水道事業、農業集落排水事業)に対する地方債償還財源の操出金が多額となっているため、類似団体等と比較して高い状況が続いたが、新規借入を抑制し、公債費の縮減を図ったことにより、実質公債費比率は減少し類似団体平均を下回った。今後も取組を継続し、将来世代の負担軽減に努める。

将来負担比率の分析欄

公債費縮減の観点から新規の起債を抑制しているため、地方債の現在残高や債務負担行為に基づく支出予定額が漸減となる見込みである。充当可能基金の取り崩し等による充当可能財源の大幅な減が生じない限りは指数なしとなる見込みである。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

平成23年度から人件費に係る経常収支比率は減少しているが、これは震災による職員数の減(非常勤の特別職)による人件費の減と経常的人件費充当特定財源の増によるものであり、25年度より28年度までは横ばいで推移していた。29年度においては、一部を除く避難指示解除による町内本庁舎での業務再開に伴う通勤手当等の人件費が増加したことにより、28年度より4.2%の増となった。

物件費の分析欄

震災と原発事故による警戒区域設定に伴い、町有施設の維持管理等に係る経常的な物件費が減となったことにより23年度から26年度まで類似団体を下回った。29年度においては、一部を除く避難指示解除に伴う町内本庁舎での業務再開等、町内施設の再開により維持管理経費が増額となったため前年度より1.4%悪化し、類似団体の数値を8%上回った。東日本大震災や原子力災害からの復旧・復興という喫緊の課題を抱えているが、それらの課題への迅速な対応に配慮しながらも、今後も事務事業の効率的執行に努め、経費の節減を図る。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率については、概ね類似団体と同程度で推移していたが、東日本大震災に伴う避難により、避難先で多様なサービスを受けることが可能になったことから社会福祉費が増加し、25年度までは類似団体を上回っていた。29年度は、28年度とほぼ同様の0.1%の減となったが、27年度に市町村類型が変更されたこともあり、類似団体平均を3.9%上回った。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、操出金が主な要因である。これまでに整備してきた下水道施設の維持管理費を公営企業会計へ繰出金として送っているため、その他の経常収支比率が類似団体平均を恒常的に上回っている。下水道関係施設は減価償却が進んでいるため、維持管理に係る繰出金が発生し、今後も高水準で推移していくことが考慮される。

補助費等の分析欄

震災と原発事故による警戒区域設定に伴い、経常的な一部事務組合負担金が減となったことにより、23年度から類似団体を下回っていた。しかし、復旧・復興事業の増加に伴う一部事務組合負担金の増および社会福祉協議会やNPO団体への補助金増などにより、25年度から類似団体を上回った。この状態が今後も続く見通しだが、行政の責任と役割、経費負担のあり方、事業効果等を十分検証し、廃止や統合・再編、減額、終期設定等の見直しを行う。29年度においては広域市町村圏組合への常備消防経費の経常的負担金等の減により3.4%良化した。

公債費の分析欄

公債費は漸減となっており、今後とも新規借入を抑制することで将来世代の負担軽減及び財政の健全化に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率は、震災と原発事故による既存事務事業の執行不能等により、23年度は経常的経費が減額となったものの、類似団体平均を大きく上回った。29年度からは、一部を除く避難指示解除に伴い、町内の公共施設の維持管理経費等が再び発生するため、経常収支比率が更に高い値で推移していくと考えられる。そのため、経費の節減・合理化により、効率的な行政運営を図ることで経常収支比率の改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費においては特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金の基金積立により歳出が増加したことにより、前年度より215,051円増加し類似団体平均を504,932円上回った。民生費においては町内社会福祉施設機能回復工事完了に伴う事業費の減等により16,059円の減となっており、類似団体(平成28年度より市町村類型変更)平均を58,775円下回った。商工費においては商業拠点施設整備完了に伴う事業費の減等により122,116円の減となったが、商業拠点施設の維持管理費等の増により類似団体平均を41,067円上回った。土木費においては、第2期分災害公営住宅整備事業等により、116,247円の増となっており、類似団体平均を252,242円上回った。消防費においては、防災行政無線デジタル化に伴う工事費等の減により、17,088円の減となったが、類似団体平均については5,794円上回った。災害復旧費においては、富岡町文化交流センターの災害復旧工事費等の減により41,764円の減となったが、漁港の災害復旧工事費等、復旧・復興に向けた災害復旧事業により類似団体平均を32,170円上回った。公債費は漸減となっており、類似団体平均を134,668円下回った。今後とも新発債を抑制することとしている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費は震災復興事業に係る職員の増のため、前年度を3,213円上回っているが、類似団体(平成28年度より市町村類型変更)平均を94,097円下回った。物件費は鳥獣処分委託料等の減により、前年度を20,855円下回り、類似団体(平成28年度より市町村類型変更)平均を40,518円下回った。公債費は漸減となっており、類似団体平均を134,653円下回った。今後とも新発債を抑制することとしている。普通建設事業(新規整備)は第2期分災害公営住宅整備事業費等により、類似団体平均を180,372円上回った。普通建設事業(更新整備)は防災行政無線デジタル化工事費や庁舎機能回復工事費の減により、前年度を39,057円下回り、類似団体(平成28年度より市町村類型変更)平均を12,029円下回った。災害復旧事業は、富岡町文化交流センターの災害復旧工事費等の減により前年度を41,764円下回ったが、類似団体平均を32,170円上回った。補助費等は住宅清掃費補助事業の増等に伴い32,872円の増となっているが、類似団体(平成28年度より市町村類型変更)平均を92,222円下回った。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

財政調整基金については、決算剰余金を中心に積み立てるとともに、原発事故に伴う全町避難により、将来的な税収等の一般財源収入が不透明なことから取崩しは必要最低限にするように努めている。29年度においては、震災復興特別交付税の交付額が見込額を上回ったこと等により、実質収支額の標準財政規模比は48.5%となった。前年度と比較すると減少したものの、直近5年間では2番目に高い数値となり、実質収支の黒字に伴い財政調整基金残高の標準財政規模比は前年度比で20.86増加した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

各会計とも赤字額はなく、今後も厳しい歳入状況や東日本大震災・原子力災害からの復旧・復興といった新たな行政課題への対応を行いながらも、限られた財源の重点的かつ効率的な執行に努め、健全な財政運営を行っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

元利償還金等(A)の大部分を占める一般会計の元利償還金等と公営企業債の元利償還金に対する繰入金については、新発債の抑制により毎年度減額となっており、今後も漸減となる見込みである。また、事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費および災害復旧費等に係る基準財政需要額が増加しているため「算入公債費等」が増加している。事業の精査と投資的経費の抑制に努めて更なる財政健全化を目指す。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来負担額のうち地方債現在高、債務負担行為支出予定額、公営企業債繰入見込額については新規借入の抑制により着実に減額となっている。実質収支の黒字による基金への積立及び、基金の取崩しを必要最低限にしていること等により充当可能基金が増加したことで、充当可能財源等が将来負担額を上回り、将来負担額の分子は-9,013百万円となった。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)福島再生加速化交付金基金等の国補助対象復旧・復興事業の財源となる基金への積立や、特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金の基金積立、適切な財源の確保や歳出の精査による財政調整基金の取崩しの縮小等により、当町の基金総額は20,645百万円となった。(今後の方針)東日本大震災及び原子力発電事故からの復旧・復興に向けて様々な課題があり、多様な復旧・復興事業により、町の予算規模はH29年度において過去最大規模となっている。大半を占める復旧・復興事業の財源は国庫支出金等の補助金や震災復興特別交付税が充当されているが、これらの財源措置がいつまで続くかは不透明である。また、警戒区域設定に伴う全町避難により今後の税収は未知数であることから、将来の町の行政運営において、財政調整基金等の比較的自由度の高い基金が重要な財源となる。よって、今後も歳出の精査等による必要最低限の基金の取崩しの継続など、長期間を見据えた効率的な基金運用に努める。

財政調整基金

(増減理由)適切な財源の確保と歳出の精査による基金取崩の縮減や、実質収支の黒字に伴う財政調整基金への積立により、前年度より773百万円の増となった。(今後の方針)東日本大震災以前のH22年度財政調整基金残高が1,558百万円であり、4,322百万円増加している。これは、警戒区域設定に伴う全町避難により将来的な税収等が不透明な当町において予期せぬ事態に対応するための備えでもあり、将来の行政運営における貴重な財源でもある。今後も適切な財源の確保や効率的な行政経費の執行等により、財政調整基金の取崩しを必要不可欠に留めるよう努める。

減債基金

(増減理由)平成26年度を最後に取崩しを行っていないため、増減は預金利子の増額のみであり、直近3年間は284百万円で推移している。(今後の方針)一般会計の元利償還金と公営企業債の元利償還金は、減債基金を取り崩すことなくその年度の一般財源で返済している。財政健全化のために新規借入を抑制しているため、今後も当面の間は取崩す予定はない。

その他特定目的基金

(基金の使途)・特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金基金:福島県内において生じた特定廃棄物の埋め立て処分事業の実施に伴う影響を緩和するために必要な風評被害対策及び地域振興等に係る事業・福島再生加速化交付金基金:福島復興再生特別措置法(平成24年法律第25号)第33条第1項及び第34条第1項に規定する福島再生加速化交付金事業・東日本大震災復興交付金基金:東日本大震災復興特別区域法(平成23年法律第122号)第78条第1項に規定する復興交付金事業等・公共用施設維持運営基金:公共用施設の機能を維持するための経常的な施設の維持運営事業・町勢振興基金:町の町勢振興と町民の福利の増進を図るための事業(増減理由)アクセス道路整備事業に係る再生加速化交付金の基金積立や、特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金の基金積立等により前年度と比べて3,903百万円増加した。(今後の方針)福島再生加速化交付金基金や東日本大震災復興交付金基金に関しては、アクセス道路整備事業等、補助対象の復旧・復興事業の進捗に合わせ随時取崩しを行っていく。特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金基金に関しては、町単独で行う風評被害対策や地域振興に係る事業に随時充当していく。その他の特定目的基金については、基金の使用目的に即した事業に充当することで、行政の効率的な運営や町の活性化につなげていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成29年度に第2期分の災害公営住宅を整備したことで、前年度より0.6%の減となった。しかし、1970~80年代に建てられた学校関係施設や公営住宅をはじめとした施設の老朽化により類似団体平均を上回っている。公共施設総合管理計画の基本方針に基づき、老朽化した施設の統廃合の検討、更新・補修など適切な維持管理に努めていく。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数算定式の分子である将来負担額-充当可能財源がマイナスとなるため、指数なし。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、地方債の新規発行を抑制してきた結果、将来負担額を充当可能財源が上回っているため2年連続で指数なしとなっている。新規借入の抑制を継続していく予定であり、今後も将来負担比率は指数なしが続く見込みである。有形固定資産減価償却率は、類似団体よりも若干高い値で推移しており、施設の老朽化が進んでいる。公共施設総合管理計画の方針に基づいて適切な施設の維持管理に取り組んでいく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は指数なしとなっている。実質公債費比率は新規借入の抑制による元利償還金の減により、毎年逓減している。将来世代の負担軽減、財政健全化のため新規借入の抑制に取り組んでいるため、今後も将来負担比率は指数なし、実質公債費率は逓減していく状況が続く見込みである。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】については、老朽化により類似団体平均よりかなり高い数値となっているものの、東日本大震災からの復旧整備による原型復旧部分と耐用年数延長部分の区分けが困難だったことから、資産計上できていない整備費があり、固定資産台帳上と実際の道路状況で剥離が思料される状況である。今後、道路部分については数値の精査に取り組んでいく予定である。他に、【認定こども園・幼稚園・保育所】、【学校施設】、【公営住宅】が類似団体平均を上回った。特に、公営住宅については減価償却が進んでおり、今後の入居者需要との調整を図りながら統廃合の検討など適切な維持管理に努めていく。【橋りょう・トンネル】については、類似団体平均を大きく下回っているが、富岡町橋梁長寿命化計画に基づき、計画的に修繕していくことで、老朽化対策に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、【図書館】、【体育館・プール】、【保健センター・保健所】、【福祉施設】、【庁舎】が平均を上回った。特に平均を大きく上回った【福祉施設】は老朽化が進んでいるうえ、東日本大震災により大きな被害を受けており、建替えや改修等、解体撤去等の是非について、指定管理者等と協議していく必要がある。【体育館・プール】は、大規模な災害復旧を実施しているが、原型復旧部分が大きいことから、固定資産の増加として計上していないため、減価償却率が高くなっている。【保健センター・保健所】、【消防施設】、【庁舎】は類似団体平均を下回った。【庁舎】は、耐用年数の約半分が経過しており、東日本大震災からの災害復旧を経て、平成29年3月の再開を契機に点検結果や修繕履歴のデータベース化を図るなど、計画的な維持管理に努めている。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度から9,176百万円の増加(+約15.3%)となった。全体会計では、資産総額は前年度から8,954百万円増加(+約13.7%)し、負債総額は7,161百万円の減少(▲約55.7%)となった。資産総額は、災害公営住宅第2期分及び第3期分の購入費や産業団地用地購入費、特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金の基金積立等により増加となった。ただし、一般会計等の増加資産の内、有形固定資産の割合が約48.3%となっており、これらの資産は将来の維持管理・更新等の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、適切な施設の維持管理に努める。一方、負債総額は新規起債の抑制による公債費の縮減及び、過年度財務諸表の負債計上誤りの修正により減少となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストの内、経常費用が11,519百万円となっており、前年度から1,365百万円の減少(▲約10.6%)となった。本庁舎等、大規模な町内公共施設の機能回復工事の完了に伴い、物件費等で1,478百万円減少したことが主な要因である。しかし、平成29年度においても学校施設をはじめとする町内公共施設の機能回復工事費が発生しており、依然として物件費等が経常費用の50.3%を占めている。今後も、町内公共施設再開に伴う維持管理費の発生や、復旧・復興事業に係るインフラ整備費、委託費等により、物件費の割合が高水準で推移することが見込まれる。東日本大震災及び、原子力災害からの復旧・復興という喫緊の課題を抱えているが、公共施設の適正管理による経費の縮減に努める。4.資金収支の状況業務活動収支一般会計等投資活動収支15,00010,000△5,000△10,000△15,000分析:一般会計等においては、業務活動収支は▲2,218百万円となった。投資活動収支は、税収等の不足分を補うために財政調整基金を取り崩したことなどから、2,309百万円となった。財務活動収支については、新規借入を抑制し、公債費の縮減を図っていることから▲373百万円となっており、年度末資金残高は前年度から282百万円減少し2,774百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料の東日本大震災及び原発事故に係る減免分が国庫補助金として収入されることから、業務活動収支は一般会計等と比べて608百万円多い▲1,610百万円となった。財務活動収支は特別会計の下水道整備に係る地方債の償還により、一般会計等と比べ406百万円少ない▲779百万円となった。総じて、本年度末資金残高は前年度から全体で8百万円少ない3,975百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等及び国県等補助金の財源が純行政コストを上回ったことから、純資産残高は15,931百万円の増加となった。平成29年度は、災害公営住宅整備事業、復旧・復興に向けたインフラ整備、其れに係る土地取得経費といった資産的経費の割合が高く、それらの財源には補助金が充当されている。よって、資産的経費に対する補助金の金額が当該年度で計上される一方、資産的経費の行政コストへの計上は、減価償却により徐々になされるため純資産が増加した。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料の東日本大震災及び原発事故に係る減免分が国庫補助金として収入されることなどから、一般会計等と比較して国県等補助金が3,051百万円多くなっており、純資産残高は16,115百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は▲2,218百万円となった。投資活動収支は、税収等の不足分を補うために財政調整基金を取り崩したことなどから、2,309百万円となった。財務活動収支については、新規借入を抑制し、公債費の縮減を図っていることから▲373百万円となっており、年度末資金残高は前年度から282百万円減少し2,774百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料の東日本大震災及び原発事故に係る減免分が国庫補助金として収入されることから、業務活動収支は一般会計等と比べて608百万円多い▲1,610百万円となった。財務活動収支は特別会計の下水道整備に係る地方債の償還により、一般会計等と比べ406百万円少ない▲779百万円となった。総じて、本年度末資金残高は前年度から全体で8百万円少ない3,975百万円となった。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っている。当団体では、東日本大震災に係る施設等の機能回復工事の多くを費用計上していることから、更新等による施設の残存価値の上昇が少ないことが要因のひとつと考えられる。歳入額対資産比率についても類似団体平均を大きく下回る結果となった。全体的に、復旧・復興事業の割合が高く、補助対象事業が多いため類似団体平均より大幅に低い値となっている。今後は、復旧・復興事業の進捗状況に合わせ、歳入額対資産比率も高くなると思慮される。有形固定資産減価償却率は、平成29年度に整備が完了した災害公営住宅第2期分及び第3期分により数値が減少したことで、類似団体平均値を若干下回った。一方で、施設の増加と共に新たな維持管理費が発生するため、従前の公共施設と合わせ、公共施設等総合管理計画を用いた計画的な公共施設の維持管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と比べて16.3%高く、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産は昨年度から約31.4%増加している。補助事業による財源の増加や新規借入の抑制による負債の減少により純資産が増加しているが、復興事業の進捗に伴い将来的に町単独事業の割合増加が見込まれるため、引き続き経費の節減合理化による効率的な財政運営に努める。将来世代負担比率は、新規借入の抑制により着実に公債費が縮減していることから類似団体平均値より大幅に低い1.6%となった。引き続き、新規借入の抑制を継続し、将来世代の負担減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を大きく下回っており、前年度からも7%減少した。東日本大震災の影響で児童館、健康増進センター等、一部施設に係る経費が発生していないことに加え、本庁舎、文化交流センター等の復旧工事が完了したことによる物件費の減少が要因である。今後は、公共施設の再開や、復旧・復興のためのインフラ整備に伴い維持管理経費等の増加が見込まれるため、適切な維持管理により経常的経費の縮小に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体平均を大幅に下回った。新規借入の抑制による公債費の漸減によって、一般会計等の固定負債が類似団体比較で大幅に低いことが考えられる。基礎的財政収支は、基金積立金支出及び基金取崩収入を除いた投資的活動収支の黒字分が、支払利息支出を除いた業務活動収支の赤字分を上回ったため、4,783百万円となっている。人件費の一部に基金繰入金を充当していることや、特定廃棄物埋立処分事業地域振興交付金の基金積立等により、基礎的財政収支が正の値となった。しかし、主に復旧復興事業に係る物件費等により、業務活動収支は赤字となった。今後は、適切かつ効率的な施設の運用・維持管理に努めることで業務活動収支の赤字縮小を目指す。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、昨年度と比較して文化交流センターの再開や、災害公営住宅の供用開始に伴い、経常収益が増加したことで受益者負担比率は1.0%増加した。今後は、利用回数を上げるための取組等により受益者負担の適正化に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,