経営の状況について
当該太陽光発電会計(施設名:長島夢追い元気発電所)は、長島夢追い元気集落活性化事業補助金として、町内各集落の地域活性化の為の補助金を繰り出すことや、本町の景観づくり形成を主な目的として建設。企業債の借入は行っておらず、全額、夢追いふるさと長島景観基金から平成26年度・27年度で借入を行い、それぞれ1年据え置き20年での償還計画を立てている。施設は、平成26年12月に着工、平成27年10月に完成し、同10月29日から売電を開始した施設である。平成27年度決算においては、1年間の売電実績は無く約5ヶ月分のみとなることから、収益的収支比率や、営業収支比率などの経営分析は現時点では、厳しいものとなる。同様に、供給原価やEBITDAの数値が良くないが、今後の経営状況のしっかりとした分析が必要である。以上のことから、本施設の実質的な経営分析は、平成28年度決算から可能となる。
経営のリスクについて
「1.経営状況について」についてでも述べているが、本施設は、平成27年度10月に完成、同月末より売電開始をしており、平成27年度決算では、約5ヶ月分の稼動実績しか無い。このことから、設備利用率は今回の決算では、平均より低いものとなっているが、次年度以降、通年の実績を分析してから判断していくことが妥当と考えられる。修繕費についてもどうようで、今後運用していく中で発生するものであることから、次年度以降の経営状況を分析し、リスクについては判断していくことが重要と考えられる。なお、前述しているとおり、当該施設ででは企業債の借入は行っていないため、経営リスクについては、設備利用率や修繕費比率を特に注視していく必要があると考えられる。また、当該発電施設のFIT収入割合は100%と、全収入がFITで占めていることから、FIT適用期間終了(H47年10月末)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えている。
全体総括
当該施設は、運用を開始してから未だ1年間の売電実績を上げていない開始したばかりの事業(会計)である。平成28年度決算から1年間の実績が出てくることから、次年度以降の経営分析が重要となってくると考えられる。FIT適用終了(H47年10月末)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後、策定を予定している経営戦略のなかで、FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。