経営の状況について
①収益的収支比率100%ですが、これは一般会計繰入金により一応賄えている状況であるが、類似団体と比較すると下回っています。②営業収支比率直近5年間では100%を下回る年度が増えてきている状況です。③供給原価ここ5年間は、全国平均の2~6倍となっており、経営状況は芳しくない。特に平成27年度は、YAWブレーキパッド、増速機高速軸受、カップリングディスクの修繕を行ったことで稼働日数が減ったことにより発電量が減少し、修繕費用がかさんでいる状況です。④EBITDA平成27年度は繰入金により収支均衡となっているため、EBITDAはマイナス数値になっている。過去5年間でも全国平均を下回っており、経営の状況は芳しくない状況です。そのため維持管理経費の削減や維持管理方法の見直し等が必要な状況です。
経営のリスクについて
①施設利用率平成25・26年度以外は風力発電の全国平均を下回っており、特に平成27年度は、大規模修繕があり、修繕費率が55.6%と非常に高く、故障による停止期間が約7ヶ月あったため、設備利用率9%と低い状況となっています。維持管理経費の削減や維持管理方法の見直し等が必要ですが、平成32年には稼働期間が20年となることやFIT調達期間が終了し収入が減少することが見込まれることから早急に事業廃止や民間譲渡を検討する必要があります。②修繕費比率稼動開始から15年が経過しており、老朽化による修繕が増加している状況です。維持管理経費の削減や維持管理方法の見直し等とあわせて、早急に事業廃止や民間譲渡を検討する必要があります。③企業債残高対料金収入比率平成26年度で償還済のため、企業債残高はありません。④FIT収入割合FIT収入割合が100%のため、FIT調達期間終了後は収入が減少するリスクが高い状況です。維持管理経費の削減や維持管理方法の見直し等が必要ですが、平成32年には稼働期間が20年となることやFIT調達期間が終了し、収入が減少することが見込まれることから早急に事業廃止や民間譲渡を検討する必要があります。
全体総括
現在の当該施設の経営状況は芳しくない状況です。さらに稼働開始から15年が経過しており、平成32年度には20年が経過するため、今後も施設設備等の老朽化に伴い修繕等も増え設備利用率が減少するとともに修繕費率が高くなることが予想されます。また固定買取価格制度の適用外となり売電収入が減少することについても想定されるため、維持管理経費の削減や維持管理方法の見直し等を行うと共に、早急に事業廃止や民間譲渡を検討していくことが必要な状況です。