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歳入においては、経済基盤が弱く雇用情勢が厳しいことから、法人市民税、事業所税の法人関係税や固定資産税及び個人市民税が低く税収基盤が脆弱である。また、歳出においては、扶助費や公債費などの需要が多額であり、歳出総額が中核市平均を35.3%上回るなど財政力指数を押し下げている要因となっている。地方交付税に大きく依存しない、自主的かつ安定的な再生基盤を確立するため、今後も産業振興や地域の活性化を図りながら自主財源の根幹である市税収入の確保に努めるとともに、使用料・手数料の適正化や財産収入の拡大などにも積極的に取り組み、改善したい。
歳出においては、経常的経費に要する一般財源が0.5憶円減したものの、歳入において、経常的な一般財源収入である地方税(9.9憶円)、地方交付税(14憶円)、地方消費税交付金(8憶円)が減したことや臨時財政対策債が減(9.5憶円)したことにより、昨年に比べて4ポイント悪化しており、高い水準にあることから、引き続き行財政の改善に努める。
前年度と比較して865円減しており、類似都市平均と比較して1,436円下回っている。これは、がんばらんば長崎市応援寄付推進費が増(2.8億円)増したことにより、物件費が0.5憶円増したことや、小・中学校の維持補修費の増により、維持補修費が1.3憶円増となったものの、職員の新陳代謝等により人件費が減したことによるものである。
平成21年1月からの特別昇給制度の見直しなど、ラスパイレス指数が高い要因であった市独自の制度を国に準じたものに改め、その後も国に準じて給与制度の見直しなどを行っており、類似団体平均よりも低い水準となっている。平成28年度においては、在級年数を国に準じたものに見直したことから、前年度比0.1ポイント上昇となった。今後も国の制度に準じ、給与の適正化に努める。
長崎市行財政改革プラン(計画期間:平成23年度~27年度)では、平成28年4月1日までに正規職員を3,000人体制とすることを目指し、文書配送業務、動物捕獲業務等、住民票等証明書発行業務及び小中学校環境整備業務などの民間委託開始、小中学校給食調理業務及びごみ収集業務の民間委託拡大、大型公園への指定管理者制度導入などに取り組んだことにより、計画期間中に231人の正規職員を減し(7.1%の減)、平成28年4月1日の正規職員は3,036人となったことで、目標はおおむね達成できた。平成28年度も市民会館などへの指定管理者制度導入などに取り組み、平成29年4月1日の正規職員は3,016人となった。今後も、引き続き行財政改革に取り組む中で、得られた効果を業務の「質」が向上する取組みや重点的に取り組む分野へ配分するなど、新たな方向性での検討を進めるとともに、適正な定員管理に努める。
平成28年度において、合併特例債、緊急防災減債事業債などに係る元利償還金が増(10.7億円)したことや、標準財政規模が減(6.4億円)したこにより、0.3ポイント増した。今後は大型事業の実施による公債費が見込まれるが、過去に発行した地方債の償還も進むため、数値が大きく上昇することはないと考えている。
平成28年度決算における主な増減要素【将来負担額】・地方道路等整備事業債の減などにより、地方債現在高が減(13億円)している。・公営企業債等繰入見込額が前年度から減している。(4.6億円)・平成28年度末職員数が、前年度と比べ25人減少(平成28年度退職者数147人)し、2,621人(うち特別職5人)となったことによる、退職手当負担見込額の減少(11億円)している。【充当可能財源】・財政調整基金の積立(18.8億円増)などにより充当可能基金が増加(34億円)
長崎市行財政改革プラン(計画期間:平成23年度~27年度)では、人件費を平成27年度に普通会計で293億円とすることを目指し、住民票等証明書発行業務などの民間委託開始、ごみ収集業務などの民間委託拡大及び大型公園への指定管理者制度導入などによる職員の減並びに新陳代謝などにより人件費割合は減少し、平成27年度決算で274億円となり、目標は達成できた。平成28年度も市民会館への指定管理者導入などにより、平成28年度決算で265億円へ減少した。今後とも民間委託の推進や指定管理者制度の導入拡大、職員給与の適正化などの取組みを通じて、人件費の抑制に努める。
原爆被爆関連経費等により類似都市と比較して高い水準で推移している。原爆被爆者援護費が減したものの、民間保育所等施設型給付が増したことにより、扶助費における経常一財が前年度比4%増したことから、前年度と比較して1.4ポイント増となった。今後も単独扶助費の見直しなどの取り組みを推進する。
補助費等における経常一財は、前年比1.6%増となったことにより、経常収支比率は前年比0.4ポイント増となった。今後も様々な団体等に対する補助金、負担金等について費用負担のあり方等を検証し、継続的に見直しを行いながら改善に努める。
臨時財政対策債や合併特例事業債の増により、公債費の総額は1.4ポイント増となった。今後も、単なる資金手当てにすぎない地方債の発行を抑制するなど、公債費の抑制に努めていく。
歳入において経常一般財源が減したことから、経常収支比率は前年比2.6%増となった。地方交付税に大きく依存しない、自主的かつ安定的な再生基盤を確立するため、引き続き行財政の改善に努める。
将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、実質公債費比率は低くなっており、全体で減少傾向で推移している。これは、過去に整備した地域総合整備事業債が償還満了したことや、将来への負担を軽減させるため、新規の起債発行を抑制していることなどによるものである。今後も引き続き公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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