経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】100%未満で推移しており、これは毎年度、単年度収支が赤字傾向であることを示している。主な原因は、高齢化による人口減少により収益が伸び悩んでいることに加え、企業債償還に係る費用が増加したことにより、また、水洗化率が100%となっているが、総収益のうち約42%は一般会計繰入金で占められており、費用削減に努める必要がある。【企業債残高対事業規模比率】平均値と比較しても比率が高くなっているが、当市の特定地域生活排水処理事業については事業が完了しており、企業債残高のピークは迎えていないものの、今後、減少傾向となってくることから比率は改善していく見込みである。【経費回収率(%)】高齢化による人口減少による収益の伸び悩みに加え、企業債償還に係る費用が増加したことにより、使用料で賄えていない状況が続いており、費用削減が必要となっている。【汚水処理原価(円)】水洗化率100%であることにより有収水量を確保できていることから、平均値よりも低い水準となっており、効率的な汚水処理が実施されている。【水洗化率(%)】水洗化率は100%となっている。しかしながら高齢化による人口減少が発生していることから、今後収入の減少に見込まれる。
老朽化の状況について
特定地域生活排水処理事業については、小型合併浄化槽での整備となっていることから管渠修繕がない。浄化槽については軽微な修繕が発生しているが、今後、老朽化による経費の発生が見込まれることから、投資計画の策定など施設のマネジメントに取り組んでいく必要がある。
全体総括
「経営の健全性・効率性」を示す指標は類似団体と比べ、汚水処理単価・施設利用率・水洗化率は良いものの、収益的収支比率が100%未満で推移していることや経費回収率も悪い状況となっている。また、「老朽化の状況」の指標についても、管渠の更新・修繕は無いものの、今後施設(小型合併浄化槽)の老朽化による修繕費用の増加が見込まれていることから、計画的な修繕により経費削減を図っていくことはもちろん、併せて「適正な使用料」の検討を進めていく必要がある。