経営の健全性・効率性について
各指標について類似団体と比較すると、⑤「経費回収率」については、毎年改善し類似団体平均値を越えており、現状では汚水処理に係る費用を使用料金収入で賄えている状況です。しかしながら、供用開始後間もない区域においては接続率が低く、使用料金収入が少額となっています。⑧「水洗化率」については、昨年より若干ではあるが増加し、類似団体平均値を超えているが、今後も更なる接続率向上に向け、引き続き下水道へ接続の推進に努めるとともに、効率のよい施設維持管理を図っていくことが必要であると考えます。
老朽化の状況について
平成21年度から一部供用開始しており、管渠の耐用年数が50年であることを考えると、老朽化による管渠改善・更新は現時点においては必要ないものと思われます。そのため、管渠の更新等は未実施であり、③「管渠改善率」について当該値は0%となっています。しかしながら、管渠の老朽化も避けられないものであるため、処理施設・設備・管渠等を含めた総合的な維持管理計画の策定や改築・更新に係る財源の確保が今後の課題です。
全体総括
有田川町の公共下水道事業は、平成15年度から着手し、当初計画の面整備(管渠布設工事)については令和3年度末で完了し、令和4年度からは汚水処理場の3系列目増設工事に着手しています。また、有田川町農業集落排水事業との統合整備事業に伴う管渠接続工事も令和3年度より始まり、令和5年度末の統合完了を目指しています。今後も引き続き接続率の向上に努めるとともに、下水道施設を効率的・効果的に維持管理していくことを重点課題として取り組み、限られた財源の下でリスクを極力低減させ、持続的に経営してくことが重要であると考えます。