経営の健全性・効率性について
本市工業用水道事業においては、菊間町の1社に給水を行っている。財務関係の健全性・効率性を示す①から⑥及び⑧の指標を類似団体平均値と比較すると、良好な水準を維持している。「⑦施設利用率」についてはユーザーの需用により増減するが、常に安定して工業用水を供給するために責任水量制を採用していることから、高い「⑧契約率」を維持しており、安定した料金収入に寄与している。「①経常収支比率」及び「③流動比率」は100%を上回って安定している状況であるが、「④企業債残高給水収益比率」は、近年の設備投資(導水管更新、遠方監視制御設備整備等)により上昇傾向にあり、減価償却費の上昇を含め、今後の状況を注視していく必要がある。また、経費節減等の自助努力により、「⑤料金回収率」は100%を上回るとともに、「⑥給水原価」は低下傾向にあるが、経費節減も限界に近く、今後は料金改定等により歳入増加策を検討していく必要がある。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は類似団体平均値と比較して高く、資産の老朽化が進んでいることがうかがえる。「②管路経年化率」は他団体と比較して高くはないが、安定的な工業用水道供給のためにも、更新等の必要性があると認められる場合には、計画的かつ効率的な更新に努めたい。
全体総括
消費税率改定による料金改定を除くと、平成元年4月1日以降は料金改定を行っておらず、健全な事業運営が行われている。しかし、近年は導水管更新、遠隔制御設備整備等の設備投資を積極的に行っており、今後は減価償却費の大幅な増が見込まれる。また、これから耐用年数を迎えるであろう資産の更新に多額の費用が見込まれることから、必要な財源を確保するための経営努力も必要ではあるが、経費削減も限界に近いことから、料金改定等により歳入増加策を検討していく必要がある。