経営の健全性・効率性について
給水先事業所数が12事業所と少なく、料金収入では経営が成り立っていない状況である。事業開始当初から資金不足分(非現金を除く)をすべて一般会計からの繰入金で賄っていることから、現金が伴わない費用の分だけ毎年欠損金が増加している。今後、工業団地に企業が誘致されない限り累積欠損金は増加していくと考えられる。流動比率は企業債償還金を除いた状態で賄えている状況である。企業債残高対給水収益比率は施設整備に係る費用をすべて企業債に依存しており極めて高い状況となっている。給水原価については費用の削減に努めているものの、事業所数が少ないため有収水量が増加せず原価を下げることは難しい状況である。施設利用率及び契約率は1割にも満たなく、今後も企業誘致が進まない状況の場合は事業の見直しが必要である。
老朽化の状況について
管路の半数近くが法定耐用年数を迎えたが、現在の経営状況では更新投資費用の捻出は見込めない。管路更新率が類似団体と比較して高いのは道路改良に伴う移設工事があるためであり、老朽管の改良工事には至っていないのが現状である。
全体総括
料金収入が収益の1割にも満たない状況で、資金不足分をすべて一般会計からの繰入金で補っている。また、施設利用率及び契約率も1割に満たない状況であり、今後も工業団地に企業が誘致されず給水先事業者が増えない場合、施設の更新費用の捻出ができない状況であるため、事業の継続を含め今後検討していかなければならない。