経営の状況について
当初予定以上の発電量があり、売電益も想定を上回っている。売電益については、一部を発電所自体の電気代、施設管理委託料に使用し、残りは全て付帯施設である夏子ダム本体の維持管理費に充てている。一般会計からの繰入れはなく、一般会計へ繰出充当を行っており、経営収支は黒字である。【歳入】事業収入8,755千円【歳出】発電所管理費662千円一般会計繰出6,831千円繰越金(積立金)1,262千円
経営のリスクについて
水力を使用した発電ということで、発電量については比較的安定しているものの、夏場の渇水時の発電量低下や24時間常時稼働(発電)ということでの、想定外の機器等修繕が発生している。精密機器ということもあり、一つの修繕が多額となる。また、今後も年を経過する度に修繕が増加するものと想定される。また、当該施設は徳島県により設置され、その後美馬市へ譲与された経緯より、初期投資に要する経費については企業債を活用していないため、企業債残高対料金収入比率は算出されない。なお、電気収益の全収入がFITで占められており、FIT適用期間終了(H46)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えている。※H28導水管水漏れ修繕※H29発電機内水漏れ(修繕予定)
全体総括
特殊な施設であることから、適切な日常管理や定期的な施設機能診断を的確に実施し、長期的に発電機器の機能保全が図れるよう、計画的な施策を検討し実施する。また、5年、10年を節目とし、機器のオーバーホール等の大規模な修繕が必要となるため、売電益余剰金の有効活用や、ストックマネジメント事業等の補助事業も視野に入れた、管理運営を図る。FIT適用終了(H46)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後策定を予定している経営戦略において、FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。