経営の状況について
本市の電気事業としては、水力発電である布部発電所(225kw)と伯太発電所(95kw)の2施設を運営しており、平成26年度から公営企業会計(法非適用)による会計処理を行っている。両施設とも昭和29年、昭和34年から発電を行っており、施設修繕を行いながら運営を行ってきている。伯太発電所については、固定価格買取制度(FIT)による運営を行うために改修工事を行い、平成28年3月からFITによる運営を開始したところである。経営の状況の指標である収益的収支比率については、平成27年度で256.3%であり、目標値の100%、平均値の118.8%よりも収益の割合が良い状況である。これは、それ以前の地方債借入額が少なく、地方債償還金が少ないことによる。今後、伯太発電所改修事業による地方債償還金が増加する見込であるので、収支バランスに注視する必要がある。また、営業収支比率も平成27年度が284.4%であり目標値の100%、平均値の255.4%よりも良好な状況である。引き続き費用削減に心がけ健全経営を続けていく必要がある。
経営のリスクについて
設備利用率については、平成27年度で66.2%であった。これは、伯太発電所(95kw)の改修事業により発電が出来なかったことによるものであり、改修事業が終了した平成28年度以降については設備利用率が増加する見込である。修繕費比率は平成27年度で16.0%と前年度より増加し平均値よりも高くなっているが、PCB処理に関する経費が計上されており臨時的な経費である。企業債残高対料金収入比率について、平成27年度は1,694.1%と高くなっている。これは、伯太発電所改修事業による企業債残高の増額と、改修事業中により料金収入が少なかったことによるものである。次年度以降は年間通して安定的な料金収入が見込まれている。また、FIT適用施設である伯太発電所の改修事業により、料金収入が平成28年3月分の1ヶ月分の収入しかなかった。それにより、FIT収入割合が12.7%と低い状況であったが、次年度以降は通年での発電を見込んでいるのでFIT収入割合は増加する見込みである。
全体総括
昭和29年及び34年から稼動してきた2つの小水力発電所のみの事業であるが、固定価格買取制度(FIT)による運営に転換するための改修事業を行うものとしている。伯太発電所は平成28年3月からFITによる発電を開始しており、布部発電所についても、今後、改修に向け調査設計等を実施する予定である。よって、経営の状況や経営のリスクを評価するための各種指標については、年度により数値の変動が大きくなることも考えられるが、老朽化している施設を改修し、FITによる安定的な運営を目指し、経営戦略の策定は未着手であるものの引き続き経営の健全化を進めていく。