地域において担っている役割
当院は、救急告示病院として救急患者を受け入れているが、手術を行っていない(休止している)。そのため、近隣の急性期病院で治療を経た患者に、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供しており、主に回復期機能を有した病院としの役割を担っている。また、在宅医療の提供として訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションにより切れ目ない医療を提供し、地域における地域包括ケアシステムの中核を担う病院として役割も果たし、住民の健康維持・増進を図っている。
経営の健全性・効率性について
入院外来単価とも増加したが、患者数が減少したため、医業収益も減少した。施設設備や医療機器等の老朽化に伴い計画的な修繕や更新を行ってきてはいるものの、突発的な修繕で経費が年度により増減がある。空調設備の更新で光熱水費、燃料代の削減が図られた。医師数減や看護師等の定年退職に伴う若年令化により給与費は減少したものの、医業収益の減により給与費比率は増加した。医療連携の強化で紹介逆紹介は増加傾向である。訪問看護、訪問リハビリの充実も含め、住み慣れた地域で安心して暮らせるためより持続可能な病院として健全経営に向け一層の推進を図る。
老朽化の状況について
施設や設備は建築後38年が経過している。施設の老朽化が進み補修や修繕をしながら使用している状況である。経営状況を鑑み緊急性のあるものを優先的に改修、更新を行っている。施設の建替え等大規模な改修については今後町と検討していく。
全体総括
令和2年度の診療体制については、内科常勤医師5人体制でスタート、7月からは3人での体制となり、病床利用率、医業収益とも減少した。経営指標の改善を図るため、経費の削減に努めたものの、電子カルテの更新時期や新型コロナウイルス感染症関連経費の支出が重なり一般会計からの繰入額の増加となった。さらに、新型コロナウイルス感染症に伴う受診控え等も加わり厳しい経営状況となった。医師、看護師不足をはじめ限られた人材や医療資源のなかではあるが、地域住民を対象とした講座や訪問診療、訪問看護、訪問リハビリなど出向く医療を提供し、地域住民の健康維持・増進に貢献できたと考えている。