地域において担っている役割
地方独立行政法人市立吹田市民病院は、平成26年4月1日に公共性・経済性を同時に満たす地方独立行政法人へと形態を変更し、救急医療、小児医療・周産期医療、災害医療及び高度医療などの政策医療を中心に良質な医療の提供に努め、地域の中核病院として、地域に必要な医療を継続して提供する重要な役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
平成30年度は病院移転による患者数減少と病院移転関連費用が増加したことから、①経常収支比率、②医業収支比率ともに減少し、③累積欠損金比率は増加した。また、移転に伴う診療制限があったことから④病床利用率は減少した。⑤入院診療単価について、類似病院平均値を下回っているものの、平成30年度は前年度と比較して、平均在院日数を短縮することができたため、増加した。⑥外来診療単価については、類似病院平均値を下回っているものの、外来化学療法件数の増加により、増加傾向にある。
老朽化の状況について
当院は平成30年12月に新病院へ移転した。旧病院は建設後35年を経過し、機械設備等の経年劣化をはじめとする施設の老朽化が進んでいたが、新病院移転を控えていることもあり、機械設備等の更新を最低限に抑えていた。よって、平成30年度の①有形固定資産減価償却率、②器械備品減価償却率は減小し、③1床当たりの有形固定資産は増加した。
全体総括
・収益面においての対策診療収入の増加には、患者数の確保と診療単価上昇が必要であり、それらの改善に向け、救急患者や紹介患者の受入れ体制強化に取り組んでいる。・費用面においての対策給与費については、時間外勤務の縮減に取り組むとともに、職員の適正配置に努める。材料費については、購入単価を抑えられるよう、ベンチマークシステムを導入する。・老朽化への対応平成30年12月に新病院に移転したことで、老朽化への対応は図られたものと認識している。・今後の経営状況について病院移転後、器械備品の減価償却が終わるまでの令和6年度までの期間は経常収支比率、医業収支比率、累積欠損金比率は厳しい状況が続くが、特に、救急搬送の受入れの強化や紹介患者の増加のための対策を推し進め、安定的な病院運営を維持するため、早期の黒字化を目指す。