経営の状況について
過去5年間において収益的収支比率及び営業収支比率は共に100%を超えており、全国平均と比較しても上回っていることから、経営の健全性は概ね保たれていると判断できる。平成25年度に両指標が急激に上昇しているのは、固定価格買取制度の施行及び売電先の選定方法の変更に伴い、売電単価が上昇し収入が増加したことによる。平成26年度以降は消費税及び地方消費税の支払が増加したことや発電量の減少による収入の低下等の要因で両指標とも漸減傾向にあり、それはEBITDAの数値の推移にも表れている。今後、売電単価の減少が見込まれる中で、収益を維持、改善していく取組が必要である。
経営のリスクについて
設備利用率は概ね全国平均を超えているものの、経年比較では漸減している傾向にある。ごみ発電はごみ処理量によって発電量が左右される特徴があり、発電量の減少が必ずしも効率的な運用ができていないことを意味するものではないが、よりよい設備利用のあり方を検討していく。FIT収入割合は全国平均を下回っているが、これは発電量のすべてが固定価格買取の対象にならないというごみ発電の特性やFIT認定を受けている発電所が1つのみであること等の要因によるものと考えられる。企業債残高対料金収入比率は、全国平均に比べ高い数値となっている。過去5年間において新規の借り入れを実行しておらず、企業債現在高は減少しているものの、料金収入の減少から当該指標の数値が高くなっているものと考えられる。今後も確実な償還を行っていくとともに料金収入の増加による償還財源の確保を目指した取組みが必要である。なお、当該公営企業における設備修繕はごみ焼却施設と併せ一般会計において行っていることから、修繕費比率は算出されない。
全体総括
収益的収支比率や営業収支率は共に100%を上回っているため、経営の健全性は概ね保たれていると判断できる。しかし、経年比較では数値が漸減傾向にあることや企業債残高対料金収入比率が全国平均を上回っていること等を考慮し、将来の負担を増やさないためにも投資と財政のバランスを図りながら事業を推進する必要がある。なお、当市の電気事業については平成29年度より公営企業としては廃止し、一般会計の中で事業を継続している。