経営の健全性・効率性について
令和2年度に地方公営企業法を適用したため、令和元年度以前の数値は全て0となっている。経常収支比率は100%であり、収支均衡ではあるものの、長期前受金戻入を除く収益の8割近くを一般会計繰入金に依存しており、その内の基準外繰入金(使用料等の事業収入で賄うべき経費に対する、財源不足を補填するための公費)は、令和2年度に使用料改定を実施したものの依然存在している。経費回収率は類似団体と比較して優位であるものの、使用料収入では汚水処理費が賄えていない状況である。また、汚水処理原価は、徹底した経営の効率化・健全化の成果として類似団体と比較して優位となっている。施設規模が小さいため、稼働率は良好であり、類似団体と比べ優位となっている。水洗化率は、処理区域が小さく整備も完了済みであるため、100%となっている。
老朽化の状況について
本事業は平井処理区のみで構成されている。有形固定資産減価償却率は類似団体と比較し低いが、これは令和2年度の地方公営企業法の適用時から減価償却累計額を計上しているため、見かけ上低くなっていることに加え、平成15年に供用を開始しており、償却対象資産が比較的新しいことによるものである。償却対象資産の新しさは、管渠老朽化率及び管渠改善率が0%となっていることからも見て取れる。今後は、耐用年数の短い機械・電気設備の一部が更新時期を迎えるが、それに対しては、予防保全型の管理を行うことで機能停止や事故を未然に防止し、ライフサイクルコストの最小化を図る予定である。
全体総括
本事業では、令和2年度に下水道使用料の改定を実施し、経営基盤の強化を図ったところである。平成28年度に策定、令和元年度に改定した今後13年間の経営の基本計画である経営戦略に基づいた運営を行っていき、一定期間ごとに抜本的な改革やストックマネジメント、料金体系の見直しを行うことで、一般会計からの繰入金の削減に努めていく。