経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、平成24年度で過疎・辺地債分の償還が終了したことで改善したが、未だ臨時財政特例債の償還が残っており、100%には至っていない。平成30年度は総収益および総費用の増加により前年度より上昇している。また、総収益の8割以上を繰入金に依存している状況である。経費回収率は、修繕費用の増により低下し、類似団体と比較して劣位であり、使用料収入では汚水処理費が賄えていない状況である。また、汚水処理原価は、汚水処理費用の増加や、有収水量の減少もあり、類似団体と比較して劣位に転じた。施設規模が小さいため、稼働率は良好であり、類似団体と比べ優位となっている。水洗化率は、処理区域が小さく整備も完了済みであるため、100%となっている。
老朽化の状況について
本事業には平井処理区のみがあり、供用開始は平成15年である。したがって、管渠が比較的新しいことから、現時点では更新の必要がないため、管渠改善率は0%となっている。処理場についても、設備の延命化や維持管理費の抑制を図り、予防保全型の管理を行うことで機能停止や事故を未然に防止しつつ、ライフサイクルコストの最小化を図る予定である。
全体総括
本事業では、令和2年度に経営基盤の強化を目的とし、下水道使用料の改定を予定しており、使用料収入の増加により、一般会計からの繰入金を減少させることに期待できる。平成28年度に作成した今後10年間の経営の基本計画である経営戦略を令和元年度に改定、計画期間の延長を行った。当該計画に基づいた運営を行っていき、一定期間ごとに抜本的な改革やストックマネジメント、料金体系の見直しを行うことで、一般会計からの繰入金の削減に努めていく。さらには、令和2年度には、地方公営企業法を適用し、財務・資産の状況を正確に把握することで、効率的で質の高い事業の運営を行っていく。