上田市：上田市立産婦人科病院

地域において担っている役割

医師不足や周産期取扱施設が減少する中で、市民及び里帰り分娩を希望される利用者をお断りすることなく受け入れ、地域で安心してお産ができる公立病院として地域周産期医療を担っている。

経営の健全性・効率性について

少子化の加速や常勤医師1名体制となったこと、里帰り分娩の減少など業務量の減少から、経営指標は大きく悪化し、累積欠損金を計上する経営結果となった。今後も大幅な業務量の増加を見込むことが困難な状況の中で、経費削減として、人件費、診療材料費、施設管理費などの見直しによる経営の効率化を進めるとともに、地域の周産期医療提供体制を踏まえた上で、公立病院が担うべき医療機能及び規模など検証を進めることが必要となる。

老朽化の状況について

平成24年度に新築移転したことから施設本体の老朽化についての負担は当面ないが、一定の対応年数のある医療機器などは保守管理を定期的に実施し、安全性を確保した上で機器の延命化及びライフサイクルコストの平準化による管理を進めていくことが必要。

全体総括

平成30年度は患者数の減少により経営指標が悪化し、累積欠損金を計上する決算となった。少子化の加速により将来的に患者の増加による増収を見込むことが困難な経営環境にあること、医師確保が困難な現状にある中で、地域内における周産期医療提供体制を担う公立病院としての役割を明確にしながら、経費削減として、人件費、材料費及び維持管理経費の削減や、地域周産期医療提供体制の状況を踏まえた上での医療機能・規模に対する検証による経営の効率化を進める必要性が高い状況となった。安定的な周産期医療を提供していくために、運営に必要な一般会計からの補助金を確保しながら、持続可能な経営を維持するためへの一層の努力を行うことが必要な状況となっている。