地域において担っている役割
高度急性期及び急性期医療を担う中核病院として、高度で専門的な医療を提供することに加え、公的病院として、大規模災害時に迅速に傷病者を受け入れる役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、経常収支比率、医業収支比率、累積欠損金比率については、類似病院平均値に近い数値であるが、病床利用率については低い値となっている。今後、救急・紹介患者を円滑に受け入れるなど、入院患者数を増やすための取組みを行っていく。効率性については、後発医薬品の採用拡大に取り組んだことなどから、材料費対医業収益比率は低く抑えられているものの、入院・外来の患者1人1日当たりの収益が類似病院平均値と比して低く、また、職員給与費対医業収益比率も60%を超えていることから、収益増加に向けた取組みが必要となる。
老朽化の状況について
減価償却率が類似病院平均値と比べて高く、老朽化が進んでいると言える。実際に、建設から33年が経過し、施設・設備等の老朽化が著しくなっていることから、医療の質の向上や老朽化への対応を目的として、これまで病棟改修や外来改修等を行ってきた。今後も、病院機能を維持・向上させるための改修工事や設備機器の更新等について、病院のビジョンや中長期的な経営状況、費用対効果等を考慮しながら検討していく予定である。
全体総括
H28年度においては89百万円の赤字となり、H23年度の地方公営企業法全部適用以来、初めての経常損失を計上した。今後は、いかに新規患者を受け入れて入院患者数を増やし、増収・経営安定につなげるかが課題である。また、当院では平成29年度末に第4期経営改善計画を策定しており、この計画に定めた施策を着実に遂行することで、適正な利益を確保していくとともに、富山医療圏における急性期病院として、医療体制のさらなる強化を図り、質の高い医療の提供に努めていく。