経営の状況について
H27の収益的収支比率が大幅に増加した理由は、発電施設を整備した際の他会計からの借入金を戻入することに伴い、収益的収支で一般会計から140,000,000円を繰り入れて資本的収支で他会計からの借入金を戻入したことによる。そのため、営業収支比率も大幅に増加したが、一般会計からの繰入金はH27限りで、売電収入は当初の総定額を上回っており安定した経営ができている。また、将来的に必要となる撤去費用を蓄えている。供給原価は、発電量によって左右され日照時間で数字が変わる。減価償却前営業利益は、H26に歳入で消費税還付金(8,550,000円)があったため数値が高くなり、相対的にH27が減少した。これは、一時的な数値減少のため、収益性の低下に伴う経営改善の必要性はない。
経営のリスクについて
設備利用率は、太陽光発電施設が効率的かつ安定した運用が行えている。修繕比率については、建物等損害保険に加入しているため、自然災害等で修繕の必要が生じても保険でカバーできるようにしている。また、発電施設は、電気系統のトラブルが生じてもメンテナンス契約を結んでいる会社が24時間体制で監視しているので、突発的なトラブルにも対応できるようにしている。企業債残高対料金収支比率が0%であることについては、初期投資に要する経費について企業債を発行せず、他会計からの借入金を初期投資に充てたため、企業債残高対料金比率が算出されない。全収入がFITで占められており、FIT適用期間終了(H45)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えている。※FIT:再生可能エネルギーの固定価格買取制度
全体総括
経営の状況は安定していると言えるが、日照時間の影響で数字の増減が生じているという太陽光発電施設の特性は排除できない。経営のリスクについては、保険への加入や、基金への積立、メンテナンス契約でリスクに対応できるようにしている。FIT適用終了(H45)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後策定を予定している経営戦略において、事業の廃止も含めて検討していく。