経営の状況について
【収益的収支比率】H27年度実績:111.6%(総収益55,382千円、総費用49,625千円)当該事業の総費用のうち98%にあたる48,645千円は太陽光発電に係る発電設備の賃借料及び機器の保守管理経費である。当該事業は事業開始時から包括的リース契約を締結し、毎月のリース料金の中に賃借料と保守管理経費を含む形でリース会社に支払いを行っており、当該経費は契約の変更や消費税率の変更がない限りは大きな変動はないものである。よって、当指標の変動は総収益(発電量)の増減(天候)による影響を大きく受けるものである。【営業収支比率】H27年度実績:111.6%(営業収益55,382千円、営業費用49,625千円)当該事業の営業収益は全て売電収入であり、営業費用は全て発電に係る経費であることから、「総収益=営業収益」「総費用=営業費用」である。このことから当該指標の数値は上段の「収益的収支比率」と同値となる。変動要因は上段の説明と同様に、天候の影響によるものである。【供給原価】H27年度実績:38,709円/1MWh(営業費用49,625千円、発電量1,282MWh)前年同値と比較して+1,558円(前年実績37,151円)増加している要因は天候により前年と比較して発電量が減少したためである。【EBITDA】H27年度実績:5,757千円(≒剰余金の額)前年同値と比較して▲2,134千円(前年実績7,891千円)減少している要因は天候により前年と比較して発電量が減少したためである。
経営のリスクについて
【設備利用率】H27年度実績:14.0%(年間発電量1,281,984kWh、最大出力1,044kW)当指標数値は、水力のように24時間・365日発電可能な発電方法は高い数値が出て、太陽光のように日中の太陽が出ているときしか発電できない発電方法の場合は数値が低く出るものである。よって、当該事業における同数値が他の電気事業平均よりも低い理由は発電方法の違いによるものであると考えられる。また、同数値の変動要因として考えられる大きなものは上段での説明と同様に天候によるものである。他にも機器の整備不良又は破損等で発電量が低下する可能性があるが、機器の保守管理も包括的リース契約の中でリース会社が受け持っており、万が一の不良・破損時にはリース会社が対応をすることになっている。【修繕比率】H27年度実績:0.0%上段で記述した通り、保守管理経費は毎月のリース料金に含まれているために、機器の修繕はリース会社が対応しており、別途当方に費用は発生しない。【企業債残高対料金収入比率】H27年度実績:0.0%当該事業において発生する経費は全て当該事業の収益で賄っており、今のところ企業債等の実績が無いため同数値となっている。【FIT収入割合】H27年度実績:100%当該事業はFITによる20年間の売電を想定して開始した事業であり、発電設備のリース期間もFITの売電期間に合わせて20年間である。FITの売電期間終了後には事業廃止を想定しており、20年間基金に積立てた剰余金を用いて機器を撤去する計画である。(当該事業は芝生広場として整備した公園の雨除け・日除け設備の設置をFITによる売電収入で賄うことを目的としており、計画通りに20年間発電できれば当初の事業目的は達成されるものである)
全体総括
上段で記述した通り、当該事業における収益変動要因として一番影響の大きいものは天候である。他にも機器整備不良又は破損による発電量低下の恐れが考えられるが、リース会社等の民間事業者と連携し、発電能力の維持に努めるものである。このように、事業開始時から包括的リース契約により発電施設のリース契約と併せて施設管理・保守等を民間委託している状況ではあるが、その他の事業改善点等の有無については洗い出しを行っており、現在検討を進めている経営戦略に必要に応じて盛り込みたいと考えている。