西川町：町立病院

地域において担っている役割

当院は町内唯一の医療機関であり、かかりつけ医の機能を充実し、地域の身近な医療機関の役割を担っています。また救急告示病院としても地域医療における役割を果たしています。また、当院の大きな特徴として人工透析医療や在宅医療といった町民の求める医療提供体制のほか、内視鏡を使用した健診等町民の予防医療にも積極的に取り組んでいます。

経営の健全性・効率性について

①これまでは赤字分を一般会計からの繰り入れにより経常収支比率１００％を保ってきたが、２９年度は一定の繰入額にとどまったため１００％を下回った。②⑦⑧病院としての機能、また救急告示病院としての機能から職員給与費の割合が類似病院よりも高くなっているが、材料費などの経費節減に努めている。⑤⑥入院患者一人当たりの収益は増加しているものの、透析患者数の減少により全体としては減少している。④病床利用率は人口減少により類似病院と比較して低い水準にある。今後は新改革プランや地域医療構想を踏まえ、病床数の削減などの検討を進める必要がある。

老朽化の状況について

①建物が40年以上経過しており、有形固定資産減価償却率を押し上げている。②器械備品は、限られた財源のなか、計画的に一定規模の更新購入を行っており類似病院の器械備品減価償却率に近づいている。③当院は病床５０床未満の小規模病院であるが、人工透析治医療や人間ドックなどの予防医療も積極的に行っているため、１床当たり有形固定資産額が類似病院より高くなっている。

全体総括

町の人口減少により医業収益も減少している中、一般会計からの繰入により経常収支比率がほぼ１００％の水準を維持している。今後とも入院患者数の増加は厳しく、医業収益の増加は厳しいと予想される。一方、建物は４０年以上を経過しているが、前述の状況から大規模な建て替えは難しく、修繕を中心とした建物の維持になる。また、医療機器の更新にあっては後年度の財政負担とならないよう、１年間の更新経費の上限を定めるなど計画的に実施する。いずれにせよ、今後の財政状況は厳しいが、町内唯一の医療機関、町民のかかりつけ医としての役割もあり、「新改革プラン」に掲げる事項に取り組むとともに、身の丈にあった経営を行っていく必要がある。