地域において担っている役割
会田病院は、松本市の四賀地区唯一の医療機関として、高齢化等地域特性を踏まえ、一次救急のほか、慢性疾患、リハビリテーション及び在宅医療を担っています。また、現状も担っている高齢者医療を中心に、四賀地域における地域包括ケアシステムにおける医療分野について、住民に身近なかかりつけ医を担います。
経営の健全性・効率性について
H29は、一般病床廃止に伴う、入院患者の減により病床利用率は、H28よりも大幅に減少しています。医業収支比率は、H28よりも3%増加しましたが、これは、一般病床廃止により入院収益は大幅に減少しましたが外来収益の増及び、一般病床廃止に伴う職員減による給与費や材料費の減によるものです。入院収益は減少しましたが、外来収益は外来患者の増及び外来患者1人1日当たり収益の増に伴い、H28から増加傾向です。経常収支比率は、H29は平均値を上回り黒字となりましたが、これは、診療所移行に伴う繰入金増によるものです。材料費対医業収益比率は、H27から増加傾向にあり、特に薬品費が増加しています。薬品費の抑制、削減が不可欠です。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、H29で63.0%と平均値を10.2%上回っています。近年、少しずつ平均値との差が大きくなっており、施設・設備の老朽化が進んでいる状況です。特に有形固定資産の内、医療機器等は、器械備品減価償却率がH29で85.9%と高く、老朽化が進んでいます。1床当たり有形固定資産は、一般病床を廃止したたためH29は増加しました。平均値を下回っており、設備投資を極力抑えた経営状況です。
全体総括
H28は赤字でH29は黒字ですが、病院の運営費不足額について、一般会計から基準外繰入を受けている状況です。四賀地区唯一の医療機関として、持続的に地域医療が提供できるように、平成27年3月に策定した会田病院基本方針により、H28年度末に一般病床を廃止し、H29年度末には療養病床を廃止し、H30から病院から無床診療所へ移行しました。診療所として医業収益増に向けた外来及び在宅医療の充実に取り組むとともに、規模に見合った職員配置の見直しや費用の効率性について検討し費用の抑制、削減に取り組みます。